登録日:2010/03/14(日) 02:57:26
更新日:2023/10/02 Mon 12:56:00NEW!
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正式名称:
東京都青少年の健全な育成に関する条例
その名の通り青少年を健全に育成することを目的とした条例。『青少年健全育成条例』の一種でよくある条例だが、
2010年に自民党・公明党が東京都議会に共同提出した改正案の内容が問題となっている。
※注意※
この項目の内容は偏った視点で書かれている恐れがあります。
興味を持った方はこの項目以外からも情報を集め、自分で総合的に判断することをお勧めします。
■以下改正案の一部コピペ
第七条中「青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同条に次の各号を加える。
一 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの
二 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは
性交類似行為を不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの
第八条第一項中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等の著しく社会規範に反する性交又は性交類似行為を、著しく不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく妨げるものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの
「……いいですか?……ああいったゲームや漫画や、それに類する諸々は、この世にあってはいけないものなんです!
欲しがる人も、作る人も、みんな同罪の犯罪者予備軍! きちんと規制して、厳しく取り締まるべきものなんです!」
東京都青少年育成条例について、
新垣あやせ
簡潔に言うと暴力シーンや反社会的な内容を含んでいたり、
18才未満に見える人物の性的な描写を含む漫画(但し電子書籍は除く)・アニメ・ゲーム・映画・小説等を検閲、発禁にする条例。
11月の改正案ではさらに、近親相姦・強姦・反社会的な内容を含む場合は年齢を問わずNG、
発売後の作品も対象となり、実写に関しては何故か少し軽減されている。
要するに、石原都知事の一存で表現の規制を行える条例。
「でもこれは東京都だけだろ?俺は地方に住んでるから関係無いや」
甘い……甘いぞ……!!
出版社はほとんど東京都にあり、発禁にされたものは流通されないので、実質全国的な規制となりうる。
更に他の県に波及させ、結局は将来的には全国規制にするつもりらしいため、児ポ法の布石となるかもしれないのだ。
当然の如く違憲だが、お偉方は何事もなくこの条例を通してくるだろう。
戦後60年間に違憲判決は9回しか出ておらず、この手のものは違憲が出にくいことを考慮すると、確実に違憲判決は出ない。
仮に違憲判決が出ても、違憲判決を勝ち取るためには十年単位で裁判をしなければならない。
その間にもサブカル文化は廃れ、我々の次の世代はアニメや漫画を知らない世代となるだろう。
- ワンピース(暴力、喫煙、エロ)
- ドラゴンボール(暴力)
- ドラえもん(暴力、エロ)
- となりのトトロ(ロリ、エロ)
上記などの国民的アニメも準ポルノのように扱われてしまうかもしれない。
「ははは!!大丈夫!我らには、
この作品の登場人物は全員18歳以上です
という魔法の言葉があるじゃないか!」
……などとのんきに構えてはいけない。
登場人物がいくら18歳以上だろうと、彼らは見た目や声で判断するのだから。
どれだけハードボイルドな作品でも
「顔がちょっと若いな」→18歳以下
「スカートがちょっと短い」→性的な表現
として差し止められる可能性がある。
作者が自分のアンチだから……など、少なからず他目的に転用されるであろう。
あまりの条例の酷さに、東大法学部教授・長谷部恭男氏も表現の自由が行政により阻害されることに危機感を表し、
婦人会からも都が親権レベルで子供のインターネットの管理を行えるというのは家庭内教育を後退させると非難。
多くの有識者のみならず高校のPTAも反対している。
賛成する都小学校PTA協議会は加入団体が少ないのに、都全体の小学校を代表しているようにメディアで吹聴している。
更にこの団体の関係者は今回の条例の答申を作った東京都側の関係者である。
彼らと規制推進派は私立の幼稚園と小学校の保護者から賛成の署名を求めて活動中。
反対の表明は、反対派の民主党都議に手紙を送り活動を応援するのと、
都知事および党を挙げて可決を推進する都議会自民党や公明党に規制反対の手紙を送るのが効果的である。
サブカル文化は日本の誇る文化であり、日本経済を支える巨大な柱である。失われてはならない。
サブカル産業会や出版社も動いているが圧倒的に力が足りないのが現状である。
後悔したくなくば、今動くべきである。人は余裕がなければ生きていけないのだ。
また、抑圧された環境で育った児童が「自然な環境で育成された青少年」となるのか甚だ疑問。
作る側のモラルも重要だがそれ以上に大事なのは受け取る側のモラルである。
それを置き去りにしての規制はただの「責任転嫁」と言わざるを得ない。
てか、暴力的で反社会的で性的で少女の価値5000円程度しかないとした小説「太陽の季節」を書いたのは何処のどなたでしたっけ?
