登録日:2009/08/20(木) 15:09:00
更新日:2023/10/26 Thu 11:34:09NEW!
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「つながり」こそがボクらの武器。
サマーウォーズとは2009年8月1日公開のアニメ映画。
【概要】
監督は「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」や「時をかける少女」で有名な細田守。
脚本は「学校の怪談」の奥寺佐渡子。
配給は「DEATH NOTE」シリーズのワーナー・ブラザース映画。
角川書店から漫画版が出ている。全3巻。
ストーリーが微妙に変更されている他、夏休み明け後を描いた後日談が追加されている以外はほぼ映画と同一。
また、カズマを主役にしたスピンオフ
「サマーウォーズ~クライシス・オブ・OZ」がスニーカー文庫から、
「サマーウォーズ~キング・カズマVSクイーン・オズ」が角川書店から発売されている。
所謂サイバーパンクに分類される作品だが、SNS的にビジュアライズされたアバターや、大家族をテーマにするなど、コンピュータに詳しくない人でもとっつきやすくなっているのが特徴。
また詳しくは後述するが、ストーリーの流れやネットワーク内の表現など、上記の「ぼくらのウォーゲーム!」との類似点が非常に多い事も指摘されている。
今作以降の細田監督作品全般に言えることだが、見る人によって賛否がバッサリ分かれがちな映画でもある。
だいたい家庭環境にコンプレックスがあるかどうかと侘助に感情移入するかどうかが評価の分かれ目になりやすい。
【あらすじ】
2010年7月。
高校2年生の小磯健二は先輩の篠原夏希から「バイトしない?」と誘われる。
その内容とは、8月1日に長野県上田で開かれる曾祖母・陣内栄の満90歳の誕生日会の手伝いであった。
しかし、早速栄に面通しとなった健二は夏希から
「私の彼。お婿さんになる人」
と紹介される。
実はこのバイト、近頃病気がちな栄を元気付けるために夏希が考えた苦肉の策だったのだ。
栄に認められ、慣れない大家族の団欒を経た健二はその夜、送り主不明のメールを受け取る。
本文には暗号めいた数列が並び、件名には『Solve Me!』の文字が。
つい夢中になり、夜を徹して解答を導き出した彼だったが、翌日驚くべきニュースを目にする。
全世界の生活を支えるネットワークシステム『OZ』が大混乱に陥り、そしてその犯人が健二だという……
明らかになる事件の全貌と一族との意外な繋がり、そして日常を侵すネットワーク・クライシス。
健二は、そして陣内一族は、この混乱を解決に導く事ができるのか?
【登場人物】
◆小磯健二
CV:神木隆之介
本作の主人公。そして混乱の一端。
17歳の高校2年生。数学が得意で、数学オリンピック日本代表……になり損ねた男。彼女いない歴17年。
序盤は自信を持てない少年だったが、陣内家、特に栄(夏希の祖母)との交流で徐々に前向きになり、終盤に覚醒する。ついでに鼻血も出ちゃった。
OZのアバターはミッキーマウスめいた耳*1を付けた少年……だったのだが、故あって中盤からは二頭身のリスになる。
「よろしくお願いしまぁぁぁああああすっ!」
◆篠原夏希
CV:桜庭ななみ
本作のヒロイン。18歳の高校3年生。
剣道部に所属し、校内のアイドル的存在。
最初は健二のことを意識している様子はなかったが……
OZのアバターは和服の鹿少女。夏希とよく似ている。
◆池沢佳主馬(かずま)
CV:谷村美月
本作のもう一人の主人公。13歳の男の子。
PCの扱いになれていて、実は『OZ』では有名人。キングカズマの正体。
日焼けした肌とクールな言動が特徴。
多分みんな、実は女の子説を考えただろう。
つまり
かわいい。
かわいいのである。
◆陣内栄(さかえ)
CV:富司純子
御年90歳。戦国時代から数百年以上続いている陣内家16代目当主。
名実共に陣内一族をまとめるカリスマおばあちゃん。若かりし姿は凛とした美人。
劇中の「あんたならできるよ!」は多くの観客、視聴者に勇気を与えた。
◆陣内侘助(わびすけ)
CV:斎藤歩
41歳。
陣内家の当主だった曾祖父の隠し子。
他の親族たちからは疎まれているが、夏希には懐かれている。
東大卒でアメリカ留学の経験を持つ天才。
◆佐久間敬
CV:横川貴大
健二と同級生の17歳。健二と共に物理部に所属。
PCの扱い自体は健二や佳主馬より上で、事件解決のサポートに回る。
OZのアバターはドット絵の眼鏡をかけたサル。
◆その他陣内一族
詳細は陣内家(サマーウォーズ)へ
◆ラブマシーン
「モー娘?」
いいえ、人工知能プログラムです。
当初は健二のアバターを崩したような姿をしていたが、途中から仁王のような姿に変化した。
学習能力に特化しており、吸収したアバターのアカウントを乗っ取りOZでパニックを引き起こす。
◆世界のみんな
ありがとーーー!!
