アナベル・ガトー

ページ名:アナベル_ガトー

登録日:2009/11/04 Wed 22:23:54
更新日:2023/09/28 Thu 13:11:33NEW!
所要時間:約 22 分で読めます



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0083 おでこ オールバック アナベル・ガトー ガンダム エースパイロット 大尉 少佐 軍人 デラーズ・フリート 武人 ロン毛 大塚明夫 最強のオールドタイプ候補 ガトー ガンダム試作2号機 ノイエ・ジール gp02 女の名前なのに……なんだ男か ジオンには武人はいるが軍人はいない ガンダム登場人物項目 人気キャラ テロリスト コメント欄ログ化項目 ソロモンの悪夢 ジオンの侍 公式で25歳←老け顔 歩く故事成語辞典 おさむらいバカ





再びジオンの理想を掲げる為に!


星の屑、成就の為に…!



ソロモンよ!私は帰って来た!




アナベル・ガトーとは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の登場人物。
CV:大塚明夫
年齢は25


◇搭乗機
リック・ドムRS型
ゲルググ
ガンダム試作2号機
ノイエ・ジール



概要

ジオン残党であるデラーズ・フリートの一員で一年戦争時に「ソロモンの悪夢」と恐れられ、
連邦軍の現代戦史の教本にも載ったエースパイロットで撃墜数200機とされている。正式なスコアは100機程度らしい。
一年戦争時の階級は大尉だったが、後に少佐に昇進。


デラーズ紛争でも3年間のブランクを思わせないような技量を見せつけた。
いくらジオン系の技術が色濃いとは言え、連邦製の新型MSを初搭乗で十分に乗り回してみせるなど、屈指の操縦センスを誇る。


しかし普段からソロモン付近で活動していて連邦のMSとは交戦機会などほぼなかったため、ソロモン撤退戦とア・バオア・クーだけでどうやって100機も落としたのかは他のエース以上にかなりの謎*1
ちなみにジオングで出撃したシャア・アズナブルは、ア・バオア・クーでMS18機と戦艦4隻しか落とせていない。
多くのMSで武装するジオン軍を相手に、多くの戦場で戦い無双したアムロ・レイでさえMS142機、艦船9隻にとどまるのに、たった二回の出撃でその六割が達成できるはずがない。弾切れの問題もある。
しかも二戦目は最後の方まで戦っているわけではなく、機体の損傷の影響で途中で手近な船に着艦し、そこでデラーズに一緒に撤退すべきと説得されたため、その後は戦闘せずに終戦を迎えたはずである。


…そういえば地球連邦側に「一年戦争時のMS撃墜数149機」というすごい記録を持つパイロット(テネス・A・ユング*2)がいるのだが、これについてのフォローに「ジオン軍の空母などをMSに出てくる隙を与えずに艦船ごと撃破」という戦法で稼いだ*3という説明がされたことがあるので、もしやガトーもそう言う方法で荒稼ぎしたんだろうか…


ぶっちゃけて言うとスタッフ座談会がソースらしいので、上司の「ヒゲに二時間」と同じく実際はネタに近いと思われる*4
いちMSパイロットに過ぎないのに連邦軍の教本に載っているので、連邦でも最大限の評価がされるほどの人物であるのは確かだが*5、後付け設定が追加されない限り、撃墜数の矛盾が解消されることはないだろう。



劇中での活躍

一年戦争

ドズル・ザビが指揮する宇宙攻撃軍第302哨戒中隊隊長として、ソロモンを中心とした宙域で活躍。
ソロモン撤退戦ではア・バオア・クーへ撤退するドロス級空母二番艦ドロワを中心とした艦隊の殿を務め、ジム部隊を全滅または壊滅状態に追い込むなど連邦軍追撃艦隊に多大な損害を与えた。*6


この時の搭乗機はリック・ドムもしくはゲルググと言われているが、
現在はリック・ドムに乗っていて、ソロモン撤退後にゲルググ乗ったことになっている。


PS2版ゲーム『めぐりあい宇宙』では、青と緑のリック・ドム(ビーム・バズーカ装備)に乗り、アムロと交戦している。
ちなみにゲームにそのシーンのアニメムービーも収録されている。
部下に奨められ撤退したが、アムロは「もう少し戦っていたらどうなっていたか」と発言している…とは言え、原作アムロの化け物っぷりを考えるとちょっとアレ*7
これらの件についてはファンから評判が良いとは言えない。但し、あくまで本ゲームにおける設定という点には留意されたい。原作でどうかは不明。


