登録日:2017/12/21 Thu 19:12:30
更新日:2024/02/16 Fri 13:10:08NEW!
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MMORPG『ファイナルファンタジー11』に登場するジョブの一つ。
最初の拡張ディスクである『ジラートの幻影』を導入することで所得することができる、所謂「ジラートジョブ」の一種である。
「召喚士」とはその名の通り「召喚獣」を呼び出して戦わせるジョブであり、IIIでの初登場(当時は名前が違ったが)以来、様々なタイトルで重要な役割をはたしてきたFFシリーズの「顔」の一つでもある。
IVのリディアに始まり、IXのガーネットとエーコ、Xのユウナと主役級のキャラも多く、設定的にも深く掘り下げられている作品が多い。女の子率たけぇ。
この為か11においてもその扱いはかなり大きい方であり、召喚士とその召喚獣は様々な形でゲーム中にその存在感を示している。
◆「どんなジョブなの?」
MMORPG用語で言うところの「ペット職」の典型。
つまり「ペット枠」である召喚獣を呼び出し、共に戦うというジョブである。
召喚獣は旧シリーズのように「技を使ってすぐ消える」のではなく、自前のHPと行動AIを持った一体のNPCとして扱われる。
戦闘状態に入ればオートアタック(通常攻撃)で攻撃するが、マスター(本体)が命令を出すことで「契約の履行」(普通は単に「履行」と呼ぶ)と呼ばれる特殊行動を行わせることもできる。これがつまり召喚獣の「技」にあたる。
履行は攻撃系の「幻術」と補助系の「験術」の2系統に分かれており、いずれもリキャスト(再使用可能待ち時間)が1分、全ての召喚獣の履行で共有している。このリキャストは装備品のプロパティや育成などで最大20秒にまで短縮可能。
召喚自体に必要とするMPはさして多くはないが、召喚獣を出している間は「維持費」という形でマスターの常にMPが減り続けていく。また、履行を行わせることでもMPを消費する。
この維持費が捻出できなくなると召喚獣は消えてしまう。
他にも
- 召喚獣のHPが無くなる
- マスターが「神獣の帰還」を使って自分の意思で消す
- マスターが戦闘不能になる
などの条件でも消えてしまうが、基本的にMPさえ残っていれば何度でも再呼び出しが可能。
屈強な召喚獣を何度倒れても即呼び出せる反面、本体の戦闘能力は極めて貧弱で、黒魔道士と並び全ジョブ中でもぶっちぎりの最下位。
一応武器は両手棍、片手棍をそれなりに使えるが、召喚魔法以外の魔法は一切持たず、近接戦闘用や防御用のアビリティなども全くない。
この為他のペット職である竜騎士、獣使い、からくり士などに比べ、ペットへの依存度が圧倒的に高い。
◆「どんなところが優れてるの?」
ペットに戦わせて本体は安全なところにいられるため、何よりもまず安全性において圧倒的に優れる。
この戦術は11では「ペットミサイル」と呼ばれることが多いのだが、召喚士は同じミサイラーである獣使いやからくり士に比べ、「再呼び出し」のコストが圧倒的に低い。
MPさえあれば何度倒されようが即座に完調状態での再呼び出しが可能なため、ペットミサイラーとしての適性はぶっちぎりで高い。
また召喚獣の技である「履行」には、様々な属性の攻撃、HP回復、状態異常治療、味方の強化(バフ)、敵の弱体(デバフ)など様々なタイプがある。
当然召喚士は1人でそれらの全てを使いこなせるということになるため、赤魔道士や青魔道士のような「汎用ジョブ」としての側面も持っている。
特に攻撃面でのバリエーションは凄まじく、物理攻撃なら格闘・打・斬・突、魔法属性でも火・氷・風・土・雷・水・光・闇、ブレス属性の火・闇・無と、
全ジョブ中でも抜きんでた豊富さを誇っており、敵の耐性のせいで攻め手を欠くということはほとんどない。
そして高レベル帯になってくると、最早ペットジョブという枠を超えて「瞬間火力に特化した物理アタッカー」という側面も出てくる。
これは装備や育成ポイントの割り振りによって、高レベル帯での召喚獣の攻撃力がものすごい勢いでのびていくため。
物理履行の威力が戦士やモンクなどの前衛が放つウェポンスキル(武器技)を余裕で越えることも珍しくなく、「1回当たりダメージの重さ」という点では全ジョブ中でも最強を争う。
◆「んじゃ欠点は?」
マスター、つまり本体側があまりにも、あまりにも脆い。
HPは黒魔道士すら下回る全ジョブ中ワーストであり、装備品の防御力やHP+も総じて低い。
ペットを盾にできている間はいいが、マスターに敵の攻撃がむいたり広範囲攻撃を受けたりすると文字通り瞬殺されかねない。
そして実はマスターだけでなく、召喚獣の方も大変に脆かったりする。再呼び出しが極めてローコストなのは、それだけ頻繁に必要とされるからでもあるのだ。
また、多様な機能を持つのは事実なのだが、汎用ジョブとして見ると「反応速度の遅さ、対応力の悪さ」という欠点もある。
履行は前述した通り全ての召喚獣がその再使用時間を共有しているため、イフリートで幻術「ダブルパンチ」を放って即戻し、その後てラムウを召喚して幻術「サンダーストーム」を使わせようとしてもリキャストが経過するまでは使用できない。つまり、回復や攻撃などの役割を必要に応じて切り替える能力に欠ける面がある。
そしてちょっと別方向からの欠点として、極端な大器晩成型であるという点も挙げられる。
召喚士でまともに戦うためには、各種召喚獣との契約(基本的には戦って勝つ必要がある)、その前段階に必要なクエスト、リフレシュ(自動MP回復)装備、
維持費を軽減する装備、履行間隔を短縮する装備、履行間隔を短縮する各種育成ポイント……などなど様々な過程が必要であり、「ジョブとして機能する最低ライン」が非常に高い。
実際低~中レベル帯では維持費すら捻出できない自転車操業状態が普通であり、「カーくんを1分に1回呼び出して、履行を撃ってすぐに消す」といった感じになりがち。
その姿は図らずもシリーズ伝統の召喚士に似ているが、あまり嬉しくはない。
◆「召喚獣の種類」
存在している召喚獣は、現時点(2022年6月)では以下の15体(正確に言えば精霊召喚は全8種なので+7で22体)。
「普通に戦える通常召喚獣タイプ」「補助的な召喚獣である精霊タイプ」「召喚と同時に特定の技を使って消えるタイプ」の3タイプに分かれている。
