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更新日:2024/01/26 Fri 10:43:45NEW!
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『Batman: The Black Glove』は2007年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。
『Batman Vol.1』#667~#669、#672~#675
発売 2007年8月から
脚本 グラント・モリソン
作画 J・H・ウィリアムズⅢ(#667~#669)、トニー・S・ダニエル(#672~#674)、ライアン・ベンジャミン(#675)
日本では2012年に小学館集英社プロダクションから邦訳本が発売されている。
異才グラント・モリソンの描くバットマン・サーガ第1部の第3巻。グラント・モリソンが『Batman Vol.1』のライターに就任した際、
70年にも及ぶバットマンの歴史を一人の人間が歩んだものとして描くアイデアを採用した。
その中で特に扱いが難しいのが1950年代のSF風のバットマンに似つかわしくないストーリーだったが、
モリソンはあえてこの時代を取り上げストーリーに多く取り入れている。その傾向は本作『ブラックグローブ』から強くなっている。
前半の『ヒーロークラブ』事件は孤島に呼び出されたヒーローたちが謎の殺人鬼に苦しめられるというクローズド・サークル方式の作品。
そこには世界各国のバットマンたちが現代風にアレンジされて登場する。
後半のエピソードでは偽バットマン/バット・デビルとの戦いが描かれる。
その中にはバットマンが体験した奇妙な実験やギャグキャラクターだったバットマイトが登場する。
『Batman Vol.1』#667~#669
『Batman Vol.1』#672~#674
『Batman Vol.1』#675
『Batman Vol.1』#667~#669
【物語】
世界各国のバットマンたちが集められた『ヒーロークラブ』の会合が主催者ジョン・メイヒューの孤島で久々に開かれた。
メンバーは姿が変わったもの、名前を受け継いだものそして落ちぶれたものまで様々に変化していたがそれぞれ再会を楽しんでいた。
そんな中、メイヒューの顔の皮をかぶった何者かがスクリーンに映し出されヒーローたちの皆殺しを宣言する。
ヒーローたちは疑心暗鬼になりながらも犯人捜索を開始する。
【登場人物】
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。かつて自分も参加していた『ヒーロークラブ』の会合に久々に参加し事件に巻き込まれる。
- ロビン(ティム・ドレイク)
ディック・グレイソン、ジェイソン・トッドに次ぐ3代目のロビンでブルースの養子。
『バットマン・アンド・サン』で偽バットマン/バット・ベインと戦い肩を痛めている。
『ヒーロークラブ』の会合に参加するバットマンに付いてきた。持ち前の洞察力で隠し部屋を発見するも
スクワイアと共に捕まってしまう。
≪ヒーロークラブ≫
元々は1957年の『World's Finest Vol.1』#89に登場した組織。
メンバーの多くは1955年の『Detective Comics Vol.1』#215に初登場している。
- ナイト(シリル・シェルドレイク)
イギリスのバットマンで2代目ナイト。甲冑のような服装をしている。ワーデンシャー州の伯爵。
子供の頃は父で初代ナイト(パーシー・シェルドレイク)のサイドキックで2代目スクワイアだった。
父の死後、自暴自棄になり浮浪者になるがベリルと彼女の母に救われナイトとして復活しベリルをサイドキックとした。
父の死の遠因となったメイヒューを恨んでいる。犯人捜索中に爆弾を飲まされてしまう。
- スクワイア(ベリル・ハッチンソン)
ナイトのサイドキックで3代目スクワイア。シリルの命を救ったのをきっかけに彼のサイドキックとなった。
事件発生後はロビンと行動を共にしていたが彼と共に捕まってしまう。
- エル・ガウチョ(サンティアゴ・バルガス)
アルゼンチンのバットマン。顔に赤い覆面をつけている。ポーラやナイフが武器。
- マスケティア(ジャン・マリー)
フランスのバットマン。羽根つき帽子をかぶり細身の剣が武器。かつて戦闘中に誤って敵を殺してしまい
