AIと協力して拓也さんに狂気山脈を登山してもらう その1~3

ページ名:AIと協力して拓也さんに狂気山脈を登山してもらう その1-3

センパイの呼び出しはいつも突然だ。
今日はメシ食ってる最中にメールが来た。

センパイ「今からこいよ」
即座に食事を中断し、家を飛び出る。
緊急出動できるオレって消防隊員になれるかも。

拓也「今出ました。ジムに行ってからにしますか?それともすぐに向かいますか?」
センパイ「パスタ作るからすぐに来いよ」
まぁ、ジムは毎日行ってるし、センパイのしごきは結構キツイからジムはやめとくか。
家に着くとちょうどパスタができあがっていた。

センパイ「今日は珍しくウリじゃないんだな。」
オレはセンパイのペットだから首輪をつけられて全裸で食わされる。
すると、今日はいきなり妄想ゲームが始まった。

センパイ「拓也は戦車にひかれても死なないんだよな」
拓也「ウッス!」
センパイ「じゃあ、拓也は裸のまま戦場を駆け抜けても死なないんだよな」
拓也「ウッス!」
センパイ「拓也はどんな攻撃を受けても痛くないんだよな」
拓也「ウッス!」
センパイ「よし!拓也は標高10000mの登山に挑戦しても死なないんだよな!」
拓也「ウッス!」
センパイ「よし!じゃあこれから始めるか!」
拓也「え?」
そういうとセンパイはそのまま俺を引っ張って、アウトドア関連の品々がある店に拓也を連れていく。

拓也「え?なんすか?」
センパイ「実はさ、昨日会ったガイジンの登山家にお前の事紹介したら興味持ってくれてさ」
センパイは嬉しそうに言う。

センパイ「その人は有名な登山家でさ、
ある山に挑戦するためのメンバー集めで世界中を旅してるらしいんだけど、
なかなか集まらないらしくて、困ってたんだ」
拓也「それでオレっすか?」
センパイ「ああ、そうだよ。お前なら絶対大丈夫だって」
センパイの言葉を聞いてオレの心の中に不安が広がっていった。

拓也「あの……オレ、高所恐怖症なんすけど……」
センパイ「しらねーよ、そんなの」
拓也はこの店で、登山用のヘルメット・ハーネス・リュックサックなどを購入していく。
自費で購入したから出費が痛いぜ。
そして装備してそのまま、俺は店に出勤してマネージャーに会った。

マネージャー「拓也?なんですかその格好は」
拓也「じつは、センパイにハメられて登山することになったんです」
マネージャー「へぇ~そうなんですか。わかりました。ところで、どこに行くんですか?」
拓也「狂気山脈です」
マネージャーは持っていたスマホをパタンと落としてしまった。

マネージャー「狂気山脈?正気ですか?」
拓也「はい、狂ったようにヤリまくりたいんで」
マネージャー「そういうこと聞いてるんじゃないんですよ、本当に上るんですか?」
拓也「もちろんですよ」
マネージャーはしばらく黙り込んだあと、携帯を拾い上げてこういった。

マネージャー「わかりました、その代わり私もマネージャーとしてあなたに同行します」
そういうと、すぐさまアウトドア用品店に車を走らせた。
そして次の日から拓也とマネージャーの訓練が始まった、まずは登山の基本知識の勉強だ。

拓也は、もともと体育会系なので勉強嫌いではなかった。
しかし、いきなりこんなに大量の資料を読むことになるとは思わなかった。
そして、この日も仕事終わりには、例によってウリドラを仕込まれていた。
拓也はもう何回イカされたかわからなかった。
センパイはそんな俺を見て満足げな表情を浮かべている。
センパイはこう言った。
センパイ「おめーのケツの穴マジやべーよ、女みてーだよ」
拓也「くそぉ、いつか復讐してやる!」

それから2日後、拓也とマネージャーは登山に挑戦だ、
今回登る山は標高7200メートルもある、しかも酸素濃度が平地に比べて半分しかないのだ。
拓也は生まれて初めて飛行機に乗った。
それも、かなり高いところまで飛ぶというのだ。正直ビビっていた。
そしてついに、空港に着いた。拓也は心臓バクバクだった。

拓也「ちょっとマネージャー?なんでこんな高い山に登るんだ?」
マネージャー「それはですね、あなたを鍛えるためですよ」
拓也「えっ!?どういうことだ?」
マネージャー「10000mの山を登るのなら、これぐらいの山は登れないとダメですよね」

そうして、異常な高さを誇るこの山を二人で登ることになった。
簡潔に結果を言うと、登山は成功した。
マネージャー「よくやりました!これであなたの体力はかなりアップしましたよ」
拓也「やったぜ!」

こうして、無事訓練を終えた二人は、次のウリの仕事のために東京に戻った。
数ヶ月後、いよいよ登山本番となった。

オーストラリア某所。
登山道具が所狭しと壁にかけられたロッジの中、暖炉がパチパチと音を立てて部屋を温めている。
拓也は、目の前の椅子に座っている男を見つめる。
男は身長180センチほどで、白髪の短髪をしていて、筋肉質な身体つきをしている。
年齢は50代前半といったところだろうか。
その男を中心として、6名がその場に集まっている。
いずれも、色とりどりのウェアを来た登山家たちだ。
拓也の格好は、上下黒のスポーツウエアで身を包んでいる。
男が口を開いた。

