財団(SCP Foundation)

ページ名:財団_SCP Foundation_

登録日:2020/02/15 Sat 12:28:12
更新日:2024/05/16 Thu 12:39:49NEW!
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scp foundation 財団 組織 秘密結社 メン・イン・ブラック scp財団 確保・収容・保護 財団用語解説



人類は恐怖から逃げ隠れていた時代に逆戻りしてはならない。


他に我々を守るものはいない、
我々自身が立ち上がらなければならないのだ。


____”管理者“



「財団(The Foundation)」とは、シェアードワールド「SCP Foundation」に登場する架空の組織である。
以下、「財団」と呼称し、この項目では、組織としての「財団」を解説する。
投稿サイトそれ自体についてはSCP Foundationを、
本項内で使われる各種用語については用語(SCP Foundation)を参照のこと。




【歴史】

不明。一体誰が、いつ頃創始したのかはよくわかっていない。
支部によってはその発足経緯が説明されている事もある。
日本支部の場合、「日本がアメリカの統治下に入るにあたって、蒐集院などの諸団体を吸収合併する形で発足した」とするカノンが採択される場合が多い。
持て余していた異常存在の管理を押し付けたのだろう。


組織全体の起源に関わるだろう報告書がSCP-001にいくつも確認されているが、性質上この中のどれが真実なのか、それどころかこの中に真実があるのかすら不明であり、手掛かりにはなりそうもない。


「正式名称」について

社会から隠れ潜む秘密結社であり、何かしらの理由で外部に出す名前が必要になってもフロント企業名を使えば「財団」に「正式名称」なんか必要ない*1


作中世界における正式名称は、基本的に『財団』であり、「SCP財団」というのは外の世界の我々(メタ的な視点)からの呼称とされる。これと似たような扱いに、用語(SCP Foundation)なども参照すれば、異常存在(アノマリー)を指す「オブジェクト(SCiP)」と「SCP」がある。


ただ、当該サイトは「基本事項以外の設定は報告書作成者に任せられる」*2スタンスであるため、「SCP財団」の表記や、要注意団体が「SCP財団」で呼称したり、ときには「我々はSCP財団の者だ」と名乗るケースもあるにはある。


【財団の存在意義】

表向きの科学では決して説明できない「オブジェクト」を秘密裏に「確保」「保護」「収容(隠匿)」する組織こそが「財団」である。


存在意義は異常存在から人々の平和な生活を守ること。


常識外かつ既知の科学で説明できない存在が実際に「ある」こと自体が社会に混乱を招く。たとえどれだけ安全に見えても異常存在は人類の持つ知識では説明出来ない。本当に無害だったとしても、どんな想定外の特性が隠れているのかわからない。
それ自体が有害かつ危険なものならば言わずもがな。
目的は同じでも「破壊、隠匿」を基本方針としている世界オカルト連合とは互いに相容れない存在となっている。


要するにオカルト全般に広がった「メン・イン・ブラック(MIB)」といえばイメージしやすいだろうか。



表向きは人類救済を掲げているがその裏では……という設定はありがちだが、この財団がどうこうする以前に明日どころか昨日すら危うい世界観でそれはあまりない。
まあ、わざわざ悪役に据える必要もないだろうし


財団は冷酷だが残酷ではない

明文化されているわけではないが、財団の基本方針として「必要のない残酷な行為を許容しているわけではない」「必要ならばどれだけ多くの命を犠牲にしてもより多くを救えるならそれでいい」と、多くの執筆者の間で共有されている。


100人の受刑者より100人の無辜な一般市民の方が遥かに重要だし、無辜な一般市民を守るためなら100人犠牲にすることは厭わない。
財団はより多くの価値ある命を生かすための組織である。
その功利主義的な価値観では命に優劣は存在する


同じ人類救済の組織であっても、マナによる慈善財団とはここが明確に異なる。


しかし、あくまで「冷酷な」方程式に沿った「意味ある命の消費」だから許容されるだけであり、「残酷な」命の消費……単に命を弄ぶような実験は許容されない。本当にそうなのかは……





【財団の組織構造】

元々が秘密結社なので当然、不明
我々が読むことができる報告書はそのほぼ全てが財団内部向けの文書という体裁で書かれており、財団内部の組織構造については「知っていて当然」なので省かれているのが理由と言える。