ア・バオア・クー防衛戦には青と緑のパーソナルカラーに塗り分けられた専用のゲルググで参戦していたが、戦闘中に乗機の右腕に被弾。


修理を受ける為、偶然近くに居たエギーユ・デラーズの乗艦、グワジン級戦艦グワデンに着艦する。
だが、デラーズは戦闘宙域からの撤退を決定していたため修理を受けられなかった。
止むを得ず艦のドックに残されていたプロトタイプリック・ドム(ドム・フュンフという説もある)を強奪……もとい乗り換えて出撃しようとするが、デラーズに説き伏せられ、ア・バオア・クーの戦線より離脱する。
この際乗ろうとしたプロトタイプリック・ドムは、小説版ではデラーズ専用機になっている(ランバ・ラルに供与されないほどドムが足りないというのに、どうせ乗りもしない人によくMSを与えたものだが……)。
尚、彼のゲルググにダメージを与えたのはアムロの流れ弾と言われている。


その後暫くは、月で潜伏生活を送る。
その時にニナ・パープルトンやフォン・ブラウン市に滞在していた戦友であるケリィ・レズナーと交流があった。


宇宙世紀0081年9月17日にデラーズ・フリートに復帰。



デラーズ紛争

0083年10月13日、地球連邦軍トリントン基地にバルフィッシュと言うコードネームを使用し、ニック・オービルの乗るジープで潜入。
変装用の連邦軍の制服を利用して、同基地からガンダム開発計画の機体・Mk-82核弾頭搭載のガンダム試作2号機を強奪。
追撃を振り切りながら、アフリカ方面へ逃亡する。
アフリカでのアルビオンとの戦闘には脱出用のHLVに乗り込んでいたため参加せず、キンバライド鉱山基地司令ノイエン・ビッター少将の時間稼ぎにより宇宙に脱出する。
またその際ビッターからダイヤモンドを譲り受ける。


その後、ガンダム試作2号機を駆りコンペイ島(ソロモン)宙域で行われた連邦軍の観艦式を襲撃。
集結していた連邦軍艦隊の3分の2(実質的に連邦軍艦隊の半数以上でグリーン・ワイアット大将搭乗の旗艦バーミンガムペガサス級グレイファントム含む)を航行不能に陥らせた。
核攻撃の直後、追撃してきたコウ・ウラキガンダム試作1号機フルバーニアンとの一騎打ちに突入するが、
予想外の苦戦を強いられた結果相打ちとなりガンダム試作2号機は大破してしまう。


その後、アクシズ先遣艦隊から提供されたノイエ・ジールに乗り、デラーズ・フリートの最終目的である地球へのコロニー落としを成功させるため出撃する。
地球軌道上での戦闘ではシーマ・ガラハウの裏切りによるデラーズの死を乗り越え、連邦軍が切り札として展開していたソーラ・システムⅡのコントロール艦を破壊し、コロニー破壊を阻止。
さらにコロニー内部のコントロールルームに進入し、コロニーの最終軌道調整を自身の手で果たす。
この時ニナと再会するが、コウにその隙を突かれ脇腹を負傷。
その後はニナに助けられるも、彼女を巻き込まない為に気絶させカリウスに預ける。
そして連邦軍艦隊の包囲網から逃れるチャンスを無視し、コウとの最後の一騎打ちへと突入する。


戦闘は最初こそ劣勢だったが相手の最大火力武装のメガビーム砲を防げる機体なので大した損害はなく、試作三号機のIフィールド発生装置を壊してからは優勢に転じた。
最終的に弾薬の尽きたコウを捕獲したが、バスク・オムの味方の損害も無視したソーラ・システムⅡの第二射を受ける。
この一撃により機体が中破。コウも行動不能になるが、あえて止めを刺さずにその宙域を去る。


残存した味方部隊とともにアクシズ先遣艦隊へと到達するため連邦の包囲網を突破しようとする。*8
しかし、圧倒的多数による攻撃に加え、機体・心身ともに消耗が激しく、各所に被弾。
味方機が次々脱落する中、雄叫びを上げながらサラミス級宇宙巡洋艦に特攻を仕掛け戦死した。



名セリフ

「この機体と核弾頭は頂いて行く!」


「このアナベル・ガトーは、3年待ったのだ!」


「君も将校なら、もっと大局的に物を見ろ!」


「所詮は連邦と言う看板がなければ何もできん奴らめ!」(連邦とジオンをひっくり返してみると、誰かさんにも当てはまるのではないだろうか?)


