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更新日:2024/02/09 Fri 11:18:59NEW!
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亜人種とは、文字通り人類の亜種・近似種を指す言葉である。
ただし学術的な用語ではなく、対象となるのはエルフやケンタウロスなど神話・伝承、それに創作文化などに登場する架空の種族となる。
【概要】
神話・伝承などにはしばしば、人間に近い外見や知性を持ちながら、一目見て人とは違うとわかる別種の生き物が登場する。
彼らは体の一部が動物のそれだったり、体型や体質・寿命などが人のそれと大きく違ったりしているが
たいていの場合人と意思疎通できるだけの知性を有しており、人類と共栄したり敵対したりしながらも
人間たちと関わりあいながら暮らしていたと伝えられている。
亜人種とは、世界中に存在するそのような種族の総称である。
エルフやホビット、ノームにドワーフといった比較的人間に近いものから
オーク・ゴブリン・オーガなど一目見て明らかに人とは違うと知れる醜く凶暴な種、
ケンタウロスや狼男といった半獣人に鬼や天狗といった魔物も含まれる広義の言葉。
【亜人種の特徴】
前述の通り個々の種族を指した言葉ではなく多様な種の総称であるため、このような種族を指すと定義することが難しい。
それでも強いて特徴を挙げるなら以下の通りになる。
ただ下記はあくまで一例であり、例外が存在するほか物語によっては違う定義になっていることも了解されたし。
●人間に近い肉体を持っている
亜人種の肉体は、形状・構成・性質ともに人間のそれと極めて近い。
ただ角や尻尾があったり、体の一部が動物のそれである場合もある。
それでも全体的には人間に近いものを指して「亜人種」と呼ぶ。
どの程度の割合で亜人とそれ以外が分かれるかといったところははっきりしていないが、
頭だけが人間であるスフィンクスやマンティコアは亜人とはふつう言われない。
また体が霊体のゴーストは亜人種に含まないのが普通。
それからあまりに人間とかけ離れたサイズの種族・・・
手のひらに乗るような小人や雲をつくような巨人も亜人とはあまり呼ばれない。
体格としては小さいものは人間の子供程度から、大きくても5メートル程度のものまでだろう。
●生命体の一種類である
亜人種はあくまで生物の種を指す言葉なので、そもそも生物でないものやひとつの種として成立していないものは含まない。
「生物のひとつの種」として成立する条件として、重要なものは以下のふたつであろう。
- 物質界の住人である
- 同種どうしで生殖し繁殖できる
前者にあてはまらないものとしては神や悪魔・天使や天女といった魔界・天界の住人、
ジンやイフリート、ピクシーやシルフたち精霊・妖精などの霊的存在がいる。
彼らは人に似た姿かたち・性質を持っていたとしてもは亜人種とはふつう呼ばれない。
神や悪魔の中には獣人の姿をした者たちも多いが、彼らを指して亜人と呼ぶことはほぼないだろう。
後者にあてはまらないものは、人為的・人工的に作られたもの。
一時的に人に化けているだけの狐や狸など、人の手で作られたゾンビやフランケンシュタインの怪物などは「亜人種」とはあまり言われない。
ただこれには例外があり、人であれ獣であれ何かが変じたものであっても
その変化が一時的なものではなく恒久的・不可逆的なものであれば「亜人」と呼ばれることもある。
また両方に共通する例外として、これらの種が人との間に人ならざる特徴を持った子をなした場合その子を指して「亜人」とする場合がある。
もちろんその子がその後自身と同じ特徴をもった子孫を残し、それが繁栄してひとつの種をなせば「亜人種」と呼ばれるだろう。
