デルフィーニ(ハリー・ポッターシリーズ)

ページ名:デルフィーニ_ハリー_ポッターシリーズ_

登録日:2019/01/12 Sat 21:39:00
更新日:2024/03/28 Thu 13:32:31NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



タグ一覧
ハリー・ポッター ハリー・ポッターと呪いの子 初恋の人 魔法使い 魔女 ネタバレ項目 キーパーソン 重要人物 アンチヒロイン ダークヒロイン 介護士 あの人の娘 デルフィーニ デルフィーニ・ディゴリー オーグリー デルフィー



わたし、もちろん泥棒よ。あなたの持っているものを全部盗むところ。

金を出せ、杖を出せ、蛙チョコレートも出せ!

(わざと怖い顔を作ってみせてから、笑顔になって)泥棒じゃなかったら、私はデルフィーニ・ディゴリーよ





デルフィーニ(Delphini)とは、ハリー・ポッターシリーズ第8作目『ハリー・ポッターと呪いの子』に登場する人物。
作中では専ら『デルフィー』と呼ばれている。



本名デルフィーニ・ディゴリー。その苗字から分かるように、あのセドリック・ディゴリーとは親戚であり、セドリックの父親エイモスの姪にあたる。
アッパー・フラグリーにある『聖オズワルド魔法老人ホーム』にて、介護職員として年老いたエイモスの面倒を看ている。
ホグワーツ、というか魔法学校には『重い病気にかかって通えなかった』らしいが、能力的に劣ったところは見られなく、むしろ劣等生気味なアルバスに呪文のトレーニングを出来るくらいに優秀な魔女である。


意志の強そうな顔立ちに青みがかったシルバーブロンドの、二十歳を少し過ぎたくらいの年齢の美人であり、
歳下や老人に対する優しさや面倒見の良さ、また所々で冒頭のようなノリツッコミが出来るユーモアさも持ち、
ハリーの息子・アルバスの初恋の相手である。
少々年齢が離れているものの、アルバスとはセドリックを取り戻す計画を練る過程で親交を深めており、作中でも『今や息はピッタリ』と称され、親友のスコーピウスがどこか嫉妬してしまうほど。
両者の関係の発展に注目である。




&link_up(△)メニュー
項目変更&link_copy(text=項目コピー) &link_diff(text=項目変更点)&link_backup()&link_upload(text=アップロードページ)


この項目が面白かったなら……\タマッと/


[#include(name=テンプレ3)]











……というのが彼女の表向きの姿。
その正体は……(以下、『ハリー・ポッターと呪いの子』のネタバレ)




















スコーピウス「君が病気だったなんて信じないぞ。どうしてホグワーツに入学しなかったんだ?どうして今ここにいるんだ?

あいつらは君をオーグリー様って呼んでいた。別の――あの世界で――みんなは君をオーグリー様って呼んでいた」




スコーピウスが経験した、『ヴォルデモートが魔法界を支配する世界』。
その世界にて、ヴォルデモート卿の腹心である『オーグリー様』と呼ばれていたのが、他ならぬ彼女であった。




そう、彼女は悪の魔法使いにして、本作の黒幕である。
『エイモス・ディゴリーの姪』というのも真っ赤なウソで、
新たな予言に従い『セドリックを死なせない事がカギとなる』と睨んで、セドリックの父親である彼や周りの人間に『錯乱の呪文』をかけて近づいていたにすぎない。


その予言とは、


【よけい者がよけい者でなくなり、時間が逆戻りし、見えない子どもたちがその父親たちを殺すとき――闇の帝王が戻るであろう】


かのヴォルデモート卿が戻ることを示唆する内容であった。


そして、この予言を教えられたデルフィーが書き記した言葉とは――



『私は闇をよみがえらせる。私の父を取り戻す』




『私の父』。
そう、彼女はヴォルデモートが密かにこの世に遺していた娘だったのだ。
母親はあのベラトリックス・レストレンジ。両親ともに邪悪極まりない組み合わせであると言える。
ベラトリックスの夫ロドルファスに育てられ、自分が何者かを教えられ、予言を成就する為に生きてきた。


……つまりハリーの息子がヴォルデモートの娘に初恋をしてしまうという何とも数奇な恋模様となってしまった訳だが、
かつてヴォルデモート(日記の中のトム)に心を開いた過去のあるジニーは、息子から打ち明けられた無念に対し『あの人たちはなんにも疑わない人たちを罠にかけて捕らえるような事が上手』と理解を示していた。