「それは一人前の男の台詞だ!」


「連邦の亡者め…薙ぎ払ってくれる!」


「いつぞやの男か!?」


「ウラキと言ったな……二度と忘れん!」


「ウラキよ、貴様は何の為に戦っている?答えられるか!」


「我らは真の解放を掴み取るのだ。我が、正義の剣によってな!」


「鎧袖一触とはこの事か」



キャラクターの評価

一本気な人物として根強く高い人気のあるキャラなのだが、同時に所属するデラーズ・フリート(の中核メンバー)は、思想的には選民思想に基づく独裁を標榜し、大量虐殺を指揮したギレンの信奉者である。
そして自身も「大義」と言いつつやっていることは「MS強奪」、観艦式…つまり「戦闘地帯ですらない場所」に「奇襲をかけて」「核兵器使用」、「コロニー落とし」行動とそれに付随する理念は完全にテロリストのそれ*9
かの連邦の凶悪司令官と完全に同レベルである。
MS強奪はともかくとして*10大規模虐殺については批判対象として槍玉に挙げられることがかなり多い。核兵器行使はもちろん、コロニー落としもれっきとした南極条約違反の行為であり、連邦を悪し様に言う資格などガトーにもありはしない。
特にコロニー落としに関しては、アニメ本編だとコーウェンが一言呟くだけで描写が終わったのに対し、後年の漫画などでは地上に居る一般人に明確に害が及ぶ描写があり、「コロニー落としによる被害」といった負の面が補完されるようになっている。*11


また自身の言動や行動とは裏腹に特別な目的もなさそうであり、デラーズに従っているだけの印象が強い。自らの言う大義や理想についても、抽象的な表現や会話に終始し、明確な説明がないどころか想像での補間すら難しい。ヒトラーの尻尾(ギレン)の尻尾(デラーズ)の尻尾(ガトー)と言う位置付けになる。
そもそもデラーズはギレン親衛隊、ガトーはドズル直属という経歴のため事前の面識もなかったはずであり、長くとも一週間ぐらい*12の付き合いであそこまで感化されるあたり、感情的で流されやすい節もある。
まあ互いに勇名を馳せていたであろうことから、多少は知った仲であったかもしれないが。


他にも「汚れ仕事を命じられていた」存在が理解できないのか、シーマを終始軽蔑している(特に小説版の記述ではより顕著)。
かなり初期からシーマに対しては辛辣で、デラーズへの心酔ぶりがなおさらこれを引き立てている。
とはいえシーマも、敵味方問わず略奪対象にして宇宙海賊として名を馳せていたり、ガトーのムサイにわざとリリー・マルレーンをぶつけようとしたりしているため、シーマにも明らかな非はある。また、実際に裏切っていたので懸念は正解だったのだが……どちらかといえば直感が正鵠を射ていた、というほうが正しい。
これはガトーだけの問題ではなく、デラーズ麾下の艦隊特有の大義に陶酔しがちな雰囲気は、一年戦争時から辛酸を舐め続け暗部ばかりを見せつけられてきた現実主義のシーマらにとっては失笑ものというべき光景で、このような面も重なりジオン時代からシーマが裏切る下地が形成されていった要因と思われる。


そして連邦に対しては旧敵国という事情を考えても、異常なまでの差別意識を向けており、徹底的に見下している。
「ジオンの魂」は連呼する割に、連邦の人間に対しては魂どころか人間扱いすらしない。
たまに認める相手がいても「腐った連邦にしては」などの枕詞が必ずといっていいほどつく。怨恨たっぷりに。
一部のセリフは本人にもブーメランとして反ってきている。
スペースノイドの自治独立を阻む、アースノイドの代表としての連邦を指していると思われるが、無論連邦にも上から下までスペースノイドは大勢所属している。
有態に言えば、なにごとにも「主語が大きすぎる」のである。この辺りも、彼らが核攻撃やコロニー落としという最も極端な凶行に至った所以であろう。