エルフなどの代表的な亜人種も、物語によってはその起源が神や悪魔にいきつくことがある。
なお亜人種の多くは人類とも夫婦となり子をなすことが可能で、神話などにおいては特定の人種のルーツを亜人種との婚姻に求めるものがある。
亜人種と人の子は普通の人間であることも多いが、片親の亜人種側そのものであったり*1、両者の血が混じりあった混血種であったりする。
特に混血種の存在は往々にして物語として語られる事も多く、例えば「ハーフエルフ」なんて存在はどこかしらの作品で見かけた事もあるだろう。
半神、半妖含めた人間とそれ以外の混血種の特性としては、両者のいいとこどりだったり半端だったりかはまちまちだが
「両親である人・亜人両方の能力を持っている」、それを発展させた「通常の種族より強力に育つ者が多い」。
そしてその結果による当然の帰結とも言える「両方の種族から疎まれる」ことが代表的なものだろう。
ただ作品によっては魔術などで作られた人に似た生物のことを、たとえ一代限りの種類であっても「亜人」「亜人種」とする場合もある。
【主な亜人種たち】
上記した条件にあてはまる「人類の亜種」たちは、個々の特徴ごとに分類するとだいたい以下の3種に大別される。
- 人間の近縁種
- 獣人
- 人類に由来するもの
1はエルフやドワーフ、ゴブリンやオークといった一般的に「亜人種」とされる種族。
人にかなり近い身体・精神構造をそなえ、それぞれ独自の言語・文化を持ち、
人間社会に対してある者は寄り添い融けあい、ある者はあらがい踏みにじる。
ファンタジー世界の重要な構成員たちである。
2は文字通り獣の特徴を持った人間たち。
体の一部が動物のそれであったり、動物の姿になることができたりする。
3は人類という種から生まれた亜人。
人と人以外のものの間から生まれたものや、神などが地上に降りて人になったもの。
それから普通の人間が呪いや修行などによって人ならざるものに化した存在など。
ただいずれの場合でも神仏・魔物の域に達し天界・魔界の住人となったものは亜人とはふつう呼ばれない。
人を超えた力を持ち人でない存在であっても、この世にとどまり人のそばにいる者たちを指して「亜人」とする場合が多い。
●人の近縁種
一般的な「亜人」、きわめて人類に近い種族。
身体能力・精神構造など、多少の差異はあっても他の生物よりははるかに人間に近い。
その生態も人のそれと似通っており、また分布域も人間と近くなることが多い。
そのため彼らは往々にして人間社会の中・あるいはそのすぐそばで暮らし、
どんなかたちであれ人と関わりあって生きていることがほとんど。
ファンタジー世界では一般的なエルフやオークをはじめ、伝承によく登場し近年ではUMA扱いもされる「野人」たちもこのカテゴリに入るだろう。
・善良なもの
亜人の中でも特に人類に近しい種。
高い知性に裏打ちされた文化を持ち、それほど争いを好まず非道をはたらかない。
そのため人類と共存共栄しやすい種で、登場する物語ではほとんどの場合人と近しい場所にいたり
同じ町の中に混在して暮らしていたりしている。
ただあくまで比較的善良というだけで、人間と同程度の善良さだということは心しておこう。
当然人間と同じくらいの比率で悪人もいるのだ。
- エルフ
細身の外見にとがった耳が印象的なヒューマノイド。
森林など豊かな自然の中で暮らしているが、人里で人とともに暮らすものも多い。
性格は人よりも穏やかでかつ思慮深く、自然を愛し戦いを避ける。
能力としては人間よりも魔力に優れるとされることが多く、寿命が長いと設定されることも多いため豊富な知識を得ているともされやすい。
反面体力や膂力は低めとされ、敏捷性や技量は高いものの戦士には向かず魔法を得意とする。
近似種としてダークエルフと呼ばれる闇の住人もいる。
詳しくは個別項目を参照。 - ドワーフ
小柄ながら岩から切り出したような頑健な肉体を持つ種族。
