四陸-拾七番

ページ名:四陸-拾七番

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【プロジェクトNo.46】篝火計画

(ゆとうふ/東京インソムニア/(c)アルパカコネクト)

【運用目的】夢のより深域への到達

【開発責任者】

プロジェクトリーダー:灯台守

主任研究員:ユーフェミア・アルメリア

【プロジェクトの現状】第17次実験体は一定の成果を見せた。灯台守博士の申請により実働試験を開始する

四陸-拾七番はその遺伝的形質から日本人ではありません。また確保された当時の年齢は5歳程度であると見積もられますがその時点で日本語の発話能力は認められず、またその言語体系は既存のどの言語とも一致しませんでした。これは当人の幼稚な語彙能力、あるいは習熟状況による誤差の範囲外のものです。

この奇妙な言語についての調査は永久に凍結されます。

四陸-拾七番は第16次実験体の失敗が証明された時点で灯台守博士が東京を彷徨っていた所を連れてきた個体です。それ以前の経歴は追う事が出来ませんでした。これまでの実験においてはその神秘性故に先天性色素欠乏症(以下、アルビノと呼称)の個体を利用してきましたが、当個体は概ね中東の性質を持ちます。これはこれまでのような個体では今後の実験には耐えられないとの判断に依ります。しかしながら、我々は神秘的アプローチをあきらめたわけではありません。

【手記】01 02 03

【実験記録】01 02 03 04 05 データ破損

我々は正しかった。

【音声記録】 音声データ破損 下記は最後に確認できた音声データの書き取り

女性(灯台守博士と思われる):「第21回次記録開始」

四陸-拾七番:「もうよろしいですか?」

灯台守博士:「こちらから質問を行う。3秒以内に思い出せない場合は回答の必要はない」

女性(ユーフェミア博士と思われる):「第16次実験体の面会後*1に、何か変わったことは?」

四陸-拾七番:「    様ですか、いえ、特には」(何かを強く叩く音)

ユーフェミア博士:「些細なことでもなんでも良いわ」

四陸-拾七番「はぁ、随分と良くねむれるようになったのは、お会いする前でしたし、そう、そうですね、目が覚めたような心地がします」

灯台守博士:「ふむん、成程。面白い意見ではあるね」

3分16秒ほどノイズ

四陸-拾七番:「はい、とても。今はいつでもお会いできますけれども、できればもう一度【検閲削除】」

ユーフェミア博士:(深いため息)「ありがとう、質問を終了します」

*1この時、第16次実験体には自死を指示。第17次実験体にはそれを摂食する指示を出した。指示は実行された。

 

【補遺】

篝火計画はより神秘方面へのアプローチのため神話の再編と再演が手段として選択された。それは紆余曲折を経て『神の愛』と呼ぶべき法則の回答を得るという方向へ帰結する。世界には神の試練があり、そしてその解決のための手段は既に与えられている。我々は神の意図を知り、そしてその寵愛を得なければならない。我々は黎明の篝火である。故にであればこそ供物が必要だ。優れ、愛され、愛し、そしてある試練に打ち勝ち到達できるだけの供物が。つまるところ、篝火計画の実験体はすべて薪に過ぎない。今のところは

【補遺2】

当該被検体は現在、東京において宗教法人を運営しています。我々の教育の成果か、弊害かその教義や儀式は極めて反社会的であり注意が必要です。しかし、我々の目的には合致しているため監視し秘密裏に保護する必要があります。

この件に関しては灯台守博士に一任されています。

 

 

 

 

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