ひぐらしのなく頃に祭

ページ名:ひぐらしのなく頃に祭

登録日:2021/09/30 (木) 11:09:11
更新日:2024/06/04 Tue 13:58:27NEW!
所要時間:約 22 分で読めます



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深い嘆きノ森


ひぐらしのく…






ひぐらしのく頃には、
同人ゲームひぐらしのなく頃にを原作として、コンシューマゲームハードに移植したゲームソフト。


この項目では同シリーズ作品として、ひぐらしのく頃に、ひぐらしのく頃に、ひぐらしのく頃に(CS版)も扱う。




シリーズ解説


サウンドノベルとしてはかなりシンプルで、立ち絵などの癖が強かった原作を、そのまま媒体を変えただけで収録したもの……ではなく
原作から絵、BGM、などの演出は大幅に一新。文章自体もシナリオライター叶希一の手により完全リライトされている。
キャラボイスも収録されており、声優達の熱演セリフが聞ける。


ただし、各編ほぼ選択肢がなく*1、分岐なしで読み進められた原作と違い、
ところどころ選択肢による展開分岐が設けられている。(選択肢のない編もある)




力を入れている点


  • ボイス収録

キャストは先に放映されていた2006年のアニメ版と基本同一。*2
文量の多いノベルゲームだが、据え置き機のソフトでは、モブに至るまで全キャラ全編のセリフがフルボイスで収録されている。
特にセリフの多い主要キャラの担当声優は膨大な収録量だったらしく、お疲れ様会ではその量の多さが頻繁に話題になるほど。



  • 立ち絵・背景の一新、一枚絵CG

いわゆる一般的なギャルゲーなどと近い形になった。
キャラクターデザインはrato。
竜騎士絵の独特なのと比べると癖の少ない絵柄。


  • 原作シナリオの収録

原作と同じ編は、一部を除きほぼそのまま収録されている。
祭と絆では抜けがあったため批判点になっていたが、粋以降はちゃんと網羅している。
ボイスのないあと絵がへちゃむくれな原作はちょっとという場合に、触れる機会としてうってつけ。
現在でこそ原作の内容はSteam版でプレイできるものの、それまではPC用の同人ソフトである原作と比べると、
一般的なコンシューマーハードのゲームソフトであるこちらは入手ハードルが低いという面もあった。


  • オリジナルBGM

BGMは祭の時点では全て新規のもの。
日常シーンから緊迫感や悲壮感のあるもの、アップテンポなものまで、雰囲気の演出はできている。




原作と異なる点


特に、作品を推理物として見る場合は原作の意図したものと異なる要素が多い。


  • 選択肢によって展開が変わる

原作は選択肢のない一本道であり、順番に読めば同じ文章を同じ順に読むことになるが、
選択肢分岐で結果が変わることで、因果関係を推測する材料が異なる。


特に出題編(鬼隠し~祟殺し編)前半部分が共通パートとしてまとめられており、ここで選んだ選択肢によってルートが分岐し、
またどのシナリオに入るかが分岐する形になっている。
読むシナリオの順番が前後することで、受ける印象も変わってしまう。
それだけならまだしも、強引に3つの編の出来事をひとつにまとめた為少なからず矛盾なども生じてしまっている。


とはいえ、選択肢があるのは共通パートがメインであり、共通パートを経由するシナリオの数自体はそこまで多くない。
入るシナリオが確定した後の選択肢はBADEND分岐ぐらいで、開始から選択肢なく一本道のまま終わるシナリオも普通にある。


  • 一部の文章が改変されている

原作者とは違うライターによりリライトされているのは前述の通りで、原作と同じ部分でも作風や書き方の雰囲気の違いなどはやむを得ないところ。
それ以上に商業作品化した事によるレーティング配慮の暴力・残虐表現などは文を変えられている箇所がある。
そのせいで情報量や文脈が変わってくる場面があり、一部の残虐シーンなどはかなりマイルドにされており原作ファンからは「物足りない」「やたらあっさり終わらせ過ぎ」などの批判もある。
なおCEROはこれでも18禁のZ指定をギリギリ免れるD指定。
またパロディ関係も変更されていて、多くのクリティカルなパロディ要素を含む圭一の固有結界なんかはシーンによっては丸々別のバリエーションに置き換わっていたり。


  • ボイスで印象が変わる

文章だけだと推測しづらい場面でも、口調などからぼかされていた微妙なニュアンスが伝わったりする。
しかしいずれも声優さんの名演により、極力雰囲気を損ねないような演技が図られている。