K2「今日は集まってくれてありがとう。僕はケヴィン・キングストンだ。
イニシャルをとってK2と呼んでくれると嬉しい。
もちろん、イニシャルに恥じないよう、K2は単独で登頂している。
今回、パーティのリーダーを務めることとなった。よろしく頼むよ」
拓也「ウッス!」
K2「今回のパーティはここに集まった6名だ。初対面の者も多いだろう。まずは自己紹介をしてくれ」
まずはK2の右隣だった拓也が自己紹介を行うことになった。

拓也「ウッス!オレの名前はタクヤです!18歳です!
好きなものは、センパイです!嫌いなものは、センパイ以外の人間です!センパイがいない世界なんて生きてる意味がないと思っています!センパイのためならオレは何だってします!センパイが望むなら、どんなプレイでも受け入れます!センパイとセックスできるなら、エベレストだって登ります!
センパイはオレにとって神であり、恋人であり、ご主人様でもあるんです!センパイのことを思うだけで、オレは勃起してしまいます!センパイのことを考えるとオレはいつでもどこでもセンパイと合体したくなるんです!センパイ、オレはセンパイが大好きだぁーーーーーーーーーーー」
俺の超絶自己紹介テクニックに、周りのみんなはドン引きしていた。

拓也「センパイのことを考えるだけでオレはイっちまうぜぇーーーー」
マネージャー「拓也?黙っていてくれませんか?」
次はマネージャーの自己紹介だ。

マネージャー「名前は佐藤といいます。年齢25歳。
好きな食べ物は、キムチです。趣味は読書です。特技は、人の嘘を一瞬で見抜くことです」
拓也「すげぇ……マネージャーすげぇ……」
でも拓也の自己紹介の方がインパクトがあったな……。

続いて、K2の左隣の女の人が自己紹介した。
目つきは鋭いが、整った顔立ちをしており、美人といえる。
長い黒髪は後ろで一つに束ねられている。
肌は雪のように白く、まるで氷で作られた人形のような印象を受ける。

穂「穂高梓です。日本生まれ。医者をしてます。
今回はパーティの医療スタッフとして参加させてもらいます。
職業登山家ってわけじゃないから、皆さんのように先鋭登山の実績があるわけじゃないけど、
それなりに山は登ってるつもり」
拓也は彼女を見て、こう思った。
(こいつヤバいやつだ)

ケヴィンが肩に手を当てながら補足する。
K2「彼女は僕が個人的に声をかけたんだ。信頼していい。そこいらの自称登山家よりよっぽど登れるよ。
国境なき医師団で紛争地帯を走り回りながら働く傍ら、休日にはいろんな山をやってる。
技術も知識も十分だ。
信頼していい」
拓也「へぇ〜」

次に、一番奥に座っていた背の高い男が立ち上がって自己紹介を始めた。
スコット「俺は、スコット・アヴァロン。31歳だ。
アメリカ出身。職業はフリーのカメラマンだ。主に風景写真を撮っている。
今回はこの山を撮影するために同行させてもらっている。気軽に接してくれると嬉しい」
拓也「おぉ~」

最後にK2の右隣に座っている若く、軽薄そうな表情の男。
身にまとっている衣服や装備がいずれも高級品であることが一目でわかる。
この場にいる誰よりも金持ちそうだ。男はニヤついた表情を浮かべている。
コージー「コージーだ。出身はオーストラリア。よろしく」
拓也は彼を見たとき、なぜか嫌悪感を覚えた。理由はわからない。
拓也は直感的にこの男は危険だと悟った。

ケヴィンが補足する。
K2「彼は今回の登山隊のスポンサーとなってくれた、オスコー財団の御曹司だ」
コージー「御曹司だなんて言い方、やめてくれよ。
俺はいわゆる金持ちのボンボンとは違う。自らの足で、自然に抗う一流のアルピニストだ。
今回の登山だって、親父がカネを出さなかったとしても俺は登っていたさ。
いいか、俺は、俺の力で登るんだ。オスコー家の力で登るんじゃない」
拓也「ふぅん……」
K2「……よろしく頼むよ」
自己紹介が終わると、K2が立ち上がり、登山の概要について説明を始める。

K2「さて、概要を説明しよう。
御存知の通り、この科学の時代においても、かの南極大陸は謎のヴェールに包まれた土地だ。
そこについ先日、驚くべき山脈が発見された」
拓也「えぇ!?マジすか!」
K2「誰が呼び始めたか知らないが、”狂気山脈”。最高峰の推定標高は1万300mにもなるという。
エヴェレスト1,000m以上も超える、世界最高峰さ」
拓也「エベレストより高い!」
一同、ざわつく。

スコット「信じがたい話だが……」
マネージャー「本当です。私もニュースで様々な話を見るまで信じられませんでした」
K2「先日、大規模な登山隊が組まれた。名だたる登山家たちが参加していた。
しかし、彼らは失敗した。帰還者0だ。そのあまりに大きな失敗を前に、各国は尻ごんでいる」
拓哉は思わず口を開く。帰還者0とは、あまりに非現実的すぎるぜ。

