ルパン三世 ワルサーP38

ページ名:ルパン三世 ワルサーP38

登録日:2011/12/11(日) 19:43:29
更新日:2023/08/08 Tue 17:25:18NEW!
所要時間:約 9 分で読めます



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「愛だの優しさだのお前の甘さは変わらない、反吐が出るんだよ!!」


「貴様だけは容赦しねぇ、ワルサーは2丁も要らねぇんだ!!」






『ルパン三世 ワルサーP38』は、1997年8月1日に金曜ロードショーで放送されたテレビスペシャル第9作。
ルパン三世生誕30周年記念作品。
ルパンの愛銃であるワルサーP-38を軸に、暗殺集団タランチュラとの戦い、ルパンの過去の因縁とその決着の様相が描かれる。
これまでのコミカルなストーリーが大半であったテレビシリーズとは一線を画した、ダークでシリアスな内容となっている。
その重厚なストーリーや最高レベルの作画クオリティ、そして今作から採用された「ルパン三世のテーマ'97」などの音楽にクリカンこと栗田貫一氏の熱演から、
テレビスペシャルシリーズ最高傑作と評するファンも多い(後述も参照)。
脚本は米村正二



■[あらすじ]■

自分の名を騙った偽の犯行予告状の謎を探るべく、某国副大統領の誕生パーティーに潜入したルパン。
しかし会場は謎の暗殺集団「タランチュラ」に襲撃され、主催者であった副大統領は他の出席者もろとも暗殺されてしまう。
その中でルパンを追っていた銭形も銃撃によって重傷を負う。
そしてルパンは銭形を撃った銃が、かつて自身が愛用していたシルバーメタリックのワルサーP38であることを知る。
過去の因縁との決着をつけるべく、ルパン達はタランチュラへの決死の潜入を開始する。



■[レギュラーキャスト]■

「俺は、過去にケリをつけにきたんだ……」


説明不要の大泥棒。
これまでのコミカルなキャラクターは鳴りを潜め、終始シリアスな態度を崩さないというテレビスペシャルとしては異色のキャラクターとなっている。
本作のルパンは怪盗というよりも、「過去の清算者」「復讐者」といった面の方が強い。



「ルパン……そろそろ行こうぜ」


永遠のルパンの相棒。
本作では彼がルパンの最初の相棒でないことが判明する。
ルパンの真の目的を知った、数少ない人物の1人。
ボマーや他の穏健派の兵士と接する中で、彼らの自由を奪う本当の原因を悟る。
エンディングにおいて彼が不二子に投げかけた言葉は重い……



「梅干しの色……」


おなじみ色キチ先生。
不二子のサポートのためにルパンたちに先行して島に潜入するも、食料が豆ばかり2週間の生活と言う貧乏くじを引くことに。
次元と共にルパンの真の目的を知った、数少ない人物の1人。
次元から差し入れされた梅干しに涙を流すが、後にこの梅干しの色がルパンファミリー最大の危機を救うことになる。



「こんなのチョチョイのチョイ♪」


永遠のお色気担当要員。今回は金髪。
今回は後述する金塊が目的と言う利害の関係から、裏切りは無し。
その際ルパンに先立ちタランチュラに潜入するも、あっけなく捕まっていた。
最後の発言からルパンの真の目的は知らなかったと思われる。
本作ではエレンのキャラクターに押され影が若干薄いが、上記の台詞のシーンなど重い内容の本作における数少ない清涼剤として活躍する。



「相手が誰だろうと悪党にはワッパをかける、そいつが俺の主義なんだよ!!」


ルパンを追い続ける敏腕警部だが本作では冒頭で負傷し、さらに助手のフラナガン刑事に両足を骨折させられ完全に戦線離脱。
ギャグ担当だが彼もまた重い内容の本作において、数少ない清涼剤となってくれている。
今作ではルパンが来るまで金庫の中で待機出来る&ルパンの名を聞くだけで死からも蘇る謎体質であることが判明する。



