弓道(武道)

ページ名:弓道_武道_

登録日:2015/01/25 (日曜日) 00:57:00
更新日:2024/01/12 Fri 10:25:44NEW!
所要時間:約 8 分で読めます



タグ一覧
武道 弓道 弓道部 愛知県 鹿児島県 現代武道 通し矢 磯鷲早矢 飛鷹右京 飛鷹左京 水野翠 ツルネー風舞高校弓道部ー




弓道とは日本の武道の一つ。


▽目次


◆概要

言わずもがなだが和弓を用いて、矢を的に命中させる競技である。


弓の武器としての有用性などについては『』の項目に譲るが、弓矢の歴史が石器時代にまで遡る事から弓道(弓術)の歴史は古く、いつ頃から始まったのかは詳しくは分かっていない。
しかし、現在の弓道につながる弓術の大きな発展があったのは江戸時代初期と言われている。
成人式(最近は成人の日から1週間ずらして行われている)で京都の三十三間堂で行われる通し矢が有名。


ちなみに矢は右手で、弓は左手で持つ。このことから、右手を「馬手 (めて)」、左手を「弓手(ゆんで)」と呼ぶ。


弓を使う競技ということで、アーチェリーとよく比較されるが、競技としての性質はだいぶ異なる。
いろいろ違うのだが、おそらく最も大きな違いはアーチェリーが当たるのが前提であるのに対して、弓道は当たらないのが前提であるということだろう。
この違いが生じるのは、アーチェリーの弓には多数の補助具を付けるのに対し、和弓は基本的に弓と弦だけであることが大きい。


そのため中てるには十分な練習が必要となり、中らないままめげて挫折する人間も少なくない。
また、下手だと顔や腕を弦で打ったりするときもあり、これをやるとメッチャ痛い。


また、競技の特性上事故は即命に係わるので、安全確認にはかなり気を使う必要がある。


一方で、他のスポーツに比べて強い力や体力があまり必要にならないので、一度やり始めれば一生続けることができる生涯スポーツとしての面もある。



◆競技ルール

一回に矢を4本(二手・四つ矢)射るのが基本。2本(一手)しか射らない時もある。
弓道の試合は、個人戦またはチーム(「立(たち)」と呼ばれる)を組んで行う。
一回につき一人4射ずつ行ったのち、相手のチームと交代し、これを交互に繰り返し、何中したかで競う。
例えばこれを5回繰り返せば1人20射、8人立ちなら計160射となり、その中の的中数で競う。
大きな大会では本戦の前に予選が行われることも多く、この場合はノルマを満たした立が本戦に進める形式(例えば4人立で1人4射行い、計16射中10射当てたチームが本戦に進める等)と、上位チームが本戦に行ける形式がある。


チーム戦の場合はポジションにも名前がついており、一番最初に射る選手を「大前」、2番目以下を「二的」「三的」…と呼び、さらに、一番最後に射る人を「落ち」、最後から2番目に射る人を「落ち前」と呼ぶ。
また、奇数人数の場合は真ん中の人間を「中」と呼ぶ場合もある。
基本的に、最初は景気よく中てて流れをつかみたいということと、試合終盤では落ちにプレッシャーがかかりやすいという理由から、大前と落ちに優秀な選手を据えることが多い。


的中(得点)のつけ方は大きく分けて3種類ある。


的中制
最もメジャーな競技方法。
おそらくほとんどの人間はこのルールでしかやったことは無いと思われる。
アーチェリーと異なり的のどこに的中しても点数は同じで、「あたり」と「はずれ」のみで判定し、的中数を競う。



得点制
色的(得点的)を使用する。
アーチェリーと同様に的のどこにあたったかによって特典が異なり、その得点を競う。
国体の遠的競技、実業団の近的競技などで行なわれている。



採点制
的中だけではなく、射形、射品、態度などを総合して審査員が採点する。
全日本男子弓道選手権大会および全日本女子弓道選手権大会で行なわれている。
弓道は後述のように型にうるさいのだが、実は型や射形が勝敗に関係するのはこのルールの時だけである。




