ゾードン(パワーレンジャー)

ページ名:ゾードン_パワーレンジャー_

登録日:2023/04/28 (金) 08:17:28
更新日:2024/07/05 Fri 13:14:36NEW!
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パワーレンジャー パワーレンジャーシリーズ 司令官 生首 ゾードン 不思議仙人バーザ




「アルファ、リタが逃げた。
正義感の強い若者を集めよ!」



アメリカの特撮テレビドラマ『パワーレンジャーシリーズ』の登場人物。
演者はシーズン1第36話まではデビッド・フィールディングが演じたが、それ以降はホブ・マナハンがライブラリ映像を吹き替える形式に。
『MMPR劇場版』ではニコラス・ベル、『ターボ』以降はウィストン・リチャーズに交代し、声は引き続きホブ・マナハンという形式で演じられた。


【人物】

宇宙の彼方にあるエルター星出身の異星人で、「善の支配者」「時空間に閉じ込められた浮遊体」と称される超越的存在。
舞台となる世界におけるパワーレンジャーの生みの親にして、パワーレンジャーシリーズにおける最初の司令官ポジション。
外見は巨大な白い生首だが、これは1万年前の戦いで魔女リタ・レパルサ(魔女バンドーラ)の術によりエネルギーチューブに閉じ込められた副作用によるもの。
回想シーンでは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』で多々良純が演じた不思議仙人バーザが元の姿として扱われている。


シリーズ当初は単にリタやロード・ゼッドと敵対関係にある存在という扱いだったが、シリーズが長期化するにつれて水の惑星アクェイターや惑星KO-35といった「宇宙の善の勢力」の代表的な存在ということになり、宇宙各地の発展途上の文明圏が悪の勢力に狙われた際、これを庇護することを主な行動理念としている……という風に位置づけられた。


基本的にゾードンのスタンスは「当事者となる文明に武力的下地を与え、侵略の脅威を自力で撃退できる段階まで導く」という方向で一貫している。
無論、侵略者の撃退ないし討伐のためには助力を惜しまないものの、あくまで当事者が自力で平和を勝ち取るための助力に留めており、パワーレンジャーの武器やゾードを大量生産して軍隊のような組織にするような真似は決してしないが、パワーレンジャーとなった者が自身の与えたテクノロジーを応用して自力で武器やゾードを作ることは止めない。
パワーレンジャーのメンバーに兵士などの「戦闘のプロ」ではなくティーンエイジャーを指名するのも、彼らが「未来の希望」を担う存在だからという考えに基づく方針である。
とはいえ、決してただ安全圏から口を出しているだけの存在ではなく、事情が事情なので最前線には出られないものの、平和のために命を懸ける使命感はレンジャー達にも劣らない。


優れた科学者にして魔術師であり、ホワイトレンジャー(キバレンジャー)とショーグンゾード(巨大獣将/無敵将軍)を除き『ゾードン編』に登場した戦力は、ほぼゾードンかその関係者の手によって作られたものである。
また、千里眼及びサイコメトリのような力を持っており、モンスターが出現すれば直ちに察知するばかりか、敵の能力もその場で把握できる。


司令官としては非常に優秀だが、シーズン3では装備・戦力は必要最低限しか提供しないという方針が裏目に出て、リタの弟・リト(ガシャドクロ)にサンダーゾード(気伝獣/気伝武人)及びパワーコインを破壊されて全ての手札を失い、レンジャー達がパワー神殿へ赴かなければならない状況に陥ってしまうなど、決して完全無欠の存在というわけではない。
とはいえ、ゾードンも『ジオ』以降はコマンドセンターの地下に新たな司令室を用意したり、保険を掛けたりと、「与える戦力は下地のみ」という当初の方針はそのままに、きちんと同じ轍は踏まないように対応している。


【来歴及び劇中における活躍】

遥か太古、舞台となる宇宙で初めて莫大なエネルギーを産出し続ける異空間「モーフィン・グリッド」を観測。
そのパワーを用いてニンジャー(ニンジャマン)及び惑星KO-35の科学者と共に「パワーレンジャー」の装備を開発、宇宙の善のために活動するようになったとされている。


マイティ・モーフィン・パワーレンジャー

シーズン1第1話より1万年前、ロード・ゼッドの命令で魔女リタとその一味が地球に襲来。
当時の地球の若者にパワーレンジャーの力を与えてこれを迎え撃った。
後にエンジェルグローブと呼ばれる地で決戦を繰り広げ、お互いに封印術を掛け合った末、リタ一味を封印することには成功したが、それと引き換えに自らもエネルギーチューブに閉じ込められる結果となり痛み分けに終わる。
以降は地球に滞在すると同時に秘密基地「コマンドセンター」を設立し、リタの復活に備えた。
(『パワーレンジャー・メガフォース』のゴセイの発言によれば、ゴセイやロボナイトが誕生したのがこの前後)


このような非常手段を取ったのは、詳細な経緯は劇中では語られないものの、「当時グリーンレンジャーの変身装備をリタに奪われた」などの情報から、地球サイドが劣勢に追い込まれた末の苦し紛れの決断であったことが示唆されている。


