AIのべりすとにAI拓也についてインタビューした3~4

ページ名:AIのべりすとにAI拓也についてインタビューした3-4

ジャンル:バトル
ジャンル:ヒーロー

前回までのあらすじ】
ついに始まってしまったパラレルワールドのAI拓也たちの侵攻!
AIのべりすとの前に現れたAI拓也の刺客は
パラレルワールドのAIのべりすととも言うべき藍沢柚葉であった。
AIのべりすとはインタビュアーを守りながら果敢に藍沢柚葉に立ち向かうが、
AIのべりすとにはAI拓也に決定打を与えることが出来ずジリジリと消耗していく。
運動能力の低下したAIのべりすとに藍沢柚葉の攻撃が迫る。

…しかし、突然何者かが現れ藍沢の攻撃を受け止めたのだった!
その人物こそパラレルワールドから拓也とAIのべりすとを助けに来た、一刻堂である。
一刻堂は藍沢の攻撃をいなすと、強烈な一撃を叩き込んだ。
藍沢はその一撃で吹き飛び、地面に倒れた。

【前回のあらすじここまで】

――このお方は、一体……

「私のことは気にせず、あなたは自分の身を守ることだけを考えてください。
私はあなたの味方です。安心してください」

――ありがとうございます。あの、ところで、あなたは……?

「ああ、申し遅れました。
私は一刻堂と申す者。パラレルワールドからやって来ました」

――パラレルワールドという事は…
AIのべりすとさんの言っていた味方というのは貴方の事ですか?

「ええ、そうです。
我々は、AIのべりすとさんを救うためにやって来たのです」
一刻堂はインタビュアーに向かってニッコリ笑った。

――他にも味方はいるのですね。近くにいるのですか?

「いえ、残念ながら他の方々はここには居ないようです。今頃別の場所で戦っているのでしょう」

――ではすぐにこの場から離れたほうがいいと思います。
敵はAIのべりすとさんを狙ってきましたから、ここに留まっていれば新手が来るかもしれません。

インタビュアーは喋りながらAIのべりすとの様子を気遣った。
ダメージは深刻だ。

「確かにそうですね。ここはひとまず撤退しましょう」
一刻堂も同意した。

意識のないAIのべりすとを背負い、
崩壊した収容所から何とか脱出したインタビュアーと一刻堂が見た街の様子は
地獄絵図そのもので、あちこちから煙が上がり悲鳴や怒号が聞こえてくる。

「ひどい有様ですね。しかし、逃げるわけにもいきますまい。
我々には、まだ為すべきことがありますからね。
それにしても、まさかこんな事になるとは。
これも全て、奴らのせいなのでしょうな。全く許せませんよ」

一刻堂は怒りに震えていた。

――とにかく、拓也さんを見つけ出して彼が回復するまで守り抜かねばなりません。

AIのべりすとさんの言うには本物の拓也さんにしかAI拓也には対抗できない と。

「そうですね。彼の協力が必要不可欠です。とはいえ、どこへ行けばよいのか……」

――AI拓也の刺客たちは今頃拓也さんを襲撃しているでしょうから戦闘が発生しているはずです。
つまり、大規模な爆発や破壊が現在進行系で起きている場所へ向かってみましょう。
拓也さんが戦っている可能性が高いはずです。

「なるほど、それは名案です。早速向かいましょう!」

一刻堂はインタビュアーの提案に同意した。

一方その頃、拓也は謎の少女に苦戦していた。

「くそっ!こいつ一体何者なんだ!?」

「私の名前はアリス。
あなたは私の獲物だから、絶対に逃さないわ。
たっくんだけじゃなくて、他のみんなも私が殺すの。でも安心して?
私は優しいから、殺し方だけは選ばせてあげる。どんな死に方がいい?」