  • 原作とBGMなどの演出が違う

祭ではyou以外に原作と同じBGMが一切ない。
なお、絆以降は原作BGMも少しずつとはいえ採用したり、原作作曲者のdai書き下ろしの新曲も収録されている。


  • オリジナルシナリオ

原作とは直接関係ないオリジナルシナリオがある。
一応、原作者の竜騎士07が監修したとはなっているが、大元の脚本自体は叶希一執筆らしく、
差異の目立つシナリオが多かったり、設定も原作になかったものが追加されてたりする。


  • 露骨なまでの魅音贔屓

ゲーム全体を通して、ヒロインのひとりである園崎魅音が原作に比べるとやや過剰なまでに贔屓されている。
CS版オリジナル話や新規追加のオリジナル展開は勿論、中には原作の展開にまでそれが及んでいる*3
主に主人公である圭一とCP的な意味でくっつけようとする傾向があり、特に澪尽し編はそれのオンパレードで否定派からは「魅音尽し編」と呼ばれている程。



原作の雰囲気を大事にする原作プレイヤーにとっては「余計な要素」が多く、改悪再現度が低いと批判されることが多い。
一方でゲームの出来自体は悪いわけでもなく絆を除けば、こちらに慣れて好きになった層も存在する。


現在ではメディアミックスで各媒体に展開しているひぐらしシリーズだが、
尺の都合でカットなどされることの多い他作品と比べればかなりのボリューム(漫画やアニメ版などと違い移植と冠している以上完全再現は当然であるが)。
むしろ文章+演出+ボイス再生で、全編をじっくり読みながら全て読み終えるには相当な時間がかかる。
粋のお疲れ様会曰く、想定総プレイ時間は200時間以上
下手なやり込みゲーよりやり込める。






ひぐらしのなく頃に祭


PS2用ソフト。2007年2月22日発売。
開発はアルケミスト。
コンシューマ版では一番最初に出た作品となる。


原作との大きな相違点として原作完結編の祭囃し編が未収録で、代わりにオリジナルシナリオの澪尽し編が完結編となっている。
そのためこのゲームの評価は澪尽し編から受けた印象に大きく左右されやすい。


祭で収録されているシナリオは、一部を除き、前半共通パートを通過した後、選択肢によって分岐し、
入るシナリオルートが確定する構造となっている。
そのため、原作のような固定された順番で徐々に開示される情報から、考察しながら読み進めるという点を重視する場合、
出題編では順番が前後することがあり、読み方が異なってしまう。
中盤以降のシナリオは解放条件があるので、さすがに出題編をすっ飛ばしていきなり解答編に入るようなことはないが。



収録シナリオ






  • 盥回したらいまわし編(新規オリジナル)
+ あらすじ-

仲間たちと楽しく盛り上がる中、綿流しのお祭りが終わった。
しかし、その夜に「オヤシロさまの祟り」と呼ばれる怪死事件が起きたことを聞かされた圭一は、得体のしれない不気味さと不安を抱くようになる。
しかも、なぜか事件そのものをひた隠しにし続ける仲間たち……。
思い余った圭一は魅音に相談しようとするが、返ってきたのは…。


圭一が平穏な日々を維持しようとして逃避してしまう話。


端的に言うと、鬼隠し・綿流し・祟殺しの内容の一部ネタバレを、詳しい経緯を省略して寄せ集めたような内容。
上記3編を読み終わった後ならともかく、まだどの編も読了してない状態でも選択肢によって入ってしまう可能性がある。
ネタバレ部分に関しても詳細な説明はされないため、初見の場合は何がなんだか分からず、
既に他の出題編で読んでいた場合でもおさらい程度にしかならない、どう転ぼうと微妙な形であり存在意義が良く分からないシナリオ。


そのためシナリオとしての評価はかなり低め。
一応、ラストの部分だけはちょっとした伏線になっている。





  • 憑落しつきおとし編(新規オリジナル)
+ あらすじ-

北条鉄平のせいで辛い生活を余儀なくされている沙都子を救うため、圭一、レナ、詩音は結託して「ある計画」を実行に移すことを決意する。
そして村のお祭りである綿流しの日、3人は木陰に潜んで待ち構え、目的を果たした。
これで待ち焦がれた日常が戻ってくる……彼らはそう信じていたが、思いもしなかった綻びから計画は徐々に崩れていく。そして…。


徒党を組んで凶行へと及ぶ。
だがそれで大団円といくはずもなく……。
各々が好き勝手に暴走する印象が強く、話のテーマの関係上仕方ないかもしれないがとにかく登場人物に共感しづらく、盥回しよりはマシだがこちらもあまり評価は高くない。





