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機動新世紀ガンダムX | |
---|---|
ジャンル | ロボットアニメ |
アニメ | |
監督 | 高松信司 |
シリーズ構成 | 川崎ヒロユキ |
キャラクターデザイン | 西村誠芳 |
メカニックデザイン | 大河原邦男、石垣純哉 |
音楽 | 樋口康雄 |
アニメーション制作 | サンライズ |
製作 | テレビ朝日、サンライズ |
放送局 | テレビ朝日 |
放送期間 | 1996年4月5日 - 1996年12月27日 |
話数 | 全39話 |
コピーライト表記 | ©1996 創通・サンライズ |
■テンプレート使用方法 ■ノート | |
ウィキプロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ |
『機動新世紀ガンダムX』(きどうしんせいきガンダムエックス、After War Gundam X)は、1996年4月5日から同年12月27日まで(テレビ朝日は12月28日まで)テレビ朝日および一部地方のテレビ朝日系列にて放送されたテレビアニメ。ガンダムシリーズの1作。全39話。略称は「GX」。キャッチコピーは「月は出ているか?」、「君は、生き延びた先に何を見るのか?」(シリーズ第一作のオマージュ)など。
アフターウォー (A.W.) 15年。人類と地球に壊滅的な打撃を与えた勝者無き大戦争、第7次宇宙戦争後の荒廃した地球が舞台。
戦争で孤児となった少年ガロード・ランは、ジャンク屋やモビルスーツ狩りを生業として逞しく生きていた。そこにある依頼が来る。内容はバルチャー艦「フリーデン」に誘拐されたティファ・アディールという少女を取り戻してほしいというものだった。しかしティファに一目惚れしたガロードは、依頼者を見て激しく怯えたティファをつれて逃走。
そしてティファに導かれたガロードは、幻のモビルスーツ「ガンダムX」を発見する。紆余曲折を経て2人は、フリーデン艦長ジャミル・ニートと共に、「ニュータイプ」と呼ばれる人々を探す旅に出る。
『新機動戦記ガンダムW』の後の時間帯に放映された作品であり、テレビアニメのガンダムシリーズで初めてステレオ放送がされた作品でもある[1]。
『ガンダムW』は監督の池田成が中途で辞め、急遽『黄金勇者ゴルドラン』を担当していた高松信司がかわりに起用されていた。ただし高松は最後までクレジットされていない。同作の作業にもだいたい目処のついた頃に、次に製作するガンダムの監督のオファーを受けた。高松はビデオソフトに封入されたインタビュー記事やDVD-BOX封入冊子インタビューで、「1995年11月に突然『ガンダムをやれ!』とサンライズから言われた」という趣旨の発言をしている。また、サンライズプロデューサーの富岡秀行も同じDVD-BOX封入冊子インタビューで、当時「高松を推薦した」と述べている。
「好きなようにやっていい」と言われた高松は様々なアイディアを検討した末、自分の脳裏から離れなかった荒野にただ1機背中を向けてたたずむガンダムのイメージからインスピレーションを得て、この作品の制作に取りかかった。
後述するように制作までの時間がなかったことから、シリーズ構成を担当した川崎ヒロユキが最終的に全話の脚本を手がけた。
前作『ガンダムW』同様、5人の美少(青)年がセールスポイントのひとつに挙げられる[2]が、前作のようなキャラクターを前面に出した作風とは趣が異なる。またエンディングと次回予告の映像を同時進行させたこと、その最後に登場する登場人物の言葉をサブタイトルに採っているのも特徴となっている。第一話のサブタイトル「月は出ているか?」は同作品を紹介した様々な媒体で引用されている。テンプレート:ネタバレ
この作品の大きな特徴は、高松が「ガンダムを考えるガンダム」と述べているとおり、「少年と少女が出会い、彼らと彼らを取り巻く人々がやがては世界を変えていく冒険譚」という物語上にガンダムという作品にまつわる事象がメタフィクション的に多々取り入れられている点である。
