旧岩崎邸庭園

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旧岩崎邸庭園入口

その名の通り、三菱の創始者岩崎弥太郎氏の三男で三代社長を務めた久彌氏のもと邸宅。明治29年(1896)に造られ、1万5千坪の敷地に20棟の建物がありましたが、現在は約5千坪となり、洋館、撞球室（どうきゅうしつ＝ビリヤード場）、和館大広間の3棟が残り、見学できます。

旧岩崎邸は、戦後GHQに接収され、返還後は国有財産に。最高裁司法研修所などがありました。入口に大きいツツジがあって季節には見事な花を見せていましたが今は刈られてなくなったのが残念です。昭和44年(1969)に和館と洋館東脇にある袖塀が国重文指定、平成11年(1999)に煉瓦塀を含めた敷地全体と実測図が追指定されています。

館内は英国ジャコビアン様式とよばれる装飾、イスラム風のデザインなどが見られ、庭園から1階正面に見られる列柱はトスカーナ様式。内装には“金唐革紙”を貼った珍しい壁も残っています。また、金唐革紙の製法がわかる展示コーナーもあり、貴重な品々を目の当たりできます。

洋館1階の出口手前にカフェがあり、小岩井牧場直送の美味しい乳製品やケーキが楽しめます。今に見るジョサイヤ・コンドル氏の建築物は旧岩崎邸のほか、旧古河庭園（駒込）、ニコライ堂（御茶ノ水）、綱町三井倶楽部（三田＝通常一般見学公開なし）などが現存しています。

コンドル氏は、寛永5年(1852)にロンドンで生まれ、明治政府のお抱え建築家として来日。日本人女性と結婚して終生日本に住み続け、大正9年(1920)に亡くなりました。工部大学校造家学科（現東京大学工学部建築学科）初代教師に就任し、東京駅の設計建築などで知られる辰野金吾氏など、現在に残る名建築を生んだ近代日本建築家のリーダーたちを育てた功績でも知られています。

見学を終え、出口先の小路を左に行くと小さい辻が。右正面には不忍池公園、左に無縁坂の上り。

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