幽霊客船殺人事件(金田一少年の事件簿)

ページ名:幽霊客船殺人事件_金田一少年の事件簿_

登録日:2011/05/24 Tue 13:34:29
更新日:2024/04/16 Mon 02:01:47NEW!
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さあ、汽笛が鳴った。
出航だ。もう後には引けない。どんな荒波が待ち受けていようと、二度と後戻りはできない。
わたしは、船長なのだから。
この船に乗っている許しがたい者どもを地獄に導く『航海』の舵取りをするのがわたしの役目―。
そう、たった今から、我が名は、


『幽霊船長(ゴーストキャプテン)』



幽霊客船殺人事件は、金田一少年の事件簿での事件の1つであり、かつて金田一少年が解決した事件のうちの一件。ノベルズ第2巻に収録。コナンのアニオリでも似たようなタイトルの事件があったが無関係である。
テレビドラマでは第3シーズン第1話・第2話として2001年7月14日と21日に、テレビアニメでは第28話~第31話として1997年11月17日~12月8日にかけて放送された。


悲恋湖伝説殺人事件で触れられた『オリエンタル号事故』の真相が明らかになる。
作中でも触れられており、時系列が悲恋湖での事件以降とわかる。


アニメ版の容疑者リストの順番は上段は左から加納、大槻、鷹守、若王子、水崎で、下段が赤井、時原、大沢、吉田、香取の順でバックは桃色。
登場する怪人は「幽霊船長(ゴースト・キャプテン)」。



以下、ネタバレにご注意下さい。














【事件の始まり】
金田一達は、小笠原行きの客船・コバルトマリン号に乗り込む。しかし、この船には、幽霊船長(ゴーストキャプテン)の噂が立っていた。
そして金田一は、この船の乗組員達がかつてのオリエンタル号沈没事故の当事者達である事を知る。
そんな中、船長の鷹守が幽霊船の伝説に見立てられて殺害される。果たして、幽霊船長(ゴーストキャプテン)の正体とは!?



【事件関係者】

  • 水崎丈次

CV:菊池正美/演:石原良純
二等航海士。すっきりした顔立ちの清楚なイケメン。香取の恋人。
毒針で狙われるがたまたま寝過ごした事で加納が身代わりとなって死んでしまい
事件中、生存する唯一の操舵士になってしまう。
剣持に寝過した理由を聞かれても何故か答えなかった。
ドラマ版では、放送当時の東京都知事の息子でかつ日テレの名ドラマ『太陽にほえろ!』でドラマ版蝋人形城殺人事件南山の演者らと共に最後まで生存した石原良純が演じていた。…あれは水崎じゃねえ!!


  • 鷹守郷三

CV:小山武宏/演:団時朗
コバルトマリン号の船長。実はオリエンタル号の元船長。別サイトで「鷹森」と間違って書かれやすい。この航海が最後で引退とのことから定年が近い50代後半と思われる。
容姿だけは「宇宙戦艦ヤマト」の沖田艦長に似ているが、船乗りのプライドも何もないただのヒゲじじい。真犯人によれば背は高い方ではないらしい。
船員紹介時に既に酒を飲んでおり、酔っぱらいながら「こんな汚い船に」と愚痴みたいに謙遜しつつ演説した。
第一の被害者。出港の翌朝に行方不明となり船長室の電源スイッチに付着していた血痕から、殺害された上『マリー・セレスト号』の怪談に見せかけられる形で死体を海の真ん中に投げ捨てられたと推理されたが…
ドラマ版では帰ってきたウルトラマンの団時朗が演じていた。ドラマ版で腕章をよく見ると…
「エンジンは限界を迎えているから引き返せ」と言った大槻の忠告を無視し、「ぶっ壊れるまで走るのみだ」と乗客の命を預かる船長らしからぬ発言をしている。


  • 若王子幹彦

CV:乃村健次/演:伊武雅刀
一等航海士。コバルトマリン号では無線士も兼ねている(そのため、モールス信号を扱える)。元・オリエンタル号の乗組員だが、船長である鷹守とはかつてオリエンタル号の船長の座を争った事がある犬猿の仲。


紳士風だが、常にしたり顔のサディストで、知り合いやほかの乗組員などから敬遠されている。無礼な態度を取っている食えない性格。
丁寧な言葉遣いの裏に元エリートの鬱屈した感情がにじみ出ており、モールス信号による侮辱を平気で行う。
元々は一介の無線士であったが、30代になってから航海士に転身したとのこと。
そこから10年足らずで一等航海士まで登り詰めており、エリートに相応しい実力の持ち主であったと言えるが、
トントン拍子で出世したというわけでもなく彼なりに苦労と努力を重ねて地位を築いた様子。
胃潰瘍を患っているため胃痛持ちで、ホットミルクを愛飲している。
二番目(ドラマ版では三番目)の死亡者で、最期は毒針を刺され死亡(アニメ版では毒入りビールを飲んで死亡)。遺体は海に投げ捨てられた。
モールス信号の遺書ですべての罪をなすり付けられる。
ドラマ版では大槻同様、原作よりも渋くカッコよくなっており、原作のような悪辣さはなくなっている。
ちなみに演者はウルトラマンジョーニアスの声優だった。


  • 加納達也

CV:高木渉/演:ブラザー・コーン
三等航海士。かなり短気で神経質な性格。
ナルコレプシーという睡眠障害の一種を患っており、目が覚めずに丸一日眠り続けてしまうことがある。
そのせいで仕事に遅刻したり穴を開けてしまうことが多々あるらしいのだが、
「病気なんだから仕方ない」と開き直っている節があり、勤務態度はあまりよろしくない。
剣持からも「どう見ても優秀な人材には見えない」という風に評された。
元・竜王丸の乗組員で、オリエンタル号との衝突事故が起こった時の唯一の生き残り(当時は見習いの乗組員だった)。
彼の証言が裁判で有力な証拠となったらしいが…
その事故で前の会社に居辛くなり、若王子に色々相談に乗ってもらって再就職したらしいが、
その割に鷹守と対立している若王子に着くでもなく傍観者に徹している。
三番目(ドラマ版では二番目)の死亡者で、操舵輪に取り付けられたニコチンたっぷりの毒針を握ってしまい、死亡。
彼の死亡推定時刻は本来なら、寝過してしまった水崎の勤務時間だったため、病気で寝過ごしたために慌てて操舵に来て、水崎の身代わりに死んだと思われたが…。
ドラマ版では小笠原行きクルーズを「近所のコンビニに行くようなもの」と発言している。演じているのは「バブルガムブラザーズ」のリーダー・ブラザーコーン氏。