拓也「あの、生還者0っていうのは……」
ケヴィンが答える。
K2「文字通りの意味だよ。誰も帰ってこなかった」
拓也「……そんな」
コージー「だから、俺が行くのさ」
そう言うと、コージーは立ち上がった。
コージー「俺の名はコージー・パウエル。この俺こそが、狂気山脈の頂きに立つ男だ」
こいつ立ち振る舞いがいちいちキザだな……。

K2「だが、僕たちは登山家だ。今までにない大きな山が姿を表した。臆している場合じゃない。
何が起こるかわからない、危険な挑戦になる。だが、夢がある。そうだろう?」
拓也「ウッス!オレはセンパイのために行きます!
センパイとセックスするためにオレは生きているんです!
センパイとセックスできないなら、オレに生きる意味はないんです!センパイ!
センパイ!センパイ!センパイ!センパイ!センパイ!センパイ!センパイ!」
コージー「おい……お前うるさいぞ……」
拓也「アッ……すまん……」

K2「南極上陸の許可や、そこからの移動手段などはオスコー財団が手配してくれた。
狂気山脈周辺は気候条件が厳しく、安全上の観点から航空機が飛ばせない。
だから、南極上陸後、南極調査隊の犬ぞりを借りて山脈の麓、おおよそ4,000m地点まで移動する。
そこから、標高差6,000mの登山だ」
拓也「すげぇー」
K2「目標は、山脈最高峰ただひとつ。航空写真から割り出された地形図を元に、
最も登頂確率の高いルートを割り出した。第一次登山隊が通ったのと、恐らくほぼ同じルートだ」
拓也「おおっ」
K2「何か質問は?」

俺は手を上げた
K2「どうした?タクヤ」
拓也「はい。もし、途中で天候が悪化したり、雪崩が起きたらどうするんですか」
ケヴィン「その場合は、撤退することになるね」
拓也「撤退するんですか!?」
スコット「それは仕方がない。無茶はできないからな」
拓也「そんなぁ~」
ケヴィン「他に質問はあるかい?」
拓也「はい」
俺は挙手をして立ち上がる。
k2「なんだい?タクヤ」
拓也「もし、頂上に行く前にみんなが疲れ果ててしまった場合は、どうするんですか」
コージー「はあ!?ふざけるなよ!なんなんださっきからお前はうるさかったりバカみたいな質問したり!」

コージーは席を立った。
コージー「こんなくだらないことに付き合ってられるか!」
コージーは部屋を出ていこうとする。
K2「コージー、待ちなさい」
コージーは足を止める。

K2「キミの言い分はもっともだ。だけど、僕は今のままじゃいけないと思う」
コージー「どういうことだ」
K2「たしかにこの北京原人はバカだ。だが、馬鹿にもできることがある。」
コージー「俺には、俺のやり方があるんだ。俺が俺の力だけで登るんだ。誰にも邪魔はさせない」
K2「コージー、この登山隊の目的は、キミの個人的な達成感を満たすためにあるんじゃない。
この登山隊は人類の科学力を結集させて、
未踏の地を開拓し、未知なる領域を切り開くために結成されたんだ」
コージー「わかっている」
K2「それに、コージー、君は一人で登るわけじゃない僕たちと一緒に登るんだ」
コージー「……」

コージーはゆっくりと席に戻った。
K2「……よし、では改めて、さて、作戦を立てよう。主に装備に関してだ」

K2は装備に関して二つの案を出した。
まずA案は、長期の登山に耐えうる十分な装備を運んでいくスタイルで。
動きは鈍くなる。一部を捨てることでBへ切り替え可能だ。
B案はなるべく装備を軽量化するスタイル。素早く行動ができ、
体力消耗を抑えることができるが、装備による様々な恩恵を得ることが難しくなる。
拓也は迷わず、K2が提示したB案を推した。
コージーは渋々といった様子で同意したが、スコットとマネージャーの二人は、慎重な姿勢を示した。

スコット「慎重に行こう。A案だ」
マネージャー「私もスコットさんの意見に賛成です」
コージー「何を言っているんだ。スコットもマネージャーも。
登山家ならわかるだろう。リスクを恐れていては何も始まらないぞ」
穂「コージーさんの言う通りですよ。スコットさん、マネージャーさん」
コージー「……フン」
スコット「……そうだな。わかった。コージーを信じよう」
マネージャー「スコットさんがそう言うなら……」
コージー「決まりだな。それじゃあ、早速準備に取り掛かろう」

登山開始まで残り数週間だ、
拓也はそれに備えてその間に少しでも体を鍛えておこうと思い、ランニングに出かけた。
マネージャーはその間、食料や燃料の調達などの雑務をこなしていた。
コージーは登山の準備のため、オスコー財団が用意した施設にこもりっきりだった。
穂はというと、いつものようにトレーニングルームにこもっていた。
スコットは数週間の間に、何度か俺とセックスをした。
俺とスコットはセックスをするたびにどんどんと仲良くなっていった。

