金獅子のシキ

ページ名:金獅子のシキ

登録日:2009/12/14 Mon 17:23:22
更新日:2023/08/07 Mon 15:17:09NEW!
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なぜ死んだロジャー…

くだらねえ… 宝目当てのミーハー共が

海にのさぼったって邪魔なだけだ…!!

…何が新しい時代…!!

海賊は海の支配者だ…!!いずれわからせてやる…



金獅子のシキとは、漫画ONE PIECE』を原作とする映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の登場人物。



●目次


【プロフィール】


本名:シキ
異名:金獅子、海賊艦隊提督、空飛ぶ海賊
所属:ロックス海賊団→金獅子海賊団
役職:ロックス海賊団船員→金獅子海賊団大親分
懸賞金:不明
悪魔の実:フワフワの実(超人系パラミシア)
出身:不明
誕生日:3月20日
CV:竹中直人



【概要】


金獅子海賊団の大親分。
かつて“海賊王”ゴールド・ロジャーや“白ひげ”エドワード・ニューゲートと渡り合った伝説的な海賊
超人パラミシア悪魔の実「フワフワの実」の浮遊人間で自分自身や、自分の船を宙に浮かせていたことから「空飛ぶ海賊」という異名でも知られている。


本編より22年前に脱獄不可能とされた大監獄インペルダウンから脱獄した唯一の海賊*1であり、その後は20年もの間、計画遂行のため沈黙を守り続けた。


映画のキャラクターであるが、本作は原作者の尾田栄一郎が制作指揮をとった作品であり、シキも尾田が設定など諸々考案したキャラクター。
原作530話にもセンゴクの口から「インペルダウンから脱獄した空飛ぶ海賊」として触れられており、そもそも彼は原作45巻434話の白ひげとシャンクスが会談している時に、当時のを知るものとして名前を挙げようと考えていたほど、構想が練られていたキャラである*2
曰く「僕の中ではロジャーの時代に大暴れした伝説の海賊の一人として確定してる奴だったんですよ」とのことで、まさか映画化するとは思わなかったらしい。


他にも手を組んだビッグ・マムカイドウへの対策会議の際にも、ロックス海賊団の一員だったとしてセンゴクの会話に登場していたり、ゲーム『ONE PIECE アンリミテッドワールド レッド』でもパトリック・レッドフィールドの口から嘗てロジャーや白ひげと同じく鎬を削ったライバルとして名前が連ねられたりなど、あくまで「パラレル世界だから」で完結していた他の映画オリジナルのボスキャラとは異なり、原作やその他派生作品へ与えている存在感と影響力は非常に大きい。
もしも映画化しなかったら、原作でどういうタイミングで出てきたのかそれはそれで気になるところ。



【外見】


“金獅子”の異名の通り金色の長い髪を持った大柄の男。
常に葉巻をくわえており「ジハハハ」という特徴的な笑い方をする。
頭に舵輪が刺さっているが、これは戦闘中の不慮の事故で刺さったもので、下手に引き抜くと命に関わるので放置している。つっても本人は「よくあること」として気にも留めてないがあれっ!?あんなところに鶏が!?
またインペルダウンからの脱獄の際に両足を失ったため、それ以降は愛剣である「桜十」「木枯し」を足にはめ義足代わりにしている。


その服装は後のワノ国を彷彿とさせるが、原作965話にて、ワノ国の現将軍である黒炭オロチを煽動し、様々な謀略を働かせるきっかけを作った黒炭ひぐらしの「マネマネの実」の能力で変身可能な顔のメモリーの中に若かりし頃のシキらしき人物も含まれていた。
ひぐらしがワノ国を離れていたのはロックス海賊団が猛威を振るっていた時期と重なる。


【人物】


残虐かつ冷酷な性格で、ヘマをした部下や歯向かうものには容赦しない。
わざと希望を抱かせたうえで絶望を味わわせるなど相手をいたぶることも辞さない。
一方でコミカルな一面を持っており、部下のDr.インディゴらと即席のダンスや漫才を披露する場面も見られる。


そして一番の特徴が、豪快な姿とは裏腹にかなりの策略家で用意周到であるということ。
世界支配の計画のために20年もの月日を費やしたり、脱獄後もガープから「すぐには仕掛けてこないだろう。用意周到な奴だからな」と言われており、
白ひげとの会話でも「また何か企んでやがるな」と言われていることからも、猛威を振るっていた頃から入念に準備を済ませて行動するタイプの海賊だったことが伺える。


