登録日:2021/08/23 (月) 01:51:23
更新日:2024/06/03 Mon 13:43:51NEW!
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tbs タクシードライバー タクシー 二時間ドラマ ドラマ 月曜ゴールデン 国産自動車交通 余貴美子
月曜ミステリー劇場→月曜ゴールデンで放送されていたタクシードライバーを主人公にした2時間ドラマシリーズ。実力派女優の余貴美子が主人公の春成衿子を演じる。
月曜ゴールデンが廃止となったため全7作を最後に新作は放送されなくなったが、時々思い出したように再放送されている。
建設会社に勤めていた夫を理由のはっきりしない死で喪い、タクシードライバーとして食い扶持を稼ぐ春成衿子が夫の死の真相を夫の後輩の新聞記者と共に探り、その中で別の事件に遭遇し、真相へと迫るサスペンスミステリー。
同じくタクシードライバーが主人公のタクシードライバーの推理日誌と異なり、作風は非常にシリアス。衿子はあくまでも夫を謎の死で喪いその真相を知りたい立場にある一般人で面識のある警察官や刑事は登場しない。
作品の舞台となるタクシー会社は練馬区に実在する国産自動車交通(東京無線加盟)
2021年現在もバリバリ営業中で高級車のレクサスを導入するなど明るい話題も多いが、ドラマの中に出てきたクラウンやセドリックはジャパンタクシーへの置き換えにより数を減らしている。
◆登場人物紹介
◇春成 衿子(余貴美子)
「明日?そんな先のことはわからないわ」
国産自動車交通に勤務するタクシードライバー。建設会社に勤めていた夫が河川改修工事に関わる贈収賄事件に関与していたのではないかと疑われ、赤城山で死亡しているのが見つかる。
夫を喪った後国産自動車交通に入社してドライバーとなり、夫の後輩で新聞記者の宮本と共に死の真相を追い求める。第6作目でキャリア10年目を迎え、ホームヘルパー2級の資格を取得している。
初期の頃は表情の変化が少なく、取っつきにくい印象を与えていたが、第6作目で明るく社交的な雰囲気に変わった。
担当車は東京無線カラーの774号車。1~3作目ではクラウンコンフォートだったが、第6・7作目ではクラウンセダンスーパーデラックスとなっている。制服は白いシャツにベストと臙脂色のネクタイの組み合わせ。
愛車は赤のミニクーパーで、オフの日はこれに乗って出かけている。
◇大城 重雄(北村総一朗)
国産自動車交通の営業課長。主な仕事は朝礼の実施、当直、入社希望者の面接など。
家族は娘の由紀子(演:濱田マリ)と第3作のラストで生まれた孫の耕平(演:秋元黎)が居る。
◇近藤 太一(佐藤二朗)
衿子の同僚ドライバー。
酔っぱらい客に車内でゲロを吐かれる(しかも2度も)、タダ乗りされて逃げられる、自殺志願のおっさんに捕まって2時間をフイにする、駐車中の車両に追突させるなど散々な目に遭うことが多いが、同僚が行方不明になった際にはチラシを自作して車内に掲示するよう大城課長に掛け合った。
副業で大同交通で配車係をやっていた。
◇長嶋 満夫(斉藤洋介)
衿子の同僚ドライバー。近藤が酔っぱらいに車内でゲロを吐かれた事を愚痴っていた時には「目の前に厄介そうな客が居たら回送に変えろ」というタクシードライバーがやってはいけない乗車拒否紛いのアドバイスを送ったり、勤務中にパチンコ屋へ入ったりとお世辞にも勤務態度は真面目とは言えない。
ただ第6作目で孫が生まれてグランパと呼ばせると息巻き、以降は真面目に仕事をするようになった。
◇河野 利治(増田由紀夫)
衿子の同僚ドライバー。弁護士志望で、風呂に入っているときも司法試験の参考書を手放さないが試験結果はお察し。
近藤と同じく副業で大同交通の配車係をやっていた。
制服は緑のジャケット。
◇滝口 龍二(蟹江一平)
衿子の同僚ドライバー。タクシードライバーになる前は大学で心理学の准教授として勤務していた。助教授と言われると機嫌が悪くなる。
◇甲田 市郎(酒井敏也)
衿子の同僚ドライバーで、衿子が国産自動車交通に入社した時に衿子の指導を担当した。タクシードライバーになる前は食品会社に勤務していた。既婚者で、幼稚園教諭の妻の慶子(演:中島ひろ子)は妊娠している。
第1作で東京無線カラーのセドリック1974号車で出庫するが、中野区内の公園付近に車だけを残して失踪する。失踪直後、下世話な同僚達は妻を捨てて浮気相手と逃げたと噂していたが……。