※ 召喚獣全15種(クリックで展開)
◆『カーバンクル』◆
光を司るキュートな召喚獣その1。通称カーくん。
VIIIあたりから急速にマスコット化が進み、今や御三家を差し置いて召喚獣の代表的存在となった感すらある紅玉の精霊。
人間に対して非常に友好的で、召喚士のジョブ所得も彼の導きあってものであり、また所得時に無条件で召喚契約も結んでくれる。
ただし無条件に人間の味方というわけではなく、彼なりの行動目的があって行動しており、意外に策略家であったりする。通称カー様。
ちなみにファミ通TUBEのアテレコ動画ではCVがこのお方になっており、そのビジュアル・立ち位置・一人称が相まって腹黒成分が猛烈に増加した。通称カァべえ。
最初に手に入るチュートリアル的召喚獣だからか、バランスこそ取れているものの、若干力不足の感がある。
MMORPGである11の仕様上、「受けた魔法を跳ね返す」という処理が非常に難しいらしく、カーバンクルの代名詞である「リフレク」も使えない。
回復と攻撃を兼ね備えた万能型で維持費も低いため、低~中レベルでこそ長くお世話になるが、高レベルだと使う機会は減ってしまう。でもかわいいから許す。
・得意技(一部)
【ルビーの安らぎ】
範囲内のパーティメンバーの状態異常を複数治療する験術。
治療できる状態異常は毒・麻痺・静寂・暗闇・病気・石化の中から複数で、マスターの「召喚魔法スキル」によって一度に治療できる数が増える。
最大強化状態だと上記の6種を全て治療できるが、「複数種の状態治療を」「パーティメンバー複数に」かけることは専門ヒーラーの白魔道士でさえできず、その点非常に強力な状態治療魔法と言える。
高レベルでカーバンクルを使う場合、この履行が目当てとなることが多いだろう。
【カーバンクルの加護】
「神獣の加護」というアビリティを使用時に展開される、特殊な強化スフィア(設置型状態変化エリア)。
カーバンクルを中心とした一定の範囲内にフィールドを展開し、その中に入ったパーティメンバーに「リジェネ」の強化効果を与える。
装備や育成度、また召喚獣を呼び出してからの時間によって効果が上昇し、最終的には3秒間に30HPというなかなかの回復量になる。
◆『イフリート』◆
シリーズを代表する炎の召喚獣。
しかしシリーズ常連の割にいまいち外見的イメージが統一されておらず、毎回方向性と言うか、「人間っぽさ」のレベルが大きく異なる傾向がある。
11の場合シルエットこそ人型だが、体表は赤熱するマグマのような甲殻で覆われていて、人間っぽさは低め。
攻撃力を象徴する火属性の召喚獣なだけあり、性能は思いっきりアタッカー寄りで、火属性の攻め手が特に豊富。
一方で火の通りが悪い相手には主力の履行が通じにくく、また支援系の履行をほとんど持たないため、相手や状況を選ぶ傾向が強い。
・得意技(一部)
【フレイムクラッシュ】
目標の敵に格闘属性の3段物理ダメージを与える幻術。召喚士がLV70で覚える強力な物理攻撃履行、通称「70履行」の1つである。
3hit目、つまり最後の一発だけが炎属性の魔法ダメージになっているという他に類を見ない攻撃で、格闘・火属性の双方に弱い敵に対しては相乗効果で凄まじいダメージを叩き出す。
【紅蓮の咆哮】
範囲内のパーティメンバーに、攻撃力アップの強化効果を与える験術。
効果量は最大で+10%とそれほど高いわけではないが、イフリートにとっては貴重な支援系履行であり、使う機会は多い。
◆『シヴァ』◆
イフリート同様、シリーズ常連の氷の女王様。
相方のイフリートに比べるとビジュアル面では統一感があり、11でもその例に漏れないハイレグ女王様ルック。
全体的に人外度が高めな11の召喚獣の中では、極めて人間寄り、しかも美女系のビジュアル。シリーズでも非常に珍しい(唯一の?)エルフ耳装備のシヴァでもある。
履行は強化・弱体・属性攻撃・物理攻撃と一通りの機能を網羅しているが、若干器用貧乏な感もある。
しかしカーバンクルの項でも触れた「神獣の加護」の効果がシヴァの場合は「魔法攻撃力アップ」であり、それを目的に呼んでおくこともある。
・得意技(一部)
【スリプガ】
目標の敵を中心とした広範囲にいる敵を「睡眠」状態にする験術。
黒魔道士が使う「スリプガ」と似た効果ではあるが、効果時間や上書き優先度は同「スリプガII」とほぼ同じ。
召喚士にとってはほぼ唯一のCC*1魔法であり、また召喚獣の独特なヘイト構造を活かした小技もあったりするので、使い道は多い。
【ヘヴンリーストライク】
目標の敵に氷属性の魔法ダメージを与える幻術。LV75以上で特殊な育成ポイント「メリットポイント」を使うことで覚えられる、「特修履行」の一つ。
氷属性は弱点とする敵が多いため、特修履行の中でも使用率が高い。火力はなかなか高水準で、きっちり装備をそろえれば黒魔道士の精霊魔法にも劣らない威力を発揮することが可能。
◆『ガルーダ』◆
風を司る半人半鳥の召喚獣。
モンスターとしてはシリーズの常連だが、召喚獣として登場したのは11が初めてであり、ビジュアル的にも過去作の面影はほぼない。
鳥人間や鳥そのものだった過去作とは大きく異なり、翼こそあるもののかなり人間の女性に近いデザイン。お尻がムチムチで実にエロい。もっとも、目は白目だけの人外系だが。
攻撃・支援・回復の3要素を完璧に兼ね備えた優秀な召喚獣で、
「ヘイスガII」を前衛にかけて攻撃速度強化⇒前衛の技連携に「ウィンドブレード」を併せてMBで大ダメージ⇒前衛の減ったHPを「風の囁き」で回復
…といった具合に、戦況に対するスムーズな対応が可能。その抜群の使い勝手の良さから、恐らく全召喚獣の中で最も使用率が高い。決してエロいからではない。
・得意技(一部)
【プレデタークロー】
目標の敵に斬属性の3段物理ダメージを与える幻術。70履行の一つ。
召喚士の主力となる70履行の中でも特に強力な部類に入り、総合的なダメージは最も高い。耐性を持つ敵が少ない斬属性であることも手伝って、使い勝手は抜群の一言。
【ヘイスガ】
範囲内のパーティメンバーに、攻撃速度を上げる強化効果「ヘイスト」を与える験術。LV99になると上位魔法「ヘイスガII」を覚えられる。
攻撃速度が増える=手数が増えるという事であり、近接戦闘を行う前衛アタッカーにとっては火力増加に直結する最重要強化効果である。