また、もし得点(的中)が同じだった場合は、次のような競射と呼ばれる方法で順位を決める。


1本競射・1手競射
主に団体戦で用いられる。
1人矢を1本あるいは1手(2本)持って入場し、その的中数で勝敗を競う。



射づめ競射
主に個人戦の優勝者を決めるときに用いる。
交互に1人矢を1本ずつ射っていく。先に外した方が負けとなる。



遠近競射
主に個人戦の優勝者以外の入賞者を決めるときに用いる。
同じ的を複数人の選手が射り、より中心に近い場所に当てた人物が勝ちとなる。



◆道具


一般に長さ221cmの和弓を用いる。ただし、身長によって長さはやや異なる。
本来は竹弓だが、グラスファイバーやカーボンのものも結構多い。
学生が弓道部に入った場合は弓は大抵の場合は学校の物を借りて使用する(個人で弓を持っているならそれを使用するのももちろん可能)。
種類によって癖がかなり違うので、自分に合った弓選びは割と苦労する。




これまた竹製、ジュラルミン製、カーボン製などがある。
また、ターキーや鷲など矢羽根にも様々な種類がある。
曲がったり、羽根が損耗したりするので、結構買い替える必要がある消耗品。
当然だが良い(高い)ものほど長持ちする。



ゆがけ
弓を引く際に馬手(右手)にはめる手袋。革製。
手になじむまで時間がかかり、これを変えると違和感がハンパ無い。




これまたさまざまな種類がある。直ぐに伸びたり切れたり細くなったりするので、一番頻繁に手入れを行う必要がある道具。




白地の中心に黒丸の入った「星的」と同心円が描かれた「霞的」が一般的。
この他にも得点制で使われる「色的」や遠近競射用の輪廻眼みたいな的がある。
余談だが「図星を突く」などで使われる「図星」とは元は星的の中心の黒点の名前で、それが語源になっている。



服装
道着と袴の弓道着を着用する。また、高位の段位審査や正式な場では和服を着用する場合もある。
黒い袴に白い上衣が基本だが、それ以外の色の弓道着を着用する人もいる。
女性の場合、安全のために胸当てをつけることもある。
弓道は屋外で行う場合がほとんどなのだが、弓道着は夏暑くて冬寒い。



◆射法八節

弓道の最終目標は正しい射で正しく中たること、すなわち「正射正中」である。
弓道には様々な流派が存在するが、現在ではほとんどの弓道家は流派には所属せず、全日本弓道連盟の定めた「射法八節」という射法で行っている。
ただし、別に各流派と弓道連盟が対立しているという話はない。


射法八節は以下の八つの動作からなる。


足踏み
矢を射る場所から的に向かって両足を踏み開く動作。



胴造り
両脚の上に上体を安静におく構え。足踏みと胴造りがしっかりしていないと体が安定せず、まっすぐ矢を飛ばすことができない。



弓構え
弦・矢を保持する動作。馬手で弦と矢を構える「取懸け」と弓を握っている弓手を矢を射る構えに整える「手の内」の二つの動作からなる。
特に手の内は弓道で最も難しい動作であるとされている。



打起し
弓矢を持った両拳を上に持ち上げる動作。



引分け
打起こした位置から弓を押し弦を引いて、両拳を左右に開きながら引き下ろす動作。




弓を引き切り、矢を狙っている状態の事。
これがあまりにも短かったり、あるいは引き切る前に矢を放ってしまうことを「はやけ」と言い、良くないとされている。
逆に踏ん切りがつかなくてあまりにも長すぎてしまうような人は「もたれ」と呼ばれ、これもやはり良くはない。



離れ
矢を放つ動作の事。



残心
矢が放たれた後の姿勢。心を的に向け続けていくことが大事。
より良い離れを出すためには、きれいな残心を意識する必要がある。



また、射法八節も「礼射系」と「武射系」の二種類が存在する。
「礼射系」は体の正面にて取懸けて構えて弓矢共々両拳を垂直に持ち上げ、弓を引いてくるやり方。
「武射系」は左斜め前に弓を押し開き、左前方に打起したのちに弓を引いてくるやり方。
礼射系の方が多数派で、アニメや漫画で弓道のシーンがあった場合はほとんどが礼射系である。