スコット「いよいよ明日だね。タクヤ」
拓也「ああ。ついに……ついにこの時が来たぜ……」
スコット「緊張しているのか?」
拓也「え?あ、いや別に……」
スコット「大丈夫だよ。タクヤならきっとうまく行くさ」
拓也「ありがとうございます……」
スコット「でも、タクヤ。無理だけはしないでくれ。愛しているよ」

スコットは優しくキスをして、部屋から出ていった。
拓也はベッドの上で横になった。
拓也(本当に……本当に、ここまで来た……。オレはもうすぐ……)

拓也は興奮を抑えきれず、眠れなかった。
そして、どうどう登山当日を迎えた。


船を降り、南極へ降り立つと、そこは厳寒の真白き大地だった。
ペンギンたちが、奇怪なものを見るような目で俺たちを出迎える。
もしかして、拓也が激エロ雄ペンギンに見えるから視線をむけているのかな(笑)。
今日の拓也の衣装は、例の南極調査隊の服である。

拓也「うぉーっ!寒い!南極すげー!なんか、すげー!すげー!すげー!すげー!」
スコット「タクヤ、あまり騒ぐな」
拓也「あっ、すんません」
スコット「はしゃぎたい気持ちは分かる。だけど、もう少し静かにな」
拓也「ウッス」

拓也はペンギンたちに視線を向ける。
拓也「あのー、すみませぇ~ん」
拓也が話しかけると、ペンギンたちは一斉に拓也から逃げていった。
コージー「おい……お前何やってんだよ……」
手配どおりに南極調査隊の雪上車を借り、犬ぞりの犬たちとともに乗り込む。
見渡す限りの純白の大地を進んでいく拓也たち。

マネージャー「……あ、あれ?」
スコット「どうした?」
マネージャー「あ、いえ、なんでもありません」
コージー「どうせまた金がないとか言い出すんだろ?」
マネージャー「違いますよ!」
K2「どうしたんだ?みんな、浮かない顔をして」
スコット「実は、犬が一匹足りないんだ」
穂「え!?」
スコット「どうやら、途中ではぐれてしまったらしい」
コージー「まったく、使えねぇ犬どもだ」

数日の行程を末、ついに南極横断山脈へとたどり着いた。
南極の山々はおおよそ全てが氷河に埋まっており、
氷の上に辛うじて山頂の頭を突き出しているにとどまっている。
気候が苛烈さを増す中、さらに氷河を進み、目標の座標へ向かう。
どこまでも続く、白銀の世界。

穂「……なんか、寂しいところですね」
拓也「そうかぁ?俺はワクワクしてきたぜ」
コージー「お前のそのポジティブさが羨ましいぜ」
穂「コージーさんは怖くないんですか?」
コージー「怖いさ。でも、それ以上に俺はここに来たかったんだ。だから、このチャンスを逃したくない」
K2「進めば進むほど、人類の文明から遠ざかっていく。
ここには本当に、手付かずの自然しかない。まさに神の聖域だ。
かつて、エベレストを登ったマロリーたちも、ここまで不安じゃなかっただろうな」
拓也「え?何か言ったっすか?」
スコット「タクヤ、余計なことは考えなくていい。ただ、前だけを見てろ」
拓也「うっす」
マネージャー「お二人ともK2さんの話を聞いてあげてくださいよ、リーダーなんですよ!?」
スコット&拓也「「サーセン!!」」

数日後、目的の山脈……つまり、氷河に埋まっていない、天を劈く山脈に突き当たった。狂気山脈だ。
見た感じは普通の山に見えるが、やはりここは違う世界なのだ。
俺達人類には想像できないような過酷な環境に違いない。
ここから先は、雪上車では入れない。雪上車をそこに停め、犬ぞりで移動を開始する。
拓也が犬に近づくと、犬たちは一斉に警戒態勢に入る。

拓也「あぁ~、お前らそんなビビッてたらダメだぜ。こいつらはオレの友達なんだ。ほら、挨拶しろって」
犬「(吠える)!」
拓也「おいおい、大丈夫だって。そんなにふるえてんじゃねーよ」
犬「(吠える)!」
コージー「拓也、犬は俺たちを警戒してるんじゃない、お前を警戒してるんだ」
拓也「え?なんでだよ?」
コージー「お前が狂ってるからだろ」
拓也「ひゃっほう!」
コージー「褒めてねぇよ!」
拓也「よぉーし、行くぞおおお!」
コージー「聞けよ!」
スコット「ははは、元気だな。それじゃあ行こうか」
拓也「うっす!」
コージー「……チッ、仕方ねぇな」

犬ぞりでの移動目標は標高4,000m地点まで。
なだらかな斜面で危険地帯もなく、行程は順調だ。

拓也「なぁなぁ、この犬たち賢いなぁ」
コージー「犬はお前より賢そうだな」
穂「ふふっ、確かに」
拓也「いやいや、オレの方が賢いっすよ!」

しかし、標高3,000m程に達した頃、異変は起きた。

犬「(吠える)」
マネージャー「どうしたの?」
突然、犬たちが暴れ始めたのだ。

コージー「みんな、落ち着け!」
スコット「どうして急に……!」
犬たちが唸り声を上げ、足を止めてしまった。

拓也「お、おい、マジかよ!」
マネージャー「嘘でしょう!?」
拓也は犬の様子をみて、犬が怯えていることに気づいた。

拓也「あいつら、あんなに怯えちまって……。オレに任せろ!」
拓也は犬に向かって走り出し、吠えた。

拓也「おいおい、お前らビビっちまったのか?オレはお前らのご主人様だぜ?ほら、こっちに来いよ!」
すると、犬たちは拓也の方を振り向いた。
そして、一斉に駆け寄ってきた。