一応、

O5

本部

支部

各サイト

他……


という構造が採用されているケースが多い。


また、上記とは別に「フロント企業」という組織も多数存在する。こちらはいわば財団の「世間向けの隠れ蓑」ともいえ、表に出ない財団組織に代わり様々な形で一般社会と関わりつつ活動を行っている。
その活動はカバーストーリーの流布や、収容に必要な設備・団体の用意、財団自体の資金や人材を集める手段など、財団内部の活動に直結する場合もある。
ちなみに、フロント企業の社名については特に規定も無いと思われるが、何故か英語名の頭文字が「S・C・P」となっている事もよくある。




【関係】

「一般人からのアノマリー情報が真っ先に集まるだろう警察組織と密に連携し、各国政府と太いパイプを持つ」とされることが多い。
また警察関連の要注意団体である連邦捜査局異常事件課(UIU)*3や警視庁公安部特事課とは協力関係にある。
ただ「政府関係者のどこまでが財団の存在を認識しているのか」については特に統一された設定はない。


財団から見て注意すべき組織・存在であると指定される要注意団体とは仲が悪い。
例えばアノマリー関連の情報を積極的に公開しようとしている「蛇の手」とは険悪だし、異常な芸術作品をばらまくAre We Cool Yet?とは仲良くなれるわけもないし、サーキックカルトとは完全に敵対している。


ただし、世界オカルト連合は目的自体は同じなので協力することもあり、ワンダーテインメント博士からはプレゼントが送られてきたこともあるので向こう側からは好意的に認識されていたりする。


「先制攻撃して叩き潰せばいいじゃん」的なノリの武闘派もいないわけではないが、基本的に「世界の平和が守れればそれでいい」財団は、向こうから喧嘩を売ってこない限り静観の姿勢を取る穏健派である。



【財源】

「財団」と言うからには間違いなく何らかの経済活動を行っているはずであり、各オブジェクトを管理するための莫大な予算がどこからか出ているはずだが、この財源も基本的には不明である。
世界オカルト連合は国連の下部組織なので、国連から資金提供を受けていると思われるが、財団は独立した組織であり自力で資金確保を行っているはずである。
一応上記のフロント企業が資金を稼いでいるとも考えられるが、国家予算レベルが必要と思われる活動資金がそれだけで足りるのか?という疑問はある。


基本的にはオブジェクトを利用した積極的な金儲けは行っていない模様(記事次第でやっていることもあるが)。
これは「あくまで保護して隠匿する」というそもそもの財団の理念に反することに加えて、どれだけ安全に見えても異常存在由来の物品を市場に流通させたら何が起きるかわからないのも理由だろう。
さらに、もしも「そこらのゴミを純金に変えるオブジェクト」があったとして、ほいほい純金を売り払いまくった日には世界の金価格などに大きな影響を与えてしまうだろう。
ただ、SCP-CN-756(数字の本)では、本を開いて現れた100tの銅球を売り払って資金にしていたり、SCP-450-JPやSCP-224-JPではオブジェクトの副産物を売却していたこともあったので、本当に異常性のない物品なら売ってしまうこともあるようだ。


【財団職員】

財団には多くのスタッフが在籍しているが、ここでは最低限押さえておくべき主要な者だけを挙げる。
彼らはそれぞれ異なる「セキュリティクリアランス(情報にアクセスする権限)」を持ち、オブジェクトのことをどこまで知ることができるかが異なる。
報告書自体を読む事自体に一定のクリアランスを要求される事もあれば、報告書の中で追加情報を読むために更なるクリアランス提示が必要な場合もある。
また、特殊なオブジェクトを扱う職員にはそのオブジェクト専用のクリアランスが付与されるケースもある模様。


職員のプロフィールは「人事ファイル」としてデータ管理されており、然るべき権限を持っていれば他人の人事ファイルを閲覧したり、伝言板代わりに使ったりもできるようだ。


メタ的には「SCP財団」というサイトのメンバーを指して「財団職員」などと呼称する事もある。
更に、一定の基準*4を満たすと「著者ページ」というプロフィール記事を持つ事が許可される。
執筆した記事の一覧や紹介などをまとめるのが本来の役割だが、財団世界における自分のアバターキャラクターや執筆した記事に登場したキャラクターのプロフィール、すなわち「人事ファイル」なども載せる事ができる。
自分の著者ページの名前は自由に決定できるため、ページ名自体を「〇〇研究員の人事ファイル」のような形にしているメンバーも多い。
なお人事ファイルは制約が緩いため、変な能力を持っていたりそもそも人間じゃなかったりするようなカオス職員の巣窟である。