精神病院に入れられてしまうが、その間に出版した自伝が大ヒットになり大金持ちとなった。
- マン・オブ・バッツ(ウィリアム・グレートイーグル)
アメリカのインディアン保留地区のバットマン。インディアンの民族衣装を身に着けている。表の顔は医師。
医師の経験から爆弾を飲まされたナイトの対処に当たる。
彼とレイブンレッドは1954年の『Batman Vol.1』#86に登場したキャラクター。
- レイブンレッド(チャーリー・グレートイーグル)
マン・オブ・バッツのサイドキックで彼の息子。子供の頃はリトルレイブンを名乗っていた。
犯人に捕まりピラニアの入った水槽に吊り下げられてしまう。
- リージョナリー(ジョバンニ)
イタリアのバットマン。古代兵士のような服装をしている。かつては長槍を使って高い壁を飛び越えるなどしていたが
現在はワイロを受け取り見る影もなく太り言動も下品になっている。
犯人からのメッセージの直後、モニター室を発見するが刺殺される。
- ウィングマン
スウェーデンのバットマン。かつてはその名の通り翼をつけていたが現在はバットマンのようなダークな姿をしている。
バットマンから直接訓練を受けたが現在は彼を嫌っている。何者かに顔を焼かれ首をつられ殺された。
元々は1951年の『Batman Vol.1』#65に登場したキャラクター。
- ダーク・レンジャー
オーストラリアのバットマン。かつてはレンジャーを名乗りボーイスカウトのような服装だったが現在は銃を武器にして
ヘルメットとジェットパックを身に着けている。
≪その他≫
- ジョン・メイヒュー
『ヒーロークラブ』の発起人。20代の頃に一財産を築き冒険や映画製作などあらゆることに手を出してきた。
ある時メトロポリスに基地を作って各国のバットマンたちに提供し『ヒーロークラブ』を結成した。
しかしバットマンが参加しなくなったのと初代ナイトとの対立がきっかけになり『ヒーロークラブ』を解散し
彼は自分の島で世捨て人のような生活を送るようになった。
久々に『ヒーロークラブ』の会合を開きヒーローたちを自分の島に招くが何者かに殺され顔をはがされた。
元々は1957年の『World's Finest Vol.1』#89に登場したキャラクター。
- ナイト(パーシー・シェルドレイク)
シリルの父で初代ナイト。子供の頃はシャイニング・ナイトのサイドキックで初代スクワイアだった。
12年前の『ヒーロークラブ』の会合でメイヒューによる何らかの犯行に気付き彼に飛び掛かった。
しかしその後、証拠を発見できず鬱状態になり最後は爆弾を飲まされ死亡した。
『Batman Vol.1』#672~#674
【物語】
突如偽バットマン/バット・デビルがゴッサム市警本部を襲撃しゴードンを人質に取った。
ベースジャンプに興じていたブルースはバットマンになって急行しゴードンを救出しようとする。
バット・デビルから胸に爆発弾を受け心停止状態になったバットマンは不可思議な幻を見る。
【登場人物】
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。イザベルとチャリティの一環でベースジャンプをしていたが、『バットシグナル』で呼び出され
ゴードン救出に向かう。バット・デビルの反撃を受けた彼は幻を見た後、バット・デビルに救出され拷問を受ける。
≪ヴィラン≫
- 偽バットマン/バット・デビル(マイケル・レーン)
バットマンのコスチュームを身に着けた元警官で独特なマスクをつけている。
その正体は軍と警察が行ったバットマンがいなくなった時の代わりを生み出す実験の被験者。
悪魔教徒に家族を殺されたトラウマを持つため被験者に選ばれた。
ゴッサム市警本部を襲撃し実験の責任者だったヴェーン本部長の身柄を要求する。
代わりに現れたゴードンを人質に取りバットマンをおびき寄せる。現れたバットマンを心停止状態にすると
実験が行われた部屋に彼を連れていき治療し拷問を行う。
- 偽バットマン/バット・ベイン(ブランカ)
バットマンのコスチュームを身に着けた元警官でベインのような肉体を持つ。
バット・デビル同様バットマンの代わりを生み出す実験の被験者。家族思いの真面目な男だったが
命令のまま『ヴェノム』や『怪物血清』を使い精神を病み妻子を殺してしまう。その後、とある更衣室に
閉じ込められていた。バット・デビルの計画に協力する。
≪その他≫
- ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長。バットマンの良き理解者。突如現れたバット・デビルに困惑しながらも