ヘイストは本来赤魔道士や白魔道士が使える(IIは赤魔道士のみ)単体魔法であり、広範囲に、しかも長時間かけられるこの履行の有用性は非常に高い。
◆『タイタン』◆
土を司る岩巨人の召喚獣。
氷・炎・雷の御三家にはやや劣るものの、シリーズの常連の「ムキムキマッチョマンの変態召喚獣」であるが、今作ではイフリート同様にビジュアルの人間離れが激しい。
しかしイフリートに比べると細部のディティールにはまだ人型の面影を残しており、股間には一応パンツっぽいものもはいている。そのせいであだ名が「ふんどし」に……
はちきれんばかりのムキムキな肉体とは裏腹に、どちらかと言うと攻撃よりは支援系履行の方が有用性が高い召喚獣。
特に「大地の鎧」は極めて優秀、かつ独特な効果を持っており、これを目的として召喚士を編成に組み込むこともあるぐらい。
・得意技(一部)
【ジオクラッシュ】
目標の敵に土属性の魔法ダメージを与え、かつ瞬間的に行動不能にする「スタン」の追加効果を与える幻術。
プライム履行の一つであり当然ダメージも低くないが、土属性を弱点とする敵が少ないため、追加効果の方を目的に撃つことも多い。
【大地の鎧】
「即死級の大ダメージを受けた時限定で、そのダメージの大幅に減少させる」という特殊な強化を範囲内のパーティメンバーに与える験術。
使いどころはそれほど多くはないが、強力な範囲攻撃を持つ格上戦などの特定状況下では、まさしく必須とも呼べるほどの効果を発揮する。
◆『ラムウ』◆
イフリート・シヴァに並ぶ召喚獣の「御三家」とでも言うべき雷爺さん。
隠者風もふもふお髭+だぶだぶローブがシリーズ通してのビジュアルだが、11では控えめな髭+スタイリッシュな黒いコートという大分方向性が違うスタイル。
どちらかというとIXのガーランドに似ているかも?
回復や強化といった補助系履行に使い勝手のいいものがほとんどなく、イフリート以上の攻撃特化召喚獣。
しかしその分攻撃性能は抜群に高く、物理・雷属性共に使い勝手のよい攻撃系履行を網羅しているアグレッシブ爺さんである。
・得意技(一部)
【サンダースパーク】
目標の敵を中心とした広範囲の敵に雷属性の魔法ダメージを与え、かつ麻痺の追加効果を与える幻術。
FFの召喚獣と言えば「高威力の全体攻撃で雑魚の群れを一掃する」というイメージが強いが、実は11の召喚獣には範囲履行が殆どなく、これは極めて稀少な例外。
LV19で覚えられる履行なので威力はそれほど高くないが、何しろ普通に使える範囲攻撃がこれ1つなので使用頻度は高い。
【ボルトストライク】
目標の敵に打属性の3段物理ダメージを与え、さらにスタンの追加効果を与える幻術。
数少ない70履行より上位の物理履行であり、属性を考慮しなければ全召喚獣の中で最強の威力を誇る。
◆『リヴァイアサン』◆
水を司る水龍の召喚獣。
シリーズでは「御三家召喚獣よりもちょっと格上程度」の位置についていることが多いが、今回は水属性自体の扱いのせいかそれらと同格になっている。
アレンジが多めの11の召喚獣の中では比較的シリーズの伝統に忠実な方で、「ひれが翼状になった、青色(差し色で赤系)の海蛇系ドラゴン」というデザイン。
ガルーダ同様、攻撃と回復を高レベルで両立しているのが大きな強み。
支援(強化)機能が弱いという点ではガルーダに劣るが、攻撃・回復に限定すればこちらの方がやや勝っている。
・得意技(一部)
【湧水】
範囲内のパーティメンバーのHPを一定量回復し、かつ状態異常を1つ治療する験術。
追加効果を持つ大ダメージの範囲技は多く、前衛がそれを受けた時のリカバリーとしては最良の手段。これを咄嗟に使えることがリヴァイアサンの大きな長所。
【タイダルウェイブ】
目標の敵を中心とした広範囲の敵に、水属性の魔法ダメージを与える幻術。リヴァイアサンの伝統伎である。
1時間に1度だけ使えるアビリティ「アストラルフロウ」中にだけ使用できる、通称「究極履行」の一つ。
この究極履行は殆どの召喚獣が持っているが、リヴァイアサンを含めた6属性召喚獣は「広範囲の敵に○属性魔法ダメージ」という性能がほぼ共通している。
範囲攻撃としては文字通り桁違いの威力を誇るが、1時間に1回しか使用できない上、使用にはマスターの残っている全MPが必要とされる。
◆『フェンリル』◆
闇属性のカッコイイ召喚獣その1。「星月の導き」という異名がさらにカッコイイ。
元ネタはとてつもなく有名だが、シリーズで召喚獣として登場したのはVI、IXのみと意外にも少ない。
狼そのものだったとVIとも色鮮やかな特撮系だったIXとも違い、いかにも「闇属性の狼!」的なシンプルで美しいデザインが魅力的。
ストーリー上非常に重要なキャラクターであり、ウィンダスストーリーを中心に様々なシーンで活躍する。しかし6属性召喚獣に比べ入手が大変で、基本的に高レベルのジョブがなければ契約が不可能。
通常攻撃の威力が他の召喚獣よりも1ランク高く、それでいて維持費が格段に安いという非常に扱いやすい召喚獣。
弱体系履行にも便利なものが揃っており、ソロ時の相棒としては最高に心強い存在。
ちなみにマウント(フィールド移動時に高速移動できる「乗り物」)としても実装されてる。いいのかそれで。
・得意技(一部)
【エクリプスバイト】
目標の敵に斬属性の3段物理ダメージを与える幻術。
性能的には「70履行」に相当する物理履行だが、習得レベルが少し早く、消費MPも低いもののその分威力に劣る。
レベル上げの最中には大いにお世話になる履行だが、カンスト後にはガルーダのプレデタークローなどに取って代わられがち。
【インパクト】
目標の敵に闇属性の魔法ダメージを与え、かつ基礎ステータス6種(STR・VIT・AGI・INT・MND・CHR)を全て-20する幻術。
火・氷・風・土・雷・水の6属性に比べ、光と闇の2属性は攻撃手段が非常に限られているため、希少性と言う点で非常に重要な履行。
威力面でも申し分なく、召喚獣のTPゲージがマックスだと魔法系履行の中でも最強クラスのダメージをたたき出す。
◆『ディアボロス』◆
闇をつかさどるカッコイイ召喚獣その2。拡張ディスク『プロマシアの幻影』で登場。
VIIIでガーディアンフォースとして初登場した召喚獣で、召喚獣の中ではかなりの後発組。デザインはVIIIのそれをハードに併せてブラッシュアップした感じで、アレンジは少なめ。