  • 澪尽しみおつくし編(ほぼ新規オリジナル)

祭囃し編の代わりに収録された、オリジナルのもう一つの完結編

+ あらすじ-

前の世界で、ついに敵の正体を突き止めた梨花。
…しかし、かすかな希望を胸に秘めて目覚めた次の世界では、常にそばで支えてくれた「彼女」の姿がどこにも見当たらなかった…。
一方、その行動力と意気の良さで今や村中の人気者となった圭一は、魅音から委員長の座を譲られる。
期待と信頼を込めてお祝いする部活メンバーたちだったが、なぜか梨花の様子がおかしいことに圭一は気づく。
そんな彼の想いを知った梨花は、ある決心を固めてずっと隠し続けてきた秘密を打ち明けた…。


一部シーンは原作祭囃し編から流用・共通する部分もあるが、辿る展開は祭囃し編とはかなり異なる。
皆殺し編までで打破したとされた、各キャラの事情が改めてクローズアップされ、
ルールYの攻略以外に各々が過去のしがらみと向き合う過程が描かれたことで、祭囃し編では影が薄めだった部活メンバーの存在感が増しているなど、
これはこれで面白かったというプレイヤーは多い。


一方、祭時点ではカケラ紡ぎまでに該当する部分がなく、黒幕の過去や連続怪死事件の大まかな真相など削られた描写も多いこと、祭囃し編以上に露骨かつ安易なご都合展開の数々、
羽入の立ち位置や設定が大幅に異なる点などから、祭囃し編との差異に否定的な意見も多い


総じて賛否両論が分かれるシナリオになっている。
ゲームとしての評価にも影響する、祭シリーズの代表的なシナリオ。




ひぐらしのなく頃に祭 カケラ遊び


PS2用ソフト。2007年12月20日発売。
祭の内容を追加調整したもの。
追加内容含めてソフト1本に収録されている通常版の他、祭無印のソフトと併用する必要があるものの定価が多少安いアペンド版があった。


シナリオ収録内容はお疲れ様会の追加と、祭囃し編冒頭にあたる部分がTIPSとして追加された程度で、それ以外は祭無印とほぼ変わらないが、
圭一の抜けていたボイスやTIPSのボイスなどが収録され、セリフ部分は晴れてフルボイスに。
またBGMやSE、その他演出の調整などがされている。祭で間の抜けた印象だった発砲音なんかは別のものに差し替えられた。


目明し編のEDテーマは、詩音役の雪野五月さんが歌うyouに。
他、追加BGMもあるが、オリジナルのものばかりでyou以外に原作曲はまだない。


タイトル画面と澪尽し編のOPムービーも、使用曲は同じだが祭とは映像が若干異なるものになっている。






ひぐらしのなく頃に絆


ニンテンドーDS用ソフト。


各巻の発売日は、
第一巻・たたりが2008年6月26日
第二巻・そうが2008年11月27日
第三巻・らせんが2009年5月28日
第四巻・きずなが2010年2月25日


低容量のDSカートリッジに収めるために、まさかの4本分割発売に。
ソフト容量はDSとしては大容量の2Gbitなのだが実質256MB相当しかなく、PS2用ディスクの10分の1程度である。
ソフト1本ごとの値段は据え置き機のものよりは安いが、4本全部定価で買い揃えようとすると当然お高くなってしまった。
基本的には各巻ごとに4つずつシナリオを収録。
それぞれに漫画版を元にした新規収録シナリオか、原作からの新規移植シナリオが分散して収録されているが、分割商法感は否めない。


携帯機で読めるサウンドノベルを目指したのはいいものの、
やはり容量などが厳しかったのか、ボイスはパートボイス、音質もかなり圧縮しているのかイヤホン視聴でもあまりよろしくなく、DS本体の低画質&小型の液晶画面も祟って画質もかなり劣悪で読めない、見辛い箇所が続出。大画面モデルのDSLLなどを用いても解像度の低さで結局あまり改善されない。
きちんとしたクオリティとの両立はVitaかSwitchで出るまで待つこととなる……。


祭と同じシナリオはほぼ流用だが、新規CGなどがいくつか追加。
また、原作BGMを一部採用するように。


新規シナリオの出来は悪くないと評されるが、諸々の制約が足を引っ張る結果に。



収録シナリオ


第一巻・祟


  • 鬼隠し編
  • 綿流し編
  • 祟殺し編

  • 染伝しそめうつし編(漫画作品から新構築)
+ あらすじ-

夏美たち一家が興宮から垣内に引越してきてから、およそ一年が経った。
はじめは慣れない都会の生活に戸惑っていた夏美も、今では仲良しの友達と一緒に遊びに出かけたり、アルバイトをしたりと楽しい毎日を送っていた。
そんなある日、夏美は憧れていた同級生の暁から告白される。
有頂天になって喜ぶ夏美だったが、通りかかったTVのニュースで彼女は、郷里の雛見沢で起こった凶事を知る。
それをきっかけに夏美の周囲には、不穏な影が落ちはじめていった……。