両親共に極めて強力な魔法使いであった為、彼女もまた作中屈指の強さを誇る。
父親のように箒無しで飛行出来るし、ハリーとの決闘では空いた片方の腕で『コロポータス』の呪文を放つ等、杖無し呪文も出来る。
また、決闘の最後ではハリー・ロン・ハーマイオニー・ジニー・ドラコの5人を、最終的に敗けはしたが一時的に1人で相手取れるほどの強さを見せつけた。


もちろん邪悪さも両親から受け継いでおり、本性を現した後は偶然その場に駆けつけてしまったクレイグ・バウカー・Jrを『アバダケダブラ』で殺害し、かつてのセドリックのように『よけい者』と嘲ったり、
スコーピウスに『クルーシオ』をかけてアルバスに計画への協力を迫ったりと、両親同様目的の為なら他人を殺傷する事も厭わない。


スコーピウスに本性を見破られてからは、いっときは偶然にも予言を成就させてしまったアルバスとスコーピウスに三度の歴史改ざんを迫るが、
2人が死ぬことも厭わず拒否した為、予言の成就を諦め、『1981年にてヴォルデモートがハリーを殺すのを阻止する』計画にシフト。
アルバスからの『過去からのメッセージ』を受け取ったハリー達に計画を察知され、『ヴォルデモートに変身したハリー』に騙されくらましていた姿を現す。
自らの正体を明かしヴォルデモート(の姿をしたハリー)のハリー殺害を止めようとするも、
変身術が解けてしまった事で戦闘となる。
魔法法執行部部長となったハリーを圧倒する強さを見せつけるが、アルバスの機転によりロン達の加勢を許し、5対1の戦いでは持ち堪える事が出来ずに遂に敗北。
ハリー達と共に元の時間へと帰還後、クレイグ殺害の罪でかつての母親同様アズカバン送りとなった。


だが、この計画を立案するに当たっては『ヴォルデモートが支配する世界を成す』というよりは、単に『父親を知りたかった・父親に会いたかった』という意味合いが強い。
ハリー達に敗北後も『父に会わせてくれ』と懇願し、拒否された後に『それなら殺せ』『心と記憶を奪い何者かを忘れさせてくれ』と真に憐れみを感じさせるような調子で嘆き、
本物のヴォルデモートがやって来る気配を感じ取った時には『父さん?お父さん!』と叫ぶもドラコの呪文で口を塞がれた。


彼女もまた、ハリーやヴォルデモートと同じように真の親を知らずに育ってきた魔法使いである。
父親は『トム・マールヴォロ・リドル』であった頃から情愛など欠片も求めていない人柄であったが、
彼女は例え世界一邪悪な魔法使いであっても『お父さん』を取り戻したかったのであろう。
親の親愛を求める辺りは、まだ両親ほど邪悪に染まりきっていないと言える。


が、目的の為にたまたま駆けつけてしまったクレイグを躊躇なく殺害してしまった事実はやはり邪悪と言わざるを得ない。
それに、7巻にてハリーがヴォルデモートを指して言ったように、デルフィーもまた『その気になれば、魅力的になれた』だけの器を持っていた人物である。
事実、正体を明かす前まではとても人当たりが良く、思春期であるアルバスが惚れるのも無理は無い好感的な人物であった。
善悪の分別がちゃんと出来れいれば、全うな人生を送れるだけの能力は有ったのにも関わらず、
父親を求めるあまり、邪悪な道を選んだのは他ならぬ彼女である。
魅力的な容姿と優れた能力を持ちながら、それを良い方向に活かす道を選べなかった所も、残念ながら両親に似てしまったと言えよう。



【余談】


アルバスが彼女の手に逆転時計を渡すまで一切怪しい所を見せなかった……ように見える彼女だが、
読者視点で見ると分かる矛盾を1つだけ露見させてしまっている。
アルバスとの初対面では『学校じゃ、みんな私のことを~』をいうセリフを述べているが、
上記にある通り、スコーピウスとの会話では『幼い頃の数年間、重い病気で入学出来なかった』と述べているのだ。
もちろんどちらもウソで、ロドルファスに密かに育てられていたからというのが真実だが、
鋭い読者なら、彼女がウソを吐いている事が分かるだろう。


