ファッションに強いこだわりを持つエリザベス1世が即位し、独自の過剰装飾ファッションを打ち出しました。
エリマキトカゲだったりアコーディオンだったり、とにかく衿がすごい時代です。
スカートの整形下着「ヴェルチュガダン」「ファージンゲール」が生まれ、スカートもどんどん大きくなり人工的な形になっていきます。
布の切れ目から下着をチラ見せする「スラッシュ」もオシャレ装飾として大ブームになり、全身スラッシュだらけの人も出てきました。現代でも「破れたジーンズ」が流行ったことがありましたが、あれどころではありません。
GeorgeGower「クイーンエリザベス」1500年代
ド派手ファッションリーダーのエリザベスです。彼女も少女時代はまだ大人しかったのですが…。
ニコラス・ヒリアード「エリザベス1世」1575年頃
大流行したラフ・カラー。息苦しそう。なぜ頭に蜘蛛の巣が?と思ったら、よく見たら薄いヴェールの描写のようです。
「エリザベス1世」1600年頃
扇のように立ち上がった衿(メディチ・カラー)、全面のスラッシュ、大きな肩、大きなスカート。何が彼女をここまでさせるのか。
「エリザベス1世」1572年頃
ソフォニスバ・アングイッソラ「ミネルヴァ」1564年
「暗色の服は道徳的」という当時の宗教的倫理観に従い、黒っぽいドレスが流行ります。
ソフォニスバ・アングイッソラ「スペイン貴族」1574年
アーニョロ・ブロンズィーノ「ルクレツィア・ディ・コジモ・デ・メディチ」1565年頃?
ソフォニスバ・アングイッソラ「マントヴァ公妃」1561年
ソフォニスバ・アングイッソラ「フェリペ2世の肖像を持つエリザベート」1561年頃
振袖のように垂れ下がる袖「ハンギングスリーブ」が流行りました。
ソフォニスバ・アングイッソラ「スペイン王妃エリザベート・ド・ヴァロワの肖像」1605年
アレッサンドロ・アッローリ「イザベッラ・デ・メディチ」1562頃?
Francois-Clouet「フランス王妃エリザベス」1571年
大量のスラッシュが繭のようですね。
ソフォニスバ・アングイッソラ「エリザベートの子供達」1570年
子供にはもっと動きやすい服を着せてあげてほしい…。(´・ω・`)
ですが、この時代「子供服」という概念は存在しないため、容赦なく大人服と全く同じデザインの服を着せられます。
フランス・ポルビュス「ヘンリエッタ・マリア」1611年
せめて子供にはこっちのタイプの衿にしてあげてほしい。
ピーテル・パウル・ルーベンス 「ブリジーダ・スピノラ=ドリア侯爵夫人」1606年
全盛期の育ちすぎたラフ・カラー。お皿に置かれた生首みたいでコワイ。針金が入っているものはギシギシうるさかったとか。
ルーベンス「イサベル・クララ・エウヘニア王女」1615年
ラフ・カラーが顔の周りの集中線みたい。
前身頃の海ブドウのような装飾はきっと全部宝石。
「エリザベス・ステュアート」1620頃?
「マルグリット・ド・ヴァロワ」1573年頃?
下向けなそう。
「マルグリット・ド・ヴァロワ」1573年頃?
ニコラス・ヒリアード「ジェームズ1世の王女でプファルツ選帝侯フリードリヒ5世妃エリザベス」1605年頃
ニコラス・ヒリアード「ペンブローク伯爵夫人メアリー・シドニー 」1590年頃
ニコラス・ヒリアード「ヒリアードの妻アリス」1578年
ニコラス・ヒリアード「ナバラ王エンリケ2世王妃マルグリット・ド・ナヴァル」1577年頃
ソフォニスバ・アングイッソラ「ミネルヴァ、アミルカーレ、アスドルバーレ、アングイッソラ家の肖像」1557年
左の子がデニムを着てるように見える。
ヤーコブ・ヨルダーンス「画家と家族の肖像」1621年
ヴァン・ダイク「ロメリーニ家の肖像」1626年頃
ルーベンス「ルーベンスとイザベラ・ブラントの肖像」1609年頃
アンソニー・ヴァン・ダイク「スナイデルス夫妻」1610年頃
アントニス・モル「イングランド女王メアリー1世像」1554年
ソフォニスバ・アングイッソラ「自画像」1610年
ヴァン・ダイク「エレーナ・グリマルディの肖像」1623年
ピーテル・パウル・ルーベンス「マリー・ド・メディチの肖像」1622年
この肖像画のメディチさんが好んで着けてたことから、このタイプの衿を「メディチ・カラー」と言います。
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