地底帝国チューブ

ページ名:地底帝国チューブ

登録日:2020/05/04 Mon 19:15:22
更新日:2024/05/17 Fri 13:06:46NEW!
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地の底奥深く、我が地底人が産まれて5000年。


我らは光を嫌い、冷たく暗い闇の世界でひっそりと生きてきた。


だがその歴史も今終わろうとしている!


かくも壮大なる帝国・地底帝国チューブを築きになられた我らが王が、


光あふれる世界を征服するとのたもうたのだ……!





地底帝国チューブとは、スーパー戦隊シリーズ第11作『光戦隊マスクマン』の敵組織


キャラクターデザインは『科学戦隊ダイナマン』から『超新星フラッシュマン』まで手掛けた出渕裕に代わり、
久留間慎一(現:秋恭摩)、新貝田鉄也郎、森野うさぎの3名の漫画家から成るグループ『いちごはうす』と萩原直樹が担当。





概要

光差さぬ地底の奥深く存在する地帝城を拠点とする地底国家。
統治者であり独裁者でもある地帝王ゼーバの名のもとに地上侵略に乗り出した。


それを察知した光戦隊の姿三十郎は人間に秘めた神秘の力『オーラパワー』を強く持つ五人の戦士を『マスクマン』に任命、チューブの侵略を迎え撃つ。
だが、そのリーダーであるレッドマスク/タケルはチューブのスパイだった美緒/イアル姫を愛してしまう。
イアル姫もまた、タケルを愛したことで本来の使命を忘れ、重い罰を受けることになるのだった……。




おお……何と偉大なる王よ。


全知全能の王よ、我らを導かれるその尊い御方の名を……!


地帝王ゼーバと申すなり!



\ゼーバ! ゼーバ! ゼーバ! ゼーバ!/



地上をこの地底と同じ、冷たく暗い闇の世界に変えるのだ。
その時こそ、地帝王ゼーバが全地球の支配者となるのだ……!



構成員


首領

  • 地帝王ゼーバ (演:新海丈夫/声:加藤清三)

「殺戮せよ!破壊せよ!地上を地獄の荒野と化せ!その地獄から、闇が産まれるのだ…!」



平和だった地底世界を恐怖と暴力で支配しチューブを築き上げ、地上へと制服の牙を向けた独裁者。
強大な魔力を持っており、右腕の宝玉で失敗した幹部に制裁を加える。
一度はダークホロンという術を使い暗黒の地帝城を浮かばせ、地帝獣イグアドグラーを倒したグレートファイブを地に伏せ地上を冷たく暗い闇の世界に変えるほどの恐るべき力を見せつけた。
さらに、地上の赤ん坊を連れ去らい、身も心も地底人かつゼーバの奴隷として育て上げられてしまう「地底人養成都市計画」を50年以上も前から推し進めるなど、計り知れぬ恐ろしさを持っている。
黒い仮面とローブで正体を隠していたが、終盤その驚くべき素性が明らかとなった。
ちなみに放送当時に発売された児童向け書籍には白塗りの素顔が露わになったスチールが掲載されていたが、劇中では未登場。


その正体はリサールドグラー2世
過去にイガム族が討伐した、地底で最も狂暴かつ残酷と言われる最強の地帝獣リサールドグラーの産み落とした子供である。
リサールドグラーは第30話でその存在が知られ、キロスが地底ピラミッドの封印を解こうとした際は激しく動揺、ゼーバの体から緑色の体液も流れ落ちるほどであった。


リサールドグラーは地底の王にならんと暴れ狂うが、イガム家によって討伐。その亡骸は地底ピラミッドに封印された。
しかし、リサールドグラーは完全に死んではいなかった。
瀕死の体でピラミッドを抜け出し、魔の池のそばで赤ん坊を生み息絶えた。
やがてその赤ん坊は母の肉体と恨みを喰らい、より残酷で凶悪なリサールドグラー2世となった。
そして母の復讐のためにイガム家を滅ぼし地底帝国を築き上げ、地底人を恐怖で支配し続けてきた。
イガムをイガム家復興を餌に配下に置いたのもその復讐のためともいえる。