行方不明の真相は妻が勤務する幼稚園の理事長夫人に殺害され、人気のない空き地に遺体が埋められていたというあまりにも悲しすぎるものであった。
◇宮本 幸治(村田雄浩)
衿子の友人で亡き夫の後輩。
新聞記者を務めているが、社会部キャップをぶん殴った事で生活部に飛ばされた。生活部へ飛ばされた後も社会部の後輩達を利用して衿子が遭遇した事件の情報を仕入れている。衿子に気があるようで…。
第6作でシンガポールの外報部への辞令が出て異動するも最終作で帰国。
余談だが、衿子と宮本の演者は朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」では夫婦役だった。
◇春成 正浩/晴彦(田中健)
衿子の夫で物語開始時で故人。生前は建設会社「結城興建」で営業部長の役職に就いていたが、河川工事を巡る贈収賄事件への関与が疑われ、赤城山で死体となって発見される。
警察は捜査の結果事件性のない自殺と断定したが衿子は夫の死は自殺ではないと考え、友人の新聞記者の宮本と共に真相への手掛かりを探し求めている。
第1作と6作での名前は正浩なのに2作から5作では晴彦になっていた。
その死の真相は第6作で明かされた。
河川工事を巡る贈収賄事件の渦中にあった結城興建。会社を救うには全てを告発するしか無いと考えた正浩は検察に全てを話そうとしていた。
しかし贈収賄の真相を告発されると会社が吹き飛ぶ。銀座のスナック地中海のママ山岸美佳(演:りりィ)は結城興建会長の結城秦一郎(演:近藤正臣)と非常に親しく、会社が吹き飛べば自分の店が危うくなる。
そこで正浩を弱い立場の人に説得させることを正浩の部下の坂下(演:小林隆)は思いつく。正浩は上の強い立場の人間の理不尽な要求は断るなど強気になれるが、下請けなど弱い立場の人の頼み事は断りにくいということをよく知っており、孫請けの藤田工電社長の藤田(演:螢雪次郎)を正浩達のいるスナック地中海へと呼び出す。
しかし藤田が必死に正浩を説得するも決意は非常に固く、美佳の合図で藤田が正浩を殺害。死体を赤城山の崖から突き落とすことで検察の取り調べを前にして自殺したかのように偽装した。
◆シリーズ一覧
- 殺意の交差点
2003年9月10日放送
ある日の夜、大城課長から衿子のところへ1974号車が中野区内の公園付近の道路に違法駐車されているから見てきて欲しいという連絡が入る。衿子が様子を見に行くが、運転していた筈のドライバーは居らず1974号車がスーパーサインを点灯させたまま佇んでいただけ。
翌日、営業所では1974号車のドライバー、甲田が行方不明になったと大騒ぎ。衿子は大城課長と共にタコグラフや営業日報を元に当日の行動範囲を割り出そうとし、秋葉原から池袋まで実車という事までは判明したが、以降は実車記録がないため行方は掴めず。
甲田の失踪した日に池袋のラブホテルで男が殺された殺人事件が起き、警察は甲田の失踪もそれに絡んだものではないかと睨み、捜査に入る。衿子は甲田の失踪した日の昼間に乗せたド派手な格好の女性客が何か知っているのではないかと考えるが……。
- 作られた目撃者
2004年7月26日放送
衿子はある日の深夜、目の前で男が轢き逃げされる光景を目撃。すぐさま救急車を要請して相川病院へと搬送されるのに同行。轢き逃げされた男、遠藤(演:大地康雄)が手当を受けている間に大城課長が病院へ遠藤の息子の健太(演:菅原隆一)を連れてやって来た。
幸いにも遠藤の怪我は右足の骨折だけで、短期入院をすることとなり、衿子が健太の面倒を見ることになった。数日後、衿子が相川病院を訪れると遠藤が「自分の娘が医療ミスで殺された!」と大騒ぎし、別の病院へと転院するところを目撃する。
遠藤は転院先の病院で衿子に相川病院での騒ぎについて話をした。その頃、若い医者の熊井(演:池内万作)の焼死体が品川の舟艇倉庫付近で見つかる。熊井の遺体は全焼した車の中から見つかったのだが、その車は何と遠藤を轢き逃げした車で……。
- 届かなかった手紙
2005年2月28日放送
衿子は乗務中とある居酒屋への配車要請の無線を拾う。そこでは大城営業課長が他の客と口論になっていた。何でも娘の結婚話が不満で、悪酔いしたのが原因だという。大城課長と同席していた長嶋に頼まれ、口論相手の仁科(演:大杉漣)を送っていくこととなる。
仁科は行き先を「新宿方面」とだけ言って黙り込み、車内はラジオの音が流れるだけ。しかし突然仁科がラジオのボリュームを上げるよう身を乗り出してきた。その時ラジオパーソナリティが読んでいたのはタクシードライバーと結婚することになった女性の手紙であった。