  • 香取洋子

CV:日髙のり子/演:雛形あきこ
雑務係。19歳。ショートカットのボーイッシュな美人。水崎の恋人でもある。
原作では背が高く(地の文に160後半と書いており、挿絵でも170弱の金田一と同じくらい)水泳体型のような筋肉質な女性と書かれている。
船内では主にアナウンスや身の回りの世話を担当している。
アニメでは、筋肉質には見えない、ごく普通の女性。またドラマ版の演者は同じ年レギュラー番組で豪華客船舞台の本作のパロディに巻き込まれていた。


  • 大槻健太郎

CV:中博史/演:いかりや長介
機関長。噂話が大好きながんこじいさん。白髪でテッペンがハゲ。
気は悪くないのだが、一達乗客に対しても気を遣わずぶっきらぼうに話す。
でも船乗りとしてのプライドは、人一倍強い。若王子のことを憎んでいた。
ドラマ版ではドリフターズのいかりや長介が演じており、原作よりも渋くカッコ良くなっている。
海の男がいないことに嘆き壊れた船を直すことを諦めていたが、一とやり取りするうちに海の男としての気持ちがよみがえり、
船から転落しそうになった一を助けた。その後、一や美雪を助手にして船を無事修理した。
ちなみにアニメ版の声の人は後の関智一版金田一耕助作品にも出演し、ドラマ版の演者はかつて冠番組で後輩が探偵金田一役なコントをしていた。


  • 赤井義和

CV:世田一恵(現:世田壱恵)/演:大隈いちろう
怪奇写真家。50代。普段は穏やかだが、怪奇方面になるとやたらと熱くなる変人。
「かつて事故死した船長の幽霊が出る」というコバルトマリン号の噂を聞き、コバルトマリン号最後の航海となる今回の航海に乗船した。
彼が船内で撮影したある写真を見た一は、犯人が使った「あるトリック」に気付くことになり、彼は偶然にも事件解決に貢献した。
ドラマ版では若返り、若手写真家という事になっている。
アニメ版では海洋雑誌記者でオリエンタル号事件の記事も書いた人物となったが、自殺しようとした時原の写真を執拗に撮ろうとするなど
一から「最低のジャーナリスト」と呼ばれるほどの悪辣な人物にされる。
犯人に記事を書いた張本人と判明後、犯人に崖から突き落とされ、最後(4番目)の犠牲者になった。
「原作、ドラマ版では最後まで生存したが、アニメ版では殺害された」唯一の人物(死に方を「殺害」以外の物まで適用するとすれば、明智少年 最初の事件の和島も原作では生存するが、アニメでは死亡している。他にも、オペラ座館殺人事件の神矢も原作では生存していたが、アニメでは有森と立場を入れ替えられたため、最終的には死亡している)。


  • 大沢貴志

CV:沖田蒼樹/演:伊藤高史
大学生と偽っているフリーター。26歳。
美雪をナンパして、そばにいた剣持を父、一をなぜか弟と間違えて2人の反感を買い、一に剣持が刑事であることを告げられてあっさり引っ込んだ(兄ならまだしも、どう見ても一が美雪の弟には見えないと思うが)その後は美雪には目もくれず、朱美・優の女子高生2人組を相手にしていた。アニメ版では、美雪に声をかける際、後述の吉田もいた。
ドラマ版ではチャラさはなくなっており掃除係のバイトをしているが…


  • 飯島優

ちょっと老け顔の女子高生。
ある悩みがあるらしく、現在不登校しているらしい。
「ある人物」を探しに乗船したそうだが…


  • 美里朱美

少々ケバ…化粧が濃いコギャル系の女子高生。優の友達で、愛称は「アッケ」。
物腰こそ軽いが、優を気遣う友達想いの性格。
とはいえ、友人の優やナンパ男、それに刑事である剣持以外の他人には、あまり友好的な態度をとらない。
劇中ポロリ寸前の姿を披露してしまった。


  • ナカムラ・イチロウ

謎の乗船客。何故かマスクとサングラスで顔を隠し、部屋から全く出て来ない。
その正体は近藤という凶悪殺人鬼であり、その容貌はまさに凶悪。
殺人事件の真相を暴く直前で正体を現し、水崎ら乗組員を人質にとって逃げ出してしまう…


  • 吉田明(アニメオリジナル)

CV:千葉一伸
長髪の男性。大沢と一緒に時原をナンパするが断られる。
ボーイスカウトに所属したことがあり、若王子のモールス信号の遺書を読むことができた。
しかし、中盤辺りから「幽霊船長」の存在に怯え始める。
自分の乗っている船の中で次々と人が殺されていくのだから怯えるのも無理は無いか。
原作の大沢貴志の代役と思われる。


  • 時原優(アニメオリジナル)

CV:岩井由希子(現:岩居由希子)
寂しい雰囲気を感じさせる女性。ある目的を持ってコバルトマリン号に乗船する。
若王子殺害後、船から飛び降りるが、水崎に助けられ一命をとりとめる。
原作の飯島優の代役と思われる。



【その他の人物】

  • 鹿島伸吾

CV:中博史/演:森次晃嗣
故人。オリエンタル号と衝突したタンカー・竜王丸の船長だった。
彼が航海中にひどく飲酒していたことが、事故の原因とされているが…
ドラマ版では我らがウルトラセブンこと森次晃嗣が演じていた。これでドラマには計三人ウルトラマンが揃ったことになる。


実はコックや雑用等の船員のモブの存在が、水崎や大槻の説明や洋子の行動からいる事が確認できる。小説版によれば総勢12人…やっぱり少ない。
ちなみに、船の規模から見て、明らかに航海法から人数が足りてないと言う。