また、本記事冒頭のセリフは第1話冒頭でアナグマスとゼーバが言っていたものだが、
アナグマスが「これで光あふれる地上に住める」と期待しているのに、ゼーバは「地上をこの地底と同じ、冷たく暗い闇の世界に変えるのだ。」と、
何のために征服するのか分からないことを言っているが、最初から地底人達に良い暮らしをさせる目的ではなかったとするなら納得である。


イアル姫復活後は最終作戦を強行。
地帝城を爆破させ暗黒粒子をばら撒き、地上を氷漬けにして暗黒の世界に変えようと目論んだ。



「ついにこの世は暗黒と化す。今こそ地上と地底、二つの世界を治める王とならん!!」



だがそこにマスクマンとイアル姫、そしてイガムが立ちはだかる。
ゼーバは暗黒粒子・ブラックホールでマスクマンを暗黒空間に閉じ込め、オーラパワーを封印するほどの強さを見せつける。
だが、マスクマンのオーラパワーとイガムとイアルの力により暗黒の世界をかき消され、地帝王のローブを引きはがされてしまった。



「暗黒粒子が消えた!?おのれぇぇぇ……ついに双子が手を結んだかぁぁぁ!!」



ついに本性を現し怒り狂うリサールドグラー2世。
メディテイションで大打撃を受けながらも、ジェットカノンのエネルギーを一気に吸収して巨大化した。
その強さはギャラクシーロボのギャラクシーアンカーの鎖を焼き切り、胸の角からピンク色の破壊光線を発射し圧倒するほど。
しかし、最終的にギャラクシーアローからの鉄拳オーラギャラクシーによって敗北。
凄まじい怨念のオーラが空に舞い上がるほどの壮絶な最期を遂げた。


今作はいわば、タケルと美緒の愛の物語にしてイガム王子の物語でもあるが、それらとは別にゼーバ=リサールドグラー2世の復讐劇という側面を持ち合わせていたといえる。



幹部

  • 地帝王子イガム (演:浅見美那)

「地底貴族の名門・イガム家の一族とあろうものが……恥ずかしい姿をさらしおって。おかげでこの俺は『裏切り者の兄』と後ろ指さされ、どれだけ悔しい思いをしてることか……!」


「わかるまい!お前にはこの気持ち、この悔しさが……!覚えておけイアル姫、お前が愛した男……口にするも汚らわしい、あのレッドマスクは俺が叩っ斬ってやる!!」


「イアル姫はイガム家の恥!その恥を注ぐためには、この俺の手で手柄を上げねばならぬのだ!!」



今作のもう一人の主人公的存在。
後述する美緒ことイアル姫の兄で、嘗て地底を統治していた誇り高きイガム家の末裔。
幼少時は素直で優しかったが、叶わぬ平和の夢を捨て没落した御家再興を条件にあえてゼーバに従い、地帝獣ゴダイドグラー(声:桑原たけし)の教えを経て非情の戦士となる。
妹であるイアル姫を『裏切り者』と見なし、何かにつけて凍てついた棺を前にしては徹底的に罵っていく。
とはいえ、実はその心の奥底では肉親としての情を完全には捨てきれていないような一面を覗かせることもある。


失点回復に躍起となる中、レッドマスクことタケルを『妹を誑かせた不届き者』とみなして幾度となく憎しみの刃を叩きつけていく。
配下であるフーミンを除いて帝国内での信頼は皆無に等しく、デスリングを使いタケルに決闘に挑んだ際にも、彼の預かり所知らぬ間にゼーバにより地帝獣バギラドグラーを仕向けられたことも。


剣の腕はレッドマスクとほぼ互角で、振るうサーベルは電磁ムチにもなり、柄部から光弾も発射できる。
また、左右の中指に施された指輪は「〇×のドラゴン!」と名を呼ぶことで強力な電撃光線を放つだけでなく、偵察することも可能。
中盤ではララバの犠牲で大地底剣を手に入れたバラバに対抗して、守護神のイガム竜を呼び出し強化する。