その頃、同じ番組を衿子の同僚の近藤がラーメン屋で聞いていた。近藤はそのラーメン屋の娘の多恵(演:篠原ともえ)に片想いしていたが、タクシードライバーの大田(演:葛山信吾)がやってきて仲の良さそうな2人を前にして失恋を覚る。
それから数日後、営業所に刑事がやってきた。公園で男が殺害され遺留品に国産自動車交通の領収書が含まれていたのだ。しかも殺害された男は衿子が乗せた仁科。あの夜、ラジオに異様に反応した仁科とラーメン屋で失恋を覚った近藤の話を合わせると多恵と殺された仁科は父娘ではないかと衿子は考える……。
- 殺意を運ぶ紙ヒコーキ
2009年3月9日放送
乗務を終えて営業所に戻った衿子を整備士の本橋(演:萩原聖人)が待っていた。本橋はバツイチで子持ちの女性千尋(演:栗田麗)と真剣な交際の末に結婚間近であった。
そんな2人に会いに本橋の両親幸造(演:織本順吉)と芙美(演:高田敏江)が夜行バスで上京してくる。しかし待ち合わせの時間になっても本橋はやって来ず、現住所を知らない2人は営業所を訪ねるが、本橋は無断欠勤しており、携帯電話も繋がらなくなっていた。
大城営業課長と相談した衿子は2人を本橋の家へ送り届けるが、程なくしてやってきた警察官が昨夜発生の殺人事件の犯行をほのめかす電話が本橋の名前でかかってきた事を伝え……。
- 車載カメラは見た!
2010年11月29日放送
ある日、衿子は偶然にも中学時代の同級生亜弓(演:高橋惠子)を乗せる。亜弓は化粧品会社の社長を務め、自らもテレビに出演する売れっ子。数日後に会った2人は互いの身の上話に花を咲かせ、その時亜弓は世間に公表していない娘の存在をこっそりと明かす。
亜弓に誘われて中学の同窓会に参加した衿子。会が盛り上がる中、衿子の携帯に大城課長から「同僚の阿部(演:モロ師岡)が遺体で見つかった」という電話が入る。
すぐさま営業所に向かった衿子だが、身寄りがなく携帯すら持っていない阿部のことを深く知る者はいない。ただ分かる事はタクシーの車内防犯カメラに覆面をした女子高生グループに暴行を受ける阿部の姿が記録されていたことと営業所のロッカーから少女のスケッチ画が見つかったことだけ。
阿部の死の真相と女子高生との関係は……。
- スカイツリーは見ていた!
2012年1月16日放送
結城興建が倒産したというニュースが世の中を駆け巡った頃、衿子は以前建設会社に勤務していた坂下という男性を乗せ、目的地の住宅街でそそくさと車を降りていった。
それから数日後、大城課長から営業所に衿子のことを訪ねてきた妙な男が来たという話を聞かされる。衿子は直感でそれが坂下だと思い、以前坂下を降ろした住宅街へ向かうと人だかりが出来ていた。何と坂下は自宅で何者かに殺害されていたのである。
その時家から出てきた坂下の妻静恵(演:阿知波悟美)衿子の目が合い、衿子は殺された坂下が亡き夫の直属の部下であったことを思い出す。
捜査が進むに連れて坂下が事件の前日に女とスカイツリーを見ていたという目撃証言が上がる。衿子は真相を解明するべく静恵の勤め先を訪れ、静恵や雇い主の藤田(演:螢雪次郎)から話を聞く。そうこうするうちに坂下と会っていた女が銀座のスナックのママ山岸(演:りりィ)であると判明し……。
- 小さな乗客 断ち切られた家族の絆
2014年9月1日放送
養成講座と保育実習を終えたドライバーが妊婦の外出サポートや子供の習い事の送り迎えなどをする子育て応援タクシーの仕事に衿子は充実感を覚えていた。
ある日、大城課長の孫の耕平(演:秋元黎)の送迎を依頼された衿子。ところが英会話教室への送り迎えを頼まれたはずなのに、耕平から芝浦へ行って欲しいとせがまれる。その理由は別居中の父・周一(演:ほっしゃん。)に日曜参観のお知らせを渡したいためであった。
困った衿子が課長に相談すると孫の言う通りにして欲しいと言われ、耕平の記憶を頼りに周一の住むアパートへと到着。言葉を交わしたのだが、その直後に国際投資会社社長・吉本(演:高橋和也)殺害事件の重要参考人として周一は警察に連行されてしまう。
吉本は架空の高配当を謳って資金を集めた詐欺の疑いがあり、被害者の会が結成されて周一もそこに加入していた。話によれば周一は投資した金を取り戻そうと吉本と何度もトラブルになっていたらしい。衿子から顛末を聞いた大城課長は周一への疑いを晴らすべく被害者の会へと出向くが、そこで倒れてしまい……。
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