メタフィクションの多用は高松の手がけた『勇者特急マイトガイン』などでも見られたが、高松やシリーズ構成・脚本の川崎ヒロユキは、カリスのエピソードを描く中でそういった方向性が固まり、当初は意図しなかったものまで最終的にメタフィクションの方向に落ち着かせるのが自然な流れになるなど、偶然の符合があったことも明らかにしている。川崎と高松の対談において、それらの裏話や後述するD.O.M.Eの声優決定エピソードなどが語られている[3]。制作当初や早い時期から意図していたものとして、次のものが挙げられる。
また川崎は、劇中のニュータイプに対する答えは「ファーストガンダムという作品のテーマ性を卒業しよう」ということを考えながら導き出したものであると語っている[4]。
ファーストニュータイプこと「D.O.M.E.」の声優には、当初『機動戦士ガンダム』でアムロ・レイ役を演じた古谷徹の起用案もあったという。しかし高松の「古谷さんにお願いすると自分の意図する『ニュータイプ』の意味が変わってしまう」という意見で没になり、最終的に自分達の最も言いたい事を表現するのには、物語の語り手に「私」として喋ってもらうことが効果的だと考えて、ナレーション担当の光岡湧太郎に依頼した、というエピソードがある。これにより本作品が三人称ではなく一人称で語られた作品である事が判明する作りになっているが、高松らは「演出的にもつじつまが合っていたし、うまい落としどころだったと思う」と、当初からそういう意図で考えていたわけではなかったこともコメントしている。
テンプレート:出典の明記1993年にスタートしたテレビ朝日製作のガンダムシリーズ枠はその当初から視聴率において低迷が続き、スポンサー離れが進行していた。そのため本作では視聴率の改善が最優先課題に挙げられたが、前述のように前作『ガンダムW』で急遽代役監督として登板した高松が継続して担当することになった事情から本作の企画開始は余裕のない状況で行われた。そのため、高松と川崎の2人によってストーリープロットが決められていき、またキャラクターデザインもその仕事の速さを高松が頼って西村誠芳が起用された[5]。
こうして厳しい船出を強いられた本作は、その後視聴率改善の兆しもなく、プラモデルの売上も前作『ガンダムW』に対して2割減となり、10月改編に際して放送期間の1クール短縮と放送時間の変更が決定された。10月よりテレビ朝日のみ土曜日朝6時に移動し、地方ネット局は元の時間帯のまま裏送りでの先行放送となった。また、元々ローカル番組『新・部長刑事 アーバンポリス24』との兼ね合いで金曜16時30分からの先行時差ネットだった大阪のABCも同様の対応のまま最終回を迎えた。関東をカバーするテレビ朝日が早朝に移動した事で、平均視聴率がそれまでの3.5%から1.2%に下がった[6]。
ただし放送期間短縮を受けて唐突に物語が打ち切られたわけではない。当初の脚本が4週で一つのストーリーを完結させるという形を取っていたため、そのディテールを省く事で、後半年で展開する予定だった物語を駆け足ではあるが3か月分にまとめて完結させている。例えば、エアマスターやレオパルドのバージョンアップはそれまでの物語描写に比べてあっさり行われ、Gファルコンの特殊機能について提示されただけに留まり、最終回ではD.O.M.E.というデウス・エクス・マキナを登場させている。高松はDVD-BOXのインタビューで「ガンダムDXが出たあたりでは短縮は決まっていたが、後半も構想から省略した要素は1つもない」とコメントしている。
2023年現在、TVシリーズの中でもっとも話数の少ない作品であり、SDガンダムフォースと並んで年を越せていない作品である。