【スタッフ】
監督:細田守
作画監督:青山浩行
アクション作画監督:西田達三
キャラクターデザイン:貞本義行
脚本:奥寺佐渡子
美術監督:竹重洋二
主音楽:松本晃彦
主題歌:山下達郎『僕らの夏の夢』
監督はわかってる。
え、何がって?
ジュブナイル見れば解ると思う。
また、この作品は『ぼくらのウォーゲーム!』との類似点が数多く存在し、『デジモンの代わりに人間が活躍するウォーゲーム』と言っても過言ではない。
ただしシナリオやキャラクターの魅力は負けず劣らずの素晴らしさなので、『デジモンが出ないウォーゲームなんて』と言わず、是非見ていただきたい。
ストーリーを楽しみつつ、思い出にも浸れる贅沢ができる。
ちなみに、監督は時間の都合により『ぼくらのウォーゲーム!』でやりきれなかったことをこの映画でやりきったとのこと。
【ウォーゲームとの類似点】
ネタバレ注意
- ネット上に出現したAI(デジモン)により、世界中が大混乱に陥る。
ストーリーの基本骨子。
ウォーゲームではディアボロモンによるデータの喰い荒らし、サマウォではラブマシーンによるOZ内のアバター奪取により起こった。
- 一度、主人公サイドのトラブルにより敵に敗北する。
ウォーゲームでは八神太一がPCをフリーズさせてしまい敗北。
サマウォでは翔太の行動によりスパコンが熱暴走を起こして敗北。
- 世界中から応援が来たことで奇跡が起き、主人公サイドがパワーアップする。
ウォーゲームでは世界中からの応援メールにより、オメガモンが誕生。
サマウォでは世界中からの応援メッセージとアバター提供により、OZの守り神ジョンとヨーコから吉祥のレアアイテムが授けられた。
- 敵による最後の現実への干渉として、超高高度からの物体の落下が引き起こされ、更に核爆発の危険が伴う。
ウォーゲームでは核ミサイルが発射される。
サマウォでは人工衛星あらわしのGPS誘導が乗っ取られ、落下候補地の一つに核施設があった。
- 戦闘におけるメインキャラクターの一撃で敵が滅びる。
ウォーゲームではオメガモンのグレイソードによる一刺しでディアボロモンが消滅。
サマウォではキングカズマの鉄拳でラブマシーンが消滅。
この時の構図も似ている。
- 天才の行動で逆転の一手が決まる。その際にエンターキーを押す描写が入る。
ウォーゲームでは泉光子郎がディアボロモンのアドレスに大量の応援メールを転送、レスポンスを下げることで行動不能にした。
サマウォでは健二の超高速暗算によりパスワードのセキュリティを突破、「よろしくお願いしまああああす」によりGPS誘導に干渉して落下軌道をズラした。
また、侘助がラブマシーンの防御力を0にしている。
- 事件解決後、落下物が主人公サイドの近くに落下し、落下地点から大量の水が舞い上がる。
ウォーゲームでは八神家の近所の川に落下。
サマウォでは陣内家の近くに落下して温泉が噴き出た。
- ラストで主人公とヒロインが良い雰囲気になる。
ウォーゲームでは太一からのメールが届いた武之内空が機嫌を直し、EDでプレゼントのヘアピンをつけている。
サマウォでは健二と夏希が恋人同士になる。
【余談】
田舎の親戚が多い視聴者(編集者含む)からは宴会のシーン*2がやけにリアルと評判。
涼宮ハルヒの憂鬱の原作者である谷川流は、仕事をすっぽかしてこの映画を見に行っていたようである。
仕事しろ。
3月3日にDVD、BDが同時発売され、いずれもオリコンで週間1位を獲得。またBDではアニメ作品最高の初週売上となった。
しかし、1週間後には機動戦士ガンダムUCに記録を塗り替えられている。
実際の花札ではプレイヤーの頭脳や冷静さは当然重要なわけだが、同時に良い札を引けるか、運に非常に左右されるので、終盤のこいこいのシーンの様に連続で高い役を連発出来るのは奇跡としか言い様がない……というより有り得ない。
ネタバレを含む補足
小説版ではこの辺りの説明が補完されており、ジョン・ヨーコから夏希に授けられた新衣装は、