漫画版の鬼曝し編を元として、手を加えたシナリオ。
雛見沢ではなく、公由夏美をメインとした垣内での物語。


祭と同じく共通前半パートを経てから各シナリオに分岐するが、
一部選択肢システムが不親切など、鬼隠し編以外への分岐が分かりにくい。



第二巻・想


  • 暇潰し編
  • 目明し編

  • 異本・昼壊し編(ほぼ新規移植)
+ 説明-

二次創作作品ひぐらしデイブレイクから逆輸入した原作礼の昼壊し編を、さらに修正してコンシューマ版に移植した。


ただ、勾玉をめぐる騒動という大筋は同じだが、
収録時期が原作では祭囃し編後だったのに対し、こちらでは出題編~解答編の途中であり、
一部登場人物が登場しなかったりとシナリオの流れ自体が変わっているため、「異本」とついている。
粋以降はシナリオタイトルが単に「昼壊し編」となっているが、内容は変わらずこの異本の方。


  • 影紡しかげぼうし編(漫画作品から新構築)
+ あらすじ-

昭和58年。悪夢のような雛見沢ガス災害発生から数日後、赤坂は旧知の老刑事、大石の訪問を受ける。
そこで彼から、今回の災害に不審な点があることを聞かされて、二人は共同でその謎について調査を開始した。
そして、捜査先の垣内市の女警部、巴の協力を得て雛見沢の出身者へ聞き込みを行う赤坂たちだったが、
その相手が次々と変死する事件に巻き込まれて、調査活動は予想外に難航することに。
一方、雛見沢御三家の少女『公由夏美』もまた、今までの生活に黒い変化が訪れていた…。


染伝し編と同じく、漫画版の鬼曝し編に手を加えたシナリオ。いわば染伝し編の回答編。



第三巻・螺


  • 罪滅し編

  • 宵越しよいごし編(漫画作品から新構築)
+ あらすじ-

昭和58年6月に発生した火山性ガスの噴出により、一夜にして住民の大半が死亡・行方不明となった雛見沢地区。
その後、村の一帯は厳重に閉鎖されていたが時代は平成へ移り、20年余りを経てようやく閉鎖が解除された。
そして平成18年のある日、オカルトライターの荒川龍ノ介はとある女性フリーライターと同伴して取材のため、雛見沢地区を訪れた。
雨の降りしきる中、彼らはそこで車を発見する。が、その中にいた人はみな死んでいた。
急ぎ警察に連絡しようと村の集会所跡を訪れた荒川たちは、そこで…。


罪滅し編から分岐した未来の話。
漫画版の宵越し編の内容だが、主人公が漫画の乙部彰から荒川龍ノ介に代わっており、更なる登場人物として反町美雪が加わっている。


解放するには一度罪滅し編のバッドエンドに行く必要があり、
また罪滅し編の通常エンドルートを出すには宵越し編の終わりまで読了しないとならない、ややこしい構造。
これは宵越し編の世界観が罪滅し編のバッドエンド後の世界観のためである。


  • 皆殺し編

  • 解々しときほぐし編(新規オリジナル)
+ あらすじ-

昭和57年、秋。南井巴は警察庁の準キャリアとして、垣内署に出向していた。
ある日、以前の勤務地である茨城県警の管区内で起きた不可解な怪死事件を偶然知った巴は、顔なじみの少女尾崎渚に依頼されて捜査を開始する。
そして、渚と被害者がとある学校内で起きた傷害事件に深く関わっていたことを受けて、その加害者である少女…竜宮礼奈の転校先、雛見沢を訪れた。
親交のある老刑事、大石の口から語られる雛見沢の謎と、「オヤシロさま」の存在。
さらに彼女は、平穏に暮らしているはずの礼奈が隠し持つ「別の顔」を目の当たりにすることになる…。


垣内組の、新・澪尽し編に続く前日談という位置付け。
本格的な真相はそちらで明かされるので、タイトル名に反してこの編単体では全然謎が解決されない。



第四巻・絆


  • カケラ紡ぎ(新規移植)