この改正案を一片でも正義と思っているなら、反対派に「自由を履き違えている」等と言う前に、
まず自身の著作が当時の若者たちに悪影響を与えたことを詫び、自ら率先して廃刊にし全国から回収して処分するのが筋ではないか*1。
作者の石原都知事自身は多感な少年時代を大東亜戦争の時代に過ごした。
終戦時中1だった彼の家は基地の隣町にあり、隣町では飛行場へ学徒出陣し、戦場へ飛び立つ飛行士たちの姿が――彼は命を賭して戦いに臨む彼等の姿を見て「暴力はいけない」としか思わなかったのだろうか?
あるいは都知事引退後語ったという中2時代の「東京裁判」傍聴、「敗者」となった為政者たちが「勝者」によって裁かれるのを見て「勝ち組のエゴ」を感じなかったのだろうか?
おまけに彼の口から、
「私はああいうのは見てないし、見ようとも思わないのでね、なんなら記者君が差し入れてくれないか」
との発言まで飛び出した。ダメだこいつ。
また2010年当時副知事だった猪瀬直樹氏(歴史・経済作家)は自身のブログで「エロの他に〈ロリ〉規制が増えるだけじゃね?(意訳)」等と呑気な事をブログに書き残している。
なお、改正案に対する民主党・共産党による強い反発により改正継続審議となり、今期の成立は見送られる可能性が強まった。
しかし、廃案に追い込まない限り安心はできまい。規制派はまたしてもこっそりと案を通過させてくる可能性が高い。
要するに反対の姿勢をコンスタントに示し続け、封書や手紙、メールを怠らず、この条例の情報を広め続けることが必要。
この条例を廃案にすることで児ポ法制定論議時に、過去の判例という点で有利に働く可能性もある。
危険を広めたい一心でいい加減なことを言わないように。
しかし数多の反対も虚しく2010年12月13日に行われた都議会総務委員会採決では賛成多数で可決(初期案よりは「非実在青少年」が削除される等多少穏便(?)になったが)、15日に開かれた本会議で可決・成立した。
2011年7月に全面施行され、2012年に石原氏が国会に戻るため都知事を自主退職した後も条例は変わらず存在、
そして2014年ついにこの「2010年12月改定版基準」裁定による「不健全図書」に『妹ぱらだいす!2』漫画版が指定され、自主回収されてしまった。
…実使用された時、既に施行時の知事・副知事が共に都政を去った後だったのがなんとも…。ていうか、表現規制の前に「資金規正条例」作っとけば後後のためによかったのに。
◆余談
ちなみに、発案者の都知事が運営委員長を務める東京アニメフェアは条例に反対する企業の相次ぐ不参加表明により、
実質実行不可能に追い込まれ…。
…るかに見えたが、都知事の見栄で開催決定。外国企業も出展するなか、日本が晒す恥を考えると気が滅入る話であるのだが。
…と思ったら不参加を表明した企業に協力を求めていた事が発覚した。
反対派は「アニメ コンテンツ エキスポ」を開催するも、第一回開始直前に東日本大震災が起きて直接対決は幻に。
結局発案者が都政を去った後、2013年を最後に「東京アニメフェア」・「アニメ コンテンツ エキスポ」は終了。2016年現在は東京都が主催から外れた「AnimeJapan」に受け継がれている。
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