【レギュラー陣】

毎度おなじみ主人公。
商店街の福引で大当たりを当ててコバルトマリン号に乗船。
劇中何度も腹痛を起こしてしまう(食い過ぎ)が、それが事件解決のヒントになった。
タバコを吸っていることが発覚し剣持に注意される。
途中、誰もいなくなった船中に一人残される、という悪夢を見るのだが、アニメでは彼の目の前で鷹守がドロドロに溶けていく、というシーンが追加され、ガチで怖い
ドラマ版では映画「タイタニック」のモノマネを披露した。


毎度おなじみヒロイン。
一に誘われて乗船。
挿絵ではかなりセクシーなドレス姿を披露した。
作中ではこれといった活躍は無し。


毎度おなじみオッサン。
結婚十五周年記念旅行で乗船。
本来ならもっとランクが上の沖縄旅行のはずが、スリにお金をスラれてしまった。だがそれが思わぬ結果を招くことに。
大沢(アニメでは吉田も)から「美雪と一の父親」と間違えられた。


  • 剣持和枝

演:笛吹雅子
剣持警部の美人な奥さん。
事件に直接絡んだのは今回が初。その後はちょくちょく登場するようになる。
ドラマ版では、新婚旅行だったのに旅費をケチったおっさんをほったらかしにして帰ってしまう。
去り際に「ベーっ」と舌を出す姿がちょっとカワイイ。


  • ワラガイ刑事

剣持の部下。ドラマオリジナルキャラクター。
冒頭で新婚旅行の話をしていた一達の側の席にいた。
仕事中だと言っていたが、手には豪華客船で行く合宿免許のチラシを持っていた。



【用語】

  • コバルトマリン号

今回事件の舞台となった船(鷹森曰く「ボロ船」)。半分は貨物船になっている。一たちが乗船したのを最後に、引退する予定。
一たちは当初剣持から豪華客船と聞いていたが、剣持が予約したのが格安クルーズのこの船だと知り怒った。
外見はボロの旧式船だが内装はかなりゴージャスで現役時代は文字通りの豪華客船だった。
かつて事故死した船長(もちろん、鷹守ではない)の幽霊が出るという噂があり、実際に「誰もいないはずの船」が動いている(実は犯人があるトリックの予行演習を行っていた)のを
何人かが目撃しているという。
ドラマ版では「ロイヤルウイング号」*1という名前で、オリエンタル号と同一の船だったという設定になっている。


  • オリエンタル号

三年前にタンカーとの衝突事故で沈没した、3万トン級の超大型客船。
自動航海システムなど、ハイテク装備を満載した当時最新鋭の豪華客船で、その巨体に似合わずごく少数の人員で操船可能であったという。
日本有数の海運会社である東亜オリエント海運の看板客船となる予定だったが、処女航海にて衝突事故を起こし沈没した。
この事故は百人以上の犠牲者を出し、殺人鬼ジェイソン誕生のきっかけとなった。
若王子の心情描写によると、上述の「少数での操船が可能」故に人員を削り過ぎたせいで当日に人数が足りずに登録していない人員で補充していた
言う本末転倒な内部事情だった。


  • 竜王丸

オリエンタル号と衝突したタンカー(ドラマでは貨物船)。
積載されていた原油により大火災が起きたため、船長も含めて、乗務員は加納を除いた全員が死亡した。
事故の原因は竜王丸船長の過失によるものらしいが…


  • 東亜オリエント海運

日本有数の海運会社。系列企業の中には東太平洋汽船も含まれている。


  • 東太平洋汽船

海運会社で東亜オリエント海運の系列企業。
「今にも整理されてしまいそうなお荷物子会社」らしいが、旅行部門で格安小笠原クルーズを企画している。









【以下、事件の真相…更なるネタバレにご注意下さい。】














憎かったわ、胸が張り裂けるほど、あいつらが!


何百回殺しても飽きたらないぐらいに!!







  • 香取洋子

この事件の犯人「幽霊船長(ゴーストキャプテン)」
本名:鹿島洋子。オリエンタル号と衝突事故を起こした竜王丸の船長・鹿島伸吾の一人娘(香取は死んだ母の姓)。本性は蓮っ葉な喋り方をする女性。
事故当時、些細なことから父と仲違いし家出中であった洋子は、オリエンタル号の事故を知って自宅へと向かうが、
多数の犠牲者を出した衝突事故の責任が父にあるとされたことから自宅は凄まじい嫌がらせ行為に晒されており
慣れ親しんだ我が家へ帰ることさえできなくなってしまった。
父の罪の重さに打ちひしがれていた洋子だが、事故から数か月後に訪れた海岸で偶然漂着していた父親の鞄を発見する。
鞄の中に入っていた航海日誌には、父が少しでも洋子と一緒に過ごすために船乗りを引退しようと決意していたということが書かれていた。
初めて知った父の真意に、洋子は家出してしまったことを心底後悔するが、最後のページに書きなぐられていた事故時の様子から、
事故の原因が父の過失ではないことや、明らかにオリエンタル号の操船に問題があったことも知ってしまう。
そしてオリエンタル号の関係者を調べ、鷹守たちが父親に全ての罪を擦りつけたことを確信し、彼らに対する復讐を計画したのであった。
彼女が復讐を決意した背景には、裁判が終了後に遺品を入手し、真実を知ったもののその事実を明らかにするには、日誌以外に「父の汚名を晴らせる飲酒していなかった物証」が必要だったが、肝心の父の遺体が海の藻屑となって検死解剖が不可能であり、加納が証言を覆すはずもないために証拠が用意できなかった、という事情による。


鷹守たちの死が殺人事件として捜査されれば鹿島伸吾の娘である自分に疑いがかかると考え、霊が出るという噂のあるコバルトマリン号を舞台に、
当初は鷹守たちの死体を全て海に捨てて、マリー・セレスト号よろしく『謎の失踪事件』として始末するつもりだった。
未明の内に外部との連絡をするための電話をすべて破壊。
船内のブレーカーを切ったり入れたりすることで、遠隔操作で船長室の朝食ができるようにした。
また痕跡を残さずに殺せるよう殺虫剤から高濃度のニコチン毒を抽出し、それをコルクに刺した針に塗った特製の凶器を用意していた。
このように事前には周到な準備をしていたものの、いざ本番という時に…