コージー「あっ!」
そして、拓也に犬たちは飛びついた。
犬たちは拓也を舐め回すように顔を擦り付ける。

拓也「いてっ、いてっ、いてっ、やめっ、やめっ、止めっ、て、止めっ、てっ、止めっ、てっ、てっ、うっ、うっ、うっ、」
コージー「あははっ!犬に襲われてるぞ!」
穂「どうしたのかしら」
しかし犬は引き返して行ってしまった。

コージー「オイッ……!マジかよ、何だってんだ」
K2「……行程が1,000m伸びただけさ。行こう」

こうして一行は先へ進むこととなった。
ただ、進むのは明日から、いよいよ本格的な登山が始まろうとしている。
拓也はテントのなかで寝転んでいた。
考えることは一つ。
『あの犬はなんだったんだろう』
その答えを考えているうちに眠気に襲われた。
拓也は深い眠りに落ちていった。
翌日、拓也は高度3000Mの大地で目覚め、出発した。
今日はまず1000mの登山だ、とK2から告げられる。
拓也はその言葉を聞いて身震いをした。
K2はそんな拓也を見て言う。

K2「怖くなったのかい?」
拓也は少し考えて言った。
拓也「……いえ、武者震いッスよ」
K2は笑って言った。
K2「そうか、ならいいんだ」
そして一行は歩き出した。

しばらく歩くと、山の上から何か音が聞こえた。
穂「なんか変な音しませんか?」
コージー「確かにするな……」
その音は段々大きくなってくる。
スコット「落石だ!」
コージー「まずいな……!」
スコットは先頭に立って走り出した。
コージー「待ってくれ!」
マネージャー「急いでください!」

コージーとマネージャーと穂もスコットの後を追う。
一方、拓也とK2は動かなかった。
拓也「淫獣拓也達はこのまま登ったほうが良さそうだな」
拓也はそう言ってK2を見る。
K2「ああ、我々の位置から逃げるのは困難だからな」
なんでこんなことになっているのかというと、拓也の進むペースが遅いからだ。
だから、K2と拓也は遅れてついていくことにしたのだ。

そして、拓也とK2を置いていった四人はというと……。

スコット「ハァハァ……」
コージー「もうだめだぁ……」

かなり危機的状況に陥っていた。
みな精神的に疲れていた。開始一日でこれは厳しい。
ただ、なんだかんだ4000mまでたどり着いていた。
マネージャー「もう足痛くて歩けないですね」
コージー「オレもだぜ」
そして拓也たちもようやく追いついたようだ。

コージー「やっと来たか!」
拓也「変態登山ボーイ!お待たせしました」

拓也もテントを張り、休息を取ることになった。
拓也はテントの中で、自分の携帯電話を見ていた。
ここはもちろんキャリアの電波なんて届かないから、センパイからの着信がかかってくることはない。
なんだかそれが寂しく思えた。メール一通でも届かないかな?と思って拓也は携帯をいじっていた。
テントの外から、ケヴィンが声をかけてくる。

K2「おい、外に出てみろ。すごい空だぞ」
その声につられてみんな外に出た。

穂「うわー、きれい……」
コージー「すげぇな」
マネージャー「ええ」
拓也も外に出る。
K2「どうだ、すごいだろう」
拓也「ああ、すごいな」

外に出てみると、満天の星空にオーロラが出ていた。
穂さんが雪を溶かして湯を沸かし、コーヒーを入れている。
パーティの皆に配る。
拓也はK2と二人でコーヒーを飲んでいる。

K2「……こんな美しい夜空は初めてだよ」
拓也「俺もです」

ケヴィンは星を見ながら言う。そしてゆっくりと語り始めた。

K2「今、ここに居る私たちは幸運だ。そうは思わないか?
登山家たちにとっての栄誉は数あれど、やはり、世界最高峰・人類初登頂、これに勝るものはない。
エドモンド・ヒラリー、テンジン・ノルゲイ……あるいはジョージ・マロリーかもしれんが。
彼らが初めてエベレストを登ったとき、その栄誉は二度と他のものには手に入らなくなってしまった。
その筈だった。しかし、今になって、新たにエベレストを超える前人未踏の世界最高峰が発見された。
こんなチャンス、後にも先にも、きっとこの一回きりだ。登山家にとって、こんな幸運なことがあろうか」
拓也「そうですね」
マネージャー「この機会を逃したら……」
スコット「一生後悔するな」

しばらくして、ふとコージーが軽い口調で漏らす。
コージー「いやあ、それもこれも、第一次アタック隊が失敗してくれたおかげっすね」

拓也は、場の空気が凍りつくのを感じた。

スコット「コージー!」
コージー「なんだよ」
スコット「それは口に出して言うことじゃない!」
拓也「スコットのいう通りだぜ。彼らを貶めるような発言は慎むべきだんだよな」
誰かの失敗を喜ぶなんて、あってはならないことだ。