■[ゲストキャラクター]■

  • エレン

「あの時、ちょっとの間だったけど、自由になれた気がした……」
CV:篠原恵美


本作のルパンガール。
瞳の綺麗なカワイ子ちゃんで、タランチュラの女幹部である。
体術を中心とした近接戦闘を得意とする他、銃器の扱いや戦闘機の操縦などのスキルも持ち合わせている。
殺しの技術を身に付けさせられてはいるが、本来は穏健派。命令で人を殺さなければならない現状にはうんざりしている。
弟の形見であるペンダントをいつも身に付けている。
かつて父親に弟と共に組織に売られた経験があり*1、それ以来人を信じることができない。
既に弟のアレックスは故人となっており、よく弟の墓参りをしている。
当初はルパンに対し敵対心を抱いていたが、次第に彼の人柄に惹かれていく。


人気の高いヒロインで、歴代ルパンガールではクラリスに次いで堂々の2位にランクインしている(理由は後述)。



  • ボマー

「分かんねぇんだよ、今更外の世界で、どうやって生きていけばいいだか……」
CV:緒方賢一


タランチュラの幹部であり、エレンと同様に穏健派に属している。
見た目は中年太りの小男だが爆発物のエキスパートであり、格闘術こそ使わないが見た目に反して身軽で動きも相当素早い。
次元が「お前ほどの腕なら、(組織を抜けても)一人でやっていける」と評したほど。
次元と意気投合し、脱出後はコンビを組まないか?と誘うが断られ上記の言葉をかけられるが、自由に対する戸惑いと恐怖がある事を吐露する。



  • ドクター

「医療担当の、ドクターだ」
CV:津嘉山正種


穏健派に属するドクター(医療担当)、本名は不明。
穏健派の中でも特に理知的で温厚な人物であり、事実上のリーダー格。
ルパンに島を脱出するために必要な「毒の成分表の奪取」と「静止衛星レーザーの破壊」を依頼する。



  • ジャック

「構わないさ、その時はお前が……死ぬだけだ!!」
CV:速水奨


タランチュラの幹部。
銀髪と猫背が特徴的で、次元の連射を軽くナイフで捌く超一級のナイフ使い。
自他共に認める殺人狂であり、ゴルドーに忠誠を誓っている。
その一方で「臆病」に近い程の心の弱さがある、猜疑心や警戒心が強い持ち主である。



  • ホーク

「ワルサーP38、時代遅れのオモチャだ」
CV:天田益男


タランチュラの幹部。ゴルドー派。
グラサンとモヒカンが特徴の巨漢で、重火器を自在に操る。
上記のセリフでルパンを罵倒するが、ルパンからは「図体ばっかデカい木偶の坊」と言い返される。



  • ゴルドー

「分かっただろう、私に逆らっても無駄だ」
CV:内海賢二


タランチュラのボス。
初老の大男で、額にはタランチュラの刺青があり、右腕は武器としてのギミックを備えた義手となっている。
化物揃いのタランチュラの中でも別格の実力で、瞬間移動染みた高速移動等、動きに最早人間の面影が無い。
自らが開発した毒と死の恐怖によって隊員たちの自由を奪って支配しているが、彼自身もまた自由を奪われた人間である。



  • アレックス

『いつも、空を見ているエレンへ』
CV:岩永哲哉


エレンの実弟で、作中では既に故人である。
幼い頃にエレンと共に組織に売られた。
エレクトロニクス担当にして穏健派のプログラマーであり、「静止衛星自爆プログラム」を作り上げた。
しかし、その時の無理がたたり、過労で死亡したらしい。
エレンに自身の写真と「いつも空を見ている、エレンへ」と書いたペンダントをあげており、そのペンダントは開くと主題歌である「瞳を忘れないで」がオルゴールとして流れる。
このペンダントが後にエレンのある行動を変える重要なきっかけになる。



  • ビッキー・フラナガン

「ICPOでもトップシークレットなんですよ」
CV:岩永哲哉


銭形の助手兼お目付け役。
銭形共々、本作の清涼剤。
まだ若いのでドジが目立ち、それがきっかけで銭形が両足を骨折する原因を作ってしまう。
銭形の無茶な行動に困り果てるが、銭形のある信念を聞いてその行動が終盤に表れる。
納豆が嫌い。
声優はアレックスとの兼ね役。



  • 世界各国の首脳

タランチュラと繋がりを持つ要人達。
事あるごとにゴルドー達に暗殺を依頼しているが、彼らを使い勝手のいい傭兵としか見ておらず、ゴルドーの方も安全圏で自分達をコキ使う首脳達を強く嫌っている。