悪魔めいたビジュアルに反し、フェンリルやカーバンクル同様の「霊獣」であり、どちらかというと人間寄りの立場をとっている。プロマシアのストーリー内でも登場し、重要な役割を果たす。
性能面では……なんというか「搦め手に富む」というよりは「搦め手しかない」感じで、微妙に痒い所に手が届かない。
独特かつ強力な補助技を多数持つのだが、召喚獣にとってある意味で最も重要な火力に欠ける「テクニシャン」なのである。
・得意技(一部)
【ナイトメア】
目標の敵を中心とした範囲内の敵を、特殊な睡眠「ナイトメア」状態にする験術。
FF11における「睡眠」は毒などのDoT(スリップダメージ)を含めたあらゆるダメージを受けると即起きてしまうのだが、このナイトメアに限ってはそれがない。
例え毒・バイオ・精霊弱体・計略・メルトンの多重DoTを喰らって3秒に1万ダメージの超絶スリップを受けていようが、効果が切れるか他の攻撃で起こすかしない限り決して目覚めることはないのだ。
……と聞くとものすごく強そうに思えるが、実は全然そんなことはなかったりする。
というのもFF11ではDoTはあまり優遇されておらず、LV99以上でまともなダメージソースになるのは赤魔道士のポイズンII、学者の計略・メルトンぐらいしかないからである。
このためどちらかというと、「間違えてスリップダメージを与えてしまった相手を寝かせる」ことに使われることが多い。ブレクガでよくね?は禁句。
【ネザーブラスト】
目標の敵に闇属性のブレスダメージを与える幻術。
プレイヤー側が使える闇属性のブレス攻撃は実質的にこの履行ただ一つといってもよく、ダメージそのものは高くはないものの、独特の利用価値を持っている。
◆『ケット・シー』◆
光を司るキュートな召喚獣その2。拡張ディスク『アルタナの神兵』で登場。
従来の男の子っぽかったケット・シーと違い、どちらかというと女性(メス?)的。なんというかディズニーやティム・バートン作品とかに出てきそうなバタ臭い可愛さの持ち主。
「女神アルタナの涙から生まれた者」を自称する、アルタナストーリーのキーキャクターで、アルタナミッションにおいては終始プレイヤーの相方として活躍することになる。
同じ光属性のカーバンクルとの共通点が非常に多く、基礎性能パラメータも全く一緒だったりする。
しかし実用面ではむしろディアボロスに近いというか、あちらからさらに火力を下げてさらにテクニカルにしたような完全局地戦型となっている。
・得意技(一部)
【ミュインララバイ】
目標の敵を中心とした範囲内の敵のTPゲージを0にし、かつ眠らせる験術。
敵もTPを1000以上をためないと技が使えないため、理論上は敵のTPが1000になる前にこれを当て続ければ、永遠に技を使わせずハメてしまうことが可能になる。
他に類を見ない極めて強力、かつ独特な効果を持つ履行であり、これを主軸に組み込んだ戦術も存在する。
【リレイズII】
戦闘不能になった時に復活できる強化効果「リレイズ」をパーティーメンバー1人に付与する魔法。
勿論マスターである召喚士自身にもかけられるが、それよりも「他人に」リレイズをかけられるという機能が極めて稀少、かつ重要。
◆『セイレーン』◆
2020年2月に追加された最新の召喚獣。元々は大規模最終シナリオ『ヴァナ・ディールの星唄』のキャラだが、プレイヤーが召喚できるのは諸事情によりシナリオ版と別個体となる。
見た目的にはガルーダに似ており同じ風属性だが、色や翼の生え方などが異なっている。
◆『○精霊』◆
スクロール(魔法の巻き物)を使うことで契約できる補助的な召喚獣。○のところには属性の名前が入る。
火・氷・風・土・雷・水・光・闇の8種類が存在し、それぞれ外見は敵モンスターとして登場する8属性の「エレメンタル族」とほぼ同一。
他の召喚獣と違って「履行」が存在せず、戦闘状態に入ると完全に自身の判断で通常攻撃や魔法を使用する。
基本的に戦闘力では他の召喚獣に比べて大きく劣るが、入手が金(ギル)で解決できるため、駆け出しの召喚士はお世話になることも多いかもしれない。
また高レベルになると「エレメントサイフォン」(後述)を使うためのトリガーとして必須となる。
◆『オーディン』◆
御三家やバハムートに並ぶ、FFの看板級召喚獣の一体。拡張ディスク『アトルガンの秘宝』で登場。
シルエットやモチーフは共通ながら、デザインが毎回がらりと変わることで有名だが、11では「白と黒を基調に、金のエッチングを施した豪華な鎧をまとった騎士」という感じ。
またシリーズでは唯一、そのトレードマークとも言えるマントと盾の双方を持っていない。マッシヴな鎧のシルエットも相まって、「神」というより「戦士」に近くも見える。
11における超重要キャラの一人で、本人(?)が初登場したのはアトルガンだが、それ以外のストーリーでも裏側で密かに、しかし黒幕的なポジションにいることが多い。
スペシャルアビリティ「アストラルフロウ」の効果時間中のみ呼び出せるが、他の召喚獣のように呼び出しっぱなしにすることはできず、召喚と同時に究極履行「斬鉄剣」を放って消える。
斬鉄剣は通常モンスターに対しては「範囲内の敵を全員即死させる」という効果だが、当然ながらボス級の敵は耐性を持っていてこれが発動しない。
その場合は「敵のHPに応じた無属性のブレスダメージ」を与える。
状況を選べば非常に強力だが、誇張ではなくて本当に状況を選ぶので、使い勝手は総じて言えば微妙。まあ実際シリーズでもオーディンって使える方が珍しいし……
◆『アレキサンダー』◆
VIで初登場し、そのインパクトのあるビジュアルからか急速に重鎮となった召喚獣。『アトルガンの秘宝』で登場。
「本来の」アレキサンダーは街一つよりも巨大な大きさであるが、ストーリー内で登場する「現代の」アレキサンダーは全高3m程度と比較的小さいのが残念。
思いっきりストーリーのネタバレになるので詳しくは触れないが、「黒き神」オーディンと並び、アトルガンのストーリーでは事態の中核を為す「白き神」である。
オーディン同様、アストラルフロウ中のみ呼び出せる特殊な召喚獣。発動する究極履行は伝統の「聖なる審判」ではなく、斬鉄剣と対照的な防御技である「絶対防御」。
絶対防御は「効果時間中、マスターの残MP量に応じた超防御効果を範囲内のPTメンバーに付与する」というもの。