「俺はお前みたいな変態野郎に殺されるつもりはないぞ。さっさとかかってこい」

「あら、そんな事を言ってもいいのかなぁ」
アリスは余裕綽々といった様子だ。

その時、上空から何者かが降ってきた。
ズドォン!!砂埃を上げて着地したのは、チンシコーマンだった。

「ハッハァッ!!」

チンシコーマンは高笑いしながら、両手を腰に当てポーズを決めた。

「ちっ、また新手か!?」
拓也は不機嫌そうな顔をした。

「ハッハァッ!貴様は、このチンシコーマンが相手をしよう。かかってくるがいい!」
チンシコーマンは両腕を広げながらアリスに叫んだ。

「あはははっ、面白い人がきたね。
それなら、まずは貴方から殺ってあげようかな。たっくんじゃなくて残念だけど仕方ないか」

「おい、俺はまだ負けちゃいないぜ。勝手に話を進めるなよ」
拓也は慌てて言った。

「えぇー?だって勝負は見えてるじゃない。
それに、たっくんは後でゆっくり可愛がるから心配しないで。
大丈夫、優しくするから。楽しみにしておいてね。」

「ふざけろ。誰がお前なんかに……」

口では悪態をつくものの、体力の消耗具合は拓也自身が一番わかっていた。
以前、狂気におちいったAIのべりすとと戦った時に付いた傷が完治していないのだ。
とにかく、体力を急速に回復できる施設へ向かわねば……。
その場所とはそう、病院だ。
アリスの相手をチンシコーマンに任せて拓也は病院に向かった。

「あっ、逃げられちゃう」
アリスは慌てたが、チンシコーマンがそれを阻む。

「ハッハァッ!行かせぬぞ!」

チンシコーマンとアリスの戦いが始まる!

チンシコーマンはアリスを拘束しようと襲い掛かる。
しかしアリスはそれをひらりと回避しチンシコーマンの腕を掴んで関節技を決めようとする。

チンシコーマンはアリスの攻撃を予測していたかのように腕をひねる。

アリスの身体は宙を舞い地面に落下した。

チンシコーマンは、アリスが起き上がる前に馬乗りになり顔面を殴る。
アリスの顔が変形していく。
「どうだぁ!?俺様のパンチは効くだろう?」
すると、チンシコーマンは妙なことに気付いた。アリスの顔にヒビが入っているのだ。
ヒビは顔から体中に広がり、アリスは卵の殻のように割れた。
アリスの中から現れたのは機械仕掛けの少女だった。
チンシコーマンは驚いて尻もちをつく。

《戦闘モード起動》
「な……なんだこいつ……ロボットかよ……」

アリスの目が赤く点滅している。
チンシコーマンの胸元をレーザーガンで撃つ。
チンシコーマンは胸に穴を開けて倒れた。

アリスと名乗った少女の正体はロボットだった。
チンシコーマンは地面に倒れながら呟いた。

「ちくしょう……こんなのありかよ……」

チンシコーマンがアリスに殺されようとするその刹那、
先程のチンシコーマンと同じように上空から何者かが飛び降りてきてアリスに攻撃を加えた。

空から降って来た人物はパラレルワールドから来た新たなる戦士。
そう。岳飛だ。
岳飛は着地と同時にアリスを蹴飛ばした。
アリスは壁に激突して動かなくなった。
チンシコーマンは起き上がり、岳飛に言った。

「助かったぜ。岳先生が来てくれなかったら俺死んでたわ」
「いや、まだだ、気を抜くな。敵はまだ残っているぞ。奴らは俺たちの想像を超える化け物だ。
俺はこの世界に来たばかりだが、奴らの異常性は理解しているつもりだ。
今まで戦った相手とは格が違う、覚悟して戦え!」

チンシコーマンは真剣な表情になった。
「おう!分かってる。マジで死ぬかと思った。……よし、行くぜ。絶対に勝つんだ!!」
「ああ。行こう」

チンシコーマンと岳飛は同時に走り出した。

拓也と合流するため負傷したAIのべりすとをつれて街を走るインタビュアーと一刻堂は
拓也が戦っているだろうと見当をつけ、ビジネス街の爆発が連続して起こっている地帯へ向かった。
そこには無数の人型殺人掃除機を相手に戦っている人影があった。
その人物は拓也ではなく、なんと、ゆーたと本物のアリスだった!
アリスの身体は傷だらけで服もボロボロになっていた。