1億以上のアカウントを委託される事が入手条件の運のパラメータにボーナスを付与する効果を持っているとの事。
衣装によるパラメータ補正で『奇跡的な強運』を再現したと言える。
2009年当時としては最新機種だった最初期型iPhoneが侘助の携帯電話として登場しているが、本作はiPhoneが登場した世界初の映画らしい。
2023年7月には細田監督作品のリバイバル上映が開始されたが、本作も7/28より2週間限定で公開開始した。
おそらくは意図したものであろうが、本作は2010年の7/26から8/1にかけての物語であり、再上映時期は作中時期と対応している。
また栄の誕生日である8/1には陣内家の家紋入り限定うちわが配布された。
追記・修正……よろしくお願いしまぁぁぁああああすっ!
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▷ コメント欄
- 夏になったら、見たくなる。同意。 -- 名無しさん (2013-07-22 20:56:07)
- 面白かったけど、やはり映画版だと短いね。漫画版は後日談もあるし、進めるなら漫画版からかな -- 名無しさん (2014-01-10 20:36:30)
- ↑岩井恭平氏のノベライズも良く調理されている。特にヒロインの活躍と主人公の過去が補完されているのが良かった。 -- 名無しさん (2014-01-10 21:06:20)
- 何も悪い事してないのに全国放送で犯人扱いされ、なのにパスワードを解いてシステムを解放するって立派な事をすれば表彰ものは間違いないのに、陣内家族に誉められただけ? -- 名無しさん (2014-07-11 08:20:18)
- でも「家族」によくやったって言ってもらったら、それは表彰よりも最高の栄誉だと思わない? -- 名無しさん (2014-07-11 08:41:16)
- コンピューターで制御された世界への皮肉も込められてるよな -- 名無しさん (2014-07-11 09:09:19)
- 早い話ターミネーターだからな。ネットワークの集合体が意思を持つという点でね。 -- 名無しさん (2014-07-11 09:45:09)
- 実際のところネットワークによる管理が今より進んだとしても、デカいサーバーで一元管理するよりは幾つかに小分けしたサーバーで管理した方がリスク分散含め色々楽だと思うけどね -- 名無しさん (2014-07-11 09:52:35)
- 世界中のみんなが一緒に戦うシーンでは思わず涙出た。 -- 名無しさん (2014-07-11 11:36:14)
- 主人公の声を演じた神木君の演技力は秀逸だった。 -- 名無しさん (2014-07-11 13:06:00)
- 神木はいいよね、ちゃんと演じられるから -- 名無しさん (2014-07-11 13:12:46)
- ↑8。ネット内では、きっと世界を救った神だと崇められてるはずだ。 -- 名無しさん (2014-07-20 00:35:30)
- 「へーウォーゲームの監督かー」って思ってみてみたらまんまウォーゲーム過ぎてびっくりした -- 名無しさん (2014-07-20 00:46:36)
- この監督、絶対ケモナーでショタコンだよね -- 名無しさん (2015-06-27 18:19:07)
- ラストで主人公とヒロインが結ばれるけど元になったデジモンのその後と侘助おじさんがちょい悪(ヤマトっぽい)な所為で不安を誘う・・・やはりデジモン02は害悪だった -- 名無しさん (2015-07-04 12:07:22)
- ちなみに栄おばあちゃんの誕生日である8月1日 -- 名無しさん (2015-07-04 13:45:48)
- ↑途中送信失礼。この日はデジモンの日だよね。この辺も意識してんのかな。 -- 名無しさん (2015-07-04 13:47:07)
