登録日:2018/05/24 Thu 22:02:00
更新日:2024/02/26 Mon 13:37:02NEW!
所要時間:約 19 分で読めます
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べるぜバブ ヒルダ 伊藤静 ヒロイン 悪魔 二重人格もどき 巨乳 毒舌 ゴスロリ 記憶喪失 侍女悪魔 男鹿の嫁 育ての母 ヒルデガルダ
私の願いは 坊ちゃまが王の中の王 真の魔王として立派に育つ事
ヒルダ(本名:ヒルデガルダ)とは、漫画『べるぜバブ』に登場するキャラクター。
CV:伊藤静
【概要】
『人間を滅ぼす』目的で人間界に遣わされた大魔王の末子・カイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世(以下ベル坊)の人間界での母親代わりとして同時に人間界に遣わされた侍女であり、見た目は人間だがれっきとした悪魔。
ゴスロリファッションに身を包み、左目を前髪で隠した16歳の金髪少女……だが、性格は可愛らしさとは程遠く非常に高圧的で毒舌で凶悪ちなみに胸も凶悪。
ベル坊の親代わりとして選ばれてしまった主人公・男鹿辰巳に対してももっぱらドブ男呼ばわり。
ベル坊が常に男鹿と共に居る為、ベル坊の世話(と愛でる)目的で男鹿の隣に居る事が多く、
オマケに男鹿同様に強く且つ凶悪な性格という点も相まって、事情を知らない他の人間からは『男鹿の嫁(そしてベル坊は二人の間の子供)』と誤認されているが、
人間界に居る間は二人がベル坊の実質的な父親母親である点は間違いではないからか、それとも単に面倒だからか面と向かって否定をしていない。
彼女に容姿がそっくりで、同じく侍女悪魔であるヨルダは彼女の妹。他にアサダとかユーガタダとかが居るのかは不明。
首にかけているブローチは、ベル坊の実の母親であるアイリスから『年頃なんだからもっとオシャレしなきゃ』と貸してもらっている物。
武器として使用している傘(剣が仕込んである)は、ポケットサイズにまで縮小可能な魔界の一品。
また侍女悪魔という半ばメイド的な立場に反して料理の腕は壊滅的であり、作ったコロッケからは怪しいオーラが漂うだけに留まらず謎の不気味な笑顔と笑い声が浮かぶ謎仕様。
よくある『人間とはズレた味覚』というワケではなく、同じ悪魔の配達員が上記のコロッケを無理やり食べさせられて白目をむいて気絶していたり、番外編ではベル坊も吐きかけているので単純に腕前がアレな模様。
【※以下、ネタバレを含みます。】
閲覧は自己責任でお願い致します。
【序盤】
何故か保護対象のベル坊(を乗せたアランドロン)とはぐれていたが、ベル坊の魔力を感知し、男鹿とベル坊、事情を話された古市の前に登場。
ベル坊の正体や自分の素性を明かし、親代わりになる事を拒否した男鹿を殺そうとするも、
剣先が触れ男鹿の頬から滴り落ちた血が付いた事によりベル坊がかんしゃくを起こし大泣き(=ほとばしる大電撃)を起こしてしまう。
「こんな大泣きを止められるのは大魔王様だけ」と呆然とするも、
ベル坊の電撃に耐え一言でベル坊のかんしゃくを止めた上に、電撃の影響で倒れてきた鉄塔をベル坊の力を引き出し消し飛ばした男鹿の『魔王の親』たる資質を見込んで、
男鹿を当面の間ベル坊の親代わりとする事を選び、ベル坊と共に男鹿家に居着く事に。
なおその時、意図的か天然かは不明だが、男鹿の家族に対して
「今日から この子 共々 お世話になります ヒルデガルダと 申します」「ふつつか者ですが よろしくお願いいたします」
などと挨拶した上、
『俺は(育ての)親だなんて認めてない』と喚く男鹿に対しては笑顔で
「あんな事までしておいて…」「本当すごかった…」*1
と非常に誤解を招く発言を連発した為、男鹿の家族からは『マカオ出身*2の辰巳の嫁でベル坊は二人の子供』と誤解されてしまい、
男鹿父がスライディング土下座を以てして『責任を持って育てさせる』と発言した為、上手い具合に男鹿一家を取り込む形となった。