  • 最初のターゲットである鷹守をうっかり起こしてしまう→そのせいで凶器の毒針を床に落としてしまう(部屋が暗いため自爆の危険性があり迂闊に拾えない)
  • 咄嗟に果物ナイフで殺したものの動揺していたため死体と共にナイフも捨ててしまう→そのせいで凶器がナイフだとばれてしまう
  • 電灯をつけて血痕を拭いた際にスイッチの裏の血痕を見逃してしまう→それが殺人である決定的な証拠になってしまう

などの小さなミスを重ねてしまった事で一と剣持による正式な捜査を許してしまう。
その後は、殺人とバレた場合に備えて用意しておいた「水崎が狙われたように見せかけた上で加納を殺し、全ての罪を若王子に着せて殺す」という別案を実行したが、
モールス信号による遺書ではやはり一をごまかす事は出来ず、最終的には全ての謎を解かれてしまった。
なお鷹守殺害時以外にもナカムラ・イチロウと一たちの演技に騙されて焙り出されてしまう等、彼女には所々にミスが見受けられる。
もっとも人を殺すなんて大それた事をするのだから、それくらいミスがあっても当然と言えよう。
一が初日の夕食の立食パーティーで食べすぎて腹を壊したのを水崎の部屋で手当てをする際、
ホットミルクを自分の部屋で作れず(彼女の部屋が船長室と共通のブレーカーを使っており、トリックのために停電中だったため)、
わざわざ遠くの厨房で作ったのだが、あとでもう1度頼まれた時にはちゃんと自分の部屋で作って持って行ったことから、「レンジが故障していたわけでもないのに、なぜ最初の時だけわざわざ厨房に?」ということで、一に電気トリックを見破られる(普通なら胃痛で苦しんでいる時にそんなこと憶えちゃいなかっただろうが、尋常ならざる記憶力と観察力の持ち主でない一は、そんな状況でもしっかりと憶えていた)


鷹守たちに近付くために水崎を利用していたが、その愛は本物であった。
彼がオリエンタル号の補充船員であった事実を知らされた際には大きなショックを受け、
唄を口ずさむ事で水崎の話を拒絶しようとしていた(アニメ版ではただショックを受けるのみ)。
逮捕後は、オリエンタル号の事件の真相が明らかになった事などからマスコミからは一転して悲劇のヒロインとして扱われ、
同情的な意見が寄せられているらしい
面会に来た一から水崎の意志を伝えられ、水崎と獄中婚約した。
なお、アニメ版では一が面会をするのはこれが初めてである。


ちなみに、コバルトマリン号が夜勝手に動いているという噂は本当だが、実は彼女が操舵していた。子供の頃に父親から操船を習っていたが、コバルトマリン号のような大きな船は自信が無かったため、本番前に練習していたのだった。


余談ではあるが彼女の偽名「香取」は本名「鹿島」と共に旧日本海軍において練習巡洋艦の船名にもなっている。


  • 鷹守郷三

オリエンタル号と竜王丸の衝突事故を起こした全ての元凶
オリエンタル号事故以前は次期重役と言われる実力者であったが、出世を重ねる若王子を当時から煙たがっていた。
オリエンタル号の船上パーティーが船舶関係の名士たちに顔を売るチャンスであることから、
船長という立場を利用して若王子の派閥をパーティーから締め出そうとした結果、彼らのボイコットを誘発し、
操舵室を無人にするという前代未聞の事態を引き起こすことになった。
オリエンタル号と竜王丸の衝突原因は、オリエンタル号の自動操縦システムが事前にインプットされていた暗礁を避けようとした結果、
「向かい合う船舶同士が接近した場合、双方が右舷に舵を切り衝突を回避する」という航海法の規定と反対方向に舵を切ってしまい、
その後も適切な航路修正ができなかったことである。
さらに竜王丸からの警告灯を察知すべき「監視係」を監視台からパーティー会場へ連れ出したことが、衝突まで対応出来ず事故の決定的な原因となった。
もしオリエンタル号側が監視台か操舵室のどちらかにきちんと人員が残っていれば、暗礁と竜王丸の両方を回避する航路を取ることは十分に可能であり、
事故は防止できた。(アニメ版ではオリエンタル号の操舵室が無人で、竜王丸の警告があったにも関わらず対応していなかったのが原因)
はやい話、鷹守による若王子への嫌がらせと監視係の連れ出しさえなければ、オリエンタル号沈没で多数の犠牲者が出ることも、のちに殺人鬼ジェイソンが誕生することもなかったのである。
責任を逃れるため、若王子と手を組み、竜王丸唯一の生存者である加納を裏金で買収、ウソの証言をさせて、事故の責任が鹿島船長にあるように思わせた。
年甲斐もなくくだらない嫌がらせをした結果大惨事を引き起こしておきながら、責任を他人になすりつけ、
自分はちゃっかり(船のランクこそ大幅に落ちたが)船長の地位を守り、その挙句、客の前で酒気を帯びながら愚痴をこぼしている老害そのもの
若王子はこいつによって社会的に殺されたも同然である。
ジェイソンが本当に殺すべきだった奴である。
悪事のレベルはハッキリ言って若王子が霞んで見える。
原作・ドラマには殺害時の描写もされているがアニメではカットされ、殺害時の描写がなされた若王子と遺体が発見された加納と比べると、やや印象が薄くなっている。


(あの時、思いとどまっていたら。あんなことさえしなければ…)
(いや、せめて補助役の四等航海士だけでも、残していってたら…)


(今ごろ自分は……。)