弓道は正直射形にはかなりうるさいが、実際の所「正しき射は必ず中る」という意味の「正射必中」という言葉があるように、きれいな射形を常に意識することは上達への最も確実な早道であることは間違いない。
綺麗な射形を保つには、自分で常に射が正しいか否かを反省することはもちろん、友人や先輩後輩、あるいは指導者の人に見てもらったりすることも大切。




一方で基本的に射形が勝敗に影響することは無いので、「どんな射形だろうが……最終的に…当たればよかろうなのだァァァァッ!!」という考えの人間もたまにいる。
ただ、射形が汚い人間は中てっていても大抵はバランスの釣り合いで「当たっているだけ」な場合が多くいろいろな弊害が生じる。


例えばそういう人間はちょっとしたバランスの変化で中らなくなる場合が多く、成績や調子の波が非常に大きくなる傾向にある。相手や試合の種類にもよるが、「調子がいい時は20射で18~20中できるけど、悪い時は20射で6~8中でござる」では試合の選手には正直非常に起用しにくい。
また、同様の理由でちょっと力んだだけでも中らなくなったりするので、本番に弱くなりやすい。
さらに一番まずいのは、そうした人間は一度中らなくなると本人も見ている人もどうして中らなくなったのか、どこが悪いのかがさっぱりわからないことである。
そうなると下手すると年単位の大スランプに陥ることも少なくない。
なのでやはり射形がきれいであるにこしたことは無い。
射形が汚くて地獄を見るのは自分である。経験者が言うんだから間違いない。


また、段位の習得には正しい射形が必須となる。



◆弓道をしているキャラ

絵としてはやや地味なので、弓道メインの作品自体はあまり多くないが、
漫画やアニメなどでの扱いは割とよいほうで、メインキャラが弓道部に所属していることも少なくない。

キャラ名等登場作品等備考
鳳凰寺風魔法騎士レイアース
水野翠アイドルマスター シンデレラガールズ
神樹はじめあんさんぶるガールズ!
青木れいか/キュアビューティスマイルプリキュア!
夜久月子Starry☆Sky
宮地龍之介
犬飼隆文
重藤秋穂ガールフレンド(仮)
不破渓士ボーイフレンド(仮)
佐々木千穂はたらく魔王さま!
三枝みこかみちゅ!
一橋章吉
椎名京真剣で私に恋しなさい!!
綾崎若菜センチメンタルグラフティ
有吉樹奈地球少女アルジュナ
岳羽ゆかりペルソナ3
祇堂鞠也まりあ†ほりっく
宮代花梨水月
珠瀬壬姫マブラヴ
ツバキラピスリライツ
美綴綾子Fate/stay night
間桐慎二
間桐桜
衛宮士郎
藤村大河
美遊兄Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ~雪下の誓い~
間桐桜
園田海未ラブライブ!アニメ版のみ
桐生美也ヘブンバーンズレッド「百年にひとりの逸材」として日本代表に選ばれたこともある。
風舞高校弓道部員、他弓道関係者ツルネー風舞高校弓道部ー綾野ことこ原作のライトノベル及び京アニ製作のアニメ。この項目のほぼすべてが出てくる純粋な弓道物語


◆余談

愛知県鹿児島県が弓道の盛んな地域として有名。




×的を得た ○的を射た内容の追記・修正お願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,2)

[#include(name=テンプレ3)]