女性である事が終盤衝撃の事実として明かされるが、視聴者には最初からバレバレだった。
とはいえ、演じる浅見氏の宝塚的凛々しい演技のおかげでそれを感じさせない魅力に満ちている。
(劇場版では利用する目的だったとはいえ、イガムが人魚の女性を誘惑して成功している場面もあり、劇中では美青年扱いの模様。)


正体が発覚する「イガム王子!君は女」というサブタイトルは今でもネタにされている。


ゼーバ=リサールドグラー2世を倒すにはイガム家に生まれる双子の姉妹、つまりイガムとイアル姫の力が必要だった。
終盤、イガム竜の水晶からのビジョンを見て、ゼーバの正体や自分を含めた配下が捨て駒に過ぎなかった事実を知る。



イガム「人はそう簡単に変わることはできぬ。今更、罪を悔いて別の人間になることは……」


イアル姫「罪を悔いることは、立派な事です!」


イガム「罪を悔いるには、私はあまりにも血に塗れているのだ……!」



後戻りできない道を歩みすぎたがゆえに苦悩するイガム。
そんな彼女を導いたものは、暗黒世界から放たれたマスクマンのオーラパワーだった。
タケルを中心とした五人のパワーはハイテク曼荼羅を作り出し、あたかもイガムを諭すように照らし出す。



「そうか……。あれが、私の行く道……」



意を決したイガムは小刀を抜き、長い髪を切りチューブから離反することを決意。
イアル姫と共にペンダントを掲げ、ゼーバの力を弱めることに成功する。
そしてゼーバの死後、自らの罪を償うためイアル姫と別れ尼僧となり、終わりなき巡礼の旅に出るのだった。



  • 地帝司令バラバ (演:志賀圭二郎)

「地帝司令バラバにお任せを。家柄や誇りだけの没落貴族など役に立ちませぬ。ましてや裏切り者を出す一族など、信用なりませぬ!!」


「見ていてくれ、ママ……。今こそバラバは、地底一の勇者になってみせるぞ!!」



の達人である武闘派幹部でバルーガ族の勇者。
自身が叩き上げの身柄なのか、イガムとは「所詮家柄だけで成り上がった身」と見下しており、互いに仲が悪い。
前々作でいうギルーク的ポジションにあたる。脳筋気味だがかなりヘタレかつ要領の悪い人物でもあり、若干マザコン気味。


武器は巨大な岩をも割る「ギガロ剣」。鍔部に施された宝玉からは怪光線を発し、数名のアングラー兵ですら持ち上げられない重さを持つ。
16話では地帝獣ガマロドグラーによってブラックマスク/ケンタを除くマスクマンのエネルギーを吸収しパワーアップしギガロ剣の剣先を発光させあらゆるものを切り裂くバラバ雷撃剣や柄からの発砲、口からの光線で攻撃した。


後半でジェットカノン完成を許してしまったことでゼーバの怒りを買い、汚名返上のためオヨブーの制止を振り切り、決死の覚悟で最強の地帝獣デビルドグラーに「勇者の戦い」を挑む。
戦いの中でギガロ剣を折られてしまうものの、母であるララバの死を乗り越えデビルドグラーに勝利。ギガロ剣は地底帝国最強の剣「大地帝剣」となりパワーアップを果たす。


そんなバラバも、度重なる作戦失敗に追い詰められていく。
挙句の果てにキロスにそそのかされ、イアル姫の氷棺を担ぎ出し変身前のタケルを抹殺せんと目論む。
結局副官のオヨブーに見捨てられ、レッドマスクのマスキークラッシュに敗れてしまうのだった。


「馬鹿だな……俺は……ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



  • 地奇地奇獣アナグマス (声:神山卓三)