■[重要アイテム]■

  • ワルサーP38・シルバーメタリックモデル

本作のルパンのターゲット。
かつてルパンが駆け出しの時に使っていたワルサーP38で、ある事件が切っ掛けで長い間行方知らずとなっていた。
現在使用しているワルサーと違い、シルバーメタルのボディーに彫刻が彫られている。
ルパン達がタランチュラへ潜入する直接の原因を作った。
今回は「このシルバーのワルサーを誰が持っているのか?」というのが重要なキーポイントとなっている。



■[重要用語]■

  • タランチュラ

世界を揺るがす世界各国の要人暗殺を請け負い、歴史を陰で操ってきた世界最強の暗殺集団。
バミューダトライアングル内に存在する元ナチスの軍事施設の島が本拠地であり、島を監視する静止衛星レーザーによって外部の侵入も脱出も防がれている。
組織の全貌や歴史は謎に包まれており、かつて構成員が捕らえられた事例もあったが、マスクを外した途端に不可解な死を遂げたと言う。(これは後述する毒の為)
所属する構成員のほとんどは各国で極刑を宣告された凶悪犯ばかりであり、負傷などで戦闘能力を失った者は「人間狩り」と称して、殺しの訓練も兼ねて抹殺される。
ちなみに暗殺の報酬は金塊で支払われ、要塞の地下には莫大な量の金塊が貯蔵されている。
本拠地である島は地図にすら載っていないが、実は各国政府に公認された組織であり、政府による隠蔽工作により徹底的に隠匿されている。それはICPOの上層部でもトップシークレットにされている。



ナチスの軍事施設にあった開発途中の毒に、ゴルドーが手を加え完成させたもの。
構成員となった者は右手の甲にタランチュラの刺青を彫られると共に毒を注入される。
島に自然発生するガス(正確には、ガスに含まれる特殊な亜硫酸)によって毒性は中和されるが、島を出ると毒が活性化しホストを死に至らしめる。そのために、暗殺任務で島外に出る際には、担当メンバーには島のガスを詰めたボンベ付きガスマスクが配布される(容量はガスマスク一つで24時間分)。
刺青は毒の巡りを示す役割を持っており、毒が体に巡るほど赤く変色する特性を持つ。
これによって、内部からの脱走を防いでいる。
なお、成分表こそ存在するが解毒剤は無い為、脱出するには新たに解毒剤を作らなければならない。



  • 静止衛星レーザー

本作における「魔のバミューダトライアングル」の謎の真相。
組織の連絡船にのみ送信される航路以外を通る全ての物体を、大気圏外からのレーザー攻撃で殲滅する。
これによって、外部からの侵入及び内部からの脱走を防いでいる。



  • 穏健派

(※作中でこの名で呼ばれた事は無いが、便宜上呼称する。)
その名の通り、タランチュラの穏健派。
エレンやアレックスのように好き好んで組織に入ったわけではない者や、殺しの日々に嫌気が差した者達によって構成されている。
毒蜘蛛の群棲地帯に秘密のアジトを構え、そこに脱出用のタンカーを保有している。
島に来たルパン達に協力を要請するが……。













以下、終盤のネタバレ













島を脱出するには、まず「静止衛星レーザー」を破壊しなければならない。
ちょうど運良くルパンとエレンの二人に殺しの依頼が入った為、二人はあらかじめ盗み出した毒の成分表を基に、ドクターが作った解毒剤で毒を消し、静止衛星レーザーの破壊に向かう。
そして仲間達は、静止衛星レーザーの破壊を待ってから盗み出した金塊を積んだ船で脱出する。
これが脱出計画の全貌であった………しかし………。




  • ルパン三世
  • エレン

「なぜ!?どうして自爆しない!?」
「馬鹿な!?タイマーが…自爆時間が1時間先になってる!!」


静止衛星レーザーの自爆プログラムを起動させるが、その自爆の設定時間が脱出計画の1時間後に設定されており、しかもプログラムの変更は不可であった。
仲間達が島の領海を出る前に急いで引き返そうとするも、解毒したはずの毒が巡って苦しむ事に……