効果が最大の場合、「あらゆる属性のダメージを90%カット」「即死以外の状態異常を高確率で無効化」という無敵に近い状態が1分間にわたって続く。
タンク(防御役)以外は敵の大技で簡単に即死する11においては凄まじく強力な効果であり、これを前提にした戦術も多数存在する。ライバルのオーディン先生が泣いている。
◆「アトモス」◆
モンスターとしてはVから登場している古参だが、召喚獣として使えるのはIX、XIIRWのみと結構なレアものだったりする召喚獣。『アルタナの神兵』で登場。
「でっかい口のモンスター」という大まかなモチーフこそ受け継いでいるが、カラーリングがいつもの紫ではなく黒を基調にしているため大分印象が変わって見える。
ケット・シー同様にアルタナストーリーの鍵を握る存在だが、彼女の様にプレイヤーの味方というわけではない。
オーディンやアレキサンダー同様、「呼び出しと同時に技を放って消える」タイプの一芸型召喚獣。
しかし前二者と異なり使用にアストラルフロウを必要とせず、1分の再使用時間を待つだけでいつでも使用可能。
出現すると「ディスコントラクション」という相手の強化効果を1つ奪う技を使い、次に「クロノシフト」という技でその効果を周囲のPTメンバーに付与する。
敵モンスターが使う強化技にはこちらより遥かに強力なものが多く、うまく奪えると強力な武器となる。
また通常の強化解除魔法である「ディスペル」などでは消せない効果も奪えるため、単に相手の強化を消すためにも使える。
◆「世界観的には?」
FF11における召喚士とは、この世とは別の世界に住んでいる「大いなるもの(Prime Avater)」と契約し、その力の一部を借りて戦う者を指す。
彼らが住んでいる「別の世界」とは、「星気」と呼ばれる魔力の流れに満ちた異相空間であり、魔法学においては「アストラル界」の名で呼ばれている世界。
アストラル界に吹き荒れている星気の風は人間にとっては優に致死量であるため、その研究は現代でもそれほど進んではいないが、そこに意思を持った「何か」が住んでいることは確実視されている。
特にクォン・ミンダルシアの両大陸に眠る「プロトクリスタル」と呼ばれる巨大な属性クリスタルは、現世とアストラル界をつなぐ特異点であり、
「炎の化身」イフリート、「氷の女王」シヴァ、「百鳥の女王」ガルーダ、「伝説の巨人」タイタン、「隠者」ラムウ、「海の守護神」リヴァイアサンの6体が「眠っている」と言い伝えられている。
彼らの存在自体は古くから認識されており、「アルタナの女神によって天に召し上げられ、神々となった存在」として古来より星座にも擬せられている。
星座にまつわる伝承ではそれぞれの「大いなるもの」の起源(星座となる前)も開陳されているが、それが単なる寓話であるのか、それとも真実の一端を伝えているのか、今のところそれを知るすべはない。
こうした「眠れる神々」は、普段は文字通りアストラル界で眠りについており、自らの意思で現世に干渉してくることはない。
しかし人がプロトクリスタルを介してこれに接触することで一時的に目覚めることがあり、多くは目覚めさせたものの力を試そうと挑戦してくる。
これに打ち勝ってその力を認めさせれば、彼らはその絶大な力の一部を貸し与えてくれる。
勿論これは彼らの力のほんの欠片に過ぎないが、それでも人間には及ばない巨大な魔力を秘めていることには変わりはない。
一方で、これらのアストラル界に眠る神々とは全く別種の、しかし強大な力を持つものがいる。眠れる神々とは異なり、明確な自らの意思を持って動く彼ら5体、つまり
「空の覇者」バハムート、「再生の鳥」フェニックス、「夢の使者」ディアボロス、「星月の導き」フェンリル、「虹の子」カーバンクル
この大いなるもの達は、一般に「霊獣」と呼ばれている。
カーバンクルの言によれば、彼ら霊獣は「ヴァナ・ディール(FF11の世界)の新しい力」であるという。
逆に上記の眠れる神々は「いにしえのことわりに従って生きる命」であり、世界が作られた後に生まれた彼らとは全く異なる存在のようだ。
彼らはヴァナ・ディールに生きる命という点では人間と同種の存在であり、そのためか人間(や獣人)に対して概ね友好的である。
ただしそれは「ヴァナ・ディールを守るという目的を共有している限り」であり、無条件に人間の味方をしてくれるわけではない。
そして彼らもまた、その試練に打ち勝つことによって力の一部を貸してくれることがある。
「冥路の騎士」オーディン、「白き神」アレキサンダー、「暁よりの使者」ケット・シー、「時の審判者」アトモスはこの両者のいずれにも属さない存在であるが、ストーリーの根幹に関わるネタバレになってしまうのでここでは触れない。
◆「召喚士48の必殺技」
【アストラルフロウ】(アビリティ)
召喚士のスペシャルアビリティで、「3分間の間、『召喚獣の維持費がゼロになる』」効果と、『究極履行と呼ばれる特殊な履行技を使用できるようになる』」効果を得る。
究極履行はシリーズ伝統の技である「ダイヤモンドダスト(シヴァ)」「インフェルノ」「アースフューリー」などが揃っており、基本的には「全MPを消費し、範囲内の敵全てに各属性の特大ダメージを与える」効果となっている。
【アストラルパッセージ】(アビリティ)
効果時間中、履行のリキャストがゼロになるアビリティ。効果時間は30秒で、再使用時間は1時間。
ただし召喚獣が履行の命令を受け取ってから発動するまでにはわずかなタイムラグがあるため、実質的には「再使用時間が2秒程度になる」アビリティと考えた方がいいだろう。
……と書くといまいち強さが伝わりにくいかもしれないが、恐らく11に存在するすべてのアビリティの中でも最強の効果を誇る。
前述したとおり、履行の再使用時間は本来ならば1分。つまりこれは言い換えれば、「1分に1回を前提に調節されている威力の技を、2秒に1回撃てるようになる」アビリティなのである。
FF11には数多のジョブと更に多くのアビリティがあるが、火力を30倍にまで引き上げるアビリティなどこれ以外には皆無である。
【エレメントサイフォン】(アビリティ)
召喚している「○精霊」からMPを吸い取り、自分のMPを回復させるアビリティ。LV50で習得する。