SDガンダムを除くTVシリーズの中で2023年現在、唯一小説化されていない作品でもある。また、高価値付加系のプラモデルやフィギュアでも本作の登場機体はあまり商品化されておらず、本作と同じく商品化に恵まれなかった『機動戦士Vガンダム』は近年になって登場機体が積極的に商品化されているのに対し、本作はGUNDAM FIX FIGURATIONでガンダムXが発売されたに留まっており、TVシリーズ作品では唯一マスターグレードでのキット化がされていないが、2010年4月になってHGAW(ハイグレード・アフターウォー)というカテゴリーで ガンダムXが、初の宇宙世紀以外のMSとして発売され、さらに12月にはパーツ及び成形色変えとしてHGAWガンダムXディバイダーが発売されたりと、積極的に商品化され始めている。
その一方で、本作の漫画版が連載されていた「コミックボンボン」のアンケートでは上位に入っていた。
DVD化は2005年1月、DVD-BOXおよび単品が発売された。またDVD-BOX化に伴うタイアップ企画として、本編終了後の9年後のアフターストーリーを描く『機動新世紀ガンダムX〜UNDER THE MOONLIGHT〜』がガンダムエース誌上で連載された。テンプレート:ネタバレ終了
詳細は機動新世紀ガンダムXの登場人物を参照
詳細はアフターウォーの機動兵器を参照
オープニング映像の「テレビ朝日」のクレジットは、『機動戦士Vガンダム』以来、長らく局ロゴではなく普通のテロップとなっていたが、本作の末期は(1996年11月から2003年9月まで使われた)系列ネットワークシンボル導入に伴い、局ロゴが使用された。
各話タイトルは、その話でのキャラクターの台詞から採られている。以下では、サブタイトルとなる台詞を口にしたキャラクターも併記する。なお、脚本は全話を川崎ヒロユキが担当したので、ここでは割愛する。放送日はテレビ朝日の放送日を記述する。
話数 | サブタイトル | キャラクター | コンテ | 演出 | 作画監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 「月は出ているか?」 | ジャミル・ニート | 高松信司 | 森邦宏 | 西村誠芳 | 1996年 4月5日 |
2 | 「あなたに、力を…」 | ティファ・アディール | 渡邊哲哉 | 佐久間信一 藁谷均 | 4月12日 | |
3 | 「私の愛馬は凶暴です」 | シャギア・フロスト | 湊屋夢吉 | 原田奈奈 | 西村誠芳 | 4月19日 |
4 | 「作戦は一刻を争う!」 | ジャミル・ニート | 吉本毅 | 佐久間信一 藁谷均 | 4月26日 | |
5 | 「銃爪(ひきがね)はお前が引け」 | 高松信司 | 森邦宏 | 西村誠芳 | 5月3日 | |
6 | 「不愉快だわ…」 | サラ・タイレル | 西森章 | 南康宏 | 藁谷均 佐久間信一 | 5月10日 |
7 | 「ガンダム、売るよ!」 | ガロード・ラン | 日高政光 | 原田奈奈 | 西村誠芳 | 5月17日 |
8 | 「あの子、許さない!」 | エニル・エル | 西森章 | 吉本毅 | 佐久間信一 藁谷均 | 5月24日 |
9 | 「巷に雨の降るごとく」 | テクス・ファーゼンバーグ | 湊屋夢吉 | 森邦宏 | 西村誠芳 | 5月31日 |
10 | 「僕がニュータイプだ」 | カリス・ノーティラス | 日高政光 | 渡邊哲哉 | 佐久間信一 藁谷均 | 6月7日 |
11 | 「何も考えずに走れ!」 | ジャミル・ニート | 千明孝一 | 原田奈奈 | 西村誠芳 | 6月14日 |
12 | 「私の最高傑作です」 | ノモア・ロング | 西澤晋 | 南康宏 | 佐久間信一 藁谷均 | 6月21日 |
13 | 「愚かな僕を撃て」 | カリス・ノーティラス | 森邦宏 | 西村誠芳 | 6月28日 | |
14 | 「俺の声が聞こえるか!」 | ガロード・ラン | 高松信司 | 渡邊哲哉 | 佐久間信一 藁谷均 | 7月5日 |