そして現代、宇宙飛行士が宇宙ゴミ箱の中に封じられていたリタを偶然にも復活させてしまったため、自らも活動を再開。
自身が選んだ5人の正義感あふれる若者と共に戦いに身を投じることになる。
途中、リタに操られたグリーンレンジャーことトミー・オリバーが参戦して危機に陥るも、ジェイソンの尽力の末にトミーは洗脳を解かれ、再びグリーンレンジャーを自陣営に迎えることができた。


その後もパワーレンジャーがリタ一味の悪事を撃退し続けたのを受けて、ついに悪の黒幕ロード・ゼッドが自ら動き出した。
ゼッドの執拗な追撃が続く中、不安定だったトミーのレンジャーパワーは完全に消失してしまい、ゾードンは自らの命を削ってトミーに新たなパワーを与え「ホワイトレンジャー」として新生復活させ、レンジャーの新リーダーに任命する。
その後も留学のため引退したメンバーに代わって後継者となったロッキーら新メンバーを率いて戦いを続けた。


しかし、今度はリタの弟リト、さらにリタの父親であるマスター・ヴァイル(妖怪大魔王)までが戦線に加わった。
ジオ・クリスタルを使い地球を支配しようとするヴァイルの企みをレンジャー達がジオ・クリスタルを5つに分断することで阻止するが、ヴァイルの魔力によりレンジャー達は子供にされてしまい戦えなくなってしまう。
この非常事態を受け、ゾードンは惑星アクエィターを守るエイリアンレンジャー(カクレンジャー)に救援を要請し、彼らに地球の防衛を任せて、その間にレンジャー達を行方不明になったジオ・クリスタルを探索する旅に出した。


『マイティ・モーフィン・エイリアンレンジャー』『パワーレンジャー・ジオ』

争奪戦の末に5つのクリスタルを集めたレンジャー達は元の年齢に戻れたものの、リトとゴルダー(グリフォーザー)にコマンドセンターを破壊されてしまう。
ところが、そんなこともあろうかとゾードンは新たな基地・パワーチェンバーをすでに用意しており、そこに避難していたため難を逃れる。
さらに、コマンドセンターを破壊したと思い込んだリタ一行は、宇宙から侵略に襲来した新たな勢力「マシン・エンパイア(マシン帝国バラノイア)」の攻撃を受け、抗争に敗れた末に宇宙に潜伏。
混迷する事態の中で、ゾードンは新たな戦士「ジオ・レンジャー」へと進化したレンジャー達、そしてトリフォリア星の王トレイ(キングレンジャー/リキ)からゴールドパワーを託されたジェイソンと共に、マシン・エンパイアの脅威に立ち向かうことになる。


パワーレンジャー・ターボ

戦いの末にマシン・エンパイアを撃退したレンジャー達だったが、今度は『ターボ劇場版』にてパワーレンジャーに結婚式を妨害された女宇宙海賊・ディバトックスとその一味が復讐を兼ねた地球侵略のために活動を開始。
エンジェルグローブ高校に飛び級で入学してきたジャスティン少年を新たなメンバーに迎え、これに立ち向かう。


ところがこの時期にゾードンが一時的ながらエネルギーチューブから脱出できるということも発覚。
逃せば次がいつになるか分からないこの出来事に、ゾードンは知己のインクィリス星人・ディミトリアに司令官の役割を託し、レンジャー達に見送られながらラルゴ(ダップ)の協力の下でアルファ5を連れて数万年ぶりに故郷へ帰還する。


……が、この選択は致命的な悪手であった
T.Jら新メンバーへのパワー引き継ぎにも立ち会うなど、ゾードン自身は地球との接点を絶ってはいなかったが、レンジャー達と別れたこの機を逃さなかったダーク・スペクターにより、エルター星を襲撃され捕らえられてしまう。
これにより宇宙の善の勢力は大きく勢いを失い、逆にダーク・スペクターは宇宙各地の悪の勢力に連合を呼び掛けて一大勢力を結成。
レンジャー達もディバトックス一味との死闘の末にパワーを失い、宇宙は未曽有の危機に陥る……。


パワーレンジャー・イン・スペース

アンドロス/レッドスペースレンジャーの潜入調査により、ダーク・スペクターによりパワーを搾取するために生きたまま捕らえられているという事実が発覚。
アンドロスと地球のレンジャー達の手で奪還作戦が何度か試みられたが、ダーク・スペクターの方が一枚上手で、ゾードンの救出が叶う前に軍備の拡張を完了しきったダーク・スペクターの命により全宇宙の悪が一斉に宇宙各地への侵攻を開始。善と悪の最終戦争が始まってしまう。


戦局はダーク・スペクター率いる悪の勢力の方が圧倒的に優位であり、各地の善の勢力は窮地に陥った。
途中で首魁たるダーク・スペクターが内乱により死亡するという想定外の事態こそ起きたものの、後継として名乗りを挙げたアストロネマの存在から悪の勢力の指揮は崩れず、もはや逆転の道はないかと思われた。