【東邦神姫編】
男鹿には『腕力以外の物(知力・財力・政治力・支配力)が足りない』という理由で、『より強くて凶悪なヤツにベル坊を押し付けたい』とする男鹿の行動を陰ながら見守る形に。
姫川と男鹿をぶつける為にわざと姫川の拉致作戦に乗って服が溶けかける読者サービスを行ってみたり、
後に色々な意味でライバルとなる東邦神姫の紅一点・邦枝葵の実力を確かめる為に手合わせする等の動きはしたが、
この頃はまだ男鹿と他キャラの戦いを見届けるポジションという意味合いが強かった。
【聖石矢魔編】
王宮から『聖石矢魔内に大魔王一派が関与していない悪魔が居る』との情報を受け、中盤以降に『男鹿の従姉妹』という設定で男鹿達と同じクラスに転入。
その素晴らしいボディには窮屈な制服姿を披露してくれた。
……決して一気にキャラが増えて相対的に一気に影が薄くなったのが不満とかそういう理由ではないだろう、きっと。
公平な勝負として石矢魔組と六騎聖達でバレーボール勝負をする事になった際、リベロ役を決めるのに一役買ったが、
古市の顔面に当たって跳ねてから天井に当たって破裂したり、床に当たって跳ねてから壁にめり込む*3という謎めいたスパイクサーブを披露した。……え?そもそも先んじて頻発しているめり込み描写もおかしい?言ってはいけない。
【ベヘモット34柱師団編】
話の流れが大きくバトル物へと移行していったこの編では、今までは傍観者気味だった彼女も大きく動く事に。
……が、最初に素性の分からぬ新キャラ・早乙女と戦って魔力をほぼ使い果たしたその晩に、彼女と同じ悪魔達で構成されるベヘモット34柱師団の柱将・ヘカドスに襲撃されるという過酷なバトルが連続してしまい、
ヘカドスの槍に腹を貫かれて重傷を負い戦線を離脱。
このまま柱師団達との戦争に至る事を回避する為、ラミア(と彼女に頼まれた古市と、彼が上手く言いくるめて纏めた石矢魔組)が焔王の居所を探す中、ヒルダは男鹿家内で療養。
あまり良い所が無い上に侍女悪魔(メイドのような立ち位置)では戦闘部隊である柱師団に手痛く敗北するのも仕方ないか……と大方の読者が感想を抱いたが、
傷も癒え焔王の発見により局面が大きく動いたと同時に戦線に復帰、焔王の侍女悪魔であるヨルダ・イザベラ・サテュラの3人を一蹴しただけではなく、
直後に再び襲来したヘカドスをも圧倒。魔力が足りていれば柱師団の柱将よりも強いという事実を見せつけた。
とこのようにバトル方面でも面目躍如を果たす事になった上に、
『クビにした3人の侍女悪魔の代わりに』という名目でベヘモット・ジャバウォック親子に連れ去られ、
学園の屋上で磔にされ、柱爵サラマンダーの記憶を焼く炎に焼かれるヒルダを救うべく、
男鹿とベル坊の2人だけで総勢394人の敵がひしめく学園に乗り込み敵と対決する……といういわゆる『囚われの姫』的な役割も果たし、ヒロイン度も爆上げする事となった。
【修学旅行編】
引き続き在学を続け修学旅行にも帯同。
聖石矢魔編以来の制服姿だけでなく、非常にレアな私服姿、更には扉絵限定で水着姿も披露した。
更には1コマ限定で入浴シーンも披露し、
一緒に入浴していたパー子らレッドテイルの3人を圧倒的なプロポーション差で絶望の淵に叩き落していた。
【学院編】
大魔王からの探し物の依頼を受け、男鹿や姫川と共にサンマルクス修道学院に潜入。
探し物であり、大魔王の妻でありベル坊の実の母親であるアイリスが描かれた肖像と対面。
アイリスが姉のような存在であり、本当の家族のように接してくれたただ一人の女性である事を吐露した。
ベル坊への忠誠は、彼女の存在も大きな要因だろう。
また、学院地下の闘技場では四拳王()なる四天王っぽい何かをあっさり一蹴し『邦枝一人の方がまだ手ごわい』と言い捨てた。
……まあ悪魔の戦闘部族よりも強い彼女が、アンダーグラウンドの闘技場の4トップとはいえただの人間に遅れを取るはずもない。ただの人間なのに柱爵を圧倒する東条みたいなのも居るけど