ロジャーとは「若けぇ頃には色々あったが…」と言っていることからかなり長い付き合いだったようで、若い頃から何度も戦ってきた模様。
一方で「この俺が認めた男」とも述べており、敵対関係にこそあったがその実力は認めていた。
ロジャーが海軍に捕まったという話を聞いた際には、激情に駆られて自分の手でロジャーを処刑するべく「単身で」海軍本部を急襲したほど。
映画『STRONG WORLD』では世界支配の手始めに東の海イーストブルーを滅ぼそうとしているが、その理由はロジャーが「最弱の海」で処刑されたことであり、つまりはシキのロジャーへの執着の裏返しである。


白ひげとも「モビー・ディック号」で酒を飲みながら対等な感じで会話をしているので、ロックス海賊団が消滅した後も大海賊同士それなりの付き合いがあった模様。
同じくロックス海賊団の同志で同世代の大海賊であるビッグ・マムとの関係は不明。
ただ、シキのフワフワの実の能力と天候を支配できるビッグ・マムとでは能力の相性は最悪のため交戦した場合は分が悪いと思われる。


また、ロジャーが在処を知っていた古代兵器を欲し、ロックスと同じく世界支配を目標とするが、一方で「海賊王」には全く興味がないという作中海賊の中では変わり者に当たる。
そのために大海賊時代の幕開け以後に旗揚げした新世代の海賊達を宝目当てのミーハー共と見下している。
ロジャーやガープ達が暴れていた時代を知る彼にとって、「ひとつなぎの大秘宝ワンピース」目当てに海に海賊たちが繰り出す大海賊時代は世間知らずのお遊びにしか見えなかったのだろう。



【戦闘能力】


武器は名剣「桜十」「木枯し」


かつては二刀流の使い手だったが、脱獄する際に海楼石製の枷をはめられた両足を自ら切断したので、その後はこの二振りを義足代わりに使用している。
尚、作中で海楼石の束縛から自力で脱出した唯一の能力者である*3
戦闘時にはこの2本の義足で蹴り技を繰り出すように敵を斬ったり、六式の嵐脚のような飛ぶ斬撃を放つ。


なお偉大なる航路編ということもあって、覇気の使用による変色(武装色硬化)の描写はなし。
どのみち斬撃による攻撃や能力による圧殺なのでルフィには関係なかったが。



悪魔の実

超人系悪魔の実「フワフワの実」の能力者で、自分自身や触れた物を浮かすことが出来る浮遊人間。


ただし自分以外の人間や生物は浮かすことが出来ない。
作中では船や岩を浮かす他、巨大な島そのものや能力者の弱点である海水すら浮かすことが出来る等、かなり凶悪な能力。
加えて浮かせた物質がどのように浮くかは自由自在。

  • 横方向に飛ばす形で弾き飛ばす
  • 浮かせた物を空中で回転させる
  • 浮かせた地面や雪を獅子の形に変えて、相手に襲いかからせて飲み込む

などシキの練度の高さも相まって極めて応用力が高い能力でもある。


ただ空を飛ぶという能力の性質上、嵐やサイクロンといった強すぎる推力に抗うほどの力はないようで、それらの気象現象が弱点となっている。
シキの海賊船もこの能力で浮かせているもののため、遭遇してしまうと移動すら難しくなってしまう。
そのため異常気象を回避すべく対応できるよう、優秀な気象予報士や航海士を「雇い」「さらい」「脅し」「招き」、気象予報チームを結成させ天候状況を研究させている。


使用技

  • 獅子威ししおどし“地巻ちまき”

広範囲の地面を浮かせて獅子の形に変えて、大量の土砂を叩き付けて土中に閉じ込める技。


  • 獅子威ししおどし“ 御所地巻ごしょちまき”

雪を獅子の形に変えて、相手に襲いかからせる技。


  • 斬波ざんぱ

足の刀から飛ぶ斬撃を放つ技。


  • 獅子しし千切谷せんじんだに

“斬波”の乱れ撃ち。



【来歴】


過去

若い頃はロジャーの前の世代で最強の海賊だったロックス・D・ジーベック率いるロックス海賊団に所属しており、同じくロックス海賊団に所属していた“白ひげ”や“カイドウ”、“ビッグ・マム”とは顔見知り。
海軍本部中将のモンキー・D・ガープと、後の“海賊王”ゴールド・ロジャーによってロックス海賊団が壊滅した後は、自分の海賊団を立ち上げた。