主な役職

  • 研究員

文字通りオブジェクトを解明しようとする科学者たち。
生物学・心理学などあらゆる分野に精通している。
この男を筆頭として、才能に全てを極振りした危険人物や変態が多い。
その中で立場や実績が優れている研究員を「博士」と呼ぶ。
どこかの大学や機関で博士号を持っているかは定かではないが、財団の中で博士と呼ばれる立場になるには下手な博士号持ち以上の才能や能力と出世する前に死なないだけの運が必要である。


  • エージェント

財団施設の外でオブジェクトを調査する職員。
不測の事態に出動する機動部隊も形式上ここに分類される。
Dクラスほどではないが、オブジェクトとの接触を伴う危険な仕事。


オブジェクトを扱う際に、真っ先にぶつけられる最下級の職員。早い話がモルモット兼捨て駒兼生け贄。
詳しくは項目を参照。
ブライト博士が彼らを残機と呼ぶことは禁じられている。


  • O5オーファイブ評議会

財団の最高意思決定機関。「O5-(1~13の数)」の名で呼ばれる13人のメンバーから構成される。
その存在には謎も多いが、研究員やエージェントから昇格する道もあることが示唆されている。
最高位のセキュリティクリアランスを持ち、財団内のあらゆる情報にアクセスできる。
一方で「財団の方向性を決定できる超重要人物」という立場上、O5のメンバーがオブジェクトに直接接触することは許可されない。うっかりミーム汚染とか受けたら大惨事だしね。
まあ記事によっては普通に接触してしまっていたりそもそも彼ら自身が異常存在だったりすることもあるが…
モノリス越しに物々しい会話をして視聴者をヤキモキさせる役回りだと思えば間違いないらしい。
財団内では雲の上の人物と言ってもいいが、稀に研究員たちに騙されたり、酷いときにはオブジェクトを悪用しようとしたり謀殺されたりもする。


  • 管理官

後述の”管理者”とは別に「管理官」という役職が存在する。


こちらは財団内部で上位の業務を行う者が名乗る役職であり
サイトを取り仕切る上級職員はサイト管理官(Site-Director)であり
はなはだ不思議なことにブライト博士はいくつかのサイトで人事管理官(Personnel Director)の権限を持つ。(この場合は人事部長の意味)


”管理者(Administrator)”と「管理官(director)」は明確に区別されていて、前者は実際どのような職なのか明確ではないが、
後者は「O5ほどじゃないけど偉い職員だよ」という立場を表現していて
「サイト管理官が実験中止を命じた」などと書かれたらその施設(Site)の偉い人が動いたと思って良い。
なおO5評議会のメンバーは、この管理官の中でもっとも高い権限を持った13人の集まりとされる。


  • ”管理者”

冒頭の文句で知られる、財団の理念を語る人物。


各所の報告書やTaleなどで時々見かけるが、その正体に関しては不明な点が多く、そもそも存在しているのかさえ怪しい人物でもある。


財団内での立ち位置は記事によってマチマチで、O5より上だったり下だったり同等だったりそれどころじゃなかったりする。


  • 倫理委員会

財団は冷酷だが残酷ではない、というのがモットーだが、何が残酷であり何が残酷ではないか、を判定する機関。
適性があると判断された研究者などが配属される模様。一部のTaleなどにおいては場合によってはO5評議会を転覆させる場合すらある隠れた権力集団として描かれている。




また、上記とは別に、支部独自の統治機構が設定されているものもある。

  • 日本支部理事会

SCP財団日本支部における最高意思決定機関。構成員は7名で、それぞれ”獅子” ”升” “千鳥” “稲妻” “鳳林” “若山” “鵺”のコードネームが割り当てられている。一部の記事では蒐集院の幹部であったり、上位存在だったりする。
ちなみに名前は茶器の名品「のんこう七種」が由来。


  • O5-CN

CNのコードが示すように、中国支部における最高意思決定機関。構成員はO5評議会と同じ13名。


余談だが、中国支部の要注意団体には「05(ゼロゴー)議会」というO5評議会のパチモンが存在する。



どうやったら財団で働けるの?