アイリスの絵を配達員に託し、『いつか坊ちゃまに母君に会ってもらいたい』という願いに男鹿が『今はお前が母親みてーなもん』と返した際には、
『そういう事を言っているのではない』と切捨てつつも、微かに笑顔を覗かせた。
【クリスマス編】
クリスマスの存在を初めて知り、ベル坊にプレゼントを用意しようと奮闘。
『本物のサンタが現れる』という聖石矢魔のクリスマスイベントになんやかんや有って男鹿と共に参加。
あくまでイベントである為戦闘力に関係無いカルタ取りなどのゲームでは漢字が読めずお手つきを連発する等のやらかしを連発したが、
決勝戦では葵との文字通り『女の戦い』を、これまた文字通り隠していた左目の能力*4を解放し制してみせた。NGワード:厨二病
【殺六縁起編】
殺六縁起・奈須の登場により、かつて大魔王と魔界を分かち合い戦争した7大罪の悪魔が背後に居る事を掴み、調査の為魔界に帰還。
……したのだが、自力では情報を掴めなかったり*5、魔界に戻ったせいで出番が激減等、正直影が薄くなりがち。
男鹿達と共にアイリスに会いにアメリカへ行った際も、ソロモン商会の幹部・ヨハンに出された条件のせいで面会はお預け(後から後を追って来たが)。
最終決戦時には一度男鹿と別れ魔界に戻っていたベル坊と共に人間界に帰還し、男鹿と藤&サタンの最終決戦を見届けた。
最終回でも男鹿と共にドラゴンに乗って卒業式に出席。
ベル坊は当然の事ながら、新たに生まれた大魔王の娘・ニコなる赤ん坊も登場していた為、きっと彼女の母親代わりも務めている事だろう。何で大魔王が人類殲滅を見送ったのにベル坊や彼女、更に新たにニコまで男鹿の元に滞在しているんだというのは言ってはいけない
【番外編】
本編の連載終了後に掲載された、最終決戦から最終回に至るまでを描いた番外編6話中5話に登場*6。
ベル坊の保育園通園を描いた1話目では、ベル坊の祖母・大魔王の母に当たる大ババ様への応対に心労気味な表情を見せたり、大ババ様の魔界道具にて7歳頃に若返ってつるんぺたんになったロリ姿を披露。
『全員集合』な回の2話・3話目では、舞台が海と無人島な為なんとほぼ丸々水着姿で活動。
古市をして『これを撮る為に生まれてきた』と言わしめ、ギャグ的に妨害しに来たアランドロンをジャバウォックを召還してまで撃退するくらいには暴走させた。
作者も描いたはいいがアンケの事とか考えると出しにくくて結局そのままになったアスランの複線回収を描いた4話では、何故か重要人物として呼ばれた古市の様子を男鹿と共にうかがいに魔界へ。
男鹿やベル坊共々太鼓の達人らしきゲームにハマっている様子がうかがえたり、男鹿が呼ばれなかった理由が『鮮明な記憶が必要だから』という事実に笑いをこらえていた。
男鹿の両親と男鹿達擬似家族を描いた6話目では、大魔王から送られてきたおもちゃが前例通り危険と判断し即破壊した男鹿にベル坊共々激怒し、ベル坊と共に魔界への家出を試みる。
結果的に男鹿が破壊したおもちゃの影響で16年前の男鹿家に3人でタイムスリップしてしまい、男鹿の両親のトラブルの成り行きを見守る事に。
ベル坊のおしゃぶりに記してあった日付から、タイムスリップした際にベル坊が『男鹿と出会う直前のベル坊』と入れ替わっている事に気付き、『今なら全てを無かった事(=男鹿とベル坊が出会わなかった事に出来る)』と男鹿に持ちかけるが、
男鹿はやり直す事を拒否。現在のベル坊を取り戻し、過去のベル坊は元の時間軸(=男鹿とベル坊が会うタイミング)に送り届け、3人で男鹿とベル坊が出会う元のシーンを見届ける事となった。
男鹿の選択に思うところが有ったのか、家出は取りやめ元の時間軸へと帰る事に。
男鹿一家4人の写真、そして男鹿とベル坊、彼女の3ショットの写真で本作は締めくくられている。
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……とまあ、ここまでが『普段の彼女』の活躍である。
しかし、彼女には『もう1つの顔』が存在する。
それは……
ヒルダ「それにあなたの事も言ってるんですよ!!たつみさんっ!!