大義、ジオンの魂と言った言葉を口にするが、スローガンやプロパガンダ以上の内容が語られることは無く、問い詰められ続けると、語る言葉など無いなどと対話を打ち切ってしまう。
単に一年戦争に負けたことを認められず、駄々をこねているだけのようでもある。
実際にリメイク漫画版ではグリーン・ワイアット大将から「一年戦争の敗北を受け入れられずに宇宙を徘徊していた連中」と喝破されている。
本質的にはコイツみたいなもんである。


と同時に、連邦やシーマ艦隊等、自分が敵と認めた存在には強烈な悪意を向ける彼であるが、その中にあっても実力ある者の力量は素直に称賛する度量も持ち合わせている。
連邦のコウ・ウラキについては言わずもかな、嫌っているはずのシーマですら「歴戦の武士(もののふ)」と称し実力自体は認めている。
コウなどは当初「未熟」など散々に貶していたところから、自らを追い詰めるほどに急成長した存在として、直接顔を合わせ「二度と忘れん」と宣言するほど一目を置いた。敵国軍人に対しては最大級の評価と言っていいだろう。
他にもアルビオンに対し「連邦にしては」という枕詞が付くがその仕事ぶりを認め、高い能力を持つ人間には多少惹かれる傾向にある。
ジオン系の技術や意匠が顕著な試作二号機を目の当たりにした際は、彼の美的センスにも感ずるところがあったらしく「連邦にしてはなかなか」と気に入った様子を見せている。
その真っ直ぐさが彼の美点であり欠点であり、その双方がオーバーウェイト気味に現れてしまったのが、ガトーというキャラクターの評価に繋がっていると言えるだろう。
『0083』公開時にはインターネットは普及していなかったので、こういった彼の側面が語られることは少なかったが、簡単に意見が述べられる現代ではいささか様相が異なる。
そのため現在ではエギーユ・デラーズと並んで毀誉褒貶の激しいキャラクターでもある。
彼らをどう好悪するも各人の自由であるが、それを表明する際には注意しよう。同じ数だけ反対の意見を持つ者が存在するのである。


とはいえ2018年5月5日に放送された全ガンダム大投票では今なお根強い人気を維持している。
総合部門のキャラクターランキングでの順位はあらゆるガンダムシリーズのキャラクター中で第8位。
この順位は宇宙世紀を扱った作品ではアムロとシャア、カミーユに次ぐ順位と言われればその凄さはよく分かるだろう。
宇宙世紀でも屈指のエースパイロットであることと、劇中での鬼神の如き闘いぶり(と、ふんだんに熟語を用いた舞台風の科白回し)に惹かれる者は今も絶えず、熱きジオン魂は決して潰えていないことを見せつけた。



他媒体での活躍

各種ゲームでは大体原作どおりの状況から登場するのだが、スパロボや一部Gジェネ等では、状況によっては「ジオンの子」であるシャアから
「スペースノイドの独立はザビ家やそれに毒された思想では成せない」等と説かれ、より大きな視野*13を持ち、
今の状況から脱却するように呼びかけられたりすると、動揺したり心を動かされたりするなど、
完全にザビ家&デラーズを妄信して会話不可能ではないとする作品もあり、そういった作品では大抵はフラグを建てると仲間になることも多い。
特にギレンに関しては、デラーズを始め「ギレンのために散った部下」をギレンが「使い捨てのコマ」のように言い表したりすると、彼に怒りをあらわにして決別するケースすらある。


ただどの作品でも「とにかく連邦政府が嫌い」と言う性格をしているため、一度説得しただけでは完全に心が動かず、複数のフラグを建ててやる必要がある。
さらに「ジオンの正統な子であるシャアが決起すると付いていく」という描写も多く、スパロボでは下記のような状態になったりする。地球環境のために隕石落として地球環境破壊するとか良いのか?それで…*14。もっとも核弾頭使用やコロニー落としも平然と決行する男なので原作のイメージとかけ離れていないのがある意味で困ったところ。
仕えるべき主君とスペースノイドの開放、打倒連邦を求めてさ迷い歩くその姿は、まさに漫画家の松浦まさふみ氏のガトー評を借りれば「おさむらいバカ」のそれと言える。
…なお、当のスパロボのプロデューサーを務めていた寺田貴信氏は「ガトーはハマーンともシャアとも共闘しそうじゃない」とぶっちゃけてたりするので、大人の都合も大きそうである。


