千年女優

ページ名:千年女優

登録日:2017/03/22 (水) 22:55:04
更新日:2024/02/06 Tue 10:45:08NEW!
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千年かけても逢いたい人がいます







『千年女優』とは、2001年に製作された日本のアニメ映画。
2010年に急逝したアニメ監督、今敏の長編アニメ第2弾監督作品である。アニメーション制作はマッドハウス。
昭和初期から活躍していた大女優の生涯を、彼女の出演していた映画作品と回想シーンが複雑に入り組んだ構成で幻想的に描いた物語。
今監督特有の人間臭さが滲み出る写実的なキャラクターデザインと、回想の中にさらに劇中劇が入れ子構造で展開されるファンタジー描写とのミスマッチ、
そしてそれを通じて伝わるヒロインの凄まじい感情描写で、世界各地の映画祭で高い評価を得た。


第6回ファンタジア国際映画祭で最優秀アニメーション作品賞と芸術的革新賞を、第5回文化庁メディア芸術祭でアニメーション部門大賞(『千と千尋の神隠し』とダブル受賞)を受賞。


主題歌は平沢進の『ロタティオン(LOTUS-2)』。






ストーリー


日本を代表する映画スタジオ、銀映の撮影所取り壊しのメモリアル企画として、数々の映画に出演した大女優・藤原千代子のインタビューが組まれることとなった。
取材にあたったビデオ会社社長の立花とカメラマンの井田は、年老いた美しい老女、千代子の自宅へ赴き、彼女の過去を聞くこととなる。
それは、少女時代に出会った謎の男と「一番大切なものを開ける鍵」から始まる物語。
鍵を手にし、男を追うために入った映画の世界。そこでも千代子は走る。愛しき男の影を追い、戦国時代、江戸時代へ。
千年にもわたる妄執の末に、彼女がたどり着いた答えとは…?





登場人物


  • 藤原千代子(ふじわら ちよこ)

CV:折笠富美子(少女時代)、小山茉美(壮年時代)、荘司美代子(老年時代)
戦前から銀映で活躍していた大女優。現在は人外離れた山荘に住んでいる。
少女時代から年老いた現在まで、美しい顔立ちを整えた正統派美女。
東京大震災の日(1923年9月1日)に和菓子屋の一人娘として誕生し、女手一つで育てられ1940年に銀映に女優としてスカウトされる。
その最中に、警察に追われる男を蔵に匿い、彼と心を通わす。そして、男の落とした「一番大切なものを開ける鍵」を渡すために、満州でロケを行う映画に出演したことを機に女優デビューを果たした。
映画の中では数々の「男を追う女」の役を演じ、また「千年にわたる恋の呪い」をかけられ様々な時代を行き渡っていく。
やがて戦後には銀映を代表する名女優となるがある時鍵を失くし、男の顔も思い出せなくなり映画監督と結婚するもすぐに離婚。
そして『遊星Z』の撮影中に行方をくらまし、映画界から姿を消す。それには男への想いと、抗いきれぬ「老い」の壁が関係していた。



  • 立花源也(たちばな げんや)

CV:飯塚昭三、佐藤政道(青年時代)
映像会社「LOTUS」の社長。
銀映撮影所のメモリアルビデオの企画として藤原千代子のインタビューをする。
千代子の熱狂的大ファンであり、彼女の出演作は全て鑑賞済み(没入して役に入り込むことも)。
千代子の回想シーンでは映画のキャラクターとしても溶け込んでいる。
実は新人時代に銀映に入社し、千代子の出演映画にもスタッフとして参加していた。
ある経緯からかつて千代子が持っていた鍵を預かり、インタビューを通じて彼女にそれを返却した。



  • 井田恭二(いだ きょうじ)

CV:小野坂昌也
銀映メモリアル企画のカメラマン。関西弁ロン毛の今時の若者で、千代子のことも知らなかった。
映画の内容が入り混じった千代子の回想に冷静にツッコミを入れつつ、映画にのめり込む上司に呆れながらもカメラを回し続ける。



  • 島尾詠子(しまお えいこ)

CV:津田匠子
銀映の専属女優。
かつては美しい銀映の看板女優だったが、千代子のデビューとともにその座を追い落とされ、以降は映画の中で彼女を虐める悪役としての出演が多くなる。
少なからず不満に思っており、年老いた戦後には「引き立て役」と自嘲することも多くなった。
映画の中では、かつて男に貢いで裏切られた過去があるらしく、一人の男に一途な千代子を鼻で笑っていた。
ある時、撮影中に千代子の鍵を盗んでしまうが…。



  • 大滝諄一(おおたき じゅんいち)

CV:鈴置洋孝
映画監督。
千代子の初出演映画にスタッフとして参加した頃から彼女に気があり、以後何度も口説いていた。
鍵を失くして傷心の千代子に付け入る形で彼女と結婚するが、彼の書斎から千代子があるものを見つけたことで夫婦生活は終わりを告げた。



  • 千代子の母

CV:京田尚子
夫を亡くし、千代子を女手ひとつで育て上げた和菓子屋の女店主。
厳格で貞淑な性格であり、当時は千代子の映画界入りに反発していた。



  • 美濃(みの)