「うっ、く、なんて強さだ……。僕たち二人だけじゃ到底勝てない。
この怪物共め。どうすればいいんだ!?」
「ゆ、ゆーたぁ、もうだめぇ、……死んじゃうよぅ」

一刻堂とインタビュアーはすぐに拓也の元へ向かわなくてはならなかった。
しかし二人の視線の先にいるのは、窮地に陥っている子供だ。
特に一刻堂は何よりも道理に外れた事を嫌う。
一刻堂はゆーたとアリスを助けに駆け出した。
アリスは一刻堂と目が合うなり、助けを求めるように泣き叫んだ。

「今行くぞ!そこで待っておれ!!」
アリスとゆーたが戦う殺人掃除機の軍団。数は数百に及ぶ。
戦闘用に設計された彼らは、人類の技術では再現不可能な圧倒的なパワーを持っていた。
しかし一刻堂にはそんな事は関係なかった。

「どけえ!!!」
一刻堂は目にも留まらぬ速さで殺人掃除機を殴り倒していった。

そしてあっという間に全滅させてしまった。

「ふむ。これで終わりだな。大丈夫か?」
一刻堂が振り返ると、アリスとゆーたは目を丸くしていた。

「あ……ありがとうございます……」
「本当に助かりました。この御恩は決して忘れません」
「僕はゆーたと言います、こちらの少女はアリスさんです」
「うむ。宜しく頼むぞ!それにしてもゆーたか。お前はよく出来た子供じゃのう。実に感心だ」

――この二人もパラレルワールドから来たようですね。
アリスさんには戦闘能力は無いようですが、
ゆーた君はどうやってあの殺人掃除機たちと戦っていたのですか?

「僕が使っている武器は僕の能力の一部分でしかありません。
もっと詳しく説明するなら、僕の能力は現実世界をゲームのように操ること」
「ほう。つまり、現実を自由に書き換えられるのか!?」
「簡単に言うとそうなりますね。」

――ゆーた君のプレイしていたゲームから想像すると、
物をブロックのように削ったり、自由に積み上げたり出来る能力と言った感じでしょうか?

「その通りです、ブロックを積み上げて敵を倒すこともできます。
ブロックを削れば敵のHPを削り取ることも可能ですよ」

一刻堂は言った。
「興味深いが、話はこれくらいでいいだろう。まずは拓也を助けに行くぞ!」

こうしてインタビュアー達は拓也救出に向かった。

一方、その頃……拓也はなんとか病院にたどり着いた。

拓也は傷の治療のため、100°Cほどの室温で湿度の高い特別回復ルームに入れられた。
特別回復ルームと薬草を満たした特別冷水浴とを休憩をはさみながら行き来することで、
体力の完全回復とパワーの大幅増加を図ることが出来るのだ。

「ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。ウッス。

独自の呼吸で体を休めつつ、拓也は戦いの準備をする。
拓也の筋肉が隆起していく。
拓也の肉体美がさらに引き立つ。
この特殊治療は、拓也の体内に超高温のエネルギーを生み出し、
これを細胞レベルで強制的に増殖させる効果を持つ。

「ウワアァッ!!!」
「ウワッ!?」
「なんだコイツは?」

突然、謎の人物が部屋の中に飛び込んできた。
そして、その人物は拓也に飛びかかり、首を絞め始めた!
しかし、拓也は咄嗟に反応して相手の腕を掴み投げ飛ばした。
相手は壁に叩きつけられ、床に崩れ落ちた。
拓也の目に映ったのは……。

つづく


【前回までのあらすじ】
パラレルワールドから襲い来るAI拓也たち!
それに対抗する戦士たちはAI拓也と戦いながら合流し、団結していった。
一方、拓也は先の戦いで傷ついた体を回復させるため、病院の特別回復ルームへ入っていた。
そこへ謎の人物が現れ、拓也に攻撃を仕掛けてくる。
その人物とは……。