たつみさんもせめてマフラーくらい巻いてください」
男鹿「だからその呼び方やめろって こらっ 世話やくなっつの」
ヒルダ「いーえやきます 鼻水たらしてみっともない
私はあなたの
妻なんですから!!」
この普段の彼女とは180度違いそうな彼女は何者なのだろうか?
その正体(クリックで開閉・ネタバレ注意)
【記憶喪失の侍女悪魔】
上記の通り、ベヘモット34柱師団編の終盤、柱爵・サラマンダーの記憶を焼く炎で焼かれたヒルダ。
途中で男鹿に助けられ、無事男鹿家に帰還したまでは良かったのだが、
翌朝、目を覚ました彼女は……
「誰だ貴様は?」
「そもそも私は一体何者だ…?」
サラマンダーの炎が効いており、男鹿やベル坊の事だけでなく、自分の事すらも忘れてしまっていた。
直後に男鹿家の面々から自分が何者かを聞かされ、
勘違いしている男鹿家の解釈通り『自分は辰巳の嫁でベル坊は自分と辰巳の子供』と信じ込んでしまう。
口調も上記の開口一番以外は普段と違いです・ます口調に変化し、ドブ男呼ばわりしていた男鹿は『たつみさん』と下の名前で呼び、ベル坊も主君である事を忘れ『ベルちゃん』呼び。
そして何故か料理の腕も改善され愛妻弁当を作り、夜は男鹿のベッドに潜り込んでベル坊共々川の字になって眠る。
ここに、記憶を無くした至高の新婚若妻が爆誕してしまった。
普段と違い、表情豊かにベル坊を可愛がる夫婦生活を漫喫するヒルダに、男鹿ももはや『あんな幸せそうな顔を見たら本当の事は言えない』とお手上げ状態。
古市を見て『心底キモいドブ男』と発言したり、神崎や姫川を勘違いで殴って『何も思い出せませんでしたがスッとした』と述べたりと素の彼女が見え隠れする部分も有りはしたが、
葵の味方であるはずのレッドテイルの面々(寧々除く)にも囃し立てられ、ばったり会った葵に対しては女の直感が働いたのか、開口一番『たつみの妻』宣言を述べ女の戦いの火蓋が切って落とされそうになる等、男鹿嫁モード全開の登校。
記憶を失ったヒルダは次第に悩んでいく。
今のままでも充分幸せなのに、もし記憶を思い出したが為に男鹿への気持ちが消えるのは寂しい、と……
そんな気持ちから、ヨルダが焔王に頼みサラマンダーに吐かせた『記憶の戻し方』を知るのを拒絶してしまう。
拒絶するヒルダを諌めるヨルダと男鹿の言葉にも、『そんなに(今の)私はいらない存在なんでしょうか』と涙を零し逃げてしまう。
さて、そんな彼女を尻目に男鹿と古市、ヨルダが見た『記憶の取り戻し方』とは……
サラマンダー「ズバリ王子様の口づけというやつですね
基本ですよ基本 いつの時代もお姫様を正気に戻すのは愛する者の口づけと 相場が決まっているのです」
とんでもない方法が明かされ、映像の入っていたDVDをパソコンごとぶっ壊し全力で無かった事にしようとする男鹿。
だがヨルダが葵始め石矢魔組に吹聴し、面白がった石矢魔組に追い回される男鹿の元に記憶を戻す薬を持参したラミアが現れ、
ベル坊のダウジング(通称ダブジング)を頼りに河原で黄昏れていたヒルダを発見。
だが一足早く、柱師団編にて描写無くヒルダにボコられた柱師団のザコ共が現れヒルダに絡んでいた。
当然男鹿の敵ではなく1コマで全員犬神家状態にさせられ、助けられたヒルダは、男鹿の生傷だらけの腕を見て語りかけた。
きっと以前にも自分はこうして助けられたのだろう、と。
そして男鹿の手に有る薬に気付き、とうとう覚悟を決めて記憶を戻す事を選んだ。
「今の私は消えてしまうかもしれませんが 元の私もきっと 幸せですから」