職員として採用される方法は不明。たぶん身近なハローワークに行って「SCP財団で働きたいんですけど」と言っても、精神科を勧められるだけであろう。
Dクラスに関しては上記のような採用方法が示されているが、それ以外の職員がどのような経路で採用されているかは明確にされていない。
報告書や人事ファイル、Taleなどでよく記述・描写されるのは以下のようなケース。


  • 直接スカウト

各分野で優秀な人物を直接スカウトする。研究員などはこのケースが多いだろう。
また偶然異常存在に遭遇してしまいor生み出してしまい、その後始末として何らかの事情(有能だったとかこの人がいないとそのアノマリーを扱えそうにないとか)で当人が記憶処理をされずにそのまま財団に雇われることもままある。


  • フロント企業経由

財団のフロント企業で働いてて、優秀かつ信頼がおける人物と判断されたら裏の顔である財団にスカウトされる…という流れ。
特別高度なスキルが必要なわけではないが、さりとて無関係な一般人を雇うわけにはいかない事務員なんかはこのルートの可能性が高い。


  • 要注意団体のメンバーから

要注意団体から財団に移籍してきたメンバーも存在する。壊滅させた組織のメンバーを洗脳しているのでは?という疑いのある記事もあるが。
主要な例としては日本支部における旧蒐集院関係者の皆さんだろうか。


  • 異常存在が職員に

基本的にどれだけ無害そうでも異常存在は異常存在であり危険すぎるため、財団の業務に直接かかわることはない。
ただし、SCP-073「カイン」のように、本人が誠実かつ能力が極めて優秀な場合、業務にかかわることもあるようである。
また、SCP-2800「カクタスマン」については、本人の精神上の安定を図るために適度に他者のためになる作業を行わせているようである。
SCP-2310で「サラ・パーマー」というおばさんの人格になってしまった人々も、記憶処理ではどうしようもなく、かといって世の中に出すわけにもいかないという理由から事務処理などの仕事を任されているらしい。
中にはSCP-1156のように、「職員として雇う事自体が収容プロトコル」というぶっ飛んだものも。
%%SCP-1973-JP%%「メアリー・スーの怪物」のように、現実改変で無理矢理職員に収まっているというヤバいケースもある


+ 余談:人型オブジェクトの扱いについて-

カインについて「協力的で優秀なら職員になる事もある」と書いたが、実際の所はちょっと事情が異なる。


カインを始めとする初期の人型オブジェクトには「機動部隊などの職員として働いている」という設定が結構多いのだが、
そもそも黎明期は設定が固まっていなかった事もあってオブジェクトの扱いが非常に緩く、
協力的で「無害」ならサイトの非機密エリア内をフラついていてもお咎め無しといった事もザラだったのである。
人型の例えとは離れるが、他にも「職員も適度になら触れ合ってもいいよ(意訳)」と特別収容プロトコルで明言されているSCP-131("アイポッド")など、
まるでペットのように扱われているオブジェクトもいる程であった。


「あくまでも財団はオブジェクトに対して冷酷」といった設定が一般化した現在の財団では、たとえ協力的でも収容セル内に軟禁がデフォ*5
財団の業務に携わる場合でも他の異常存在に関わらない範囲での軽作業を任せるくらいといった事が多く、
カインの待遇は「初期オブジェクトだから許されている」面が大きい。
逆に初期ナンバーでもないのにそんなユルい扱いがされていたら、何か裏があると思って間違いない。


「じゃあ人事ファイルの人外職員連中は何なの?」は禁句。
その禁句を逆手に取ったSCP-2999-JPなどもあるので、興味があればどうぞ。





追記・修正はセキュリティクリアランスレベル 2 以上の職員に限られています。


アクセス中……


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*1 内部の人間は「財団」と呼んで理解できるし、外部の人間が他の財団と区別する呼称が「SCP財団」であるともとれる
*2 すなわち「全員が守らねばならない共通認識」が非常に少ない
*3 無能揃いな「キャリアの袋小路」が「間違って本物のアノマリーに関わったら困るから注意し、手伝っている」
*4 たとえば日本支部なら「SCP報告書とTaleとGoIフォーマットを合わせて少なくとも3つ以上を作成」が大まかなガイドライン。
*5 ただし態度によっては嗜好品の支給等は許可される場合も。勿論必要でないと判断されれば却下されるし、OKされたものも事前のチェックや検閲が入るが。

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