  • 若王子幹彦

オリエンタル号事故の元凶その2。
事故時、自分の派閥の船員のほとんどが船上パーティーに出席できないような勤務シフトを割り当てられるという露骨な嫌がらせをされてしまう。
頭にきた彼は勤務をボイコットし、監視係がいないとも知らず、操舵を自動航海システムに任せて操船ブリッジを離れ、
部下と共に船上パーティーに出席しようとした。
オリエンタル号に搭載されていた最新の航海システムに対する過信もあって、「ほんの少しぐらい操舵室を離れても大丈夫だろう」とタカをくくった結果、
あの大惨事を引き起こしてしまった。
事故原因の大半が自分にあることを自覚しながら、乗客の安全も気にかけず真っ先に救命ボートへ乗るという、
要職に就く者としてあるまじき行動をとっている。
事故後は鷹守と渋々結託し、衝突事故の責任を鹿島伸吾に擦りつけた。
ジェイソンが本当に(以下略)。
だが、三十歳で無線士から航海士に転身した話や、転身後またたく間に出世するほどの実力を有していたことから、
元々は彼も鹿島船長や水崎のように船乗りという仕事に誇りと愛着を持っていたことが窺える。
また、自分の行いのせいで大惨事が起こったということや、乗客をほったらかしにして真っ先に逃げてしまったことに対して
「あんなことさえしなければあの事件は・・・・」と罪の意識を抱いており、(上記の通り)殺される直前にもそのことを思い出していた。
彼は胃潰瘍からくる胃の痛みに悩まされていたが、その要因の一つは沈没事故の責任と罪悪感からくるストレスなのは間違いないだろう。
船上パーティーの時間帯、船が暗礁の多い要注意地帯に差し掛かることを把握していながら航海システムを過信し
ボイコットに踏み切ったという点は余りに軽率であるし、事故の真相の隠蔽と鹿島船長への冤罪は許される事ではないが、
前述のような露骨な嫌がらせを受ければ立腹する気持ちも理解できなくはない。
彼自身も、慢心と偶然の不幸な積み重なりによって起きた大惨事で大きく人生を狂わされた被害者の一人であるともいえ、
(若干自業自得気味でもあるが)洋子から動機を告げられた後ニコチン毒のため何も言えぬまま殺されたのは哀れであった。
洋子も彼の苦しみを知っていたら、(彼女が受けた苦しみを考えれば)社会的地位を徹底的に剥奪するぐらいの復讐はやったかもしれないが、
命は奪わず生きて罪を償わせる方法を考えたかもしれない。


上記のように原作での彼はまだ同情の余地がある人物として描かれたが、
アニメ版では「あんなことさえなければ(出世コースに残れた)」と責任を自覚せず他人事のように考えていたり、また衝突事故の際にとある乗客(後述のアニメオリジナルキャラ・時原優の夫・昌樹)を殴って救命胴衣を奪い取るなど、なぜか徹底的に悪人として描かれた。
ちなみに、彼は乗客の安全を守る船乗りの立場であり、また事故の原因は彼らにあるため、救命胴衣を奪った行為は緊急避難の適用外になると思われる。


ドラマ版では、鷹森からの嫌がらせも受けていない。原作同様勤務を割り当てられていたようだったが、「自分達もパーティに出席する」という理由で操舵を自動航海システムに任せて操船ブリッジを離れている。その際、「自分が10時まで操舵する」と言った水崎に「大丈夫だ」と言って彼も離れさせ、その結果衝突事故という結果を招いた。原作やアニメ版のような悪辣さはなく、むしろ部下を労うために行ったのだろうが、彼の怠慢が大惨事を起こす要因になってしまっている。


  • 加納達也

水崎を狙ったと思われていた毒針は、加納の寝過ごす病気を利用して最初から彼を狙っていたトリックだった。
彼が朝日と夕日を見間違え、「病気のせいでまた寝過ぎてしまった」と勘違いするよう、こっそり船の進行方向が真逆に変えられていたのである。*2
竜王丸側の唯一の生存者であったため鷹守と若王子に買収され、「船長は酒を飲んで船を操縦していた」と嘘の証言をした。
病気のせいで仕事がなくて困ってた時に鹿島船長に拾ってもらったはずなのに…
とんでもない裏切り野郎である。


裁判後は買収の際の大金で豪遊していたようだが、調子に乗って株に手を出して失敗してしまい、鷹守達に泣きついてきたらしい。
病気のせいで遅刻や欠勤が多くても平気な顔をしていたのは、真相を知っているために鷹守達に便宜を図られていたからであった。
一応若王子に弱みはあったものの、それなりに世話をしていたようである。しかし、そこに恩義を感じている様子もなく、鹿島船長もあっさり裏切ったりと人間性は褒められたものではない。
上記のように事故の原因はすべてオリエンタル号側にあるため、竜王丸の乗組員であった彼は
(真相を隠蔽した罪はあっても)衝突事故自体に対する責任はほとんどないので、ジェイソンの標的にはならない…だろう、多分。
また、海に投げ込まれた鷹守・若王子と異なり死体が残っているので、遺骨を墓に入れてもらえるだけましと言えばましかもしれない。
鷹守と若王子の遺体も逮捕後の洋子の供述により、死体遺棄の時刻で航路を割り出せば大規模な捜索を行い回収可能かもしれない。
ただ、オリエンタル号事故を経験しているからか、寝坊したと錯覚した時は慌てて操舵室へ向かっている様子から、
船乗りとしての責任感や自分の病気で周りに迷惑を掛けてしまうという自覚は多少ながらあった模様。


因みに水崎を狙ったように見せかけたトリックはオリエンタル号事件と今回の事件との関係を隠そうとしたためだが、
水崎もオリエンタル号事件の関係者(しかし、水崎はある事情で名乗り出ない限り表に出る事はあり得ないのだが)であったため、
この工作はほとんど意味をなさなくなってしまった。


ドラマ版ではやらかしたことは同じだが、金を使い切り鷹守を頼るなどの描写がないため、原作に比べると幾分かマシになっている。



洋子……許してくれ!!


わたしも、あの船に乗っていたんだよ。
あの、忌まわしいオリエンタル号に!!


  • 水崎丈次

実は船員登録されていない補充船員としてオリエンタル号に乗っていた「監視係」。
鷹守に言われるがまま監視台を離れ、事故の原因を意図せず作ってしまった。
更に、船乗りという職業と海への愛着ゆえに「真実が明らかになったら自分は船乗りでいられなくなる」という恐怖に囚われてしまい、
「船乗りでいられなくなるぐらいなら卑怯者にでもなんでもなってやる」と、鷹守たちに言われるままに口を噤んでいた。
本人は多大な罪の意識に苛まれていたが、彼が監視台から離れたことが事故の決定的な原因となってしまったため、
オリエンタル号事故の元凶その3といっていい人物であり、もし洋子がそのことを知っていたら、彼も標的にしていただろう。
ジェイソンに(以下略)
謎解きの過程で洋子の素性を知り、彼女に真実を告白し謝罪する。
彼も一達のお芝居に協力していたのだが、犯人が洋子であることまでは教えられていなかったため、それを知った時の驚きようは尋常ではなかった。