◆Gジェネレーションシリーズ

パイロットとしてはもちろん指揮や魅力など全体的に優れ、UCのオールドタイプの中でも上位クラスに位置付けられることも多い。
ヤザンのような他の強豪OTに比べると本編でNTと戦っていないことから疑問を呈する声もあるが、作中では最後まで最強であり続けたことが大きいのかもしれない。
『F.IF』以前だと戦闘系ステータスはW勢を超え、NT補正を抜きにすればCCA版のアムロやシャアにも匹敵するほど。
…まぁ、NT補正の影響力が大きすぎて実際には圧倒的な実力差があるし、そうでなくとも東方不敗よりは遥かに弱いが。


演出面でもGP02でのソロモン強襲がムービーになったり一年戦争に参加していたことから出番も多く、色々とコウより目立っている。
GジェネNEOではイベントムービーでクワトロの乗る百式と戦い、
「お互いが決定打だと思った攻撃を悉く避け合う&致命傷にならないため決着がつかない」という破格の扱いのムービーが用意された。
GジェネDSでは序盤がジオン視点でストーリーが進むため、一年戦争時代の彼や専用ゲルググも自軍で使用出来るだけではなく、
ソロモンを舞台に彼とドズルとノリス*15の3名だけで戦うという漢臭いステージも用意されている他、
星の屑作戦が原作と違う終わり方をしたため、Z期になっても生存しており、ハマーン率いるアクシズ軍と合流してるのだが
グレミーの反乱等で自身の在り方に疑問を持ち、様々な人物から戦闘前会話*16で説教されたり、説得を受けて自軍に降ったりしている。


他にもプルとの戦闘会話ではエゥーゴ(プレイヤー)に対して「こんな子供を戦場に出すなぞ言語道断!」と啖呵を切ったはいいのだが、
ジュドーに「プルは元々ネオ・ジオンの人間だ」と言い返された際に、薔薇の騎士やおっぱいオバケを脳裏に浮かべたガトーが、
「確かにネオ・ジオンのカラーだ…」とぐぬぬな感じで言い負かされる彼には珍しいコミカルなシーンがあったり、
アクシズ軍がザフトと同盟を結んだ事でゲイツR(ナチュラル用OSに書き換え済み)に乗ることになる際には、
コーディネーター用MSを平然と操るナチュラルの彼から「(OSの書き換えは)君には不要かもしれないがね」なんて言われるシーンもある。


スーパーロボット大戦シリーズ

初登場となるウインキー時代では「異星人」という地球人類の共通となる明確な敵が居り、ガトーの所属するDCは「脆弱な連邦政府の代わりにこれを討つ」ことを目的としているため、
状況によってはプレイヤー部隊と共闘しようとするなど、原作に比べると話がわかる面もあるが、
最終作である「第四次」「F完」では連邦政府のやり方に賛同できず、また敵勢力に鞍替えしている。(ここから条件を満たせばまた味方になる)
上記のような「自らが望む大儀」「連邦嫌い」の為、スパロボシリーズ全体を通して、条件を満たせば仲間になるものの終盤や続編で裏切り再び敵となるというケースが多い。
特に『IMPACT』隠しマップにてクワトロことシャアと共に裏切り、敵となる。
その時、なんとガトーのレベルは99サザビーに乗ったシャアより強いです、はい。
育て方にもよるが、ダンクーガが一撃で落とされるのは驚愕を通り越して爆笑ものである。


ウインキー時代では世界観が原作どおりではなく、『EX』では「あのような物騒なものは、そう使うものではない」とアトミックバズーカを使うことを恥じて封印処置を施している*17など話がわかる面も多いが*18
ただしF完ではドズルの忘れ形見をハマーンが担ぎ出したため、ミネバを守るためにあえてDCに出戻っており、ロンド・ベルと戦うことすら本意ではなかった。
初登場マップで12ターン経過するとオリジナルキャラのリューネが登場し、其処からなぜか話がこじれ「ドズル閣下を愚弄するか!」とロンド・ベルへの敵意を固めてしまう。*19
αシリーズだと自己の主張に固執するあまり論点を摩り替え*20たり自分の事を棚上げにするような*21言動が目立っているためプレイヤーからはあまり良い印象は持たれない。
もっとも最後の戦いでは、幾多の戦いで成長し、自分を筋の通った論説で説き伏せたコウの賞賛、シャアの最終決戦に付き合う形で潔く散ったため
コウからの評価は悪くなく、『第3次α』でも「力を貸してくれる良き霊」の中に居るような描写が差し込まれた。