とうとう男鹿も諦めざるを得なかったのか、薬を川に投げ捨て『どっちみちベル坊の母親である事には変わりない』と、
ベル坊を彼女の頭に乗せ現状維持を受け入れた。
男鹿の不器用な優しさと、無邪気にヒルダにじゃれつくベル坊に感極まり、ベル坊にキスするヒルダ。
『それによく考えたら今のお前の方が飯も美味い』と背を向ける男鹿だったが……
ヒルダ「………そんなに私の作る飯はまずかったか?」
男鹿「あ?まずいなんてもんじゃねーよ 殺人未遂だ殺人未遂……ん?」
ヒルダ「ほう いい度胸だなドブ男 だが次は未遂では済まさんぞ」
どう見ても記憶が戻っていた。
そう、サラマンダーの指す『王子様』『愛する者』とは、ベル坊の事を指していたのであった。めでたしめでたし。
【記憶を取り戻した後】
記憶喪失の間の事は『何も覚えていない』ようで、『坊ちゃまを愛する気持ちは例え過去の私でも負けない』と、改めてベル坊に忠誠と愛情を注ぐ事を誓った。
その晩、寝ているベル坊を背にこっそりコンビニに行こうとする男鹿に『片時も坊ちゃまと離れたくない』と同行するヒルダ。
自由は無いのかとぼやく男鹿に『親になると覚悟を決めたのならつべこべ言うな』と諌める。
男鹿を親と認める発言に『(大魔王の命令のように)ベル坊を人間を滅ぼすようなヤツには育てないが良いのか』と返す男鹿だが、
『大魔王の命令は絶対だが仕えているのはベルゼ坊ちゃま』『坊ちゃまが望まぬのなら私も望まぬ』と、腕の中で眠るベル坊を愛おしそうに見つめ微笑む。
そして、項目冒頭の『自分の願い』を吐露したその次に……
「たつみ 貴様となら それが出来ると信じておる」
何も覚えていないはずなのに下の名前呼び。
そして自分の願いは男鹿が一緒なら叶えられるという、実質『今後も共に歩んでいく』という宣言。
『らしくない』発言に呆然として『本当に何も覚えていないのか』という男鹿の問いかけには
「ああ 何一つ 憶えておらんよ」
「いや本当かそれ?」「お前なんか笑ってねーか?」
「くどい」
これである。
果たして本当に『何も覚えていない』のかどうかは……言うのは野暮なのでみなさんの判断に任せておこう。
それまでは本作のヒロインと言えば、勘違いから男鹿に惚れ、分かりやすいツンデレを炸裂させ読者をほっこりさせる邦枝葵がその位置に就いていて、
ヒルダの方は『一応ヒロインと呼べなくもないけど実際のところは単にベル坊の世話係の女性』に留まっている……というのが実情であったが、
この一連の流れで彼女のヒロイン度がとてつもないハイパーインフレを起こし、名実共に葵と並ぶダブルヒロインの片割れとして昇格したのは言うまでもない。
当然、男鹿×ヒル派を始め多くのべるぜバブ読者を悶絶の渦に引き込んだのは間違いない。
そしてこの一連の記憶喪失騒動は、別の効果をも引き起こした。
初期からの読者でありネットユーザ―であった方なら分かるかもしれないが、
それまで本作は、『ベル坊がかわいい』『テンポは良い』等ファミリー層や漫画ライト層にはそこそこ好かれていたが、
ネット上のいわゆる漫画ヲタク達からは、過去に作者の彼女がネット上でジャンプ批判を起こしたのも有って、
『サンデーに行け*7』とか『不良モノなのか学園モノなのか子育てモノなのかバトルモノなのか分からない』だとか『バトルも含め展開が雑』だとか『早乙女はどう見てもジェクトじゃねーか』とか『アギエルはどう見ても真希波じゃねーか』とか『そんな事言ったら梓なんてまんまじゃねーか』とかの批判が多く、余り良い評価はされておらず、
ネット上でも殆ど話題に挙がる事は無く空気に近かった。