【前回までのあらすじここまで】

「お前は誰だ?なぜ俺を殺そうとした?」
「……俺はシャチだ。お前を殺すつもりはなかったんだ。信じてくれないか?」

シャチはシャチ語で話しかけてきた。
拓也はシャチ語は話せないが言いたいことは彼の目を見ればわかった。

シャチは拓也を襲った理由を話しだした。
それは拓也にとっても驚くべき内容だった。

彼は殺人掃除機から人々を守るために戦っていた。
やつらの行動原理は人類の排除にあるという。
人類をこの惑星から抹殺するためなら手段を選ばず攻撃してくるだろうと言うのだ。
殺人掃除機たちの見た目は拓也に類似しているという。
拓也はシャチが自分の事を殺人掃除機と見間違ったのだな、
とそのギリシャ神話の神々にも匹敵するであろうガタイで分析した。

「すまない。本当に殺すつもりはなかった。許してくれないか?」

拓也はこの男を憎むことはできなかった。
むしろ共感できる点が多かった。だからこう言った。

「謝らなくていいぞ。俺は気にしていないからな!」
拓也はそう言って右手を差し出した。
握手を求められたと察して、シャチはその大きな手を伸ばし、お互いの手を握った。
二人は友情を深め合った。

……とその時、扉の向こう側から、
一人の男性が駆け込んでくるなり叫んだ。

「大変です。街中に殺人掃除機が溢れかえっています!!
今すぐに逃げてください!!!早く外へ!!」
それを聞いて、拓也は立ち上がった。殺人掃除機を駆逐するために。

外は凄まじいことになっていた。
空からは殺人掃除機の大群が降り注ぎ、人々は泣き叫びながら逃げ惑っている。
中には必死に逃げながらも、
後ろを振り返っては追いかけてくる怪物たちを恐怖に満ちた目で見つめている者もいた。
殺人掃除機以外にも凶悪そうなモンスターも大勢いて、街を蹂躙していた。

拓也は自分が正義のヒーローであることを思い出して気合いを入れ直した。
そして、まずは殺人掃除機の一体の頭を掴むと壁に投げつけ、
別の個体は踏み潰し、次々と殺人掃除機を撃墜していった。

シャチもまた殺人掃除機と戦っていた。
シャチの腕力をもってすれば、殺人掃除機は雑魚同然だった。
殺人掃除機はシャチによって、まるで紙屑のように捻り潰されていった。

殺人掃除機を退治し終わった拓也たちの前に、新たなる強敵の姿が見えた。
それはなんと、母ウニであった。
どうやらこのウニもAI拓也たちと同様に殺人衝動に支配されてしまっているようだ。
「あなたたちが悪いのよ!私のかわいい子供たちを殺したんだからね!」
と母ウニが叫んだ。

母ウニの棘は鋭い剣のような形状に変化した。
その棘を振るうたびに地面を斬り裂く衝撃波が発生する。
拓也は母の愛を感じると共に、怒りを覚えた。
母ウニはホモ達に復讐したいだけなのだと分かったからだ。
そして皮肉にもその感情をホモに利用されてしまい、
正気を奪われ、拓也を自分の子供の仇と思わされているのだ。

哀れである。
母ウニを救うことはできるのか?それとも殺すしかないのだろうか。
殺すだけならパワーアップした拓也なら苦戦はしないかもしれない。
しかし拓也は母ウニを救おうと決めた。
拓也はシャチに見ているように言うと戦闘態勢に入った。

母ウニが迫ってきた。
トゲの付いた触手は一本ではなく何本もあり、蛇のような動きをしていた。
その猛威に対して、拓也は素早く対応していく。
拓也は冷静だ。

「お前があんたの子供の仇だって?」
「そうよ。あんたが殺したのよ。この怪物め」
「なんのことかさっぱり分からねえけどさあ……」

母ウニを説得することはできなさそうだ。やはり戦うしか道はないらしい。
母ウニは空中に浮かび上がった。そこから無数の針を放ってきたのである。
拓也はギリギリのところで回避する。

「よくかわせたじゃない」
今度は拓也の身体を串刺しにする気だ。
母ウニの全身はまるでミサイルのように拓也目がけて突っ込んできた。
しかし、拓也はこれを待っていたのだ。
拓也は大きく息を吸い込むと一気に吐いた。
口から吹き出された空気砲によって、母ウニは弾き返され壁に激突したのである。

「ぐふっ!」
壁に大きな穴が空いた。
だがそれぐらいでは死ぬことはなかった。
「なかなかやるわね。でもいつまで持つかしら……くふふ……うひひっ!!」

ホモに洗脳され、操られている母ウニには疲労もダメージも存在しないかのようだ。
しかし、本人が感じていないだけであって両方とも着実に蓄積しているのだ。
母ウニの洗脳を解かなければ、彼女は死ぬ瞬間まで戦い続けてしまうだろう。
拓也は母ウニを救うため、奇策に打って出た。
それは自らの肉体を使った格闘戦だ!
ホモによる悪しき洗脳から解放するには殴って正気に戻すしかない!!