ちなみに『64』では「地球がすでに異星人に占領された」所から話が始まる異色の話であるため、ガトーも風変わりな登場の仕方をしている。
風変わりさが斜め下過ぎてクワトロに「馬鹿な真似をする」「運が良ければ救助されるだろう」と自分が助けに行く気ゼロで呆れられた


ソーシャルゲーム(現在はサービス終了)『Card Chronicle』では一年戦争の時代から試作2号機に搭乗しているものの、
ギレンの策略によりそうとは知らずデギン公王を巻き込む核攻撃を敢行させられるという災難に見舞われた。Gジェネといい忠臣をもっと大切にしてあげて下さいギレン閣下*22
この時ばかりは流石のガトーも深い心の傷を負ったらしく、その直後に転移したバイストン・ウェルで傭兵稼業に身をやつしながら死に場所を探し流離うという状態に陥ってしまった。
つまるところ、原作におけるシーマの境遇にガトーが陥ってしまった訳で、両者の原作における境遇を考えるとある種の因果応報を感じさせる展開である。
その後は自軍部隊との交戦で命を落とすも、後にイベント「放たれたタマシイ」でノリス・パッカード共々死者として一時的に復活、自軍に協力した。


同じくソーシャルゲームの『X-Ω』では2019年4月度に『0083』が期間限定参戦したのに伴い登場。
原作におけるソロモンへの核攻撃直後に外宇宙からの侵略者が殺到したという状況でシナリオが開始するため、
一時だけとはいえコウ達と共に侵略者相手に共闘するという潔さを見せた。


◆機動戦士ガンダム(セガサターン)

ア・バオア・クー戦において、色こそノーマルだが、画面の背景ですごい勢いで連邦の部隊を蹴散らして離脱していくゲルググ*23が存在する。
ゲームのアニメを担当していたのが0083のスタッフであったことから、お遊びでガトーのような存在を差し込んだのではないかと言われている。
また、PSのゲーム「パーフェクト・ワン・イヤー・ウォー」のパラレルモードでは、史実と違う展開になったりすると
0083やMSVの面々と共に敵として出てくるサプライズ出演を果たしている*24


GUNDAM WAR

戦闘修正が2、2、2、でNTを持たないという宇宙世紀作品に登場するキャラクターの中ではかなり稀な戦闘力。ガトー以外にはヤザン・ゲーブルくらいである。
能力もユニット破壊からガンダム奪取に戦闘破壊無効と豊富
そして各種専用機は赤のベルガ・ダラスのテキスト(名称:ベルガのユニットを配備エリアに出す。ゲルググアナベル・ガトー機。・はカード名に含みません。ノーベルガンダムも同じ。)で出すことができる


また、28弾ではACEとしてガンダム試作2号機と共に収録されることが決まっている


機動戦士ガンダム カードビルダー

キラ加工がされたレアカードの軍服、パイロットスーツ版。レアリティが若干低い連邦制服の三種類のガトーが存在する。
ただこの中で一番強いのは制服ガトー(他2枚も決して弱くないが)。
他と比べ能力は少し低いが、潜入時のコードネームかつ専用能力である「バルフィッシュ」を持っている。


その内容は「連邦の機体、武器カードを無償で1枚だけデッキに組み込んで使用できる。」という非常に強力、かつ汎用性が高い物。
(通常はジオン側で連邦の機体や武器カードを使用できない。特殊なカスタムカードなどをつけなければならないが、デッキコストがかさむし、編成の自由度も失われる)


制限が非常に緩かったので、高性能なGP03を鹵獲してガーベラテトラのビームマシンガンを装備したりと戦略の幅を大きく広げ、高値で取引された。


機動戦士ガンダム Extreme vs.

