かねやす

ページ名:かねやす
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江戸時代に「本郷もかねやすまでは江戸の内」と川柳に詠まれ、歯磨き粉が大ヒットした「かねやす」さんは今でも本郷三丁目交差点の一角で盛業中。現在は婦人小物・アクセサリー店

江戸時代から「本郷も、かねやすまでは江戸のうち」と引用されたことで知られている、享保年間(1716~36)に歯科医が創業した小間物店で、歯磨き粉のヒットで江戸中に知られるようになったと云います。昔は本郷通りと挟んで反対側(東側)にあり、電車が通るようになった明治37年(1904)を境に現在地に移ったそうです。

ちなみに「かねやすまでは江戸のうち」という川柳が描く情景は、大火の後土蔵造りを義務付けられた区域がこの辺りまで、この先は普通の町家(茅葺、板葺き屋根の民家)というもので、ここから田圃や畑になっていたというわけではなさそうです。

今に伝わる「かねやす」さんの逸話にはもう一つ、芝にあった同じ小間物業の兼安と争った元祖騒動があります。町奉行は「芝は漢字を使った兼安で、本郷はひらがなの“かねやす”。双方元祖で異議なし」と大岡裁判のような“判決”を出したと伝わっています。

現在も婦人用のバッグやアクセサリーを販売して盛業中。入口鴨居の店名板「かねやす」をじっくり見て、江戸時代はこの辺りまでが繁華な商家が続いていたんだなぁと思いを馳せたいもの。「かねやす」さんの建物正面左手角の下に「本郷も…」の謂れについての文京区設の解説板も示されています。




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