ところが、ある時期を境にこんな評価がネット上で目立ち始めたのである。
『よく分からんけど女の子は可愛いよね』
と。
そしてその時期とは、彼女の『記憶喪失編』が掲載された時期と重なっているのである。
ネット上でのファンがいつからファンなのかなんてのは分からない為、決して認められはしないだろうが、
本作品がネット上でもクオリティが認められるようになったり、なんだかんだで27巻+連載終了後の番外編6作のみで構成された28巻まで連載が続く結果となったのは、
記憶喪失時の彼女の表情豊かな新妻っぷりが新たな読者層を獲得した事が要因の1つ……と言っても過言ではないだろう。
【記憶喪失ヒルダのその後】
男鹿家の傍で『あのヒルダさんは消えてしまったのか』と問う古市に対し、
『言ってみればもう1つの人格だから何かの拍子に出てこないとも限らない』と答えるラミア。
……そして、そこから時は経ちクリスマス編。
ベル坊へのクリスマスプレゼントでの口論中、アクシデント的にベル坊とキスしてしまったヒルダは……
「たつみさん 私…覚えてますか…?
あの また会えて 嬉しいです」
ベル坊とのキスをキッカケに、再び記憶喪失時の彼女が表れてしまった。
もちろんおバカな男鹿もいい加減ベル坊のキスがきっかけと気付いてはいたが、
ムチャなクリスマスプレゼントを要求していた普段のヒルダとは違い大人しい為しばらくはこのままにしておく事を選んだ。一抹の罪悪感に胸をチクチクさせていたが
つまり上記のクリスマス編では、記憶喪失状態で参加していたのである。
大会でのゲーム中も、二人三脚のリズムを取る掛け声として『ベルちゃん ベルちゃん で行きましょう!』と提案し脚下されて一人でむくれて連呼したり、
男鹿がゼブルブラストで先行する参加者の殆どを蹴散らし実況に『最低カップル』と煽られた際には一人落ち込む等、相変わらず普段の彼女なら絶対見せない可愛らしさを連発。
……したのだが、今回は戻るのも早く、トーナメント初戦でまたもアクシデント的にベル坊とキスしてしまい、普段のヒルダが復活。
……相手が早乙女&酔天という本作でもトップクラスの強力コンビだったので戻りでもしないと勝てなかったのであるが。
以降記憶喪失の彼女が作中に表れる事は無く、今回の登場が最後となった。
【男鹿との関係】
一言で言えば単に子はかすがい状態。
あくまでベル坊を通じて男鹿と一緒に居るだけで、男鹿に対し特別な感情は抱いていない……と思われる。
だが、男鹿がナーガ達との戦いで親になる覚悟を決めた発言をしてからは、彼に対する蔑称であるはずの『ドブ男』が彼女なりに拘りがある様子*8がうかがえ、
ジャバウォックの連れてきたドラゴンに連れ去られる直前には『貴様は人間界でただ一人の父親』とベル坊を託し、最終決戦時には『間違いなく貴様が坊ちゃまの父親だ』と彼を認めている。
それに相対するように、男鹿からはアイリスが話題に挙がる度に『お前が母親みたいなもん』『母親ならもうここに居る』と言われている。
そして記憶が戻った晩の『たつみ』発言は、
もし彼女の言う通り『何も覚えていない』のであれば、普段の彼女の意志で突然『下の名前呼び』をした事になるし、
薄々見えているように『覚えている』のであれば、記憶喪失の間男鹿にデレまくっていた、普段の彼女からしたら黒歴史と言いたくなるような時の呼称をそれでも敢えて用いたという事になる。
それが恋心とまでは行かないかもしれないが、微かに見え隠れするようになったデレがたまらない。
また男鹿の方も、普段の恋愛脳がすっぽり欠落したような朴念仁な態度からして恋愛感情を抱いているとは決して言えないが、