  • きちんとした型で射るのは時に窮屈に感じるかも知れんが調子狂ったときの修正が滅茶苦茶楽。教本読んでその通りにやりゃいいだけだから -- 名無しさん (2015-01-25 01:14:39)
  • 高校受験の時期に、友人に誘われて高校見学に行った時、そこの弓道部で体験させてもらった。構えるまでは良いんだけど、矢がポロっと落ちてまともに射れなかったww -- 名無しさん (2015-01-25 01:28:50)
  • 違反コメントを削除
  • 突っ込む人にも二種類あって、楽しみながらネタにするのと専ら叩き目的のがいる。前者なら問題無いが、後者と前者を混同して槍玉に挙げちゃうと可笑しい事になってしまう。某界隈の騒動は二度と御免だよ -- 名無しさん (2015-01-25 09:14:33)
  • 弓道経験者だが二次の弓の構えとか割とどうでもいい。おれ他人にどうこう言えるような射してないし・・・(小声) -- 名無しさん (2015-01-25 09:41:49)
  • 艦これでの一航戦の皆さんの奮闘で、弓道の人気が出てくるかもね。 -- 名無しさん (2015-01-25 10:18:41)
  • 男の娘が主役の漫画あったなー -- 名無しさん (2015-01-25 10:20:50)
  • 2↑構え叩きが暴れた結果逆に弓道アンチが増えてしまったでござる -- 名無しさん (2015-01-25 11:00:19)
  • 違反コメントを削除
  • 艦これはもう他のことで荒れすぎてて弓道ネタなんてみんな忘れている気がする -- 名無しさん (2015-01-25 11:25:56)
  • 違反コメントを削除
  • 洋弓の方が使いやすそうあばイメージ、和弓は無駄にでかい…… -- 名無しさん (2015-01-25 22:27:01)
  • ↑使いやすそうな -- 名無しさん (2015-01-25 22:33:51)
  • 弓道警察は分けて作ったほうがいいかもしれんね。いちいち出てきてめんどくさいし -- 名無しさん (2015-01-25 23:22:22)
  • 冬寒いってのはツラいよホントに。雪吹き込むし練習でも足袋だし。おかげで冬場誰も練習こなくて一人黙々とできたけど。 -- 名無しさん (2015-01-25 23:58:14)
  • 違反コメントを削除
  • 和弓が当たらないのは補助具よりも弓自体の形状が大きい。洋弓が基本的に握りを中心として上下のバランスが等しいのに対して和弓は握りより下が短く上が長い形状であり、素人が引いてもまずまっすぐ引くこと自体が難しい。だから弓の引き方や射形が重要視される。 -- 名無しさん (2015-01-26 08:22:05)
  • 弓を扱う競技には流鏑馬もあるけど、流鏑馬の弓の射方は弓道と同じ? -- 名無しさん (2015-01-26 08:48:06)
  • ↑2つまり武器としては洋弓の方が使いやすくて優秀ってこと? -- 名無しさん (2015-01-26 09:28:55)
  • まあ、対立はしてないよね。弓道強すぎて、ほかの流派は弓道場つかえなくしたりしてるぐらいだし・・・ -- 名無しさん (2015-01-26 11:19:26)
  • 女性が胸当て無しで弓道やるとどうなるかは、こち亀で麗子が(両さんに頼まれて)体張って証明してる。うずくまる程だからかなり痛いんだろうな… -- 名無しさん (2015-01-26 16:07:43)
  • 競技者に年寄りが多いからのんびりした雰囲気の道場が多い。癒されるよ。 -- 名無しさん (2015-12-03 22:20:01)
  • 稀に高校の部活でも「こいつ生まれる時代間違えてんじゃね?」ってレベルの人間いる。射づめ競射で延々とサバイバルしている奴らとか -- 名無しさん (2015-12-03 22:40:11)
  • また再開したいけど絶対に学校の部活ではやらんわ。どいつもこいつも中るかどうかばっかり気にしやがって。学生スポーツのノリで弓道やるんじゃねぇっての。 -- 名無しさん (2016-12-27 11:15:02)
  • 他の武道と一緒で、本来人間をぶっ殺すためのものだと思ってた。 -- セイ (2019-01-02 02:13:55)
  • 遠くの的をあてる感覚を知りたいから、アーチェリーでもいいから一度やってみたい -- 名無しさん (2022-02-21 19:07:20)
  • 現代でも一部の流派はバリバリ実戦向けの教えをしている。一般的な構えと全然違う。 -- 名無しさん (2022-02-21 19:10:41)

#comment

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