穂「貴方、何を言っているのか分かっているの?」
コージー「だってさぁ~、実際そうじゃん?
彼らが失敗したおかげで、俺達にチャンスが巡ってきた。違うか?」
マネージャー「いい加減にしなさい!」

しばらく反応を静観していたケヴィンが、最後にこう締めくくった。
K2「その話は、これ以上よそう。もう寝よう。明日から本番だ。みんな、頼むぞ」
コージー「ちぇ、わかったよ」

みなそれぞれのテントに戻る。拓也はこの討論で、一つだけ気になった事がある。
この話でケヴィンはただ一人、コージーを否定していなかった。
まさかあの人も、そう考えてるなんてことはないよな……。

早朝、朝食を食べる。
スコット「よし、準備完了だ。行こうか」
穂「はい」
一同は歩き始める。今回も1000mの登山を目指して進んでいる。

スコット「おい、どうしたマネージャー?」
マネージャーの顔を見ると、ひどく青ざめていた。
マネージャー「……なんでもないです」
この体調の悪さは高山病かもなとガタイで分析、拓也は心配する。
拓也「大丈夫っすか?ちょっと休憩します?」
マネージャー「いえ、平気です。それより、少しペースを上げましょう」

大丈夫なわけないじゃんかそんな顔色で、と拓也は思った。
そういえば、二人で山登りした時も、
最後のアタックの時はマネージャーの体調がすぐれてなかったなと拓也は思い出す。
マネージャーって、真面目で丁寧だから、ずっと自分の身を削って頑張ってんだよな、
そう考えるとウリもマネジメントも同じに思えてくる。

あれは何年前だったかな。
マネージャーと初めて撮影に行った時も、
風邪ひいて今にも倒れそうなくらい真っ青な顔をしていて、
俺に「今日は無理しない方がいいんじゃ……」って言われてたっけ。
でも「私はあなたのマネージャーですから、
最後までやり遂げます」って言って、結局最後までやり切ったんだよな。
その時の表情は今でも覚えている。
凛とした表情に、強い意志を持った瞳。とても綺麗だと思ったし、スゲーと思った。
思い返してみれば今回の登山もセンパイに無理やり押し付けられた
罰ゲームみたいなもんなのに、一緒に参加してくれた。
やべ、迷惑ばかりじゃん、マネージャーに。
なんか申し訳なくなってきた。

スコット「おっと、また雪が降ってきたぞ。急ごうぜ」
コージー「ああ、分かった」
コージーとスコットが駆け出す。もうすぐキャンプ地だぜ、マネージャーを俺が支えてやんねーと。

無事に標高5000mにたどり着いた。
俺たちはキャンプ地を設営し、そこで一泊する事にした。


このキャンプ地には二泊三日停滞した。高地順応ってやつらしい。
朝、拓也は起き上がった。

コージー「おはよう、どうだ調子は?」
拓也「いいぜ」
コージー「そいつぁ良かったぜ。さて、飯食うか」
朝食をとっていると、ケヴィンの顔色がすぐれないのに拓也は気づく。

拓也「ケヴィン、大丈夫か?」
ケヴィン「ん?……あぁ、問題ないよ、ちょっと夢見が悪かったんでな」
拓也「どんな?」
ケヴィン「…第一次登山隊が、まるで山に喰われるかのように次々に死んでいく、ゲホゲホ」
痰が絡んだような咳を数回する。
コージー「……おいおい、冗談きついぜ」

多少の体調不良で停滞していられる余裕がないので、予定通り出発となった。
しかし、やはりと言うべきか、ケヴィンが足取り重く歩く。

コージー「大丈夫か?」
ケヴィン「あぁ、平気だ。少し疲れただけだよ」
スコット「無理はするなよ」

穂とコージーは心配そうな目で見る。
今日は標高5,000m付近……事前に、第一の関門であると言われていた地点に到着した。
その名も”ショゴス乗越”。

狂気山脈の主脈へ至る乗越……峠だ。ここでは一度稜線に出る。
気流の関係上、ショゴス乗越は常に爆風が吹いており、危険が伴う地点だ。
拓也の今日のファッションはパンク系だ。
そのせいもあってか、風の勢いが増してきた気がする。
スコットとケヴィンは強風に煽られ、転倒してしまった。

スコット「ぐあっ!」
斜面で転ぶってことは、滑落でイク可能性があるんだよね。
スコット「うぅ、足を捻ったようだ」
コージー「俺が担いで行く!」
コージーはスコットを担いだ。
コージー「穂、悪いけど先行ってくれ!」
穂「分かりました!」

穂は先へ進んだ。
コージーは懸命にスコットを運ぶが、風が強く思うように進まない。
拓也とマネージャーも、全身に浴びせられる爆風に苦戦していた。

マネージャー「うぅ……飛ばされそうです」
拓也「マネージャーしっかりしろ!俺に掴まれ!」
マネージャー「あ、ありがとうございます!」
漢ぶってた拓也だけど、ホントは足滑らせて滑落しないか心配でアンアン喘ぎたくなったし
全身が恐怖で震えが止まらなくて仕方なかった。一歩一歩、慎重に歩を進める。
そしてようやく稜線に出た。穂の姿が見えた。