ヘカドスに敗北してヒルダが槍に貫かれた時・ジャバウォックにヒルダが連れ去られた時には、彼女を守りきれなかった罪悪感からか、自分がカオスな裁判でめためたに罵られる自虐的な夢を見ており、なんだかんだで大事に想っている事がうかがえる。
カップルではないが、ベル坊を通した擬似家族という絶妙でもどかしくくすぐったい感じの両者の距離感は魅力のひとつと言えよう。
少なくとも確実に言えるのは、互いが互いのベル坊への気持ちを理解し、親であると認め合っているという事である。
追記・修正は赤ちゃん魔王に絶対の忠誠を誓ってからお願いします。
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▷ コメント欄
- 宣言より立てるのが遅れてしまいました。ツンツンツンツンデレくらいのバランスが至高です。 あと、アニメ版は全然分からないので詳しい方は追記お願い致します -- 名無しさん (2018-05-24 22:18:00)
- 愛が溢れてんなぁ -- 名無しさん (2018-05-24 22:34:33)
- アニメ版は魔法少女みたいな格好したヒルダさんが印象的だった -- 名無しさん (2018-05-25 00:32:17)
- 気合い入っててベネですね -- 名無しさん (2018-05-25 02:18:09)
- ベル坊のおしゃぶりを毎日変えていて 番号が振ってある -- 名無しさん (2018-05-25 06:20:22)
- いいヒロインだよなぁ。未だに好きなキャラだわ -- 名無しさん (2018-05-25 09:48:14)
- 愛ありすぎるだろ・・・うれしい -- 名無しさん (2018-05-25 22:47:20)
- ありがとうございます。あと、葵の項目の追記や某恥将の項目を立てる予定です -- 名無しさん (2018-05-26 22:05:43)
- デレダさん好きw -- 名無しさん (2018-05-29 00:14:11)
- 微修正ついでに葵の方も大幅追記しておいた事を報告しておきます。 -- 名無しさん (2018-06-17 14:41:26)
- 乙 -- 名無しさん (2018-06-17 15:03:36)
- 画像掲載について丁寧に注釈付いてるけどwikiの方針としてアウトなんじゃないの? -- 名無しさん (2019-04-26 18:50:14)
- ↑少なくとも集英社からは「こういう使い方もダメ」って言われる可能性が高い、だからちょいと直してみた。あとは画像削除申請かな -- 名無しさん (2019-04-28 23:04:08)
- スタイルめっちゃいいよな -- 名無しさん (2019-05-13 14:48:48)
#comment
*2 本人は隠さず素直に『魔界』と言ったが、男鹿の姉・美咲が聞き間違えた
*3 言うまでも無いが、フツーなら跳ねる前に破裂したりめり込んだりするはずである
*4 右目の数百倍の動体視力を誇る
*5 結果的にフォルカスから情報を渡された
*6 一応全話に登場しているが、5話目は2コマのみの登場で台詞も一切無し
*7 初期の絵柄や作風がどことなくサンデー作品っぽかったのが原因
*8 柱師団のチンピラ団員には『貴様にはドブ男は勿体無い』、サタンに対しては『ドブ男以下のクズ』等
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