- 覚醒主人公がチートすぎるだろ、最後暗算しちゃったし軽いスパコン並か? -- 名無しさん (2016-09-01 03:41:48)
- 脚本の奥寺佐渡子は時かけ、おおかみの他、あの90年代の学校の怪談1、2、4も担当している。さらにジュブナイル主題歌の山下達郎と少年少女の『あの頃』の夏要素満載。 -- 名無しさん (2017-06-19 11:14:33)
- 今はどうなっているか分からないがかつてサマーウォーズのこいこいがアプリ配信されてた。複数人で協力して戦うラブマシーンモードとかもあった -- 名無しさん (2017-07-18 09:04:15)
- ↑3カズマが主役の小説だと、ファイヤーウォールの突破にはスパコン数百台が数百年かけなきゃ無理って書いてあるので、おそらく量子コンピュータとかそんなレベル -- 名無しさん (2017-07-18 22:15:33)
- 侘助おじさんは、大叔父だから結婚したりしないよ -- 名無しさん (2020-08-13 02:07:42)
- デジモン嫌いな人用 -- 名無しさん (2021-07-14 01:26:16)
- 最初にラブマシーンを捕らえた所でガキンチョ二人が邪魔しなけりゃあ…といつも思ってしまう -- 名無しさん (2021-07-16 21:47:13)
- というか2敗とも原因がヒューマンエラーなのがリアル -- 名無しさん (2021-07-16 21:49:09)
- クイズノックがあの暗号を解けるかどうかの動画やってたけど、コンピュータとかそういう次元じゃない -- 名無しさん (2021-07-16 22:51:13)
- 先日、この映画をテレビで初めて視聴したが侘助さんがあまりにもかわいそすぎないかと思った。本人の性格等の理由もあったかもしれんが妾の子だからって栄お婆ちゃん以外の親戚(事情を知らない子供や奈々さん除く)から邪険に扱われてるところとか。 -- 名無しさん (2021-07-18 15:40:37)
- ↑まぁ実害も出してるしな。でも「とにかく勝手な奴」って台詞が「みんな嫌ってるからとりあえず嫌っておこう」って空気はあったな。 -- 名無しさん (2021-07-18 15:46:31)
- 侘助おじさんが邪険に扱われてたの、てっきり一族の資産を持ち逃げして10年間音沙汰無しだったせいかと思ってた -- 名無しさん (2021-07-22 22:10:58)
- ↑(書き忘れ)妾の子だからって理由で嫌われてたんじゃなくて -- 名無しさん (2021-07-22 22:18:05)
- 「ヒロインが嫌いなんだよな……」って言ったら「ヒロインはカズマきゅんだろ何言ってんだ」って言われて目が覚めた -- 名無しさん (2021-07-22 22:30:30)
- ↑オチでセーラー服着てきて健二が驚くパターンでもよかった気がする -- 名無しさん (2021-07-22 22:33:18)
- しかし、1週間後には機動戦士ガンダムUCに記録を塗り替えられている。 -- 名無しさん (2021-07-24 20:34:40)
- ↑続き ええい、連邦軍のMSは化け物か! -- 名無しさん (2021-07-24 20:43:37)
- 最後は言ってみれば「元気玉展開」であってベタと言えばベタなんだが、何度見ても涙が出てくる。やっぱり王道は素晴らしいから王道なんだ -- 名無しさん (2022-07-05 15:23:37)
- この作品の家族から最新作のもし家族が支えじゃない人がいたらまでの監督の成長を考えるとすごい -- 名無しさん (2022-07-05 15:28:26)
#comment
*2 机をいっぱいくっつけて並べる宴会席、余計なこと言うおじさん共、台所に集合する女性陣などなど
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