無印より試作2号機で参戦している。
リリース当初からの登場だが他作品との掛け合いは少なく、原作通り試作1号機のウラキを青二才と詰る台詞や、次回作EXVSFBで追加されたシーマ・ガラハウに対して嫌悪感を表すものが主体。
EXVSFBの家庭用DLCからはゲルググ搭乗時のガトーも登場。こちらは掛け合いが豊富で幾分か物腰が柔らかい。新米伍長を気遣い、赤い彗星には敵対しても敬意を表し続けている。
一方でキシリア派のマ・クベに対しては猜疑心を隠さず、離反したドアンにも見放したような態度を取る。シーマに対しても裏切り者とは罵らないが、海兵隊への黒い噂を信じているようでもある。


余談だが、EXVSMBONまで格闘CSでビームサーベルを最大出力にすると、\ミヨッ!/と喋る。

◆機動戦士ガンダムU.C. ENGAGE

「ソロモンの悪夢」の異名がついたソロモン撤退戦をイベント化。
このイベントでもリック・ドム(ビーム・バズーカ装備)を駆っての登場。
イベントの最後ではショートアニメも付いており、直接の戦闘はないが不死身の第4小隊がガトーの猛撃を目撃し、バニングが「コイツは・・・悪夢だ!」と驚愕するシーンがある。



余談

「アナベル」というのは完全に女性の名前。語源は「愛すべき」という意味。ちなみに苗字のガトーは「雄猫」という意味らしい。
こっちのニュータイプのファーストネームは実際は男にも使われているもの(日本語の「薫」みたいな感じ 例:聖闘士星矢 ファイアーエムブレム)なのだが、アナベルはどうしようもない……(日本語ならさしずめ「猫田愛美」か?)。


良くも悪くも豪胆で、理想に直情的な男であるが、高い階級とそれに見合った操縦技術には誇りがあるらしく、後に連邦軍の制服を着る際に「大尉の軍服しかなかったのか?」と言うなど変なところにこだわっていたり、嫌いな連邦兵であるはずのコウとMS談義をしたりもしており、なんだかんだで人間臭いところもある。


ことぶきつかさの描いた0079の最終決戦時の漫画『12月31日の決意』では、出撃前にドロワで新兵と交流しており、
ガトーが新兵の事を気にかけ、ドロワの防衛のために奮戦する一コマが描かれている。
「大儀や正義」ではなく「戦友の為」に荒ぶるこのガトーは忌憚なくかっこいい。ファンは一読の価値がある。


長谷川裕一の描いた短編『バカがボォルでやってくる!』(単行本『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』に収録)では一コマだけ登場。
ソロモン攻略戦に際して、当時連邦の少尉だったウモン・サモンが戦場に持ち出したBガンダムの存在によってもたらされた「誤報」を鵜呑みにしてしまい、
アムロの操縦するガンダムをソロモンに素通りさせてしまうという迂闊な一面を見せている。おおおオフィシャルではございませぬぞ


アナベル・ガトーのモデルは声を担当した大塚明夫氏であるとのこと。
大塚氏の髪の色を変え、髭を無くすとガトーになるらしい。


また、メタルギアシリーズのスネーク役に大塚氏が抜擢されたのは、小島秀夫監督曰わく、このアナベル・ガトーを見て決めたとのこと。
敵の基地に単独潜入して核搭載の二足歩行兵器を奪い、核をぶっ放した人間が、敵の基地に単独潜入して核搭載二足歩行戦車の核発射を幾度なく止める側になるとは……。


ちなみにGジェネシリーズでは0083の元ネタとなった『ガンダム・センチネル』のキャラ「マニングス」を演じているが、何の因果か彼は連邦軍であり、地球への質量攻撃を身を挺して防ぐという役柄である。
Gジェネシリーズにて映像化していないキャラのCVは別作品に出てくる声優陣が充てられるのはよくある事だが、ここまで皮肉に塗れた配役は存在していない。
しかし全く真逆というわけではなく、主人公の超えるべき壁であり最終的に超えられなかったという共通点はある。





再び項目の追記、修正をするために!


良項目、作成の為に…!


アニヲタよ!私は帰って来た!