原作の50個から99個に増えており、祭囃し編か新・澪尽し編に分岐する。


祭でスルーされた、原作完結編である祭囃しがようやく収録。


  • 賽殺し編(新規移植)

  • 新・澪尽し編(祭版から再構成)
+ 説明-

大筋では祭版と同じだが、中盤の鬼ヶ淵村部分が言祝し編として独立した代わりに、巴達の垣内組の活躍が挿入された。
(粋以降は祭を元にした雛見沢パートが「澪尽し編・表」、垣内パートが「澪尽し編・裏」として分類)


雛見沢パートでも、垣内パートに関連する部分や、祭囃し編から流用されていた場面など、一部シーンが変更され、
また羽入についても途中まで祭とはかなり違った経緯になっている。


と、シナリオそのものはかなり手を加えられているのだが、
祭囃し編収録の方に注力したためか、澪尽し編はボイスが一切ない
特に絆での新シリーズとして展開してきた垣内パートも完結編を迎えたのに、クライマックスにボイスなしという味気ない形になってしまった。



  • 言祝しことほぐし編(オリジナル新規移植)
+ あらすじ-

雛見沢が、鬼ヶ淵村と呼ばれていた遠い昔。
「少女」は使命を帯びて剣を携え、人里に跋扈して暴威をふるう「鬼」を狩っていた。
全ては自らの身体に流れる「血」に課せられた、一族の罪をあがなうため…。
そんな想いを胸に抱いてひとり悲壮な戦いに身を投じていたのだが、ある日彼女は人間の青年と出会い、恋に落ちる。
そして子供を授かり、今まで想像もしなかった平和な日常を手に入れた。
…だがその後、村に鬼が出没するという噂を聞きつけた彼女は、再び剣を取って立ち上がる。
それが、全ての悲劇の始まりであった…。


鬼ヶ淵村の昔話。
羽入の過去についてのシナリオだが、ファンタジー設定が大いに登場するので、シリーズとしては作風が違う。
(一応、古文書を元にした推論という体をとっている)


元は祭の攻略ガイドブックに掲載されていたものであり、修正を加えたもの。
祭の澪尽し編中盤でも多少触れられていたが、こちらでは一部始終が描写され、
1シナリオとして成立するぐらいに増量されている。




垣内組登場人物


+ 説明-

垣内市は中部地方にある地方都市。
近隣に垣内空港や高速道路を有している住宅街。


学生たち

元となった鬼曝し編からの登場人物。


CV:水橋かおり
興宮から都市部の垣内へ移住してきた少女。
名字の通り、雛見沢御三家の公由家の家系だが、普段は田舎の雛見沢出身であることは隠している。
引っ込み思案で、都会の目まぐるしい生活や勉強についていくのに苦労している。
祭時点でも既にチョイ役として出ていたが、こちらではメインヒロイン。


  • 佐伯千佐登

CV:喜多村英梨(絆)→佐藤利奈(粋以降)
夏美の友人その1。
明るい性格なのだが、ツッコミどころの多い珍妙なマシンガントークを度々展開する。
地元の大型病院、佐伯病院の院長の娘。


  • 牧村珠子

CV:福井裕佳梨
夏美の友人その2。
ボケを連発する千佐登に対するツッコミ役。
学級委員長で面倒見がよく、生活や勉強についていくので精一杯の夏美をフォローすることが多い。


  • 藤堂暁

CV:日野聡
夏美が思いを寄せる男子校生。千佐登や珠子とは幼馴染。
美術の特待生で、絵を描くことに情熱を注ぐ。



垣内警察署

基本的に本作オリジナルのキャラクター達。
警察官ということで刑事ドラマ風味で展開される。


  • 南井巴

CV:井ノ上奈々
垣内警察署に勤務する女性警部。
垣内パートの主人公。元になった鬼曝し編にはいない本作オリジナルの登場人物。
当時はまだ男社会の風潮が根強い警察の中で、女性ながら準キャリア組のコースに乗っており、
現場捜査に労を惜しまず、洞察力にも優れる優秀な刑事。
ただ生真面目すぎて融通のきかないところが欠点。


  • 南井まどか

CV:下田麻美
巴の妹。姉とはたまに特定の話題で気まずくはなるが、現在の仲は割と良好。
同じく垣内警察署に勤めているが、エリートの巴と違って階級は特別に高くもなく、
職務態度も力を入れすぎない普通なもの。


  • 山沖薫

CV:若本規夫
垣内警察署の署長。
いい加減な言動ばかりで信用に欠けるが、かつては公安で辣腕をふるっていたという。
巴と付き合いの長い上司なのだが、親子ぐらいに歳の離れたまどかと婚約しており、巴からは猛反発を受けている。