「ゼーバ様、まあまあお待ちください。お怒りはごもっともです。しかし、そのお怒りを受けるものは他にいるのではありませぬかな?」



340年も生きる妖獣で、地底一の博識を誇る妖獣。

感情的になりやすい面子ばかりで全体的にギスギスしているチューブにおいて、冷静さを保ったままゼーバに物を申せるなど、組織における女房役のようなポジション。
強大な魔力を秘めた妖魔球と光線を発射することも可能なゲートボールのスティック状の武器を使い、戦闘も結構強い。
アナグマスは秘密の地底図書館を所有しており、時折気になる情報を探し求める際にはそこを利用するが、
最も狂暴とされる地帝獣リサールドグラーのページはなぜか何者かの手で破かれていたのに困惑していた。


第19話でイガムとバラバの不甲斐なさに痺れを切らして腰を上げ、「チキチキ・ヨーマ・ヨーイ・ヨーチュー、チキチキ・ヨーマ・ヨーイ・ヨーキュー……」の呪文で二人を地帝獣イガラドグラーともども妖しの力を強化させた。


シノビボールを手に入れてスーパーシノビならぬスーパーアナグマスになるためにフーミンとオヨブーを競わせたり*1
ドクロドグラー=骨妃こつひ(演:高沢順子)をピンクマスク/モモコへの刺客として差し向けながら、グレートファイブのパワーを半減させて持ち前の魔力で強奪に成功するなど、かなりの老獪さの持ち主。


イアル姫復活後、最終作戦を強行させるゼーバの態度に疑念を抱くもののゼーバへの忠誠心は揺るがず、真実を知るイガム竜の水晶を破壊。



「アナグマス最後の務めは……妖魔球乱れ撃ち~!!」



マスクマンを妖術で翻弄させ、必殺の「妖魔球乱れ撃ち」で追い詰めるが、
レッドマスクのレーザーアローで妖魔球を撃ち返され、マスキークラッシュとジェットカノンのつるべ打ちで呆気なく最期を迎えた。
その後オケランパによって巨大化しギャラクシーロボを妖魔球で攻撃するも、鉄拳オーラギャラクシーによって敗れ去った。


地底忍

  • 地帝忍フーミン (演:久保田香織)

「地底貴族・イガム家に代々使える地帝忍フーミンにその程度の技が通じると思っているのか?」



イガム家に仕え、四面楚歌の状態のイガム王子にも絶対の忠誠を誓うくの一で、プライドが高いイガムを諌める役目も持っている。
イアル姫を痛ましく感じて、開花すると氷が解けると言われるマリアローズの花を使い氷の棺を溶かそうとする健気な一面も見られた。


口から火炎弾・小刀・手裏剣を吐き、サークレットからは怪光線を放つ。
そんな彼女の最大の武器は、ブルーマスク/アキラ双剣を身軽さから繰り出すほどトリッキーな体術や変装。
特に、二振りのサイを構えきりもみ回転しながらマスクマンに突撃する戦法を得意とする。


第13話ではイガムの指揮する地上人ネオアングラー化作戦のため、人気アイドル・島田マリナに化けたことも。
さらに「声映しの術」という声帯模写能力などを駆使してマスクマンを攪乱する。
イエローマスク/ハルカだけでなく、バラバに仕えるオヨブーともライバル関係にあたる。


地帝城爆破によるゼーバの間陥落からイガムを庇い、柱の下敷きとなる。



「あ、あなた様は……今や、私たちと違う世界のお方……。お逃げ、ください……!」



命が尽きるまで主君に仕えた、女地帝忍の最期にイガムは涙するのだった。



  • 地帝忍オヨブー (演:岡本美登)

「俺をなめるなよ。卑劣に徹してこそ忍びよ!」


「バラバ様!うるさい奴とお思いでしょうが、お助けに参りました」



バラバの腹心を務める全身真っ赤な忍者
とは言え、ゼーバから派遣されている与力的立場。
その忠誠を向ける先はあくまでゼーバであり、そのためなら卑劣に徹することも厭わない。
終盤でついにキロスの口車に踊らされ醜態をさらしてしまったバラバを見限るも、せめてもの情けで「武人の情け」と称し最低限の義理を通す(レッドマスクとの一騎打ちの機会を与える)男ぶりは必見。