穂「あと少しです!」
一穂の声を聞いて、みんな奮起する。
拓也も負けていられねーと歩みを早める。が、その時、突風にあおられた。
拓也は体勢を崩し、崖を落ちていった。
マネージャーは何とかその場に踏みとどまる。
拓也は4m以上?10m以下?ぐらいの高さを落ちた。
全身を強く打ち、意識を失いかけたが、必死に堪えた。

拓也「くっそー…あー…痛ぇ」
幸いにも拓也のギリシャ彫刻のようなガタイのおかげで、
落下によるダメージは最小限に抑えることができた。
コージー「生きてるか?」
拓也「あぁ、何とかな」
コージー「慰安係がこんなとこで死んでもらっちゃ困るぜ拓也!」

こうして、無事全てのメンバーが6000mに到達した。
コージー「いや~、なかなか大変だったな」
スコット「あぁ、本当に」

高度6,000mを超え、ショゴス乗越を越えた頃、山はその姿を大きく変えた。
あまりの強風のためか、はたまたその特殊な地質の影響か、
全ての雪が吹き飛ばされた、漆黒の山脈が姿を表したのだ。拓也はそれを見て、感動した。

拓也「凄いぜ……これが狂気山脈の本当の姿なんだな……」
この漆黒の大地は今まで見てきた黒という色の中で、一番綺麗に思えた。

拓也「これこそまさに……"神の領域"」
スコット「この景色は、一生忘れないな」
ケヴィン「うん。僕もそう思うよ」

また、視界の果てまで、目もくらむような高峰群が続いていた。
ここから先、登山隊は、無数のピークをトラバースしながら、
漆黒の山脈の最高峰と推定されるピークの取り付きまで移動していく。
これからどんな困難が俺たちを迎えるのか、想像もつかない。
でも、俺は登るぞ。俺の愛する人のためにも。
そして、仲間達と無事に下山するためにも。
拓也は決意を新たにする。
拓也たちはテント設営にかかった。かけた時間は、およそ3時間。かなり手際よくできたと思う。

夜になると、気温は氷点下を下回った。しかし、みんな慣れたものだった。
すぐに眠りにつくことができたしテントの中で行うときの寒さにも慣れた。

夜。拓也は夢を見る。
漆黒の山脈を、無数の人影が列をなして登っているように見える。
俺たち以外に登山隊なんていたっけ?と拓也は思った。
だが、そんなはずはない。すると、山が鳴動する。
ズルリと山が身じろぎすると、ひとり、またひとりと、
まるで山に飲み込まれるように登山者たちは消えていく。
拓也は必死に叫ぶが、声は届かない。
漆黒の山脈に無数に空いた「うろ」から、
飲み込まれた人たちが無残な「残骸」と成り果てて、吐き出されていく。
漆黒の谷が、あっという間に、虹色に染まっていった。拓也はその光景をみて、吐きそうになる。

拓也「うっ……ぐっ」
そして、虹の谷の一部となりはてた登山者たちの中に、俺は見つけてしまった。

「南佳也似サーフ系ボディビルダー拓也」の姿を。

拓也「ここにいたのか…?こんなところで何やってんだよ」
返事はなかった。ただ、虚空を見つめているだけだった。
拓也「おい!答えてくれよ!」

そこで目が覚めた。拓也は起き上がる。
すぐさま隣のスコットを見ると、脂汗をかいて酷い表情で目をさましていた。

拓也「スコット、大丈夫か?」
スコット「あぁ、なんとかな。ちょっと嫌な夢を見ただけだ」
拓也「オレもだ」
スコット「奇遇だな」

同じ夢を見ていたようだ。
次の日の朝、皆テンションが低いように感じた。
こんなことってあるのかな?みんなで同じ夢を見るなんて……。

穂「おはようございます、どうしたんですか皆さん、元気が無いみたいですけど」
コージー「まぁ、な。昨日の夢がな……」
穂「……みなさんも、見たんですよね…あの夢の事……」

今日はいよいよ7000mを目指してアタック開始だぜ!拓也は気合いを入れ直す。
さすがに疲れは溜まっているものの、まだ行けるはずだ。拓也たちは漆黒の大地を歩き続ける。
途中、何度も休憩をとりながら、少しずつ進んでいく。

拓也「あとどれくらいなんだ?」
マネージャー「もうすぐですよ」
なんだか1000m登るのに慣れてきたなと思っていると、
拓也の第六感に反応が、上から何かが落ちてくるような感覚が伝わってくる。

拓也「上だ!」
マネージャー「え?」
拓也は全員を後ろに突き飛ばすようにして庇った。
拓也の背中に岩の塊が直撃し、そのまま前のめりに倒れる。

穂「大丈夫ですか!?」
穂たちが駆け寄る。幸いにも拓也のギリシャ彫刻のような肉体には傷一つ付いていなかった。
拓也「あぁ、問題ないぜ。それにしても、どこから落ちて来たんだろうな」
見上げると、そこには小さな亀裂があった。
そこから落ちて来たものらしい。