産まれた年月は『ホグワーツの戦いの前に、マルフォイの館で産まれた』と本人が述べるに留まり、明確な時期は記されていないが、
ベラトリックスが出産直後でホグワーツの戦いに参加したとは考えにくく、
また、6巻最終盤にて『ダンブルドア殺害計画』という極めて重要なイベントに彼女ほど残忍で有能な死喰い人が何故か不参加だった*1事も踏まえると、
ちょうどそのダンブルドア殺害が行われた、1997年6月頃が有力な説の1つとされる。


また、彼女の本名については順当に父親の性を継ぐなら『デルフィーニ・リドル』となるが、
ヴォルデモートは本名を捨てており、また、産みの親がベラトリックス・育ての親がロドルファスという事で、
『デルフィーニ・レストレンジ』とするのが正解かもしれない。
尤も、真の血筋が判明してからも作中では一貫して『デルフィー』表記なので、その辺りは本人と作者のみぞ知る事だが……





デルフィー「アルバス、私は新しい追記だ。新しい修正だ。私はこのwikiが探し求めていた答えなのだ」



[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,16)

[#include(name=テンプレ3)]


  • ついに記事出来たか。 -- 名無しさん (2019-01-13 03:25:11)
  • 正直境遇が可愛そう過ぎてハリー達の方が酷くみえる、邪悪ってより環境によりそうなったって感じ -- 名無しさん (2019-01-13 06:34:05)
  • 父親に似たとあるが全く違うと思う -- 名無しさん (2019-01-13 06:35:34)
  • 青みがかったシルバーブロンドとかいう中学生が考えたような髪色 誰からの遺伝だよ -- 名無しさん (2019-01-14 01:20:20)
  • 髪色の遺伝はブラック家で性格的にかまってちゃん -- 名無しさん (2019-01-14 14:28:11)
  • 生まれつき邪悪なんではなく、後天的に破たんするしかなかったって感じ。これで「お前が心を強くもっていればまともな生き方ができたはずだ」なんて言っちゃうのは、無関係なものの驕りである。 -- 名無しさん (2019-01-14 17:45:46)
  • 本人だけが破滅したり堕落していくだけなら同情できるし救われてほしいと思うけど、こいつ容赦なく他人を殺したり傷つけるからなあ。いまいち同情しきれない -- 名無しさん (2019-01-15 13:19:36)
  • アズカバンが吸魂鬼廃止したらしいから、出所後ワンチャン? -- 名無しさん (2019-01-16 10:20:54)
  • そりゃどん底から親の愛に渇望しやっと憧れの親父に会えるときに邪魔されたら殺人くらいするよ、殺人がダメだってわかるような環境で育ってないし -- 名無しさん (2019-04-23 16:18:42)
  • 邪悪ってより邪悪にならざる終えなかったって感じ 生まれの環境から周りとマジで恵まれてない、これで本人のせいにするのはかわいそう -- 名無しさん (2019-04-23 16:22:05)
  • ゲロ以下の匂いがプンプンする生まれついての悪だった父とは違うよなあ -- 名無しさん (2020-04-25 22:00:57)
  • 親を憎まずに愛したという点だけは父親と正反対なんだよな。トムは尊敬していたはずの母親の墓すら造ってないし。 -- 名無しさん (2020-05-09 07:51:07)
  • ブラック三姉妹(ベラトリックス・アンドロメダ・ナルシッサ)の息子・娘(デルフィーニ・ニンファドーラ・ドラコ)は親の愛情の有無で人生の明暗がくっきり分かれたな。ドラコは真っ当な父親になったし、ニンファドーラ(トンクス)も生き残っていれば良い母親になれただろうし。 -- 名無しさん (2020-09-08 18:36:38)
  • デルフィーニ(→Delphinus=いるか座)ってことに気付けば、勘のいい人はブラック家の血を引く者ってすぐに分かるよね。 -- 名無しさん (2020-09-09 19:17:08)
  • ↑3 トムリドルはあくまで母方の血統にすがっただけで、早死にした母親のことは「生き延びるために魔法でもなんでも使えばよかったのに」と軽蔑してたような。デルフィーと父子で正反対というのはその通りですね。 -- 名無しさん (2020-09-09 20:29:21)