  • 峰不二子
  • 次元大介
  • 石川五ェ門

「次元、五ェ門!今すぐ船を降りて!!」
「あぁ!?」
「金塊は偽物!毒も消えてない!!」
「…罠か!?」


脱出船が出港したと同時に何故か脱出計画を知っていたかのようにゴルドーがタランチュラの残りのメンバーを引き連れて現れ、そのまま戦闘になる。
しかし戦闘の最中、不二子が解毒して消えたはずの刺青が再び手に現れている事に気付く
更にその時の銃撃戦で、盗み出した金塊金メッキを施しただけの偽物と判明。
「罠に嵌められた」と気付いて、急いで船を降りようとするが……。



  • ボマー

「道連れだど……!!」


脱出から目を逸らす為に、要塞中に仲間と一緒に爆弾を仕掛ける。
混乱させるための必要最小限の爆破を行う予定だったが、設置をミスしたのか要塞全体を壊滅させる規模の爆発を起こしてしまった。
そして脱出後はゴルドー率いるタランチュラのメンバーと遭遇。メンバーに一緒に脱出をするように呼び掛けるが、すでに人間としての良心すら失われた殺人マシンには通じなかった。
戦闘に突入し、ホークの重火器を破壊する事に成功するも、直後にゴルドーに腹を貫かれて致命傷を負う。
咄嗟に自分を貫いたゴルドーの腕を掴んで自爆装置を起動し、道連れを図るがその腕は義手であり、あっさりと外されて逃げられてしまい自分だけが爆死するという最期を遂げた。



  • ドクター

「ゴ、ゴルドー……!!」


船の操縦の為にずっと操舵室に居た為、戦闘には巻き込まれなかった。
しかし、ボマーを始末して操舵室に現れたゴルドーに怯え、震えながら拳銃を向けるが……。



  • ジャック

「おいジャック、お前は島を出たいと思わねぇのか?」
「思わねぇな、俺は殺しが好きなんだ」
「強がりはやめな、本当は自由になるのが怖いんじゃねぇか?」


ゴルドー達と共に船に乗り込んで次元と交戦するが、自身の心の奥底にある弱さを見抜かれた。
さすがにこの台詞にはグサリと来る所があったらしく、次元に対して「殺してやる……!!」完全にキレていた。
しかし、戦闘中に静止衛星レーザーの直撃を受け、他のメンバーや穏健派もろとも死亡する。



  • ホーク

ゴルドーやジャックと共に船に乗り込むも、ボマーに重火器を破壊される。
その後は拳銃やマシンガンなどで奮戦するも、静止衛星レーザーの直撃を受け、他のメンバーや穏健派もろとも死亡する。
他の幹部に比べて目立った活躍や会話は少なく、イマイチ影が薄い。



  • ゴルドー

「ル、ルパンだ……、ルパンが金塊を盗む為に要塞を爆破した……!!」


裏切り者の粛清の為に、脱出船に部下を引き連れて現れる。
しかし、静止衛星レーザーの砲撃からは逃れられたものの、要塞は壊滅し、部下は全滅。
事実上のタランチュラの崩壊に各国の協力者達に助けを求めるが、この上記の台詞の直後に画面外から伸びてきたワルサーP38で頭を撃ち抜かれて死亡する……



  • 世界各国の首脳

ゴルドーに助けを求められた際にはタランチュラの崩壊に動揺するそぶりを見せていたが、彼が射殺された直後に死んでくれてせいせいしたような態度を取っていた。*2
隠蔽工作の為に原子炉を暴走させ、島全体を爆破するスイッチを入れる。










以下、重大なネタバレ
















  • ドクター

「フッフッフッ……、俺の計画は完璧なんだよ……」


本作の黒幕


ルパンシリーズ屈指の外道にして、マモーと双璧を成す敵役
ルパンの一番最初の相棒であり、彼を裏切ってシルバーメタリックのワルサーP38を奪った張本人。
穏健派に所属していながら、その一方でゴルドーとも通じていた。