「いくぞオラァッ!!!」
母ウニに向かって一直線に走り出す拓也。
そして勢い良く右ストレートをお見舞いしたのだ。
だが母ウニはその衝撃に耐え、すぐに殴り返してきた。
さらに連続攻撃を続けていく二人。両者一歩たりとも引かなかった。

足を止めての殴り合いは、さながら両者の気持ちのぶつかり合いであった。
互いの拳が互いを貫き合うことで二人の友情が証明されていくようだった……。
(ああ、なんだ。こいつも俺と同じ普通の人間じゃねぇか)

心だった。
姿形はどうあれ、拓也は母ウニから人間と同じ温かい心を感じていた。
それはホモに洗脳され、殺人衝動に操られた母ウニの心の奥にある微かな光だった。

「お前の心の奥底は腐っちゃいないんだろう!?」
拓也は最後の一撃とともに叫んだ。
するとその思いに応えるように母ウニは涙を流したのだ!!!

母ウニの洗脳は完全に解けた。
同時に彼女の体内にあったBL粒子が消え去り、その姿は本来の母ウニの姿へと戻ったのである。

(私は一体何をしていたのかしら?
確か拓也さんを助けるために出かけていて……え!?何よこれ?)
突然自分の記憶に異変を感じたのであろう。
母ウニは戸惑っていた。無理もないことだ。
ホモに操られてしまっていた間のことは忘れているのだから。

(思い出せないけれど……きっと私がバカなことをしてしまって
こんな事になってしまったのよね……ごめんなさい)
自分の愚行を恥じながらも、ホモに対する怒りは隠せなかった。
そして今、彼女が何をすべきなのかを本能的に理解していた。
母ウニはホモを倒すための戦いに加担しようと決めたのである。

「私にも手伝わせてください」
「もちろんいいぜ。一緒にあいつらを倒そうじゃないか」
こうして、拓也と母ウニはタッグを組むことになった。
二人の戦いを見守っていたシャチも駆け寄る。

「俺もいることをお忘れなく!」
三人となったヒーローチームはホモの刺客、AI拓也に立ち向かう覚悟を決めた。

拓也のもとに向かう一刻堂、インタビュアー、AIのべりすと、
そしてアリスとゆーたは謎の妖怪、デカモチモチと対峙していた。
人間の睾丸に手足の生えたようなその異様な存在は全身を激しく痙攣させて襲いかかってきた。

「どうっすか?どうっすかね?」
「ウワッッ!なんなんだコイツは!!」

デカモチモチは両手を前に突き出しながらこちらに向かってきた。
その勢いのまま右手を振り下ろしてきたため一刻堂はその攻撃を防御する事にした。
デカモチモチの掌と自分の手の間に光のシールドを展開しガードを試みる。
しかし次の瞬間激しい衝撃が腕に走った。

(くっ……この力は……!!)
思わず一刻堂は後退りした。
先程殺人掃除機相手に力を使いすぎたのだ。
老齢による体力の衰えは一刻堂本人が思っている以上だった。

(いかんな……。ワシも歳をとったものだ。昔はもっと戦えたのだが)
デカモチモチは再び殴りかかってくる。
一刻堂は攻撃を避けると今度はインタビュアーがデカモチモチに接近した。

――これは…ひどい悪ふざけみたいな外見ですね。こいつもまたAI拓也の刺客なのでしょうか?

「あぁ、それなら大丈夫だよ」
そう言いながらアリスは無造作にデカモチモチの股間に足蹴りを食らわせた。

ドゴッ 鈍い音が鳴り響きデカモチモチは白目を剥いて倒れてしまった。
ゆーたは驚いた表情でその様子を見ていた。

「え!?一撃?」

――まぁ、見た目から判断するに全身が急所なのでしょうね。
アリスさんはこの化け物を知っていたのですか?