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*1 彼に限らずジオン軍エースの撃墜数はいかがわしい設定が多い。中には「ずっと宇宙の前線にいた(※ルナツーさえ僻地で、ジムの配備は地上が優先されていた)」「大戦末期は本国の教導隊にいた(前線不参加)」のに、なぜか「MSを196機も撃墜した」なんていう変なのもいる。というか連邦がMSを戦場に投入し始めたのが大体終戦の3ヶ月前なのにどこでどうやって稼ぐんだそのスコア。
*2 アニメ版には登場せず、『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』やギレンの野望シリーズに登場。
*3 こういうカウントがありなら、ジオン軍の空母で最大のドロス級は「MSを最大182機収納できる」という設定なので、半分ぐらい搭出撃済みでもこれ1隻で90機近く撃墜になってしまう。
*4 ちなみにこの手の「撃墜スコア」ネタだと、作中の活躍具合がはっきりしていてごまかしが利かないシャアは、GMやボールで武装した連邦軍と最低三回(ジャブロー、コンペイ島近海、ア・バオア・クー)戦っているが毎回すぐにガンダムと対峙して撤退するということを繰り返しているために落とした機体数が少なく、実力は高いもののランク外になっている。
*5 教本に載った件については、ソロモン戦後の追撃部隊を彼の活躍で阻まれたことが要因かもしれない。退却戦の殿が多大な危険を伴うのは今も昔も変わらない。対して連邦軍はMS配備後、困難な退却戦をしたことがない。ただ、この時の追撃部隊はティアンムが戦死しまともな統制下にあったか疑問であるし、追撃可能な位置にいた=前線から外された2線級部隊だった可能性もあり、連邦の失態を誤魔化すための過剰評価の可能性も残る。戦後に敵軍を再評価し、逆説的に自軍の評価につなげるのは現実でも見られる論法である
*6 この時、「ソロモンの悪夢」の異名が付き、8隻の戦艦を撃沈したと言われている
*7 当時のアムロがどれぐらいかというと、ゲルググに乗ったシャアと調整万全のエルメスで武装したララァが二人掛かりでも勝負にならないレベル。
*8 連邦側からは「無駄死にはするな」と投降を勧告されたが、ガトーをはじめとしたデラーズ・フリートの行動を鑑みれば、仮に投降したとしても身の安全が保障されるかどうか疑わしかったと言える。無論、捕虜の待遇について定めた戦時条約の南極条約など適用されるはずもない
*9 一部ファンからはこのテロリスト呼ばわりについて「テロの定義として『攻撃の物理的な成果よりもそこで生ずる心理的威圧や恐怖心を通して、譲歩や抑圧などを図るもの』とあるためデラーズ・フリートの目的を考慮すれば正確にはテロ行為ではない」と擁護される事もある。とはいえそのデラーズの目的かつ実際に成したことがコロニー落としという「正規の戦争行為から外れた条約違反の破壊」で、それを知っていてそれを果たすための撹乱としての大量殺戮という行為が決して褒められたものではないのも事実ではある。
*10 ガンダムのお約束なのでスルーされがちだが「軍服や階級章等を自軍以外のものに偽造して潜入行動」というのも現実の世界では立派な条約違反で(現実の軍事作戦でも行われることはあるが)バレたらただではすまない「卑劣な行為」である。
*11 また地球の空軍パイロット達がそれに対して戦闘機による「意味の無い」ミサイル迎撃しか出来ず「住人を助けられなかった悔い」を生じさせるなど、直接被害を受けた者以外にも間接的にダメージを与えている描写もある。
*12 ソロモン陥落(12月24日)からア・バオア・クー攻略(12月31日)時点
*13 特にスパロボでは地球人類共通の敵がわんさか居るため。
*14 流石にこれで敵ながらも正統性はあると主張するのは困難だと判断したのかスパロボでは別の理由で落とす場合も多い
*15 ちなみに彼が駆るのはケンプファー。妙に似合っている
*16 フラグに必須な物ではない
*17 『第3次』でアトミックバズーカを使ったのも、バスクと異星人の会談をブチ壊しにするためという緊急事態のためだった。後に『F完結編』で普通にロンド・ベルにブッパしてくるけどな!
*18 それでも第四次ではジャミトフ等への反発でデラーズ主導のコロニー落とし作戦に参加している
*19 ゲーム内のテキストデータでは話がこじれず、「ハマーンからミネバを奪還すればいいだろう」と説得されてロンドベルに部下のカリウスと共に降るという流れがあったのが確認できる。この流れが没になってなければ歴代でもかなり素直なガトーになっていた。
*20 『α』での核バズーカ後のスパロボ主人公との会話。
*21 『第2次α』でのゼクスへの嫌味。
*22 そもそもガトーはギレン麾下ではないから、彼からは「名前しか知らないドズルの残党」ぐらいにしか見ていないのだろう。
*23 こちらが干渉する事は出来ない
*24 ただし0083やMSVの声はオリジナルモードで『機動戦士ガンダム』のモブや脇役をやっていた声優が兼任しており、原作どおりではない

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