彼の真の目的は、組織の保有する金塊の独り占めである。


まず、組織に入会してゴルドーと契約を結び、穏健派に脱出計画を
立ててあげて、その上で裏の計画を立て、エレンを人質に取る形でアレックスを脅し、静止衛星自爆プログラムを書き換えさせ、過労死に見せかけて始末する。
次にルパンを島におびき出す為に、偽の予告状でルパンをパーティー会場に呼び出し、ワルサーP38で銭形を銃撃。
そして、まんまと島に来たルパンを穏健派に引き込んで協力を要請する。
ちなみにルパンには早い段階から正体がバレていたが、*3*4そのうえで脱出計画を完遂するまで穏健派の中心人物である自分に手を出せない(=ドクターが死ねば脱出が困難になる)ことを計算に入れていた。
前述のボマーの爆発が大きすぎたのも、彼自身が更に爆弾を仕掛けることで要塞を崩壊させて証拠を消そうとしたためと思われる。
そして静止衛星レーザーと爆弾で組織のほとんどのメンバーを始末し、グルであったゴルドーをも殺害。
事件の影にワルサーP38をチラつかせてゴルドーの最期の言葉に信憑性を持たせ、全ての罪をルパンに被せて悠々と脱出する計画だった。


目的の為には全く手段を選ばない冷酷かつ残忍な性格・高い知能と戦闘能力・医学知識・更には俳優顔負けの演技力まで持つ、ルパンファミリー全員を本気で追い詰めた数少ない最強の危険人物。
しかし、一方で自身が追い詰められると冷静さを崩しやすいなど大物ぶった小物さもある人物。*5
何かと非情になりきれないルパンを以前から嫌っていたらしく、終盤で彼と対峙した際には冒頭の台詞を口にしていた。
正体を明かす前と後では人相がまるで別人*6


ゴルドーを殺した後、エレンを人質に取り、金塊と共に飛行船で脱出をしようとした所を乗り込んできたルパンと対決。一度はルパンに押されるが、ルパンが毒によって苦しみ始め形勢逆転。ルパンを射殺しようとするがエレンの妨害により失敗。
最後は2人に本物の解毒剤を餌に脅迫に近い形で取引をしようとするが、


欲しいだろう?欲しければ銃を捨てて大人しく…ん゛!?


まっ、ま゛っでぇ!?解毒剤がどうなっても…いいのか?!


やめろっ!や、やめろおおおおおおおおおおおおおおっ!!!???


それでも構わず撃とうとする2人を見て慌てて命乞いをするという見苦しさを見せて2人に躊躇なく脳天を撃たれて射殺される。


その直後、ルパンとの戦闘で金塊を載せた台車を固定していた留め具の機械が壊れて外れ、遺体は盗んだ金塊にぶっ飛ばされて共に海に落ちるという金にまみれた屑らしい因果応報な最期を迎えた。


正体が明かされた後もルパンからは「貴様」「お前」としか呼ばれない為、結局彼の本名は謎のままであった。



  • ゴルドー

前述の通り、ドクターの共犯。
各国の協力者達の目の前でワルサーP38で撃たれたのも血糊を使った芝居であった。
実は彼自身も、ドクターを始末して自由と莫大な金塊を独り占めするつもりだったのだが、ドクター本人には既に見透かされており、あらかじめ血糊に仕込まれていた遅効性の毒で弱った所をワルサーP38で今度こそ本当に射殺された。



  • エレン

実はアレックスはドクターによって過労死に見せかけて殺害されたということを知り、激昂してドクターに襲い掛かるも逆に催涙スプレー*7で返り討ちにされたうえに人質に取られ、結果的にルパンの脚を引っ張ってしまう。
「(私に構わず)撃て!ルパン!」と促すも、ルパンにそれができるはずはなく、エレンを救うために銃を捨てた。


その後紆余曲折あって飛行船内に攫われる。
追ってきたルパンとドクターの戦いは熾烈を極めるが、
ルパンが押していたものの、またもや毒が巡り始め苦しみだす。
最後はドクターの射撃からルパンを庇うために身体を投げ出し、代わりに腹を撃たれる。
追い詰められたドクターは解毒剤を餌に見逃して貰おうとするが、ルパンはエレンと共に銃を構え、引き金を一緒に引く。
弟の仇を討たせたのだ。


