登録日:2018/06/03 Sun 12:22:18
更新日:2024/02/26 Mon 13:41:05NEW!
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寄生虫 寄生生物 アニヲタ動物図鑑 寄生 ブリーフ&トランクス サナダムシ レッド吉田
最近、特に運動量が増えたわけでも、食べる量が減ったわけでもないのに体重が落ちている。しかも下痢する頻度も上がったし、医者で見てもらうか…
これはサナダムシの仕業ですね。
サナダムシとは人を始めとして脊椎動物の消化管に寄生する寄生生物である。名前は真田紐に似ていることから。
◎概要
サナダムシと一口に言っても様々な種類があるが、共通して消化管や口がなく、栄養分を全て体の表面から摂取する。また宿主の体内にしっかりと定着するための吸盤も持っている。
基本的に宿主に命の危険をもたらすような悪さはしないが、宿主が摂取した栄養を奪って生きるため、体重が落ちたり、食欲が減退したり、腹痛、下痢、吐き気、便秘、慢性消化不良などを起こす事がある他、虫が消化管内を動き回ることで内部に傷を作ることも。
ただし極稀にその生物を最終宿主としない種が寄生することがあり、その場合は思わぬ危険を招く。2015年には人間の脳にサナダムシが寄生したという例も報告されているが、これは人間を最終宿主としない種が体内に入り込んだのが原因。
ある程度成長するか死ぬと宿主の体内から大便と一緒に排泄される。卵も定期的に大便と一緒に排泄されるが、顕微鏡で調べないと含まれているか分からないため、成虫が出てきて初めてサナダムシに寄生されていたことを知る人が多い。
体長は長いと10mを超す場合もある。小さくてもm単位まで成長する。
かつては糞尿を肥料として使用していたため、サナダムシを始めとする寄生虫の感染がよく見られた。しかし肥料に糞尿を使わなくなったためにサナダムシの感染はあまり見られなくなった。
◎感染源
サナダムシの感染源は野菜や肉である。
肉から感染する場合、豚肉や猪肉、牛肉が感染源となる。豚肉や猪肉を食べて感染する場合、生きた成虫を摂取することも多いが、たまに卵を摂取する場合もある。卵を摂取した場合、体内の思わぬ場所で孵化して様々な障害を発生させることも。
牛肉の場合、牛が卵の付着した草を食べることで牛の体内に入り、胃液で卵の殻が溶かされる事で孵化。消化管の壁を貫いて血管などの循環系へ侵入。筋繊維の中に入り込みシスチセルコイドという形態に変態する。そしてシスチセルコイドが入り込んだ状態の肉を人間が食べることで人間の体内に入る
人間の体内に入ったシスチセルコイドは消化液によって分解され、内部から頭が放出され消化管の壁に吸盤で吸着。人間が摂取した栄養を一部拝借する形で寄生し、成長を開始する。
ちなみに魚肉からも感染する。
野菜の場合、今となってはほぼ絶滅したが汲み取り式トイレの糞尿をよく発酵させないまま畑に肥料として撒いた場合に卵などが付着して感染する場合がある。
◎サナダムシダイエット
サナダムシは人間が摂取した栄養の一部を奪って生存する。それを利用したダイエット法がこれ。
オペラ歌手のマリア・カラスはわざとサナダムシを体内に取り込み、自身に寄生させることで105kgあった体重を55kgまで落とすことに成功したと噂されている。*1
また1900年から20年頃にかけてサナダムシの卵が入ったカプセルが市販され、楽に体重を落としたい市民の間でよく売れたという。
だがこのダイエット、ほとんど効果がないどころか現在の医学では危険とまでされている。
まず体内からサナダムシが居なくなってしまえばダイエット効果は無くなる。更に一度体内に寄生したサナダムシを摘出するのは困難に等しい。しかもサナダムシは体からすれば異物なので排出しようと下痢を発生させたり、嘔吐させたりする。
サナダムシダイエットは体がある種の病気に感染した状態になるため、栄養不良で痩せるのが真相。健康的に痩せるわけではないので危険という理屈だ。
ちなみに純日本産のサナダムシは体に危険を及ばさないから安全とされていたが、寄生のサイクルが変わった関係で絶滅してしまったそうだ。
◎感染予防・治療
肉や魚は十分に加熱すること。ユッケやタルタルステーキなど十分に加熱されていない肉料理は食べない。どうしても食べたいならマイナス5℃以下でしっかりと冷凍した肉を使うこと。
野菜の場合、生で食べることが多いので流水でしっかりと洗うこと。
もしサナダムシに感染した場合はどうするか。治療法は虫下しを飲むこと。虫下しを飲む際は医師に相談し、最適な虫下しを処方して貰おう。服用してからしばらくすると虫が大便と一緒に排泄される。ここで虫が出たからと言って虫下しの服用を辞めることはせず、医師から指示された期間飲み続けること。
◎その他
- サナダムシの一種であるミゾサナダは人体内でアレルギーを抑制する物質を分泌することが研究で判明している。ただし副作用の関係で医薬品としての利用はなされていない。
- サナダムシの卵をダイエットサプリとして売りつける業者がごくたまに居るが、普通に犯罪。
- 1998年にはサナダムシの生態をフォーク調で歌った、ブリーフ&トランクスの「さなだ虫」がヒットした。
追記・修正はメートル単位のサナダムシを発見した後に
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▷ コメント欄
- たるんどる!! -- 名無しさん (2018-06-03 15:44:49)
- サナダムシくん「ほら、もっと食べて。もう君ひとりの体じゃないんだから」 -- 名無しさん (2018-06-03 17:58:03)
- 全国の真田姓の小学生を被差別階級に貶める罪深き存在 -- 名無しさん (2018-06-03 20:01:45)
- 確か、研究のために自分のお腹にサナダムシ飼ってたサナダムシ博士がいたよね -- 名無しさん (2018-06-03 20:29:34)
- ↑なんかやらかして捕まったけどね。 -- 名無しさん (2018-06-03 22:27:13)
- 冒頭蟲師じゃないですか… -- 名無しさん (2018-06-04 10:27:34)
- ↑2 不起訴にはなったけど藤田 紘一郎だな。著作が面白かっただけに衝撃だった -- 名無しさん (2018-06-04 11:02:37)
- ダイエットの話だが栄養を吸われすぎて骨粗しょう症になるらしい、転んだだけでも骨がバキバキって・・・。 -- 名無しさん (2018-06-05 10:08:44)
- サナダムシはカルシウムを必要としないからそれは眉唾だなぁ…軽く検索してみたけど出ないし、仮になるとしたら普段から栄養状態が悪く過激なダイエットする人でサナダムシいなくてもあんま関係ないんじゃね -- 名無しさん (2018-06-05 10:28:12)
- 誰かの持ちギャグだった気がしたけど、そうかレッド吉田か -- 名無しさん (2018-06-07 02:53:55)
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