拓也「でかい石だったな、あれは」
穂「そうですね、直径50cmはあるんじゃ無いでしょうか」

拓也たちはさらに進んで、標高7000mにたどり着いた。
ここから先は酸素濃度が極端に低くなるので、
高所順応しなければ死んでしまう、まずは、睡眠から入る事になった。

夜。テントの中。真夜中。
拓也はふと目が覚めてしまった。
横ではスコットが寝息を立てている。
スコットを起こさないよう、静かに体を起こす。
そして、外の空気でも吸おうとテントを出た。
月明かりが、漆黒の大地を照らし出している。
夜の静寂が心地いい。
すると、テントからコージーが出ていくのに気づいた。

拓也「どうした?」
コージー「クソだよクソ。トイレに行くんだ。何なら一緒に行くか?」
拓也「いや、遠慮しておくよ」
外でスカトロとか、ウンコがカチカチになって話にならないぜ。

コージー「そうか。じゃあな」
コージーは暗闇の向こうへ消えていった。
拓也は再び眠りにつく。
しばらくして、拓也はまた目が覚めてしまった。
なぜまた目が覚めてしまったのか、それは外からコージーの叫び声が聞こえたからだ。

拓也「コージー!?」
拓也は急いで外に出る。
そこにいたのは、血まみれで倒れているコージーの姿だった。
どうやら、崖から落ちたらしい。

拓也「おい!しっかりしろ!」
拓也は必死に声をかけるが、返事は無い。
拓也はコージーを背負い、他のみんなを揺すり起こす。

穂「う~ん……なんですか?」
拓也「コージーが落ちた!」
穂「えっ!?」
コージーは既に虫の息だ。出血の量が多い。
このままだと危険だ。

コージー「うぅ……淫獣拓也はもうダメだ……」
コージーが目を開けて言った。
この言い方的にせん妄にでもかかっているのかなとかガタイで分析しつつ、

拓也「そんなこと言うなよ!助けてやるから!」
コージー「無理だ……ビルダー拓也はもう死ぬ運命なんだよ……」
拓也「まだ助かるかもしれないだろ!」
拓也は彼を手当てするべくまず止血する。

拓也「ちくしょう!死ぬなよ!死んだら誰が俺のケツ掘ってくれるんだよ!」
コージー「ハハッ……やっぱりお前は変態だなぁ……」
コージーは弱々しく笑った後、意識がまた消えていった。
その後、彼の命を救う為に、拓也は応急処置を行った。
拓也は、自分の知識を全て動員して、治療に専念した。
しかし、コージーの呼吸はどんどん弱くなっていく。

穂「どうしよう……!」
マネージャーたちも駆けつけてきた。

マネージャー「一体これはどういう事ですか?」
穂「分かりません……!」
その時、コージーの口が小さく動いた。

コージー「……淫乱だぜ」
その言葉を聞いた瞬間拓也の中で何かが弾けた。
拓也は、大きく息を吸い込んだ。
そして、

「ウオォォォォォォォ!!!!!」

雄たけびを上げた。
コージーの脈拍は、完全に止まってしまったのだ。

穂「拓也さん!?」
そして、拓也は自らの服を脱ぎ捨てた。

拓也「俺は……ビルダーだ!」
拓也は、自分の身体を鍛え始めた。
腕立て伏せ、腹筋、スクワット、懸垂。
拓也はひたすら己を虐め続けた。

ケヴィン「やめろ!拓也!それ以上やったら死んじまうぞ!」
しかし、拓也の耳にはもはや何も届いていない。
拓也の身体には、血管が浮き出ていた。
筋肉がパンプアップし、全身の毛穴からは汗が流れ出ている。

拓也「コージーの仇は、俺が討つ!」

そして、夜が明けた。
あれだけ自分を追い込み、限界まで肉体を追い込んでも、なお、拓也の肉体は健在であった。
コージーの亡骸の前で、手を合わせる。
それからコージーの衣服を身につけた。
マネージャーたちがやってきた。

マネージャー「拓也、あまり自分を責めないで下さい。貴方は悪くありません」
拓也「いいや、あの時俺がついていっていれば、こんなことにはならなかったんだ。」
他のメンバーも亡骸の前で、各自不安を口にした。

穂「どうしてこんなことに」
ケヴィン「まいったぞ……オスコー財団になんと伝えればいいんだ」
穂「どうするの。撤退する?それとも続行?」
ケヴィン「どうするべきなのだろうな…皆の意見を聞かせてくれ」
拓也「俺は続けたいです!このままじゃ終われません!」
スコット「俺もだ。まだ終わっていない気がする。それに、今更引き返すことなんかできないぜ」
ケヴィン「よし、では続けよう。ただし、
ここから先は今まで以上に慎重に行動しなければならない。何が起きるか分からないからな。」
これでいいんだよな、なあ……


次:AIと協力して拓也さんに狂気山脈を登山してもらう 最終回

https://www.nicovideo.jp/watch/sm41772363
https://www.nicovideo.jp/watch/sm41787469
https://www.nicovideo.jp/watch/sm41804597

 

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