火の玉を飛ばす、微塵隠れのごとく爆炎を纏い攻撃する「オヨブーファイヤー」といった炎を操る能力の持ち主。
オヨブーファイヤーは氷の棺を溶かしてしまうほどの温度を持つが、自身の心身をも削る捨て身の技で滅多に使われない。
キロスにイアル姫を閉じ込める氷の棺を溶かせと脅迫されても、「お前ごときの色恋沙汰のために燃やす炎ではない!」と忍びとしての矜持を崩さなかった。
毎回のごとくレーザーマグナムを弾き返すスポンサー泣かせな強さの持ち主でもあり、得物たる光るブーメラン「ブヨラン」を地中に飛ばして背後から攻撃する不意打ち攻撃が得意。
キロス攻撃時は右腕から青色の光線を発射したこともある。
EDのサビとともに見せる「オヨブー必殺走り」という全力疾走は新幹線を追い抜く程のスピードを誇る。


基本的にシリアスキャラだが、第7話では変装もせずマネキンの間に立ちながらケンタを監視したり、第18話では寄生獣ガルボが潜んだマリーちゃん人形をハルカが購入する様を甲冑を着ながらピーピングするというシュールな姿を見せた。
ちなみに演者は15年後でも敵側の忍者を演じている。


ゼーバの地帝城発進作戦実行のため、自らコントロール装置の中に入り暗黒粒子を増幅させる。
マスクマンとイアル姫の突入での真実を知らされてもなお、オヨブーはゼーバへの忠義を崩さなかった。



「見苦しいぞイガム!死ねと言われれば、喜んで死ぬのが我らの務め!」



レーザーマグナムを跳ね除けるカプセルの中で、オヨブーはレバーを引き地帝城を浮上。
爆風と共に崩れ行く中、笑いながら城と運命を共にするのだった。
フーミンとは違った意味で、彼は地帝忍として主君への忠義を貫いたと言える。



所属生物

  • エネルギー獣オケランパ (声:篠田薫)

「ケーラケラケラケラ!オケランパァッ!」


第2話から初登場の、オケラにも似た生物。
ゼーバの命を受け、大地を揺るがし奇声とともに現れる巨大化担当。
殻を割ってもう一つの顔を露出させ、花火にも似た再生光線を発射。
マスクマンに倒された地帝獣を蘇生・巨大化させる。


再生光線を発射後に「ホッ……ヤレヤレ……」と呟きながら地底に戻る仕草が妙にかわいい。

最終回ではゼーバ=リサールドグラー2世が自ら巨大化したため、登場しなかった。その後の消息は不明。



  • イガム竜

イガム家の守護神と言われる、手足の無い東洋風の竜。
大地底剣を手に入れたバラバに対抗して、イガムが最後の手段のために目覚めさせた。
地帝獣ラゴンドグラーが放った「聖なる火」による清めを受け、水晶に向かいひたすらにイガム竜の名を呼び続けることで地割れと共に召還。


レーザーマグナムを弾き返す皮膚の持ち主で、口からは水晶状の光弾、赤い竜巻、電撃光線を放つ。
イガムが身にまとうことで空を飛ぶことも可能。
マスクマンの敵ではあるが、イガムの妹であるイアル姫も守護対象としている。
口からの水晶はイアル姫に託され、そこからゼーバの正体を知るきっかけとなった。



地帝獣


地帝城の冷凍洞窟には、たくさんの地帝獣が冷凍してある。


地帝王ゼーバに選ばれた地帝獣は、解凍されて生き返るのである!