最後はルパンの腕の中で、前述の想いを吐露しながら安らかな顔で逝くのだった…。










■[エンディング]■

本作のエンディングは、これまでの作品のようなコメディー調ではなく、悲壮感とやりきれなさが残る作りとなっている。
ルパン一味以外は全員死亡、原子炉の自爆システムを次元達に防がれ、静止衛星レーザーも自爆したので外部からの侵入も可能になった島にルパンのお見舞い品としてタランチュラの情報を渡された銭形とビッキーがICPO長官の命令を無視して報道記者と共に乗り込んでくる。
一方で死に際のエレンに「解毒剤なら自分で作る」と約束したルパンは本物の解毒剤を作るために必要なガスと毒を飛行船に乗せ、アレックスの墓の隣にエレンの墓を作り、エレンが身に着けていたペンダントを彼女の墓に掲げ、仲間たちと共に島を後にする。
その直後、エレン姉弟の墓から光に包まれた鳥が現れた。
エレン姉弟の化身かもしれない光の鳥は島を飛び回った後、飛行船に近づくと、ルパンが銀のワルサーを海へと投げ捨てる光景を目撃する。
日の光を反射させながら、海に落ちていくワルサー。その時の光の尾はルパンが流した涙のようにも見えた。
ルパンと銀のワルサーの別れを見届けた光の鳥は海に落ちていったワルサーとは逆に、天に昇っていくのだった。




EDテーマは「瞳を忘れないで」、歌手はエレン役の篠原恵美。
自由を渇望し、ついに手にすることの出来なかった(ある意味では手にしたが…)エレンの思いが歌われている。
歌と映像の絶妙なマッチ具合のお陰で、かなり完成度の高いエンディングに仕上がっている。
エンディングで涙腺が緩んだ視聴者も多いのではないだろうか?
又、『カリオストロ』とは作風も結末も正反対な為、そう言った意味でも「クラリスと対を成すヒロイン」と評される事が多い。
(他にも、両作とも「ルパン自身の過去の清算」をテーマとしていると言う共通点もある)






■[備考]■

※制作初期ではエレンは生き残ることになっていたが、
矢野博之監督は「エレンは殺し屋として生きることが嫌になっていて『島から逃げたい』と考えているけど、結局どこまでいっても殺し屋。
たまたまルパンがやってきて彼に協力したからといって、生き残るのは都合が良過ぎるんじゃないか?」と考えていて、
それでも尚途中で「彼女が納得できる形で生き残るなら生かしたい」と米村氏と脚本の展開について相談していたが、
結局どうしても生き残る術が見つからなかったのでラストは「エレンだったら自分の罪のツケを支払うだろう」という結論になった。
ルパン一味が解毒するシーンを敢えて劇中で描かなかったのも、
「事件の決着の付け方が気分の悪いもの」を「毒」として暗喩的に表現している。



※ファンからの人気も非常に高く、
2019年にYouTubeで行われた「視聴回数」&「いいね」の数で決まる人気投票ではTVスペシャル部門第3位を獲得。
2021年に金曜ロードショー公式サイトでルパン三世アニメ化50周年を記念して実施した
ファン投票企画ではTVスペシャル部門第1位を獲得している。



※前述の投票企画の結果を受け2021年10月に金曜ロードショーにて放送されたが、そのあふれ出る『ザ・90年代』臭のする作画や演出が初めて本作を見る層はもちろん久しぶりに見た層にも刺さったのかTwitterで話題になった。
また、「エヴァっぽい作画」という声もあったが、本作のキャラデザを務めた木﨑文智氏は実際にTV版エヴァの原画にも参加している。



※余談ではあるが、銭形警部の助手のフラナガン刑事が持っていた資料の中に、
あのカリオストロ伯爵(ラザール・ド・カリオストロ)が登場している。
その資料ではカリオストロ伯爵の写真の横に(1956~1996)と記載されていたので
話が繋がっているとすれば『カリオストロの城』は1996年の出来事になる。






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*1 売られた理由は「たった1日の酒代欲しさ」という身勝手な理由
*2 ゴルドーが各国にとって不都合な情報を手に入れている為。
*3 穏健派のアジトへ向かう洞窟で毒蜘蛛を殺した時。ルパン曰く「姿形をいくら変えようが、その薄汚ねぇ殺気は変わってなかった」
*4 今は金髪のロングヘアーだが、ルパンと組んでいた頃は赤毛の癖っ毛だった
*5 ガスが充満している所でルパンを銃で撃とうとする、本物の解毒剤を使った脅しに構わずルパンとエレンに撃たれそうになったら慌てて命乞いをするなど
*6 というか変わりすぎなぐらい変わっているのでジャケットでも本性を現した彼の顔がどかっと描かれているがネタバレにはなっていない。
*7 ドクターの常套手段であるのかルパンを不意打ちした時と同じ手だった。

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