弐玖-零番

ページ名:弐玖-零番

【プロジェクトNo.29】
【運用目的】繁殖
【開発責任者】
プロジェクトリーダー:御厨 裕輝(ミクリヤ ユウキ)
主任:芳村 治無(ヨシムラ オサム)
【プロジェクトの現状】進行中


【概要】
29-0は、vedaの協力機関である黒蓮(ブラックロータス)製薬のMプロジェクトとの共同研究の被検体です。
実験中に泣き叫ぶ等の反応を示すことはありますが、基本的に従順です。
研究目的の性質と被検体の立場上、当被検体を使った研究の性急な進行は認められていません。
29-0-b(後述。注釈参照)が出現した場合は、その会話を必ず記録し、不要な刺激を与えないよう注意して下さい。


【特別収容プロトコル】
29-0は基本的に黒蓮製薬社長である三五月氏の邸宅で管理され、通学など一般的な学生と同じ生活を送ります。
処方された薬を内服し、定期的にveda管轄の『病院』にて診察・検査、必要に応じた処置を施します。
現在は女性ホルモン優位になるように調整中ですが、ホルモンバランスの影響と思春期特有の精神の揺らぎが見られるため、沢田研究所での管理を行っています。
尚29-0のドリームダイブ行為は単独では推奨しておらず、戦闘実験は禁止しています。


【説明】
黒蓮製薬におけるMプロジェクトは新人類を産み出す母胎として、安定した妊娠出産が可能な両性具有体の開発を目的とした研究でした。
しかしvedaとの共同研究である29番プロジェクトとして再始動するにあたり、その研究目的は「■■■■■■■を産み出すこと」に変更されています。
■■■■■■■は神話上の存在及び社会性昆虫の生殖虫をモデルにしています。
また、29-0はMプロジェクトにおいてはR-02の識別番号を与えられています。


【経緯】
Mプロジェクトの為、vedaが保有する両性具有の被検体(13-0)の卵子を提供し人工授精実験を実施。黒蓮製薬社長である三五月氏との精子とのみ成功。
三五月氏の妻であり、フルエフル財団理事である■■女史を代理母としてR-01が誕生。


この成功例に鑑み、代理母を介さない妊娠出産が可能か引き続き三五月氏の協力の元実験を続行。
結果、人工授精成功より2年後に13-0の妊娠が確認される。
13-0の骨格が男性体に寄っていた為出産は困難を極めたが、自然分娩によりR-02が誕生。


以降は13-0が該当プロジェクトへの協力を拒んだ為、R-01及び02を母胎に研究を継続する方針に変更。


R-01は■歳で妊娠、臨月を迎えたがドリームホルダー化。
その時の侵蝕現象として東京都■■地区一体で流産が多発する事案が確認されている。
同時にR-02のドリームダイブ能力が発現。
R-01の悪夢は02によって閉じられたが、その後の聴取(補遺1)でR-02に13-0と同じ悪夢への長期潜行特性があることが発覚し、記憶処理を行った。


この時R-02が遭遇したゴーント(補遺2)が齎す可能性にvedaの上級研究員である芳村 治無氏と御厨 浩紀氏が着目し、共同研究の運びとなって29番プロジェクトとして再始動した。
尚、記憶処理を行っているにも関わらず、当時の体験を元に形成されたと思われる人格29-0-bが出現することが判明している。



【補遺1】
「ママになった朱ちゃんと何年か過ごして、その間朱ちゃんは数えきれないくらいの子どもを産んでたの。とても苦しそうで、でも嬉しそうで。僕の知ってる朱ちゃんじゃなかった。あの世界のこと、子どもたちの父親のこと、たくさん教えて貰ったの。子どもたちはね、他の夢に旅立っていくんだって」


【補遺2】
「顔がなくて、僕達と同じ……どっちもあるの。黑くて、手? 足? がたくさんあって……朱ちゃんを何度も何度も何度も何度も何度も」



脚注:
黒蓮(ブラックロータス)製薬:veda創立時より協力関係にある製薬会社。現社長は三五月・哉兎(モチヅキ カナト)氏。
朱(あや)ちゃん:R-01の個体名。
29-0-b:29-0より遥かに落ち着いており、不気味な目で此方を覗き込む存在。人格と呼称しているが、人間味が欠如しており、抑揚のない声で預言めいたことを呟く。この人格が出現している時の記憶は29-0にはない。
御厨 浩紀氏:プロジェクトリーダーの御厨 裕輝研究員の父親で現在は海外派遣中の上級研究員。御厨博士の禁止リスト参照のこと。
フルエフル財団:シンガポールに本部を置く政治経済及び科学技術的なシンクタンク。アジアを中心に強い影響力を持っている。vedaについても便宜を図ってくれる存在。

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