今週の怪人枠。
地帝ドグラーと寄生獣*2に分離・合体が可能な者とそれが確認できない者の二種類が存在*3
冷凍洞窟という保管庫でまるで冷凍食品よろしく安置されているが、ゼーバの命を受け、燃える炎によって解凍される。
とはいえ、毎回解凍されているわけではなく、23話のマジンドグラー(声:丸山詠二)のようにアナグマスが地帝地獄から復活させたものや、29話で強力な毒ガスを放つデスガドグラーのように20年間も牢獄に閉じ込められたものや、第27話以降から登場する風地獄に住む強力な地帝獣も登場する。
基本的に地帝獣はうめき声しか発しないが、マジンドグラーのように知性を持つものやドクロドクラーやグロンドグラー(声:中田譲治)のように人間に化けられるものは人語を話すこともあるし、
ゴダイドグラーに至ってはイガムに武術を教えるほどの知能がある。


なお「地帝ドグラー」は全個体この呼称で、図鑑の『全怪獣怪人』なども1種類しか掲載していないが、実際はイグアドグラーは人間型のドグラーだが、カビラドグラーは植物(足の生えた花)型のドグラーであるなど1体ごとに違う。
他に17話で幻のような形でいわゆる「再生怪人軍団」が登場した際、地帝ドグラーだけが出てきた連中がいた*4



その他戦力

  • アングラー兵

チューブの戦闘員で、ラプラナグラリアと呼ばれる棒状の生きた武器を使う。キノコが食料。
地上の人間に化けることもあり、第17話ではタケルに化けてひったくり犯に仕立て上げ、彼を地帝獣ギーバドグラーが作り出した異次元ラビリンスに誘い込んだ。
また、13話ではガルガドグラーを使い、人間をベースにしたネオアングラー兵を作り出そうとした事もあるので、彼らもそういった過去があるのかもしれない。
第25話では道着姿も披露。地帝獣ヘンゲドグラーから提供された武具を手に立ち回った。
挿入歌「俺たちアングラー」からは彼らの立場に同情を覚えるかもしれない。
「♪逃げたいけれども辞めたいけれども、ゼーゼーバッバ、ゼーバが怒る!」



  • アングラモン戦闘機

地帝城に無数配備された戦闘機。
コウモリに似たシルエットをしており、両翼部に光線銃を装備。
三機編隊が基本でイガム王子も操縦、地上を破壊せんと飛び回る。
複数機合体することでアングラモンスネークというムカデのような地上攻撃形態にもなれる。
地中を潜り、機首からビームを発射する。



  • 地底列車

チューブの幹部がアングラー兵と共に地上侵攻に向かう際に使用。
地底城から地上へと通じる無数のチューブを高速で駆け抜けていく。



  • 風地獄

地底の奥深くに存在する禁断の地。
地帝獣ジゴクドグラーが巻き起こす激しい竜巻に巻き込まれたら最後、生きて抜け出すことは不可能に近いと言われている。
イアル姫を欲するキロスはかつてそこに落ち、必殺のクレッセントスクリューを編み出した。


そこにはジゴクドグラーだけでなく、ベームドグラーをはじめとした強力な地帝獣も存在する。



その他地底人

  • イアル姫/美緒 (演:浅見美那(二役))

「タケル……好きでした。初めて会った時から……短かったけど、素敵な思い出をありがとう。さようなら、タケル……二度と会うこともないでしょう……」



本作のヒロインであるイガム王子の双子の妹。
ゼーバのスパイとして地上に潜入するが、そこで出会った光戦隊のタケルと恋仲になりゼーバを裏切る。
そのため牢獄に捕えられ、イガム王家を汚した罰としてゼーバとアナグマスの魔力によって「永遠の眠りの刑」という氷の棺に閉じ込める刑罰を受けてしまう。


地帝獣イグアによってアリジゴク状の砂に引きずり込まれる際、タケルにイガム王家のペンダントを手渡しているが、
それが彼にとって美緒を救い出すための誓いにもなり、迷いの引き金にもなっている。


物語終盤の第49話にて、ついにタケルが愛のオーラパワーでイアル姫を救い出す。
しかし、それを見たゼーバは逆上し執拗に抹殺を命じるのだった。
ゼーバを倒した後、両者は最終的に離別。