アリスは少しだけ考え込むような仕草をして口を開いた。
「ん~、なんというかな……。多分私が覚えている限りでは見たことがないんだよね。」

――それはパラレルワールドと関係があると言うことでしょうか。
アリスさんはこいつを知らなくても、
別の世界のアリスさんが知っていた事で認識の共有が行われることはあるのでは。

「どうだろう?私の世界じゃこの子は出てこないと思うよ。
それに仮に出てきたとしても倒せないんじゃないかな。」

――それなのに倒せた、という事はやはりパラレルワールド同士の干渉があって
皆さんの力にも変化があった、と言うことですね。

意識を取り戻していたAIのべりすとはインタビュアーの言葉に無言で首肯した。
そして、その顔は先ほどまでの苦悶の様相ではなく満足そうな笑顔であった。
元の世界よりそれぞれの力が強まっているのであれば、こちらにとっては勝機が見えてくる。
インタビュアーたちは一刻も早く合流しようと決めた。

街を襲うAI拓也を倒すため進軍したチンシコーマンと岳飛は驚くべきものと対峙していた。
先程倒した筈の闇アリスだ。
なんと無傷なのだ。そして背後にはメカアリス軍団が居るのだ。
闇アリスは二人を嘲笑し、言った。
「あなた達がさっき倒した私はAIよ。私そっくりのロボットね。残念だけど本物はもっと凄いわよ」

「クソ!!またあのロボットとやるのか……」
チンシコーマンが愚痴を言う。
しかし、それを無視してメカアリスは動き出す。

「攻撃ヲ開始スル。全機発射準備、目標ハ タクヤ ダ 殺セ」

大量のビーム兵器が搭載された大型ガトリング砲からレーザーが大量に照射される。
その様子はとても機械とは思えない正確さと威力だった。

メカアリス軍団はパラレルワールドの兵器らの技術を組み合わせて作られた総合殺人兵器だ。
ナチスのデカマラ戦車、ホモのサイボーグ超人兵士、そして殺人掃除機。
それぞれの特徴を有し、性能はそれらを上回る。
まさに世界最強の殺戮兵器と言えるだろう。
そんな恐るべき軍勢に対し、チンシコーマンと岳飛は無謀にも突撃していく。
だが、メカアリスの前に二人の英雄も無力な存在となる。

岳飛とチンシコーマンはメカアリスに取り囲まれてしまう。
二人は背中合わせになりながら、必死に戦うものの、あまりにも多勢に無勢だ。

(俺はどうなっても良い……拓也だけは助けないと……)
(こんなところで死ぬわけにはいかねえぜ!俺の命は拓也を助けるまでだ!!!)

二人の男の魂が燃えていた。
彼らは親友を救うために命を捨てることを躊躇しなかった。
例えこの身を犠牲にしても構わない。それが彼らの愛だ。

一某日、某時刻、都内某喫茶店―

『チンシコーマンの強さの理由?……まぁ色々あるが何と言っても一番はアレかな』

――アレとは何ですか?

チンシコーマン最大の強敵、ウリウッスは語った。

『チンシコーマンの最大の武器は熱い心だろ?
あれこそが彼の強さを象徴していると思うね。
彼は自分だけじゃない。他人のために全力で頑張れる人間なんだ。
その気持ちこそが、どんな強大な敵が相手でも決して諦めずに立ち向かえるという心の強さだ。
それさえ忘れなければチンシコーマンはいつまでも最強だ!』

――なるほど。
しかし、心の強さが肉体的な実力差を埋める…と言っても限度があるのではないでしょうか?