ポートガス・D・エースが主役の外伝小説「ONE PIECE novel A」によると大海賊時代以前は彼とロジャー、白ひげ、ビッグ・マムの4人が新世界の覇権を争っており、現在の四皇に近い立ち位置だったという。


本編より27年前には、世界支配の為にロジャーの実力と彼が持つ古代兵器の知識を狙い「色々あったが水に流そう」と右腕になるよう勧誘する(というか艦隊で包囲していたため半ば脅迫の形)が、「支配」に興味がないロジャーはこれを断固拒否。


つまりその答えは…


今ここで殺してくれという意味だよな!!!?



てめえら全員叩き潰すって意味だよ!!!


海賊大艦隊の大親分として知られる金獅子のシキと後の“海賊王”ロジャーの激突は、大規模な戦闘に発展し後に『エッド・ウォーの海戦』と呼ばれることになる。
数十隻に及ぶ金獅子の艦隊に包囲され絶体絶命と思われたロジャー海賊団だったが、突然の嵐によって大混乱の戦場となり、シキの身に不慮の事故が起きて指揮系統が乱れたこともあって、ロジャーの船は金獅子の艦隊の半分を壊滅させた上でその場を切り抜けることに成功し、痛み分けで終わった。
因みに不慮の事故とは、吹っ飛んできた舵輪が頭に刺さったこと。


それから3年後、「偉大なる航路グランドライン」を制覇し“海賊王”と呼ばれるようになったロジャーが海軍に捕まったと聞き、単身マリンフォードに乗り込む。
そこでセンゴクとガープから、処刑が“最弱の海”である東の海イーストブルーの、ロジャーの故郷ローグタウンで行われると聞き激怒


“海賊王”ロジャーの伝説が……


あの最弱の海“東の海イーストブルー”で終わるのか


笑わせるな!!!


それはあのクソったれ・・・・・に対する最期の侮辱だよな


これに対しセンゴクとガープも負けじと東の海イーストブルーは平和の象徴」と反論し、激突する。
全盛期のセンゴク、ガープの2人を相手取りマリンフォードを半壊させるほどの死闘を演じるが敗北し、インペルダウンLEVEL6に投獄される。
それでも、大海賊時代の到来に浮足立つ海賊達を内心で腐しつつ再起を狙う。


2年後、海楼石の枷をはめられた両足を切断してインペルダウンから脱獄。
メルヴィユという島の固有の生物を凶暴化させ戦力を増強、世界支配の野望のために20年間準備を進める。


劇中の活躍

20年後、警告のためマリンフォードを襲撃。
かつての部下達や新たな海賊達を集めて「金獅子大海賊団」を結成し、手始めに東の海イーストブルーを壊滅させるため動き出す。
その途中、遭遇したナミの天候を肌で感じ取れる天性の能力に目をつけ誘拐する。


一度はナミに逃げられるが、居場所を掴むと向かってきたルフィゾロウソップサンジチョッパーを圧倒的戦闘力で一気に撃破。
仲間の命と故郷の東の海イーストブルーを盾に取り再びナミを連れ去る*4
しかし大海賊団結成のための盃を交わす場に、ナミを取り戻そうと麦わらの一味が乱入。
再戦を挑んできた一味に島の設備を滅茶苦茶にされ、用意した凶暴生物もナミとビリーが王宮周辺のダフトグリーンを爆破したことで制御不能になってしまう。
部下たちも麦わらの一味によって壊滅してしまい、ついに退路を断たれてしまうこととなる。


自身はルフィと最終決戦を演じ、能力で浮かせた海水にルフィを閉じ込めるなどして優位に戦局を運ぶが、
ナミの策で浮かせていたメルヴィユを嵐の進行方向のど真ん中に移動させてしまう。


これにより自身の能力のほとんどを封じられ、更にルフィがに撃たれたことで己の勝利を確信するが、
それゆえルフィはゴム人間で雷が効かないことに最初気づかず反応が遅れてしまい、
ルフィのゴムゴムの巨人の雷斧ギガント・トールアックスを受け、ロジャーの名を叫びながら敗北。


東の海イーストブルー”の男に おれはまた阻まれるのか……!?