当然○精霊を呼び出している状態でしか使用できず、再使用時間も5分と決して短くはない。
召喚士にとっては常時垂れ流しのMPを回復できる貴重なアビリティであり、これに関連する着替え用装備*2を集めるのも重要。
【オートリフレシュ】(特性)
自動でMPが回復していくジョブ特性。LV25で3秒に1MP、LV90で3秒に2MPが回復するようになる。
召喚士の恒常的なMP消費を補ってくれる重要な特性で、全ジョブを見渡しても他にはナイトと青魔道士しか持っていない。
【ニルヴァーナ】(武器)
FF11の最終武器の一つ、「ミシックウェポン」に属する召喚士専用両手棍。
その目玉は何といっても召喚獣関連の充実した性能で、最大強化状態だと「維持費-8MP」「召喚獣のLVを+2」「履行ダメージ強化+20」という怒涛のプロパティが付与される。
さらに装備中は専用の両手棍WS&bo(){「ガーランドオブブリス」}が使用可能になるのだが、これは使用時にTP(技ゲージ量)に応じた「アフターマス」という強化効果が発動する。
この効果は召喚獣の攻撃、勿論履行に対しても有効なため、アフターマスの状態によっては召喚獣の火力がさらに跳ね上がる。
特にゲージ満タンであるTP3000時に撃った時の「時々2-3回攻撃」の効果は凄まじく、物理履行を撃つにあたっては文句なしで最強の武器と言える。
全召喚士のあこがれの武器ではあるが、手に入れるためのハードルは極めて高く、誰でも持てるようなものではない。
【エボカーアタイア】(防具)
各ジョブがLV60でフル装備可能になるジョブ専用防具、「アーティファクト(AF)」の召喚士版。
歴代の召喚士のイメージを踏襲した、頭の「角」が特徴的。柔らかい緑を基調にしたカラーリングや、全体的にゆったりとしたシルエットなども、歴代のイメージに沿っていて評価が高い。
……しかしその秀逸なビジュアルに反し、性能面では全ジョブのAFの中でもぶっちぎりのハズレ装備として扱われている。
というのもなぜかこの装備、「召喚獣の敵対心を下げる」、つまりマスター側がターゲットを取りやすくなるプロパティが付与されているのである。
各ジョブの方針が明確ではない初期に実装されたAFは方向性が迷走しているものも少なくないが、これはその中でも極めつけで、「裸の方がマシ」とすらされるほどの凶悪な逸品である。
当然ながら後に追加された強化版「エボカーアタイア+1」ではがらりと方向性を変えて実用性が増し、LV99以降で強化できる「コンボカアタイア」に至っては完全に実用レベルの高い性能を持っている。
◆「プレイヤー的な意味での召喚士の歴史」
※ここからはややディープな用語が登場します。
1 『ケアルの試練』
IX、Xと召喚士がクローズアップされた作品が続いたこともあり、11の召喚士もプレイヤーの圧倒的な期待の中で実装された。
召喚士へジョブチェンジ可能になるクエストに「カーバンクルの紅玉」というアイテムが必要だったため、それを落とすモンスター「リーチ族」はそれこそ絶滅せんばかりの勢いで狩り尽くされるほどだった。
……が、その性能が知れ渡るにつれ、その期待はもれなく失望へと変わった。
当時の召喚士は
・召喚獣の基礎性能が論外レベルで低く、格上相手にはまったく役に立たない
・幻術・験術の区別がなく、履行はどんなに頑張っても1分間に1回が限界
・カーバンクル以外の召喚獣を手に入れるための戦闘は、LV60以上の6人パーティがほぼ必須の強さ
などと冗談のような性能をしており、「ソロでミミズ*3を狩るぐらいにしか使えない」とすら結論されるほどだったのである。
しかし召喚獣の性能が論外だったからといって、活躍の場がないかと言われるとそうでもなかった。
当時の11は「自力でケアルを使えて、かつMPが豊富なジョブ」、つまりヒーラーが全15ジョブ中2ジョブしかおらず、圧倒的なヒーラー不足に陥っていた。
このためサポートジョブ(11ではメインジョブのレベルの半分だけ、別のジョブの力を組み合わせることが可能)に白魔道士をつけた召喚士は、
レベル上げPTにおいては劣化白魔道士、俗に言う「ケアルタンク」としてそこそこの出番を保持していた。
2 『HNMの試練』
だが「シリーズの看板ジョブがケアルタンクってのは流石にどうよ?」と思われたか、ほどなくして段階的な強化が施され始めた。
特に攻撃面での進歩は著しく、「運用性は低いが、瞬間火力だけはスゴイジョブ」として徐々に認知されはじめる。
特にこれが輝いたのは、その頃から増え始めた「High Notorious Monster」、つまりHNMと呼ばれる「超格上ボスクラスモンスター」との戦いだった。
召喚士が使う召喚獣は
・近接物理アタッカーと違い、撃墜されてもノーリスクの召喚獣だけをぶつけられるので、本体が安全
・遠隔物理アタッカーと違い、TPゲージをためる必要がないので、敵の危険なゲージ技を誘発しない
・黒魔道士と違い、攻撃による敵対心はペットに行くため、ペットを一度消すだけでヘイトがリセットされる
・計算式の仕様上、格上に対して「プライム履行」が強力に作用する
などといったHNM戦にうってつけの性能を持っており、召喚士はこうした状況でのペットミサイラーとして地位を築くことに成功したのである。
しかしその一方で同じジラートジョブの忍者、そしてその得意とする「空蝉の術」の普及によってレベル上げパーティのスタイルが大きく変化し、召喚士のようなヒーラーはその価値を大きく減じてしまった。
この為「育成し終えると確かな地位を確保できるが、それまでが超つらいジョブ」という大器晩成の評が確定的になった。
3 『アビセアの試練』
しかしその後、ゲームバランスを激変させた『アビセア三部作』の実装によって、召喚士も激しい変化の波に巻き込まれる。
当初アビセアエリアの敵は従来エリアの敵に比べて圧倒的に強力だったため、アビセア初期においてはHNM戦に強い召喚士は大活躍することができた。
だがその後アビセアエリア専用の特殊強化効果が普及するに従い、敵以上にプレイヤー側の性能が強力になっていく。
最終的には「敵HNMは強いが、こちらはもっと強い」という、それまで類を見なかった「格下HNM時代」とでも言うべき状態になってしまったのである。
だが召喚士の瞬間火力と安全性は格上戦でこそ輝くものであり、格下相手ではただのDPS(時間総火力)に劣るアタッカー、不器用な万能ジョブでしかなかい。