  • 愛情を理解しない父親に会ったところで娘の思慕を無碍に扱って絶望とかなら悪役としての皮肉がきいてるけど 気持ちが通じあってるかは兎も角お辞儀勝利の世界線では破格の取り立てで本人絶対幸せだから 物語終盤のはち切れんばかりのお父さんへの叫びがちょっと切なく感じるね -- 名無しさん (2020-12-28 03:41:05)
  • 別世界では一応親父から最も特別な扱いを受けてはいた -- 名無しさん (2021-02-04 18:20:23)
  • セドリックがあっさり闇堕ちしてネビルを殺してるのをみると、『心を強く持てば~』とか綺麗事に感じるわ -- 名無しさん (2021-02-05 14:29:06)
  • 人がどんな生き方をするかって生まれつきの素質とかより環境の方が大きいと思うわ この子が真っ当に育った世界線とか見てみたい -- (2021-09-12 22:46:15)
  • 最後デルフィーはアズカバンを脱獄するって噂で聞いたけどマジ? -- 名無しさん (2021-09-29 23:15:26)
  • 「呪いの子」初見の小学生時「ヴォルデモートとベラトリックスの子供?!ひええ怖いよぉお…」 現在「正直ヴォルは復活後から『自分が再び帝王となる』ことをマジで信じてるから『自分が悲願を成しえなかったときの救済措置として』とは考えられん。愛でもないとするとヤリモクとしか…あとはほぼほぼないがベラに押し切られた?どっちにしろヴォルは超人性を高めるためにも性欲とは無縁でいてほしかった…性欲あるって俺と一緒やん…カリスマ性が消えた感がある…オエッ」 -- 名無しさん (2021-12-05 11:18:56)
  • 彼女の可哀想な所は父親からの愛を欲したがその父親は決して父としての愛を向けることはないって事だよな 並行世界では確かに破格の取り立てをされていたが、それはあくまで「ヴォルデモート配下の中で一番能力が高く、スリザリンの血を引いてるから」であり、父親としての愛を向けてるわけではないと思う -- 名無しさん (2022-03-01 07:55:04)
  • ↑↑憧れは理解から最も遠いってヤツだな。自分の想像と違うからごねるあたり -- 名無しさん (2022-07-04 23:59:58)
  • コメ(2022-03-01 07:55:04)に同意するわ  ヴォルデモートにほぼ完全になりきったハリーの変身術が解け始めたタイミングはデルフィーニを「我が娘」と呼んだ途端のことだった。 そして本来の世界のデルフィーニは「未来は自分が決めるもの 」という決意を忘れないために、幼少期のネグレクトの証オーグリーの入墨をいれてる一方、 ヴォルデモート勝利世界でも「未来は自分たちが作るもの」という標語を掲げてオーグリーを名乗ってる。  間違いなく彼女が望んだ世界ですら、親からの愛情を受けられてない。 -- 名無しさん (2022-08-25 18:19:23)
  • 物凄く可哀想な人だなと思った せめて騎士団の人が拾っていればまともな人生を歩めそうだったのに -- 名無しさん (2022-10-06 07:42:19)
  • ↑それはそれでややこしいことになってるだろwww(本音 解釈違い) -- 名無しさん (2023-04-11 18:25:10)
  • どうしてマクゴナガルはホグワーツに彼女を迎えなかったんだろう。ホグワーツでは魔力を示した子供の名が自動的に入学者名簿に載るシステムらしいし、絶対に「デルフィーニ」の名前も名簿にあったはず。死喰い人の後見人から引き剥がして、まともな倫理観と愛情や友情を教えてやればもう少しマシな生き方ができただろうに。魔法界の大人たちは反省すべきだと思う -- 名無しさん (2023-12-01 17:32:20)
  • 大分年上のデルフィーニの本性を知らずに恋したことで決着後は「新しく入った先生年増だから君に向いてるんじゃない?」ってスコーピウスに熟女好きいじりされるようになったアルバス -- 名無しさん (2024-01-15 08:09:27)
  • ↑2 魔法界に存在を知られないようにリドル一派がなにか対策取ってたんだろ -- 名無しさん (2024-01-15 08:36:11)
  • 皮肉だな。愛の妙薬を使ってトム・シニアと駆け落ちしたメローピーからヴォルデモートが生まれて、ヴォルデモートの娘であるデルフィーニの謀略は愛の妙薬のせいで完全に潰えるとは。 -- 名無しさん (2024-02-09 00:06:33)

#comment

*1 映画版では参加していたが

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