  • 藤田慎吾

CV:千葉進歩
巴の部下その1。
奥さんに逆らえない恐妻家。


  • 花田史郎

CV:間島淳司
巴の部下その2。
私生活では車の手入れが趣味。



その他

  • 大石蔵人

興宮警察署に勤めるベテラン刑事。
巴やまどか、山沖とも知り合い。*4
雛見沢大災害が起こった後生き残った世界では、少しでも真相に迫るべく、垣内で難を逃れた雛見沢出身者について調査を始める。


  • 赤坂衛

かつて大石と、そして古手梨花と知り合った刑事。
雛見沢大災害後には大石と共に垣内で調査を行う。


  • 竜宮礼奈

雛見沢で平穏な生活を送る少女。
巴が雛見沢に捜査で訪ねた際に、重要参考人と目された。
過去に茨城で事件を起こした経歴があるが、彼女がかつて豹変した理由とは……?


  • 尾崎渚

CV:仁後真耶子
茨城時代の竜宮礼奈のかつての友達。
それ以来疎遠だったのだが、垣内で起きた友人の死をきっかけに巻き込まれていく。







ひぐらしのなく頃に粋


PS3、およびPSVita用ソフト。2015年3月12日発売。


タイトルの粋は、九と十の字を含み、収録シナリオの数の19になることから。(カケラ紡ぎを除き、澪尽し編の表と裏で分けずにカウントした場合)


原作と祭と絆までのシナリオを、フルボイスと十分な音質でソフト1本に。
今までの「良いところもあるけど、目につく欠点が多い」というゲームとしての否定的な要素をおおむね払拭したといっていい。
据え置き機初の祭囃し編、および垣内組シナリオの収録で、ボイスやBGMもきっちりとした音質。
携帯機のPSVitaでも仕様はほぼ同等のため、十分に読める。


ミニゲームとしてクイズ・オヤシロショックというタ〇ムショック風のミニゲームが新しく実装。
これをクリアすればゲーム内で順番に読み進めずともシナリオ開始の解放ができる。
シリーズ既プレイの人向けの機能。



収録シナリオ


  • 鬼隠し編
  • 綿流し編
  • 祟殺し編
  • 盥回し編
  • 憑落し編
  • 染伝し編

  • 暇潰し編
  • 目明し編
  • 昼壊し編
  • 影紡し編

  • 罪滅し編
  • 宵越し編
  • 皆殺し編
  • 解々し編

  • カケラ紡ぎ
  • 祭囃し編
  • 澪尽し編

○澪尽し編・表
○澪尽し編・裏

  • 賽殺し編
  • 言祝し編

新規収録シナリオ


  • 羞晒しはじさらし編(オリジナル新規移植)
+ あらすじ-

梨花の提案で、プールに行くことになった部活メンバーたち。
しかし当日、圭一は 慌てて家を出たせいでうっかり海パンを忘れてしまった。
このままでは罰ゲーム?! と恐れおののく圭一だが、ちょっとした縁で不思議な 海パンを手に入れ窮地を脱する。
しかし、その海パンにはとんでもない魔法、いや呪いがかけられていた…!


圭一を中心としたドタバタ劇。
昭和58年6月を越えた夏、細かな設定抜きでギャグ全開の話。
元は祭の限定版に同梱された小説。地味にアニメ化されている。
文量は他の編と比較するとおまけ程度。






ひぐらしのなく頃に奉


Switch、およびPS4用ソフト。
Switch版が2018年7月26日発売、PS4版が2019年1月24日発売。
前作まで製作と販売に関わってきたアルケミストと加賀クリエイトが倒産・解散し、エンターグラムに引き継がれた。


同名タイトルの原作からの移植を中心とした、新規収録4シナリオを追加。その結果唯でさえ膨大なボリュームが更にえらい事に。
現行最新版であり、これから「ひぐらし」に触れたいなら原作でなければという拘りがない場合これを買えば過去のシリーズの内容も網羅できる。


当初は富竹役の大川透の休業のため、一部ボイスが抜けていたものの、アップデートによりボイス追加された。


システム面として、1周目は選択肢が出ず必ず鬼隠し編固定に。
共通パート選択肢の分岐で進む先が補助するルートナビ機能が追加され、初回プレイ時でも翻弄されることは少なくなったはず。
オヤシロショックも真になり内容が変わった。