彼が元警官だと知り説得を試み人質になる。バットマンに救出されると今度はさらわれたバットマンの救出に乗り出す。
その際、偽バットマンについて知るファレリから事の真相を問いただす。
- アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。イザベルに入れ込むブルースを心配する。ブルースの幻の中では彼の葬儀に参加していた。
- タウニー・ヤング、リンダ・パーク、ビッキー・ベイル、エミリー・ブリッグズ
トーク番組ザ・シーンでブルースの恋愛について語る女性4人。
タウニーはグリーンランタンと縁がある女性レポーター。
リンダは3代目フラッシュ(ウォリー・ウェスト)の妻。
ビッキーはゴッサムのジャーナリストでブルースと付き合ったこともある。
エミリーはモデルで吸血鬼ヒーロー、ルッカーとしても活動している。
- ファレリ
『バットマン・アンド・サン』に登場した悪徳警官。軍と警察によるバットマンを生み出す計画に参加しており、
そのことを他の参加者と共に黙っていた。しかしバット・デビルの暴走を見てゴードンに真実を伝える。
- イザベル・ジェット
元モデルで小国ムタンバの元首。暗殺された父の跡を継いだ。ブルースと付き合っており彼とベースジャンプをする。
- バットマイト
ブルースの幻に現れたバットマンのような姿をした謎の存在。ジルフー五次元世界のB空間から来たと語り
背中に謎の生物を乗せている。幻の中でブルースに語り掛け、目覚めたブルースにも語り掛け続ける。
元々は1959年の『Detective Comics Vol.1』#267に初登場したギャグキャラクター。
- ジョー・チル
ブルースの両親を殺したとされる男。ブルースの幻に現れバットマンに精神的に追い詰められていき最後には……。
- バーバラ・ゴードン、クラーク・ケント、ハル・ジョーダン、ディック・グレイソン、オリバー・クイーン
ブルースの幻の中で彼の葬儀に参加していた面々。
- サイモン・ハート
数年前バットマンに感覚遮断実験を施した人物。バットマンの専門家を語る。
感覚遮断実験を利用して新たなバットマンを生み出す実験を行うが失敗し姿を消した。
元ネタは1963年の『Batman Vol.1』#156に登場した宇宙医学を研究する博士。
- ロビン(ディック・グレイソン)
バットマンの幻や過去の回想に登場する若き日のディック。
『Batman Vol.1』#675
【物語】
バット・デビルとの戦いから1週間後、ブルースはイザベルと食事に出かけた。
そこで彼女が自身の行動に疑問を持ち始めていることを知ったブルースは彼女と別れようとする。しかしそこに謎のテロリストが現れる。
【登場人物】
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。気を許し始めたイザベルが自身の二重生活に気付き始めたため、
別れを告げようとするが謎のテロリストに襲われる。
- イザベル・ジェット
元モデルで小国ムタンバの元首。ブルースとのレストランでのデート中、彼の裏にある何かを感じ追及するが別れを告げられる。
直後に現れた謎のテロリストに人質として連れていかれる。
≪ヴィラン≫
- 九つの目を持つ怪人
ブルースとイザベルのデートを襲撃したテロリスト。目隠しをしており左手の中指がない。
ブルースも修業したことがあるアフリカ北部の砂漠にいる十目教団のゴースト一族の1人で追放された身。
目で見る代わりに指につけた目のマークで見る。
- ドッグ団
冒頭でロビンとナイトウィングに壊滅されたギャング。犬の被り物をしている。
- レイガン・レイダー
ロビンとナイトウィングに捕まった小悪党。ジェットパックで空を飛ぶ。
≪その他≫
3代目ロビンと元初代ロビン。どちらもブルースの養子。ゴッサムの小粒の悪党を退治していたところ
レストランでの事件を知り急行する。
- タリア・アル・グール
『リーグ・オブ・アサシンズ』の首領ラーズ・アル・グールの娘。どこかの基地でダミアンの教育をする一方、
ブルースに近づくイザベルを探る。
- マーリン
暗殺者集団『7人の死の使徒』の1人で弓の名手。現在はタリアに仕えておりダミアンの弓の教育を行う。
ブルースとタリアの息子を名乗る少年。マーリンから弓を教わる。
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