ロジャーーーー!!!


自らが嘲笑った「最弱の海」出身の海賊により、またも海へと蹴落とされたのだった。


金獅子大海賊団討伐のための海軍本部中将達が率いる部隊はシキの拿捕に動いていたが、その後の消息は不明。



【余談】


  • 時系列

原作に反映されているのかは不明だが、映画『STRONG WORLD』は時系列的にはスリラーバーク編とシャボンディ諸島編の間。
また、ART BOOKでのインタビューでは、尾田栄一郎が「ルフィ17歳最後の冒険」と表現している。
そのため正史扱いとして本編に組み込んで考えている読者は多い。


声を担当した竹中直人氏は尾田が希望したキャスティングでのちに『GOLD』や『STAMPEDE』、『RED』にもチョイ役ながらゲスト出演している。
劇場パンフレットのインタビューではシキのことを、悲しくも切ない男だと語っている。


竹中直人氏が出演したネプリーグGP(2011/10/24)にて、氏の回答フェイズに答えが「ワンピース」になる問題が出題されたのだが*5、その際に、金獅子のシキのCVをちょっとだけ披露するファンサービスもあった。


  • 原作での現在?

631話扉絵では元ロジャー海賊団のクルーであるクロッカスが、シキらしき人物?と酒を酌み交わしている場面が描かれている。
またアニメ版969話では光月おでんの過去編において、ロジャーが偉大なる航路グランドライン制覇を成し遂げた後に、彼の首を狙う海賊たちが描写されたが、なんとそこでセリフはないがシキ本人が登場している


  • 弱い?

ロジャーや白ひげなどと同期であり彼らと覇権を争っていたが、結果的に偉大なる航路編の覇気を本格的に習得する前のルフィに敗れた。
本編2年後の麦わらの一味を含めた強者達の描写もあって、一見すると「本当に伝説級の海賊の実力なのか?」と疑わしく思われがちだが、


  • 剣士にも関わらず両足欠損によって得物の義足化及び老いとブランクによる戦闘力低下
  • 今の基準だと微妙なところだが十分に強いギア発動時のルフィがビリーの援護あってようやく同じ土俵に立てた
  • ナミによる相性最悪の嵐への誘導による能力が使えない状況
  • とどめは雷、それもルフィの体質を知らなかったがための慢心で食らった一撃

など様々な要因も絡んでいる。

シキ自身の懸賞金こそ不明だが現役時代に覇権を争ったロジャーや白ひげの懸賞金が50億以上であり、シキ自身が世界へ与えた衝撃を考えれば20億〜30億以上はあると考えられる。
強いて言えば組織力に定評のある海賊であり、(四皇やそれに並ぶ者達の中では)個人の実力は低いとも言えるか。


  • 初期案

前述のように45巻でのシャンクスと白ひげの会談にて名前を出す案もあったなど早期から構想されていた。


『STRONG WORLD』Art Bookでは、45巻で名前を出すことを考えた当時は、カッコいい“金獅子”の名前ぐらいのボンヤリとしたものでロジャー時代に大暴れした程度のイメージだったらしいが、映画化にあたって改めて設定をつめたとのこと。
「頭に舵輪」キャラは当初バーソロミュー・くまに用いる案もあったとのこと。


また、『ONE PIECE Magazine』Vol.9では、オハラ編(ウォーターセブン編)の初期構想にて、「金獅子海兵案」としてかつての三大将として“”・“赤犬”・“金獅子”にするというものがあった(クザンはCP9の一員、ハグワール・D・サウロは海軍准将など)。




追記・修正は本当の強者がお願いします。


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*1 20年後にルフィ達囚人集団が脱獄に成功しており、他にも公式記録には残ってないが、100年以上前には現革命軍幹部のモーリーが秘密裏に脱獄している。
*2 結局情報を出し過ぎると読者が混乱すると思い見送られた
*3 同じく海楼石で足を繋がれた状態から足を切って脱出したキュロスは能力者ではない。
*4 仲間や故郷に手を出さないことが条件だったが、それを守るつもりは毛頭なかった
*5 5名の回答者が5文字の答えを1文字ずつ回答するファイブリーグにて、「1997年連載開始、週刊少年ジャンプで連載中で秘宝をめぐる海賊たちの冒険を描いた人気漫画」という出題

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