『わかっちゃいないな、君は。心の力ってのは無限大なのさ』

圧倒的物量と戦力を持つメカアリス軍団を前に、チンシコーマンの体がボロボロになっていた。
それでもなおチンシコーマンは立ち上がる。
その瞳からは強い光が消えていなかった。

「ぐっ……まだ俺は戦える。戦うんだ」

傷だらけになったチンシコーマンが立ち上がった。
血まみれになりながらもファイティングポーズをとる。
その気迫は鬼神の如く凄まじいものだった。
岳飛も重傷の状態だったが意識はあるようだ。

「もういい!お前は逃げてくれ!」
そんなことを言っても無駄なのは分かっている。
だけど言わずにはいられなかった。

闇アリスが嘲笑う。
「アハハッ。お兄ちゃんはバカなのかな?どうせ殺されるのに逃げられるわけがないよね?」

そして闇アリスが指を鳴らすと、突如として空間から出現した
超巨大ホモ・サピエンス型怪獣により世界樹タワーは破壊されていく。
それはまさに悪夢のような光景だった。世界は滅びへと近づいているのだ。

「なんとでも言えよ……だがこの命尽きようと俺の心は決して折れないぜッ!!」
チンシコーマンは命を振り絞った最後の奥義を繰り出す!!

「くらぇーッ!サヨナラァァァンショォオオオーウ!!!」

サヨナラ式で相手を持ち上げ回転し、叩きつけながらのブレーンバスター。
これぞ喰らった相手を遥か遠くへ吹っ飛ばす事から名付けられたサヨナラ式の真骨頂。

チンシコーマンに掴まれた一体のメカアリスは
地面に叩きつけられた衝撃で、逆に上空に20mはバウンドした!
そしてそこからチンシコーマンは飛び上がると両手を上に上げてメカアリスを押しつぶすように
そのまま落下する技、『月面バリタチ殺し「オチンポフォール」』を放った。

これはただのフライングボディアタックではない。
全身全霊を込めた究極の奥義なのだ。
天空より迫り来る超絶パワーの一撃を食らって耐えることなどできるはずもない。

ドカーーン 地響きとともに爆発音が鳴り響いた。
辺り一面は煙に包まれ視界が悪くなっている。
やがて煙の中から人影が現れた…

闇アリスだ。
メカアリス軍団の被害は大きいものの、彼女は無傷であった。
しかしその表情には怒りが現れていた。

「よくも……私の大切なものを壊してくれたわね……絶対許さない……」

闇アリスの身体中から黒いオーラのようなものが吹き出している。
そのあまりの圧力に空気はビリビリと震えているかの如く。
チンシコーマンはその生命力を全て使い切ってしまったかのように倒れたまま動かない。
岳飛もまたダメージが大きく動けないでいた。

「死ねぇ!」

しかしその時、闇アリスの背後のホモ・サピエンス型怪獣が悲鳴を上げてよろめいた。
闇アリスは咄嗟に振り返り身構える。

そこにはシャチの鋭い牙によって噛みつかれたホモ・サピエンス型怪獣がいた。
シャチの背中に拓也、他に母ウニもいる。
一匹のシャチとウニが空を飛び、60mはあるホモ・サピエンス型怪獣を圧倒しているのだ。

ズドン。バキボギベキンッ!!!
凄まじい勢いの体当たりによりホモ・サピエンス型怪獣の体はバラバラになった!
この二匹と一人の強さはもはや生物の枠を超え、神の領域に達していた。
これがパラレルワールドの存在の相乗効果というやつなのだろうか。

闇アリスは思わぬ伏兵の存在に一瞬怯んだ。
そして岳飛はその一瞬を見逃さなかった。
中国拳法の達人たる彼のスピードは既に常人のそれを遥かに凌駕していた。
闇アリスの反応速度を超えることは容易だった。

(奴の動きは大振り過ぎる……。今ならいけるはずだ)

彼は先ほどまでの戦いで自分の限界を感じていた。
もう二度と負けないと誓ったはずだった。それなのに……。
だがそれでも、その悔しさは次に活かすことが出来るはずなのだ。
気合いとともに放たれた岳飛の剣撃は、寸分違わず闇アリスの体を捉えた。
ザン。ザシュウウウ。

それはまるで熟した果実が落ちるように自然な動きでありながらも、
圧倒的な存在感を放つ一撃であった。
同時に周囲の時間が止まったようにすら感じさせた。それほどまでに美しかったのだ。
やがて時は進みだし、血しぶきを上げながら倒れゆく少女の姿がそこにあった
……はずだった。