15 | 「天国なんてあるのかな」 | ロアビィ・ロイ | 西森章 | 原田奈奈 | 筱雅律 | 7月12日 |
16 | 「私も人間(ひと)だから」 | ティファ・アディール | 日高政光 | 南康宏 | 西村誠芳 | 7月19日 |
17 | 「あなた自身が確かめて」 | 西森章 | 森邦宏 | 佐久間信一 藁谷均 | 7月26日 | |
18 | 「Lorelei(ローレライ)の海」 | オルバ・フロスト | 谷口悟朗 | 西村誠芳 | 8月2日 | |
19 | 「まるで夢を見てるみたい」 | ルチル・リリアント[7] | 日高政光 | 筱雅律 | 8月9日 | |
20 | 「…また逢えたわね」 | エニル・エル | 渡邊哲哉 | 佐久間信一 藁谷均 | 8月16日 | |
21 | 「死んだ女房の口癖だ」 | カトック・アルザミール | 西森章 | 南康宏 | 西村誠芳 | 8月23日 |
22 | 「15年目の亡霊」 | 森邦宏 | 佐久間信一 藁谷均 | 8月30日 | ||
23 | 「私の夢は現実です」 | ティファ・アディール | 湊屋夢吉 | 原田奈奈 | 西村誠芳 | 9月6日 |
24 | 「ダブルエックス起動!」 | ガロード・ラン | 高松信司 | 渡邊哲哉 | 筱雅律 | 9月13日 |
25 | 「君達は希望の星だ」 | リー・ジャクソン | 南康宏 | 佐久間信一 藁谷均 | 9月20日 | |
26 | 「何も喋るな」 | ウィッツ・スー[8] | 西森章 | 岡本英樹 | 西村誠芳 | 9月27日 |
27 | 「おさらばで御座います」 | リー・ジャクソン | 東海林真一 | 森邦宏 | 佐久間信一 藁谷均 | 10月5日 |
28 | 「撃つしかないのか!」 | ガロード・ラン | 湊屋夢吉 | 越智浩仁 | 西村誠芳 | 10月12日 |
29 | 「私を見て」 | ティファ・アディール | 西森章 | 渡邊哲哉 | 佐久間信一 藁谷均 | 10月19日 |
30 | 「もう逢えない気がして」 | 東海林真一 | 原田奈奈 | 西村誠芳 | 10月26日 | |
31 | 「飛べ、ガロード!」 | ジャミル・ニート | 西森章 | 南康宏 | 佐久間信一 藁谷均 | 11月2日 |
32 | 「あれはGファルコン!」 | ランスロー・ダーウェル | 日高政光 | 岡本英樹 | 西村誠芳 | 11月9日 |
33 | 「どうして俺を知っている!?」 | ガロード・ラン | 越智浩仁 | 藁谷均 | 11月16日 | |
34 | 「月が見えた!」 | 森邦宏 | 西村誠芳 | 11月23日 | ||
35 | 「希望の灯は消さない」 | カリス・ノーティラス | 渡邊哲哉 | 佐久間信一 藁谷均 | 11月30日 | |
36 | 「僕らが求めた戦争だ」 | オルバ・フロスト | 高松信司 | 南康宏 | 西村誠芳 | 12月7日 |
37 | 「フリーデン発進せよ」 | ジャミル・ニート | 東海林真一 | 原田奈奈 | 佐久間信一 藁谷均 | 12月14日 |
38 | 「私はD.O.M.E…かつてニュータイプと呼ばれた者」 | D.O.M.E. | 越智浩仁 | 西村誠芳 | 12月21日 | |
39 | 「月はいつもそこにある」 | ナレーター | 高松信司 | 森邦宏 | 西村誠芳 佐久間信一 藁谷均 | 12月28日 |
ロボットアニメのクロスオーバー作品に本作の機体やキャラクターが登場し、本作の物語も再現されている。
そのほか『Gジェネレーション』シリーズにも登場している。
金曜17時00分-17時30分
時差ネット
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テンプレート:脚注ヘルプ
テンプレート:前後番組
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