CV:片岡富枝
現代の千代子の家の家政婦。



  • あやかしの老婆

映画『あやかしの城』で登場する妖怪。千代子に千年にわたる恋の呪いをかけ、彼女に愛とも憎悪ともとれる言葉を吐く。
その後も、鍵の君を追ってはもどかしむ千代子の前に現れては彼女を苦しめる。



  • 鍵の君

CV:山寺宏一
少女時代に千代子が出会った男。絵を描くのが趣味で、キャンバスを持ち歩いている。
政治活動の最中、思想犯として特高警察に追われていたところを彼女に蔵に匿われた。平和になったら故郷で一面の雪を描くことを夢見ている。
そのたった一晩で彼女と語り合い、心を通わせ合った矢先に、「一番大切なものを開ける鍵」を、千代子に教える約束も果たせずに落として戦友の待つ満州へと発ってしまう。
この時、千代子に「お礼」として蔵の壁に彼女の肖像画を描いた。
千代子は彼を追い、映画の世界へと入っていくのだが、その手掛かりは現れては消え、次第に千代子も鍵の君の顔すら思い出せなくなり…。



  • 傷の男

CV:津嘉山正種
鍵の君を追う警察官。彼を匿った千代子にも鋭い目を走らせる。
千代子の映画の中では、鍵の君を追う彼女を阻む悪役(敵軍や奉行など)として何度も登場する。
そして昭和後期のある日、戦時中に起こした悪行の贖罪の旅の一環として、千代子の前に現れ、鍵の君が書き残した手紙を渡す。
しかし、その続きで彼はある告白をしていた。






登場映画


  • 傷痍の勇士

藤原千代子映画デビュー作。満州戦争のプロパガンダ映画として制作され、満州で全面ロケが行われた。


  • 君を慕いて

哀しい恋の末に、満州へ旅発つ男を見送る千代子の涙なくしては見られない名シーン。


  • あやかしの城

戦国時代、姫君のもとで起こる怪事件。それは城に巣食う老婆のあやかしの仕業だった。


  • 紅の華

誘拐された殿を助けるために姫君は男装して家臣とともに出陣。


  • 千代子の忍法七変化

甲賀忍者の千代子が七変化を繰り返しながら大活躍する活劇。


  • 島原純情

京都島原、遊女の千代子と詠子の熾烈な争い。


  • 雪の絶唱

江戸時代、脱藩浪士と町娘の許されぬ恋。


  • 怪傑黒天狗

江戸時代を舞台とした活劇ヒーロー映画。


  • めぐり逢い
  • 東京のマドンナ
  • 学舎の春
  • 真夏の水平線
  • 女の庭
  • 化石の家

いずれも戦後昭和が舞台。恋愛ものから家族ものまで様々。


  • トラック大将

デコトラ運転手の出会いと失恋を描くシリーズ。


  • ギガラ

怪獣映画。千代子は博士役。


  • 遊星Z

日本製SF映画。藤原千代子映画出演最終作。
千代子が撮影中に突然失踪したため、残りのシーンは代役が立てられて完成した。





「俺はこの項目を劇場で53回追記修正したんだ!」
「え!?いつからアニヲタWikiの話なん!?」



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「今度はきっと逢えますね、あの人に…」



「そうね…でも、どっちでもいいのかもしれない…」





「だって、私…」




































「だって私、あの人を追いかけてる私が好きなんだもの」



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  • こんな映画あったのか…項目最後の台詞、諦めとも生きがいとも取れるな…どっちにしても一つの決着をつけた女の結論だ -- 名無しさん (2017-03-23 00:36:36)
  • 自己愛とも言えるがガタガタ言ってんじゃねえ好きな事するぞ!、って言う問答無用ぶりが好き -- 名無しさん (2017-03-23 08:57:27)
  • 概要読んで知った気になってないで、自分の目でしっかり見てほしい作品 -- 名無しさん (2017-03-23 16:34:21)
  • 現実と虚構の入り混じりながらの過去話は圧倒的ななにかがあった。 -- 名無し (2017-03-23 16:49:26)
  • ↑2百聞は一見に如かずを体現したような作品だよな -- 名無しさん (2017-03-23 21:03:10)
  • 今まで見た映画の中でトップ5に入るくらい好き -- 名無し (2017-03-25 10:55:47)
  • 何故かは言葉で表せないけど、本当に好きな映画 -- 名無しさん (2020-08-19 23:11:33)
  • いつの間にか(最初から?)鍵の人を追うことは彼女が女優を続ける情熱の寓意になってるんだよな。だから美人女優として年齢が微妙になった時は鍵を無くしたのを機に追うのを(女優業を)諦めた。終盤は、かつて鍵の人を追っていた自分を思わせる情熱でインタビューに来た立花と会うことで忘れていた気持ちを思い出し、また鍵の人に会いに行くために進みだした。だからラストのセリフは「前に進み続ける自分が好き」というものすごく前向きな決意と俺は解釈した。 -- 名無しさん (2020-10-03 23:54:10)
  • 不思議な魅力のある作品だったよね -- 名無しさん (2020-12-01 00:50:08)
  • 音楽をさきに知ってあとから冬の寒い時期にDVDを観たけれど、不思議な愛の物語だった -- 名無しさん (2021-12-01 21:44:01)

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