2023年、DLCとして構成はもちろんテキストも限りなく原作を再現した『ひぐらしのなく頃に Origin』が配信された。
立ち絵を原作でのそれに変えられたり、新規のOPなども作られている。
加えて原作での『奉+』に収録された『女剥し編』がフルボイスで収録されている。
『Origin』の名に違わず基本的には原作の丸写しだが、権利etc的にアブない表現などは流石に改変されている(完全再現ではない事は注釈されている)。



収録シナリオ


粋までのシナリオは同じく全て収録。


  • 鬼隠し編
  • 綿流し編
  • 祟殺し編
  • 盥回し編
  • 憑落し編
  • 染伝し編

  • 暇潰し編
  • 目明し編
  • 昼壊し編
  • 影紡し編

  • 罪滅し編
  • 宵越し編
  • 皆殺し編
  • 解々し編

  • カケラ紡ぎ
  • 祭囃し編
  • 澪尽し編

○澪尽し編・表
○澪尽し編・裏

  • 賽殺し編
  • 言祝し編

新規収録シナリオ


  • ひぐらしアウトブレイクひぐらしあうとぶれいく編(新規移植)
+ あらすじ-

雛見沢の平和な日常は突如として不穏な空気に包まれる。
県境に張り巡らされた封鎖線。
防護服に身を包んだ男たち。雛見沢から未知のウイルスが検出されたというのだ…。
平穏な生活を失い、封鎖された雛見沢に疑心暗鬼の闇が渦巻く。
未知のウイルスとは…オヤシロさまの祟りか、陰謀か?
そして防護服の男たちの正体と、梨花の行方は…圭一とレナはバットと鉈を握りしめ、決死の戦いに挑む。
この惨劇の結末とは…!?



  • 神姦しかみかしまし編(新規移植)
+ あらすじ-

アウトブレイクから続く物語り。
興宮での攻防の末、采(ウネ)という少女と出会う圭一たち。
その頃、1人残った梨花は富竹と合流し、ウイルス散布の実行者が鷹野だと知る。
園崎家のシェルターで合流する一行だったが、
それは「人ならざる者たち」が集うことを意味していた…。
小さな行き違いが個々の対立となり、やがては人類の存亡を掛けた大事件へと発展する。



  • 雛見沢停留所ひなみざわていりゅうじょ編(新規移植)
+ あらすじ-

某地方の山奥…。その村外れにあるバス停「雛見沢停留所」 …。
女子高生の梨花は、後輩の魅音と共にこの場所を訪れる。
雛見沢でのダム建設を巡り絡み合う人間模様、
そして語られる地域に根付く「オヤシロさま」の祟り。
待ち受けるのは惨劇か、それとも…!?
「ひぐらし」では少女だった古手梨花が本作では女子高生として登場し、
梨花より年上だった魅音が後輩となるなど、他シリーズとは大きく異なるキャラ設定となる。



  • 罰恋しばつこいし編(新規移植)
+ あらすじ-

部活で負けが続き、今日も涙で枕を濡らす圭一……、
そんな圭一の前に凄い漢達が現れる!?
幻とされた「目明し編」お疲れ様会が、
「罰恋し編」として遂にコンシューマでも復活!
その破天荒なストーリーに刮目せよ!




雛見沢停留所は他編と違い、声優が舞台版と同じキャスト、キャラデザは漫画版のともぞが担当。






主題歌


各作品でOPテーマやEDテーマとして、主題歌も収録。
特定の編のプロローグなどでは、それぞれの曲に合わせたオープニングムービーもあり一見の価値あり。
また、本編中ではそれらのインストバージョンもBGMとしてところどころで流れる。


新しいタイトルが出るごとに新規曲を収録しており、特に彩音いとうかなこの曲が多い。


+ 一覧-


  • 嘆きノ森

祭 オープニングテーマ
ムービーあり(粋・奉は第一部OP)
歌:彩音


  • escape

罪滅し編 エンディングテーマ
歌:いとうかなこ


  • コンプレックス・イマージュ

澪尽し編 オープニングテーマ
ムービーあり
歌:彩音


  • Friend

澪尽し編 エンディングテーマ
歌:いとうかなこ




ゲーム本編には音楽のみ収録で、ムービーは流れなかったが、
粋以降は販促PVを編集したものがOPムービーとして流れる。


  • 追想のディスペア

染伝し編 エンディングテーマ
奉でムービーあり(第一部パートナー選択)
歌:いとうかなこ


  • プレイス・オブ・ピリオド

影紡し編 エンディングテーマ
奉でムービーあり(第二部OP)
歌:諌山実生


  • 光の空のクオリア

絆第三巻・螺 主題歌(粋・奉は解々し編ED)
粋・奉でムービーあり(第三部OP)
歌:Cyua (from BETTA FLASH)


  • 漆黒の祭壇

絆第三巻・螺 エンディングテーマ(粋・奉は宵越し編ED)
歌:Velforest.