事件後は真相を世間にも公表し、(この件で捜査当局に拘束された可能性があり、直接会いに行けなかったと思われ)洋子に一を通してプロポーズ。
彼女の帰りを待ち続けている。
彼女と婚約した事もそうだが、卑怯者になってまで隠し通した秘密を公開した事から、彼女の事を何より大切に思っていたことがわかる。
もし船に乗り続けることが許されるならば、どうかこれからも真っ当な航海士であってほしい。
ちなみに加納殺害時、洋子の部屋で寝ていたが、実は部屋を訪れてすぐ彼女に睡眠薬入りの飲み物を飲まされ、
目覚ましも止められてそのまま眠ってしまったとの事。


  • 赤井義和(アニメ版)

オリエンタル号の記事を書いた張本人。加納の嘘の証言をそのまま記事にした。
本人はその時は真実だと信じて書いてきたと思われるが、調子に乗って鹿島船長の嘘の名誉棄損の記事(船員に暴力など)を書いた。
そのせいで鹿島家は遺族たちから酷い嫌がらせを受ける羽目になった。それで洋子の怨みを買い、無人島で殺害された。
記事を書いたことを自ら言いださなければ殺されなかっただろうが、今回の事件をきっかけにオリエンタル号事故の真相が公表されたため、
殺害されなくても記者生命は間違いなく終わっていただろう。


  • 鹿島伸吾

洋子の父。
洋子が生まれてすぐに妻(洋子の母)を失ったこともあって、洋子がまだ幼いころは彼女を一緒に船に乗せたりしていて、
彼女は船のマスコットガール的な存在であった。
また本気で船乗りに育てるつもりだったのか、操船技術を彼女に叩きこんだりしていたらしい。
しかし洋子が成長するにつれ、親子の間にはいつしか溝ができてしまう。
だが本人もそのことを気にしており、船乗りを引退して陽子といっしょに暮らすつもりでいたのだが、最後の仕事で彼は命を落とすこととなってしまった。
何の落ち度もなかったが、鷹守たちの隠蔽工作と加納の嘘の証言によって裁判で無実の罪を着せられ、
「飲酒操船で衝突事故を起こした挙句多数の犠牲者を出した下衆野郎」という汚名を被せられてしまう。
(飲酒の事実を否定しようにも、彼の遺体は海の藻屑となり、検死解剖が不可能だった事で、加納の証言が重視されてしまった)
彼の遺した航海日誌には、衝突事故の様子が克明に記録されていた。


事件後水崎の公表により死後ながら名誉回復した。
もしも生きていれば誤解でジェイソンの標的となっていたであろう人物。ちなみにジェイソンの標的である特徴を持ち、うんやっぱりジェイソンに(ry


  • 金田一一

事件後、アフターフォローを忘れずに香取と面会。
今でも頑なに父が「復讐を遂げてほしくて日記を託した」と思っている香取を「お父さんは(日記を通して)あんたに知ってほしかっただけだ。自分の気持ちを」と
否定したが、水崎の託した婚約指輪を届けるなどと言った愛のキューピッド的な役割を担った。


なお、この事件で初めて、マスコミなどには一の活躍が伏せられ、剣持警部の手柄とされている事が正式に明らかとなった。
一自身が面倒事が嫌いだからというのもあるが、じっちゃんは有名になった事で何度も殺されかけてるし、同じ作者の別漫画で発生した事件では、探偵として有名になり大きな事件を任されるようになった事により、探偵の身内に危害が及ぶ事件が発生している為、
自分や身内の身を守ったりする為には賢明な判断と言えるだろう。


  • 七瀬美雪

事件後、剣持夫人とともに後片付けをしているが、その際、一について「もし10年後も自分があいつのそばにいられたら…きっと優しく見守ってやろう。あいつだけができる「凄いこと」に迷いなく力を発揮できるように」と、
まるで彼との将来を見据えているかのようなことを考えている。一の幸せ者め。
ちなみに、ナカムラの騒動で一が操舵のための機械をいじる際、「頑張って」と祈るように見つめていたことから、美雪は一連の騒動が剣持らも絡んでの「犯人をあぶり出すためのお芝居」だとは聞かされていなかった可能性がある(のけ者にする理由も無いし、美雪にも伝えておく方が自然な気もするが…)



【事件と関係ない真相】


  • ナカムラ・イチロウ(中村一郎)

実は殺人鬼などではなく、正体は剣持の部下の刑事。
あんな怖い顔して妻帯者であったらしく、逃げた奥さんを追いかけて、「病気で緊急入院」という大ウソをついて休暇を取り、コバルトマリン号に乗り込んだ所、上司である剣持と鉢合わせになってしまった。
そのため、出るに出られなくなって部屋に閉じこもっていたが、剣持に強引に事情聴取され、正体がバレてしまう。
そして、サボりを見逃してもらう代わりに犯人を焙り出すための芝居に協力し、殺人鬼を演じていた。
正体をバラした後、剣持に小突かれ、皆に謝罪。
その後は半モブ扱いでちょくちょく登場する。
アニメ版ではカットされたものの、『誰が女神を殺したか?』で登場。担当声優は楊王などを演じた伊藤和晃氏。
ドラマ版ではワラガイ刑事が彼の代役として登場。「ナカムライチロウ」は偽名として使われている。
小笠原へ合宿免許を取りに行こうとしたところ、有給を全部使ってしまっていたので剣持に内緒で乗船していた。
ちなみに殺人鬼を演じていた時には『悲恋湖伝説』を連想させるジェイソンのホッケーマスクを被っていた。


  • 飯島優

実は大槻のお孫さん(大槻の娘・青子の子)。
親とうまくいっていないらしく、音信不通だった母方の祖父・大槻を頼って乗船した。
一は大槻にそのことを伝え、「いろいろと相談に乗ってあげな」といって機関室を去っていった。


