湯島天神(天満宮)

ページ名:湯島天神(天満宮)
DSC03300

「湯島天神入口」交差点に立つ「湯島天満宮」の傍示杭。右に鳥居がある“天神通り”(仮称)が始まる

湯島天神は、社名は湯島天満宮と云い、勅命により、雄略天皇2年(458)に創建されそうですから、すでに1560年近い歴史をもつ古社です。

正平10年(1355)に地元郷民が菅原道真公の遺徳をたたえ、文学の道に優れた先人として勧請し、創建のときにお祀りした天之手力雄命(あまのたぢからをのみこと)とあわせてお祀りしました。

それから235年後の天正18年(1590) 、江戸城に入城した徳川家康は大いに湯島天神を敬い、翌年、当時「豊島郡(ごおり、または、ぐん=注2))湯島郷(ごう)」と呼ばれていた地に朱印地を寄進し、世の中の平安が永く続き、文教が大いに栄えるようにと菅原道真を崇めたそうです。

さらに、延宝8年(1680)~宝永6年(1709)に将軍職にあった五代将軍徳川綱吉が幕府学問所湯島聖堂を昌平坂に設けたことから、湯島は一層文教の中心地という性格を強められて今日に至ったものと思われます。

現在も東京大学、東京医科歯科大学などが近くに集中。幼稚園から大学院、専門学校まで、合格祈願の絵馬がどっさり下げられた境内の景色は、テレビ番組お好みの季節のカットになっています。

学問だけじゃありません。その足下にはもと花街が栄え、今も人々を引き付けるお店がたくさん集まっているので、湯島天神が「水商売の神様」とよく言われるのも納得ですが、アメ横に御徒町、池之端、上野広小路周辺という一大商圏を脇に持つ土地柄だけに、今では「商売繁盛の神様」としてもお参りする人が多いようです。

人々の願いには限りがなく、湯島天神に期待されるご利益もマルチな広がりを見せています。

天神様の入り口は5つあります。神田明神や御茶ノ水方面から清水坂を上って三組坂上と中坂上を過ぎ、まっすぐ本殿正面に入る入口、春日通り切通坂上のY字路から入って左側に一つ、さらに御徒町・上野広小路から春日通りの南側にある脇道(黒門小学校通り)を来て急勾配の38段を一気に上る「男坂」入口、途中に5つの踊り場を置いて、4+4+5+5段と上り、最後に7+8段と上る、多少休み休み上れる「女坂」入口、春日通り切通坂を少し上ってから入る「中坂」入口の計五ヵ所です。「中坂」は途中踊り場を1つ置いて18+27段と上ります。)

神社境内には興味深い記念碑がたくさんあります(注3)を参照してください)。

天神本殿を正面とする、清水坂からまっすぐ入る入口には立派な鳥居が立ちます。銅製で寛文7年(1667)及び同8年の銘があることから、これらの年に作られ、寄進されたようです。

この鳥居は、都内に残る鋳造鳥居として歴史も古く、何度か修理されてはいますが、技術的にも優秀なものとして昭和45年(1970)八月に東京都指定有形文化財に登録されました。

最上部には反りをつけられた「笠木」と呼ばれる横木が二重に置かれ、これを支える柱(「島木」)は内側にやや傾斜がつけられている「神明鳥居」といわれる様式だそうです。柱の下から上端についた台輪までの長さは3.88m、笠木上端左右の長さは6.81mとHPにあります。




特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。


最近更新されたページ

鈴本演芸場

DSC02665伊豆栄さんを出て中央通りを左に行くと鈴本演芸場定席の寄席。ビルの中にできた寄席として、始めは以前のスタイルを気にする人もいたけれど、ステージと椅子席、それに新幹線座席のようなテーブルが...

酒悦(しゅえつ)

DSC02668福神漬けを世に送った酒悦さん本店舗。鈴本演芸場さんのすぐ並び日本の味「福神漬け」の発明者で現在もその第一人者、と申し上げれば十分でしょう。ラーメンと並ぶ日本人好み食ナンバー1、カレーラ...

赤門

DSC04103お待たせしました。赤門。本郷三丁目交差点寄りに徳川第十一代将軍家斉の息女が百万石の大名、前田斉泰に嫁入りしたときに建設された御守殿門(ごしゅでんもん)と呼ばれる特別な門。朱塗りのため通...