更に悪いことに、召喚士はアビセア独自の「報酬弱点」システムとの相性が非常に悪かった。
これは特定のWS、あるいは魔法などを特定のタイミングに敵に当てることでドロップする戦利品が激増するというシステムだが、召喚士はその候補となるWSや魔法をろくに持っていなかったのである。
最終的に召喚士は「アビセアでは一切不要なジョブ」としての地位が確定し、しばらくの間底辺に揺蕩うことになった。
4 『獣使いの試練』
色々な意味で世紀末だったアビセアが終わると、それに伴って召喚士の地位も回復……というわけにもいかなかった。
この理由は大きく分けて2つあるが、まず大きいのはモンクや暗黒騎士といった近接アタッカーの地位向上である。
アビセア時代のレベル上限75⇒99への解放、新たなWS「エンピリアンWS」「武神流秘奥義」などの実装によって、近接アタッカーの火力は飛躍的な進歩を遂げていた。
対して召喚士の戦闘力は大した進歩もなく、かつて得意としたHNM戦ですら「雀の涙のような召喚士の火力に頼るより、無理してでも前衛に攻撃させた方がマシ」となってしまっていたのだ。
そして2つ目は、同じペットミサイラーである獣使いの躍進である。
かつてはソロ専門ジョブとして知られた獣使いは、アビセアの前後から大幅な強化を受け続けており、その累積で相当な地力をつけていた。
とりわけ「戦闘にMPを使用しないので、MPヒーラーがいらない」という点は召喚士に比べてはっきりとした優位点であり、またこの時点では火力・耐久力共に召喚獣のそれを上回っていたのである。
この為近接前衛がHNM戦の環境から脱落し始めた時、変わってその地位を占めたのは召喚士ではなく、この獣使いだった。
5 『HNMの試練・改』
しかしその後、召喚士どころか前衛近接アタッカーすらまとめて駆逐する程大暴れしていた獣使いがついに大幅な弱体措置を受けた。
危惧されていた火力の低下こそなかったものの、ペットに攻撃命令を出せる距離が短くなったことで、「本体が安全なところから攻撃できる」というミサイラーとしての重要な長所を失ってしまったのである。
この為召喚士が長きにわたる沈黙を破り、ペットミサイラーとして復活を遂げたのだった。
時を同じくして近接アタッカーも復権を遂げたため極端な寡占状態こそ生まなかったものの、局地戦用ジョブとして充分な地位を確保することに成功する。
さらに復権に伴ってその運用法も再び研究されるようになり、2013年に追加されていた新SPアビリティ「アストラルパッセージ」がにわかに注目を浴びはじめた。
これは前述した通り「効果時間中、履行の使用間隔を0にする」というアビリティで、その効果時間中は、マイティストライク中の戦士すら及ばない超絶的火力を発揮できることが判明したのである。
これに召喚獣の能力を強化する「アストラルフロウ」を併用した通称「フロウパッセージ」は、短期決戦に極限まで特化した超火力戦術として脚光を浴び、召喚士の地位をかつてないほどまでに高めた。
その常軌を逸した火力は、「黒魔道士と学者を中心にした魔法型PTが25分かけて倒す」HNMを、「フロウパッセージ特化PTが僅か30秒で沈めてしまう」ことすら可能なほど。
余りにも強力なバランスブレイカーにも思えるが、
・履行を8~10発も撃つとほぼMPを使い果たすため、何らかの急速MP回復手段(薬品など)が必須
・パッセージの効果時間中(30秒)に削りきれなければ、ほぼ敗北確定
・範囲石化やアムネジア(技を使えなくなる状態異常)、死の宣告を持つ相手だと、召喚獣が機能停止するので使えない
・召喚獣が即死するような強力な範囲攻撃を持つ相手でも、やはり呼びなおしで時間をロスしてしまい火力を発揮できないので使えない
・ペットの攻撃に対して耐性やカウンター、逃走行動などの対策を持っている相手にも使えない
・一度使うと1時間はアビリティが使えないので、何らかの手段でこれを回復させねばならず、連戦が難しい
・「ニルヴァーナ」の有無で大きく火力が変わるが、これを持っている召喚士を集めるのも結構難しい
など前提条件が結構厳しく、使える相手、状況は限られている。しかしそれ故にか弱体化もされず、極めて強力な局地戦術の一つとして認知されている。
そして履行時間短縮装備の充実や、新たなる育成ポイント「ジョブポイント」の実装などによって、汎用ジョブとしてのボトルネックとなっていた「鈍さ」も大きく改善されている。
近年の環境ではもっとも注目されているジョブの一つといっても過言ではなく、ジョブ人口も増加の傾向にある。
◆「有名人」
「きみたちの手で、ウィンダスの未来を……光を、導くんだ。」
「カラハバルハ」Karaha-Baruha (NPC)
タルタル♂。「殉国の隠者」と呼ばれる、ウィンダス「目の院」前院長。
20年前の水晶大戦時、敵軍の攻撃によって滅亡寸前であった聖都(ウィンダスの首都)を、自ら編み出した「完全召喚」によって救った英雄である。
完全召喚とは、通常の召喚が「『大いなるもの』の力の一部を借りて召喚獣とする」のに対し、「現世に呼び出した『大いなるもの』自身と魂を繋ぎ、自分の力として自在に操る」技術。
霊獣フェンリルと一体化することによって得たその力は想像を絶する者であり、聖都を十重二十重に攻囲していたヤグード教団軍・及び闇の王親衛隊を赤子の手でもひねるかのように壊滅させた。
しかし事前に覚悟していた通り、彼自身はその強大な魔力に耐えられず落命。彼と命をつないでいたフェンリルもまた、かつて住んでいたサルタバルタから姿を消してしまった。
FF11における召喚士の代名詞的存在であり、故人にも関わらずウィンダスストーリーの中心人物として回想シーンなどで度々登場している。
そして20年前の世界を描いた『アルタナの神兵』で満を持して登場し、ギャルゲー主人公の如く隠されてきた顔もついに公開されている。過去の回想シーンと顔が変わっているのは内緒だ。
基本的にウィンダス関連のストーリーでしか登場しないにも関わらず、その秀逸な関連ストーリーとキャラクターから、プレイヤーからの人気は高い。超高い。
フェイスとしても実装されているが、システム上「フェイスがペットを呼ぶ」ことができないので、「フェンリルの技を使う白魔道士」とでも言うべき特異なキャラになっている。VSシリーズの試作3号機か何か?