  • 時原優

かつて夫・昌樹と新婚旅行でオリエンタル号に乗船。
事故の際、優は先に救命ボートに乗っていたが、甲板で避難誘導を手伝っていた昌樹は若王子に救命胴衣を奪われ、
水崎がなんとか助け出したものの、昌樹は帰らぬ人になる。
(大沢、吉田にナンパされた時に「男に捨てられたとか…」と言われたときに2人を睨んだ(もちろん、2人は特に悪意を持っていた訳ではないが)。)
その復讐に若王子を殺害しようとするが結局は未遂に終わる。
ファイル1前半で若王子を後ろから襲おうとしていたシーンがそれで、その直後CMに入ったが、
後半で若王子が普通にしている姿を見て、驚いた人もいたのではないだろうか?
若王子が(本当は殺人だが)自殺した後、もう生きる理由がないということで飛び込み自殺しようとするが水崎に助け出される。
水崎が罪の意識に苦しんでいる時に、2度も命をかけて人助けをしてくれたと言って彼をかばった。


【余談】
マガジンノベルス版では童謡「うみ」が1番と3番(作中では2番と記載)しかないことになっている。
「海にお船を浮かばせて」は3番の歌詞なので間違えて覚えないように。
漫画文庫では3番に修正された。


◇原作との違い


【ドラマ版】

  • 事件の舞台となった船の名前を実際のロケに使用された「ロイヤルウイング号」に変更。このロイヤルウイング号は、オリエンタル号を修繕したもの。
  • 怪人名を「幽霊船長(ゴーストキャプテン)」から「幽霊船長(ゆうれいせんちょう)」に変更。
  • 美里朱美、飯島優は登場しない。代役としてミス研部員の女の子二人が乗船。
  • オリエンタル号と竜王丸の衝突は5年前に起こった出来事に変更。
  • 悲恋湖との関連はカット。
  • 船上パーティで鷹守が挨拶する場面はカット。
  • 第一の事件の事情聴取を行う場所をリビングから剣持の部屋に変更。(その様子を一と美雪がクローゼットの中に隠れて聞いている)
  • 事情聴取の最中、加納が持病の発作で眠りそうになる。
  • 水崎の加納に対する呼び方を呼び捨てに、洋子の水崎に対する呼び方を苗字にそれぞれ変更。
  • 加納と若王子が殺害される順番を変更。また、若王子が殺されるタイミングも漂流時に変更される。
  • 中村一朗の代役としてドラマ版オリジナルキャラ、ワラガイ刑事(演:ふかわりょう)が登場。
  • 中盤、エンジンが故障して丸一日漂流してしまう。
  • その中で大沢が恐怖のあまり暴走してしまい、洋子を人質に逃げ出そうとしてしまう。
  • その際に転がってきたドラム缶が金田一に直撃して金田一が海に落ちそうになり、大槻が彼を助ける
  • 大槻がモールス信号で書かれた若王子の遺書を読むシーンが追加(原作では剣持警部が「金田一が大槻さんに見てもらった」と言うのみで割愛されている)。
  • 加納殺害トリックを解説するタイミングが謎解きの前に変更され、一が剣持警部にのみ話している。
  • 水崎と洋子が付き合っていることは秘密になっており、トリック解明時に水崎が明かしている。
  • 鷹守と若王子は対立していない。
  • 洋子の自宅への嫌がらせシーンがカット。
  • オリエンタル号の制服は原作ではコバルトマリン号と同じだが、ドラマ版では紺のジャケット。
  • 一が映画「タイタニック」のワンシーンのマネをやっている。このシーンを美雪に見られてしまい、からかわれた。
  • 一が洋子に惚れているという設定になっている。
  • タオル一枚で船内をうろついた一の全裸を見てしまう人物を美里朱美から洋子に変更。
  • 剣持和枝が登場するが、剣持がケチったという理由で船には乗らない。
  • 部屋のブレーカーの電源が4つの部屋で一つから2つの部屋で一つに変更。
  • 謎解きの際操舵室に集まるのは一、美雪、剣持、水崎、洋子の5人のみで、他の容疑者は居合わせない。
  • 洋子が一の推理に反論しない。その代わりに水崎が彼女を庇おうと反論する。

【アニメ版】

  • ドラマ版同様怪人名を「幽霊船長(ゴーストキャプテン)」から「幽霊船長(ゆうれいせんちょう)」に変更。
  • 剣持和枝、中村一郎、美里朱美、飯島優は登場しない。そのため、犯人を暴くための演技は大槻が担当。
  • 金田一達が船に乗るまでの経緯を、「剣持に旅行に誘われた」事に変更。
  • アニメオリジナルキャラとして時原優、吉田明が登場。
  • 行き先を小笠原諸島から沖縄に変更。
  • パーティーは船上ではなく船内で行われている。
  • 若王子の遺書は彼の部屋ではなく船の甲板で見つかる。またモールス信号で書かれた遺書を読む人物を大槻から吉田に変更。
  • 鷹守の殺害シーンはカット。また、偽装工作の航海日誌はなくなり代わりに葉巻が追加された。
  • 剣持がトーストの焼き加減を見て正確な時刻を答えている。
  • 金田一が2度目のホットミルクを頼み、洋子が自室のレンジで温めるシーンがカット。
  • 一度無人島に漂着し、そこから引き返す迄の描写を追加。その過程で赤井が殺害される。
  • 洋子はオリエンタル号事故の際家出をしておらず、嫌がらせを受ける家の中で父の遺影を抱きながら悲しみと怒りに身を震わせるシーンがある。
  • 航海日誌のシーンはカット。それに伴い、洋子が真相を知ったのが加納と酒場で飲み交わした時に変更。自分が鹿島船長の娘ということを隠していた。
  • 若王子の死因が洋子から渡された毒入りビールによる毒殺に変更。