蘭亭ぽんた

DSC03664「湯島・蘭亭ぽん多」さんのお出迎え初夏の装い(暖簾は年数種をかけかえ。麻の白地は初夏から真夏)これがとんかつ?と噛みしめてしまう豊かな逸品で知られているとんかつ屋さん。長時間低温揚げの...

花月

DSC03648花月さん正面「蘭亭ぽん多」さんの角を曲がって春日通りに通ずる小路の右手にあるお店。店内はお客が二人も入るともういっぱい。お馴染みさんは黙ってガラス戸の外で待ちます。とにかく花月さんのか...

竹仙

DSC03267本富士署前のT字路に面した春日通り沿いに江戸あられの「竹仙」さん。見事なあられとおせんべいはサポーターがしっかり。「江戸あられ」と店頭にある小さいお店。お客さんから寄せられた色紙や手紙...

焼き鳥「八巻」

DSC03451八巻さんの店内。奧で焼に入っているご主人ちょっとコースから足をのばして美味しい焼き鳥を召し上がりませんか?5時半開店、水曜定休ですが、「八巻」さんの焼き鳥は鮮度最高、美味しさ抜群。今回...

無縁坂

DSC02961最初の辻から無縁坂を見る。緩い左カーブで坂を上る森鴎外(文久2年(1862)‐大正11年(1922))の代表作の一つ、「雁」(明治44年(1911)作)に描かれていることであまりにも有...

湯島百景

あなたの好きなスポット、風景をぜひ投稿してください。上野公園上野公園横山大観記念館横山大観記念館伊豆栄伊豆栄鈴本演芸場鈴本演芸場酒悦(しゅえつ)酒悦(しゅえつ)池之端藪池之端藪旧岩崎邸庭園旧岩崎邸庭園...

湯島天神(天満宮)

DSC03300「湯島天神入口」交差点に立つ「湯島天満宮」の傍示杭。右に鳥居がある“天神通り”(仮称)が始まる湯島天神は、社名は湯島天満宮と云い、勅命により、雄略天皇2年(458)に創建されそうですか...

湯島の立寄り処とお店の電話番号

※おことわり:ここにご紹介したお店は、ほとんどがご家族や小人数の方々で営んでいらっしゃるお店ばかりです。大きいお店であっても限られた人員で営業されています。予約や営業関係のお問い合わせでお電話される場...

湯島の地:武蔵野台地の突端

Bg header湯島の地:武蔵野台地の突端湯島は現在の文京区南東端で、東隣は台東区上野に、南は千代田区外神田、西は本郷(文京区)という位置にありますが、江戸幕府が開かれる前後の江戸の地形は今とかなり...

洋食・本郷にしむら

DSC03235本郷三丁目駅から本郷通りに出る商店街途中左側にある街のグリル「洋食にしむら」さん。お店が4階のため、通りに案内板がある典型的な日本の洋食グリルで、昭和45年(1970)年から営業する地...

注釈

注釈[]注1)「婦系図」(おんなけいず)泉鏡花が明治40年(1907)1~4月、「やまと新聞」に連載し、おそらく、自身の作品中、一番読まれることになった作品。翌年舞台上演されて新派の代表作になり、公演...

池之端藪

DSC03642仲町通り中ほどにある(あった)池之端藪のあんどん明るい雰囲気はそのメニューとお店のレイアウトにも。入って右手に座卓席の小上がり、左半分に椅子テーブル席。丁度良い広さです。引き戸を開ける...

江知勝

DSC03293屈指の牛鍋店「江知勝」さん。湯島切通坂を上り切ったあたりに、落ち着いただ住まいのお店が人も知る牛鍋屋さん。個室でいただき、仲居さんが鍋の熱し具合、肉と野菜の食べごろを見て、いちばん美味...

横山大観記念館

DSC04169池之端一丁目交差点から不忍通りを行くと すぐに見えてくる横山大観記念館の外塀戦災で焼失後、昭和29年(1954)に土台を生かして再建された画伯の自宅建物がそのまま保存され、画伯自身の視...

東大構内三四郎池

DSC04117三四郎池(池の形状が心と云う字の形に似ているため、心字池と云う名前が正式)こちらは夏目漱石の「三四郎」に描かれていることでよく知られていますが「三四郎池」はあくまで通称。その形が「心」...

旧岩崎邸庭園

DSC02958旧岩崎邸庭園入口その名の通り、三菱の創始者岩崎弥太郎氏の三男で三代社長を務めた久彌氏のもと邸宅。明治29年(1896)に造られ、1万5千坪の敷地に20棟の建物がありましたが、現在は約5...