  • Angelic bright

澪尽し編・裏 主題歌
粋・奉でムービーあり(第四部OP)
歌:彩音


  • ただ流るるままに

賽殺し編/言祝し編 エンディングテーマ(粋・奉は言祝し編のみ)
歌:彩音




  • Side Effect

粋 オープニングテーマ(奉ではカケラ紡ぎOP)
ムービーあり
歌:いとうかなこ


  • アセンション

澪尽し編・裏 オープニングテーマ
ムービーあり
歌:彩音&いとうかなこ


  • ひとつのいのち

粋 グランドエンディングテーマ
歌:上間江望




  • 僕達はもう知ってる

奉 オープニングテーマ
ムービーあり
歌:松澤由美



祭シリーズ以外からの収録曲


祭カケラ遊び 目明し編 エンディングテーマ
ドラマCD目明し編から
歌:雪野五月


  • you -Visionen im Spiegel

絆 目明し編 エンディングテーマ
イメージアルバム「かけらむすび」から
歌:癒月


  • you -2014 再ミックス Thanks/you Ver.

粋・奉 目明し編 エンディングテーマ
原作奉サウンドトラック「あの日へ/you」から
歌:癒月


  • その先にある、誰かの笑顔の為に

昼壊し編 エンディングテーマ
ひぐらしデイブレイクPortableから
奉でOPムービーあり(ひぐらしデイブレイクPortableと同じ)なので本編中に出てこないキャラが混じっている
歌:彩音


  • そらのむこう

祭囃し編 エンディングテーマ
原作解から
歌:結月そら


  • あの日へ

ひぐらしアウトブレイク エンディングテーマ
原作奉から
ムービーあり
歌:癒月


  • ひぐらしブレイクアウト!

神姦し編 エンディングテーマ
原作奉から
歌:本木咲黒


  • そらのむこう(yours Ver.)

神姦し編 エンディングテーマ
原作奉から
歌:結月そら


  • ZENMOU CAST -ACT2-

雛見沢停留所 エンディングテーマ
原作奉から
歌:劇場テノール


  • あの日へ -春桜-

粋・奉 グランドエンディングアンコールテーマ
原作奉サウンドトラック「あの日へ/you」から
歌:木野寧







誰かが変えた編集した その点はドコ
そっとそっと、のぞいて見てごらんよ


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  • おお、嘆きノ森とは懐かしい。この曲に惹かれてひぐらしシリーズ知った思い出。 -- 名無しさん (2021-10-01 00:56:50)
  • CS向けになって二次創作と変わらないみたいな誤解してる人がいるが、祭のシナリオはちゃんと竜騎士氏がしっかり目を通して「このキャラは言わない」と思ったセリフは修正されてるとかちゃんとやってるんですよ。全部シナリオに目を通してもらったってPS2版の時に言ってる。 -- 名無しさん (2021-10-01 08:09:59)
  • 澪尽しは「圭一が脇役になってしまって大人の物語なってしまったので、中高生あたりが感情移入しやすようにあくまで子供中心にしたうえで大人を活躍させる」というコンセプトとのこと。実際祭囃しは肩透かし食らったって意見もおおいからね。 -- 名無しさん (2021-10-01 08:12:52)
  • 澪尽し編裏での南井さん達垣内署員が黒幕捕まえるために総員で出動するところがめちゃくちゃ興奮した。普段対立している他部署の応援や上役達がそれを黙認しているのもアツい。 -- 名無しさん (2021-10-01 09:42:11)
  • 作品人気が高いのもあって移植版を出すたびに技術が進んだのもあって段々完成度上がっていくのいいよな -- 名無しさん (2023-08-18 10:12:09)
  • 個人的にはPS2の澪尽し編が一番好き。覚醒圭一と梨花ちゃんがタッグを組んで惨劇に挑んで話を締めるのメチャクチャ熱いんだよね -- 名無しさん (2023-08-18 10:34:43)

#comment(striction)

*1 幾つかは存在するがどれも直後のやりとりが少し変わる程度。
*2 ただし端役程度のキャラや、担当声優の活動都合といった理由で、変更されているキャラもある
*3 鬼隠し編の冒頭でレナが大量の弁当を持ってくる動機が、原作では「圭一に」弁当を褒められたから…になっていたが、CS版では「魅音に」弁当を褒められたから…になっているなど。
*4 巴が本格的に登場したのは絆からだが、実は祭のTIPSでも少しだけ触れられている

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