追記・修正は航路をしっかり確認しながらお願いします。


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  • コメントが多くなったのでリセットしました。 -- 名無しさん (2017-10-20 14:10:18)
  • 冒頭のマリーセレスト号事件のくだりは最高。当時生きてたのはマリア・フリードリヒだけかな? -- 名無しさん (2017-11-03 10:07:24)
  • 遠野は香取さんに足を向けて寝られないよな -- 名無しさん (2017-12-14 19:04:49)
  • 何気ロックマンシリーズの登場人物の声優五人もいるよ。洋子さんは大園姉妹、吉田さんはバレル大佐、オッサンと若王子はデューオ -- 名無しさん (2017-12-20 23:03:55)
  • 歩美と世良に殺された元太 -- 名無しさん (2017-12-20 23:16:58)
  • 鹿島伸吾のイニシャルS/ -- 名無しさん (2018-08-04 19:24:05)
  • 鹿島伸吾のイニシャルS・Kって作者は意図して書いたのかな? -- 名無しさん (2018-08-04 19:25:07)
  • このアニメのOP「Meet Again」を聞くたびに、この事件を思い出す…かわいそすぎる。 -- 名無しさん (2019-01-05 10:05:51)
  • 「犯人をあぶり出すためのお芝居」を美雪に言わなかった(と思われる)のは「敵を欺くには味方から」という理由だったりして -- 名無しさん (2019-02-07 18:42:02)
  • 連投すまん。あと「システムを過信して大事故になった」というのは、あの信楽高原鉄道列車衝突事故に似ているような気がする。 -- 名無しさん (2019-02-07 18:43:48)
  • どこの世界も、上の立場の人間が私欲(自分の功績を上げる)を重視して、問題が起きれば責任逃れで保身に走るんだな -- 名無しさん (2019-03-12 12:03:24)
  • これ加納が気の毒なイメージあったなあ 病気持ちででもこの仕事辞めないで続ける人物で、金に目がくらむとこが印象に残る -- 名無しさん (2019-06-18 05:40:32)
  • ↑ 働こうにも病気のせいでやらかしちゃうし、その自覚はあって慌てて仕事しようとするくらいには仕事には真面目だし、まぁ同情出来る点はある。けど、恩のある船長を陥れる嘘に加担しちゃった時点で恨まれるのも当然だわ。 -- 名無しさん (2019-12-18 10:17:34)
  • 亡霊教頭の被害者たちにも言えることだが、親切や誠意につけこむようなトリックって仕掛ける側が悪質に思える -- 名無しさん (2020-02-06 23:53:32)
  • もしも 若王子が持ち場を離れなかったらどうなっていたかな -- 名無しさん (2020-02-20 22:44:52)
  • これぞまさしく帰ってくれウルトラマン -- 名無しさん (2020-03-14 00:22:26)
  • 加納を狙ったトリックで犯人は操舵室を無人にしているが、オリエンタル号の事故の原因を考えると二の舞を踏む危険があった。またそう考えると、水崎の立ち位置があまりに数奇に思える -- 名無しさん (2020-03-28 16:46:58)
  • しかもドラマ版は実際にエンジンが壊れる羽目になった -- 名無しさん (2020-03-29 00:24:20)
  • 金田一少年って原作とアニメで設定が変わる人が多いイメージ。 -- 名無しさん (2020-03-29 01:03:49)
  • ↑ドラマに比べりゃマシな方 -- 名無しさん (2020-06-14 12:29:15)
  • 欠陥品の操縦システム作ってよこしたやつらも遠野の標的にされても文句言えないと思う -- 名無しさん (2020-06-14 12:52:04)
  • ↑鷹守や(アニメ版の)若王子はシステムのせいだと考えて、責任を感じていないのだろう。 -- 名無しさん (2020-06-30 22:32:20)
  • この事件を見ると、SKの方々が不憫でしかない -- 名無しさん (2020-08-22 16:34:15)
  • ↑×7 犯人も若王子と同様(このぐらいなら離れても平気だろ)とやってるのは皮肉だな -- 名無しさん (2020-09-29 14:58:28)
  • 小説版読んでからドラマを見た時ほんと衝撃だったなあ。あの線の細い感じで描かれてる水崎が…。 -- 名無しさん (2020-10-31 14:34:30)
  • ↑x2 しかも離れるだけでなく、進路変更まてやってるから、オリエンタル号以上に無計画。トリックが成功するまで、トラブルがなかったのは、ある意味奇跡でしょう -- 名無しさん (2021-01-03 17:32:13)
  • ↑続き。さらに言えば、加納がやられても毒針は残ったままなので、慌てて舵を取ろうとすれば水崎もやられた可能性もありました -- 名無しさん (2021-01-03 18:03:16)
  • 水崎はいい奴だけど、こいつが殺されないのは理不尽 -- 名無しさん (2021-06-09 14:31:51)
  • 悲恋湖の人たちはみんな水恐怖症になったのになんでこの人らは船乗り続けてられるんだろ -- 名無しさん (2021-10-23 06:14:46)
  • 水崎が洋子の父の無実を証明したとしても、今度は洋子が殺人犯として世間にバッシングを受けるんじゃないのか?結局は負の連鎖は止められないと思う。 -- 名無しさん (2022-04-03 07:03:51)
  • 最近起きた北海道のあの事故と少し被るような気がする... -- 名無しさん (2022-06-13 20:06:50)
  • ↑2 鷹守や若王子、加納(アニメ版だったら赤井)といった人間にも家族はいるだろうし...鷹守に至っては普通に孫いるだろ。彼らが洋子さんと同じ様な目にあわないとも限らないし... -- 名無しさん (2022-06-03 20:06:50)
  • 洋子が殺人を犯す前に水崎が真実を世間に告白していたら、洋子はしなくてもいい殺人をせずに済んだのではないか?それだと物語にならなくなるけど。 -- 名無しさん (2022-09-13 06:55:05)
  • ↑2多分絶縁して、戸籍からも当人達は居なくなって責任は彼等だけになっただろうなあ、下手すれば当時の被害者から親戚筋のお前らが賠償金払えとは言われそう、方がついたとはいえ保険会社は事実を知って憤慨したと思うよ -- 名無しさん (2023-08-16 22:31:09)

#comment

*1 ロケに使用されたのは同名の横浜港を母港とするクルーズ・レストラン船。因みにレストラン船に改装される以前は劇中の船同様、「くれない丸」と言う名の大阪~別府航路の花形客船であった。
*2 一はこのトリックに気付いたことから犯人が操船技術を持っていることに気付き、芝居を打って「水崎以外の誰かが操船できなければ暗礁に乗り上げて沈没してしまう」という状況を作って犯人を炙り出した。また洋子がこのトリックの予行演習を行っていたことが、「コバルトマリン号には事故死した船長の幽霊が出る」という噂に信憑性が生まれることとなった

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コメント

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名無し

2007年の終着駅に若王子が登場
しかも鶴ちゃん襲いかかった

返信
2024-02-12 08:40:10

名無し

相棒のシーズン22の11話で若王子が久しぶりに登場
右京がまさかと言った後にシルエットであったが登場した

返信
2024-02-07 18:56:03

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