「……約束して。決して振り返らないと」



タケルは地上に残り、イアル姫は地底を復興するためにそれぞれの道を歩き出す。
短くても、熱く激しい愛と青春の思い出を胸に……。



「バラバ! わしは、お前をそんな意気地なしに育てた覚えはない!バルーガ族の戦士はどこへ行った!?お前は、バルーガ族一の戦士!母の誇り!今度は地底一の勇者になるのじゃ!!」


「バルーガ族は地底一勇敢な戦闘部族。その勇敢な戦士を育てた、バルーガ族の母が、どんなものか……見せてやる。よく見るがよい……母の姿を!!」



30話に登場したバラバの母。
女手ひとつで一人息子であるバラバを育てあげたらしく、バラバは「ママ」と呼び慕っている。
デビルドグラーの矢を受け満身創痍のバラバを庇う形で現れるが、息子ともども地上に飛ばされてしまう。
我が子を改心させ地底の片隅で母子水入らず暮らしたいと願うララバに対し、同じ母子家庭であるアキラも彼女の身に共感し背負うことになる。


しかし、すべては最愛の息子を奮起し地底一の勇者にするために打った芝居で、最終的にララバはデビルドグラーに小刀ひとつで立ち向かいその身を散らす。
最後に残されたものは、彼女が身に着けていたフードの破片だけだった……。
アキラの純粋な想いが裏切られたという形はけして許されるものではないが、彼女の最期は女でありながらもバルーガ族の戦士そのものであった。



  • 地帝剣士ウナス (演:広田一成)

「なんと……アキラが地底剣士ウナスになるとは……!


地底剣士!ウナス!!


「ということはアキラは地底人……!?」


タケル「なんだと……?」



44,45話に登場。
ゼーバの侵略から逃れたリセ(演:石原めぐみ)ら一部の地底人がアカメドグラーの回でチューブと戦う姿を見てウナスと勘違いし、ウナスを呼び出す儀式の影響で失明したアキラに地帝獣ヨロイドグラーの鎧が憑りついて変身したもので、イガム家に仕える剣士。
イガムの命令によって動き、二刀流で戦い、青い光球に変身し口から青い光線を吐き、肩当てから黄色い光線を発射する。
最後はリセと弟のテト(演:石野健司)の祈りとマスクマンのオーラパワーで元に戻る。



第三勢力

  • 盗賊騎士キロス (演:渕野俊太)

「俺はチューブなどには入らん。誰も俺を束縛はできん。俺は地底を駆け巡る……一匹狼!」


「イアル姫……。どんな宝石よりも、美しいものと見てしまったのです。イアル姫の前には、黄金も色あせて見えます」



中盤から愛馬である地帝獣ベームドグラーと共に地の底から現れた第三勢力的存在。
騎士を気取る一匹狼で、ゼーバの支配に従わず己の意志でマスクマンに戦いを挑む伊達男。
また、一度目にした『宝』は手段を問わず奪い取る冷酷無比な盗賊でもある。
その傍若無人な振る舞いはバラバとイガムはおろか、ゼーバをも憤らせるほど。


地底歴で2年前、水浴びをするイアル姫の美しさに一目惚れし己のものにしようとするが、何もかも吸い込む地底の穴・風地獄に落ちてしまう。
そこから辛うじて生還したキロスは地上に現れ、三日月状のブーメランにもなる鎖鎌「キロスクレッセント」や稲妻を放つサングラスに加え、ベームドグラーとのコンビネーション攻撃でマスクマンを翻弄。
ショットボンバーを破壊後、マスクマンを完全に抹殺し、イアル姫を手にする条件でゼーバの軍門に下ることになった。


必殺技は「クレッセントスクリュー」。キロス自身が風地獄を脱出する際に死に物狂いで身に着けた技で、キロスクレッセントを高速回転させることでエネルギーの竜巻を巻き起こす。
その他に左腕の手甲から銃弾、両目から青い光線を発射する。


