酒悦(しゅえつ)

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福神漬けを世に送った酒悦さん本店舗。鈴本演芸場さんのすぐ並び

日本の味「福神漬け」の発明者で現在もその第一人者、と申し上げれば十分でしょう。ラーメンと並ぶ日本人好み食ナンバー1、カレーライスには欠かせませんし、お茶漬けにちょっと乗せ、もピリッと新鮮。ところが“ピリッと加減”にどこか関西風の細やかさ。

酒悦さんの福神漬けをちょっと食べてみると、塩漬け一本やりのしょっぱい漬物とはずいぶん違いますね。そんな味を感じるとしたら、伊勢山田出身の創業者、初代野田清右衛門さんのDNAが十五代清右衛門さんの福神漬け発明を生んだのかも知れません。明治十年(1877)にほぼ現在の福神漬けが生まれるまでに十年の歳月が費やされたそうです。

当時上野付近で採れた大根、なす、蕪(かぶ)、うり、レンコンなどを厳選し醤油も注文を出してオリジナルの味に仕上げ、三回漬けまで工夫して理想の味に近づけるという、むしろ発明家と云った方が良い努力を重ねての完成だったとお店の案内にあります。

福神漬けの命名者は当時の人気作家、梅亭金鵞だったそうです。文化人だった十五代の広い交友範囲なくしては生まれなかったでしょう。(なお、創業は延宝3年(1675)本郷元町だったとのこと)




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