天庄

ページ名:天庄
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右手のガレージに天ぷらずくしが描かれたシャッター。その先の小路を入ると豊富な食材が楽しめる「天庄」さん

界隈でいちばんお薦めしたい天麩羅屋さん。通って四十年近くになりますが、上品な香り、タネの新鮮さはいつも満足です。海外駐在員をしていたときは、日本に戻ると最低一回は必ず寄っていました。

天ぷら粉を落として浮いてくる時間をみて油温を判断するそうですが、天庄さんの揚げ上がりは、ソフトなころもとタネものの生きの良さをそのままに熱する天麩羅の醍醐味が味わえます。

カウンターの背面右手上に木札の天麩羅タネが出ていますが、巻エビ、きす、いか、女鯒、穴子、貝柱、エビのかき揚げ、白魚、うに(生うにに火は禁物だそうです)、あわび茸(エリンギのてっぺんだけをいただく)、たらのめ、なす、蓮根、小玉葱、アスパラ、ぎんなんなど、野菜・根菜類も見逃したくないタネばかり。

私的には、サツマイモを必ずお願いします。早いうちにお願いするのがお膳づくりのコツ。天庄さんのサツマイモは丸ごとぶつ切りだけで揚げ、サッと包丁を入れ、割れ目を入れて出してくれます。サツマイモはもとのままの太さで、ごろんと揚げ上がり、ほくほく感をグッと高めて、もう云うことなし!時間をかけるのも納得です。

お刺身も豊富。いかの塩辛をトップにアマダイ西京焼、毛ガニ、もずく、赤貝のすのもの、カレイ、生イカ、ヒラメ、アジ、盛り合わせももちろん。

小路の奥、正面のお店の入口は、端正なあんどんと看板、暖簾に灯り、そしてガラスが嵌め込まれた横開きの戸。無駄のない配置の店内は、直線を基調にした鴨居まわり、手をかけた内装がそれとなくお店の雰囲気を高めていて、いかにも湯島らしい、しゃれと意気を感じます。今日もごちそうさまでした。




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