身に着けた鎧は軽装でありながら、レッドマスクのゴッドハンドを受けてもヒビひとつも入らない。
しかし、その攻撃で地に塗れさせたことに加え、第28話でバラバの奇襲と真実の告白を受けキロスの怒りを買い、執拗に狙われることになる。
第31話では3年前、地帝獣ギギラドグラーを倒すが偶然彼に救われた女性エリー(演:柴田時枝)が登場。愛を貫くタケルを殺そうとするがそれが逆にキロスのプライドを傷つけることになり……。


レッドマスク打倒のために他のメンバーを狙うこともあり、第37話では催眠術を使うメズメドグラーを利用しケンタを臆病者に変えている。
ちなみに、ブーツの下には赤いスカーフを忍ばせている。それでホコリをふき取ることは、キロスにとって最大の障害として見なされる証でもある。
彼が勝手に作戦の指揮を取る際、配下の地帝獣が倒された際はオケランパを召喚せずそのまま撤退する。まあ勝手にオケランパがやって来て巨大化するが。





「イアル姫……冷たかろう。だがそれも今しばしの辛抱。冷たく永い眠りから、そなたを目覚めさせるのは、このキロス!!」



最終的にブラックマスクの駆るマスキードリルに乗ったレッドマスクが風地獄に突入。
そこから地上、さらに自身が奪い集めた金銀財宝を集めたアジト・黄金洞窟に舞台が移る。
オヨブーの反撃、イガム&フーミンとジゴクドグラーの猛攻に加え、その余波で飛び散った黄金の剣で致命傷を負ってしまう。
最終的に、イアル姫を庇うタケルの愛のオーラパワーで砕け散った氷塊に突き刺されキロスは絶命する。



「俺にも……たった、一つだけ……手に入らぬものが、あった……」



最期の瞬間、イアル姫と抱き合い再会を喜ぶタケルの姿を見たキロスは何を思ったのだろうか……?





\ゼーバ! ゼーバ! ゼーバ! ゼーバ!/



ゼーバ「もはや我が行く手を阻むものはない。追記・修正の用意だ!」


バラバ「はっ!」


イガム「地底帝国!」


フーミン「チューブに!」


オヨブー「栄光あれ!」


アナグマス「栄光あれ〜!」



\ゼーバ! ゼーバ! ゼーバ! ゼーバ!/



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[#include(name=テンプレ3)]


  • イガムとイアル、同じ女優が演じているからかイアルの復帰後は同じ場面に二人の顔が同時に映らなくなって当時の技術の限界かと思った -- 名無しさん (2020-05-04 20:44:21)
  • 流石のアナグマスでもゼーバの正体を見た時は恐怖と動揺を覚えていた -- 名無しさん (2020-05-04 21:04:21)
  • ドンキー「ママ!!?」 シュレック「ま・・・マーマミーヤ・・・」 -- 名無しさん (2020-05-05 20:50:06)
  • 戦隊側のオーラパワーといいチューブの設定といい、マスクマンって結構ファンタジー要素多めだよね -- 名無しさん (2020-05-06 16:38:38)
  • 気力(オーラパワー) -- 名無しさん (2020-05-07 14:06:35)
  • 地底列車・・・後のクライナーか? -- 名無しさん (2020-05-09 14:40:29)
  • ララバの回が視聴率高かったら曽我さんはファイブマンの銀河皇帝メドーかジェットマンの女帝ジューザ役になっていたのに!どれも高視聴率になっていたかも? -- 名無しさん (2022-09-19 23:20:10)
  • それは流石にメドーやジューザ役の人に失礼 -- 名無しさん (2023-04-20 00:49:52)

#comment(striction)

*1 なおシノビボールはハルカによって爆弾に素早くすり替えられていたが、地上の光によって塵芥と化した
*2 同名の漫画よりもこちらの方が先である
*3 ただし、分離状態が確認できない個体も体の一部に明確に色や質感の違う部位があったり、顔が複数あるなど複数生物の集合体を意識している造形のものが大半を占める。
*4 すぐに分かるのは上述のカビラドグラーの花型のドグラー(第4話)だが、よく見ると残り3体のうちドールドグラー(第7話)とサーベルドグラー(第8話)に見える個体は頭部の寄生獣がない。

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