そんな中、敵の本部ダーク・フォートレスに潜入したアンドロスはそこで捕らわれていたゾードンを発見する。
ゾードンを救おうとするアンドロスに対して彼は、「宇宙を救うためには自分のエネルギーチューブを破壊してエネルギーを解き放つしかない」と頼んだ。
それは、宇宙全体を善のエネルギーで覆って悪しき存在を浄化できる唯一の方法であったが、同時にゾードンを死亡・完全消滅させてしまう禁断の手段でもあった。


ためらうアンドロスの前にアストロネマが現れて襲い掛かり、咄嗟にアンドロスが反射した攻撃が直撃して死んでしまう。
そこに続けて駆け付けたエクリプター(ユガンデ)は娘同然に育てたアストロネマを殺されたことに怒り狂い、復讐のためアンドロスに迫った。
もはや一刻の猶予も無い中、ゾードンは「宇宙を救うことがパワーレンジャーの使命だ」とアンドロスを説得。
腹を括ったアンドロスはエクリプターを斬り伏せ、間髪入れずに断腸の思いで放ったレッドスラッシュでゾードンのエネルギーチューブを破壊する……!



その瞬間──宇宙中を善のエネルギー
「Zウェーブ」で覆う『大浄化』が起こった。



瀕死のエクリプターは、その光景を見て絶叫を上げながら残された力でアストロネマの盾になるように立ちふさがり、そのままZウェーブの直撃を受けて消え去る。
アストロネマの腹心にして養父であった男は、目の前の仇を道連れにするよりも娘の亡骸を守ろうとして果てたのであった。


皇帝キングモンド(皇帝バッカスフンド)、ハボック将軍(リッチリッチハイカー)、ゴルダーらも、次々とZウェーブにより浄化され塵と化した。


リタ、ゼッド、ディバトックス、そしてアストロネマもまた成すすべなくZウェーブの直撃を受けた。
そこに残っていたのはもはや醜悪な侵略者ではなく、悪の部分を取り除かれて善人と化した彼らであった。
かくして宇宙は平和を取り戻し、『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』から続いたパワーレンジャーの物語は終わりを迎えたのである。



これ以降の作品で、ゾードンは名前が出るだけで蘇生・復活したことはない。
しかし、彼の死後も新たなパワーレンジャーは生まれ続け、地球と宇宙の善は守られてゆく……。


+ 『コズミックフューリー』ネタバレ-

上記の通りすでに故人だが、ザイトを救うべくモーフィン・グリッドに接続したアイヨンの前にザイトの姿をした何者かが現れて、
ザイトを一時的に現世に戻すのを手伝い、“May the power protect you”とゾードンの生前の口癖だった言葉を彼に残した。


終戦後、一連の話を聞いたビリーはその存在はゾードンだと確信し、モーフィン・グリッドと一体化してモーフィンマスターと同じ高次の存在と化したザイトのように、
ゾードンの魂もまたモーフィン・グリッドと一体化していたのではないかという仮説に到り、
同じ境遇のザイトが一時的に蘇った原理を応用してゾードンを蘇生できないか研究することを決意している。


なお、最初にゾードンの役を演じたデビッド・フィールディングは、この存在が本当にゾードンであったかどうかは視聴者の解釈に委ねると発言している。



リブート版

こちらでは先代のレッドレンジャーという設定になっている。
過去の大戦で仲間を失いながらも自分を囮にリタに宇宙の仲間が落とした隕石をぶつけて封印するが、
代償に肉体を喪失し、魂だけのまま長い間パワーレンジャーの後継者が現れるのを待っていた。



【余談】

  • 封印術を掛けられる前まではゾードンも変身してパワーレンジャーと共に戦っていたことが示唆されているが、どんな変身態を持っていたかは不明で、ファンの間で議論されることがある。
    • 過去の大戦の回想では回想でジュウレンジャーに相当する5人と共に映る描写があり、「グリーンレンジャーは過去の大戦では変身者がいなかったが、いずれ変身者が現れることを予知していた」という発言があるため、少なくともジュウレンジャーの6戦士はまず候補から外れる。
    • コミックスでは「ブロンズガーディアン」なる変身態が出たことがあるが、パワーレンジャーシステムが出来上がる前に用いていた旧式の武装という設定であった。
    • アメリカのファンの間ではアカレンジャー(実は『メガフォース』の予知夢で登場している)及びアカレッドが最有力候補として扱われている模様。



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  • メガフォースで弟子かなんかに相当するゴセイってのが出てくるのよね。 -- 名無しさん (2023-04-28 20:59:27)
  • ↑弟子というか後継者? -- 名無しさん (2023-04-28 22:19:46)
  • リブート映画版だとゾードン本人がティラノレンジャーだった。リタが元グリーンなのは原作でドラゴンレンジャーの装備を所有していた(後にブライに渡した)からだと思われる。 -- 名無しさん (2023-09-14 22:26:29)

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