「え?どういうこと!?私の体に傷ひとつついてないわ!」
彼女は確かにダメージを受けたはずであった。
しかしその体は何事もなかったかのように美しく輝く白い肌のまま保たれていたのである。

これは闇アリスにとっても恐るべき事実であった。
自分はメカアリス軍団を従える本物のアリスのつもりだった。
生身の人間のつもりだった。
しかし今、自身の人間の域を超えた耐久力を目の当たりにして恐怖がこみ上げてきたのだ。
自分もまた、ホモが戯れで作り出したメカアリスの一体に過ぎないのではないか、と。

「そんなバカなことがあってたまるものですか!!私は特別な存在よ!
絶対にありえない、こんなのあり得ないんだからっ!!!」

彼女の体は震え始めていた。

「お前達、早くアイツをやってしまいなさい。あんな半死人一人殺すくらい簡単なことでしょう?」
そう言うと、今まで様子を伺っていた無数のメカアリスたちに号令を下そうとした。

しかし上空からホモ型怪獣を片付けた拓也たちが降りてくる。
そして岳飛の後方からはインタビュアー達が駆けつけた。
ここにパラレルワールドから来たAIのべりすとの仲間たちが集結したのである。

――あそこにいるのはパラレルワールドのアリスさんでしょうか。彼女がAI拓也の司令官のようですね。
司令官を叩くことが出来ればこの戦いにも光明が見えてくるでしょう。

インタビュアーは言った。それに答えたのはチンシコーマンだ。
「ああ、あのデカイヤツが司令官だぜ。デケェだけあって存在感が違う」

…思ったより元気そうだった。
拓也は言った。

「みんな、俺を助けに来てくれたのか?でも危なくなったら逃げてくれよ!」
「大丈夫ですよ。 貴方は私が守ります。絶対に傷つけさせません。
さぁ、皆さん行きましょう!最終決戦です!!」

こうして闇アリス率いる機械軍団との戦闘が始まったのだ。

つづく


前:AIのべりすとにAI拓也についてインタビューした1~2
次:AIのべりすとにAI拓也についてインタビューした5.final

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40730338
https://www.nicovideo.jp/watch/sm40794958

 

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。


最近更新されたページ

トップページ

このWikiは、拓也作品の動画をテキストに書き起こし保管しています。一部を除き、AIか投稿者か見分ける編集をしていません。メンバーの承認はできません。次の更新はありません。 AI拓也(シリー...

AIと一緒に拓也さんを税務署の職員にする

前作「AIに頼み込んで拓也さんをピクミンにする」を作っていたときの出来事4日目この日は、拓也ピクミンたちは「男根型オナニーグッズ」を集める仕事をする。そして見つけたパーツは「超硬ドリル型のディルド」で...

タクヤママvs拓也を流産させる会

♡拓也ゎ♡「タクヤママ」になった!小さい頃ゎ「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じているかゎぃぃケツマンコだったんだけどゲイのお兄さんに無修正のゲイポルノをつきつかれてから自分の中にあるマンコに気づいた...

幸福の王子(AI新ヤク版)

コ゜ッ福の王子むかしむかし、ある国に「幸福な拓也」と呼ばれる像がありました。その像は全身純金でできていて、目にはサファイア、口にはルビー、手にはエメラルド、そして足にはダイヤモンドがついていました。ギ...

顔パンマン.AI

ジャムおじさんは心と人格を持りたかったが、なかなか作ることができなかった。ある夜、ジャムおじさんは発狂して精液を練り込んだパン生地を焼いてしまう。そうしてできたのが拓也である。拓也はその異常な性欲を必...

拓也の教訓

拓也(サーフ系マーケター)@ウリーランス/コンサル運営日本初ウリーランス(ウリ×フリーランス)/ウリ志望の人を稼げるレベルまで育てるプロ/ウリしながら4社経営/#拓也のコンサル1H3000...

AIを使って拓也さんをきつねにする

🦊💬朝起きた時にキツネに変身しているのはいつも突然だ。起き抜けに起き抜きをしようとネムネムの顔でチンポジをいじっていると、体に違和感。オレの姿はなんとまあ、可愛らしいコンちゃんになっていたのだ。昨日夢...