「小生はガリリ。みんなからは魔界幻士って呼ばれてるに」
「ガリリ」Gariri (NPC)
タルタル♀。20年前の世界におけるウィンダス連邦正規軍「戦闘魔導団」の一つ、「天蠍戦闘魔導団」の団長。
元々はウィンダスではなくアトルガン皇国(の保護領)の出身だったが、古文書を研究中に突如アストラル界への門を開いてしまい、「炎の巨人」という怪物に取りつかれてしまう。
この為忌むべき魔道士として近東を追われ、ウィンダスに亡命してきたという経歴を持っている。ちなみにこの手の特異な召喚士は、ウィンダスでは「魔界幻士」と呼ばれている。
この「炎の巨人」は見た目といい性能といいどう見てもイフリートだが、呼び名が違うだけなのか、あるいは似て非なるものなのかは不明。とりあえずゲーム的には完全にイフリートである。
アルタナディスクの主要コンテンツ「カンパニエバトル」に登場する味方NPCで、その萌え語尾のようでそうでないような独特の口調から人気が高い。
黒と召喚士のハイブリッド(あるいは魔界幻士という別ジョブ?)であり、通常の召喚士と異なりマスター側も高位の火系魔法を使う。
ある程度HPが減るとアストラルフロウを使用し、炎の巨人に「インフェルノ」を連発させるが、この状態における火力はカンパニエの全NPCの中でも紛れもなく最強。
「愚かなり……そして、哀れなりや……。せめて人の子たる死を望むならば我が贄となり、不滅なる血に還るがよい。」
「現人神ヅェー・シシュ」Tzee Xicu the Manifest (NPC)
ヤグード♀。ミンダルシア大陸に住む鳥型の獣人「ヤグード族」の最高指導者であり、またその宗教におけるげんじんしん「現人神」でもある。
オーク族の「オーバーロード・バックゴデック」、クゥダフ族の「金剛王のザ・ダ」と並ぶ獣人最強NM「獣人神」の一体であり、通常のヤグードとは異なる専用グラフィックを持っている。
強さはそれほどでもないが、戦利品が微妙な上に出現場所(オズトロヤ城最深部)へのアクセスが非常にめんどくさく、他の2体に比べて人気がなかった……が、その後設定が公開されたことで一変。
・女性
・雛鳥だった頃に戦争で両親を失い、敵の獣使いに捕獲されて調教され「美声の珍鳥」として見世物に
・脱走してヤグードの居住地に逃げ込むも、ヤグード語を話せなかったので異端として殺されかける
・その美声に感動した神聖戦闘楽団(ヤグード族の軍楽隊にして聖歌隊)に助けられ、天才声楽家として名声を博す
・当代の現人神から「その歌は神の領域にある」と神託を受け、次代の現人神に指名される
などと波乱万丈系ヒロインの資質を備えていたことが判明し、ヤグードだけではなくプレイヤーの間にまで多くの信者を生んだ。
そして『アルタナの神兵』では、現人神になって間もない頃の若きシシュ様が登場(見た目は若さがわかんないけど)。おまけに
・神聖楽団にいたころからの親友で、いつでもシシュの身代わりになれるように同じ装束をまとう神殿騎士隊の長(♀)
まで登場し、今度はオズトロヤ城だけではなくキマシタワーまで建てた。
※「満たされタ 項目よリモ 辛く 苦しイ 追記:修正にあリテ 人は 無上の喜ビト 至福を知ルノダ。」
(他ジョブの項目へ)
【スタンドードジョブ】
戦士・モンク・白魔道士・黒魔道士・赤魔道士・シーフ
【エキストラジョブ】
ナイト・暗黒騎士・獣使い・吟遊詩人・狩人
【ジラートジョブ】
侍・忍者・竜騎士・召喚士
【アトルガンジョブ】
青魔道士・コルセア・からくり士
【アルタナジョブ】
踊り子・学者
【アドゥリンジョブ】
風水士・魔導剣士
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▷ コメント欄
- ギリギリ30分に修められたけど、ちょっと詰め込みすぎたかな?分割した方がよかったかな -- 名無しさん (2017-12-21 19:13:40)
- すげー充実してるけどやっぱ召喚獣の項目がある分凄まじい文章量だな でも分割はしなくていいと思う、畳んであって読みやすいし -- 名無しさん (2017-12-21 21:18:34)
- オフだと最強クラスのジョブだけどオンだと11も14も微妙なジョブという・・・システム的に扱いづらいってやつなのかな・・・ -- 名無しさん (2017-12-21 22:14:18)
- エルヴァーンの召喚ポーズがガチョーンに見えて腹筋に優しくなかったなぁ あとなぜか自分のいたLSにメイン召喚士はいなかった -- 名無しさん (2017-12-21 22:47:19)
- 11って敵側の獣人にもいい設定のが結構いるんだよね。ヤグだと過去世界では清純派アイドルって言われてるのに現代だと美貌の詐欺師みたいな扱いのやつの設定が好き。 -- 名無しさん (2017-12-22 00:36:52)
- そういえば、11とは関係ないけど、6では全然召喚獣使わなかったなぁ……。 -- 名無しさん (2017-12-22 14:13:02)
- ちょっと前にセイレーンが追加されたね -- 名無しさん (2020-02-27 03:52:39)
- 最終的に最強ジョブの一角になるのが実にらしい。松井PだからFFの古き良きをわかっているというか -- 名無しさん (2022-12-10 00:55:09)
#comment
*2 11では装備変更にタイムラグがないため、戦闘中は常に最適な装備に着替えながら戦うことになる
*3 敵モンスター「ワーム族」のこと。文字通り地面から生えたでっかいミミズで、他のモンスターと違って戦闘中はその場を動けない
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