洞窟に住まい採掘や冶金、工芸を生業とする。
燃料を得るために斧で大木を切り倒したり、岩を砕き鋼を鍛えるため鎚を振るったりする彼らは小柄な体躯に見合わぬ筋力を持ち、
戦闘となれば生活の道具として使い慣れた斧や鎚を振るって敵を粉砕する。
性質としては比較的善良であるが頑固で偏屈、排他的な傾向がある。
特に、鉱石を扱う彼らは燃料として木を切り鉱毒で水を汚すため、森林に住まうエルフとはどうしても反目しがち。
彼らのルーツは北欧神話で巨人ユミルの肉体から生じた地底に棲む小人ドヴェルグ。その後の童話などでも「小人」といえばだいたい彼らのことを指す。
一番有名なのは白雪姫に出てくる七人の小人だろう。ディズニー版だとちゃんとSEVEN DWARFSとなっている。
詳しくは個別項目を参照。 - ノーム
ドワーフと同様、洞窟に住み鉱山業を営む小人たち。
ドワーフよりも小柄で、彼らよりは快活で社交的。
ドワーフほどの筋力はないが魔力が高く魔法を得意とする、亜人種の中ではかなり妖精・精霊寄りの存在。
本来はかの偉大な錬金術師パラケルススによって提唱された四大精霊のうちのひとつ、土の精霊である。
もともとの大きさは手のひらに乗る程度で、ドワーフ(ドヴェルグ)よりもはるかに小さい。
地下で財宝を守り暮らしている勤勉な一族だとされている。
どちらかといえばマイナーな種族であり、エルフ・ドワーフ・ハーフリング(小人)と比べると出番や知名度は一段落ちる。小さい・僻地に住んでる・魔法適性などの特徴が他種族と被ってるので統合されて消滅しがち - ハーフリング
寸詰まりにした人のような小柄な種族。名の意味は「半分の人」だが、「何の半分でもない」と反発する者も。
というよりその名称が後述の理由から作品によってグラスランナーやらホブ、ポークル、クラッズなど様々な一方、小人然とした姿をはじめ、後述の特徴はほぼ共通している。
敏捷で隠密行動を得意とし、裏に巻き毛が生えた足で音も無く歩き、たやすく自身の気配を消すことができる。
性格は陽気で社交的。本来は臆病な性格で、なだらかな丘陵地帯をすみかとする。
ただ好奇心も高いため冒険などにも積極的に参加する。その場合には臆病さが警戒心の強さとして機能し危険を察知する能力に長けるが、好奇心に負けて余計なトラブルも招きがち。
手先も器用で工芸品づくりなども得意とし、冒険者としては盗賊や忍者など技術職に就くことが多い。
J・R・Rトールキンによって創造された指輪物語の「ホビット」が起源。
・・・というよりも、ホビットそのものである。
初期のダンジョンズ&ドラゴンズやウィザードリィでは、設定などもそのままに「ホビット」という種族が登場していた。
しかし当然のようにトールキン財団から抗議があり、苦肉の策として「ハーフリング*2」などと呼び変えられている。
なので上記の設定はほぼ「ホビット」のものそのまま。以後の媒体でも、これらとそう違わない設定で登場することが多い。
「寸詰まりな種族」がトールキンのホビットの設定だが、ハーフリングなどの派生種族は単に「人間の子供に見える」ような体格が多い。
小説と違ってイラストや映像にすると違和感があるからだろうか。圃人のような例外もいるにはいるが……。 - 人間
亜人ではないが、他種族との比較のためここに記載する。
われわれ人間のこと。作品によっては独自の名称を持つ。
寿命は短いものの能力のバランスがよく、「繁殖力が高い」「適応力が高く、どんなところにも住める」といった特性により世界中で繁栄していることが多い。
性格面でも善良な者から邪悪な者まで幅広いが、繁栄し寿命も他種族より短めのため「積極的に活動する」さらに「欲望が高い」「競争・闘争を好む」と設定されることも多く、
どちらかと言うとスローペースな生き方をする他種族からは煙たがられている場合もある。
特性がいろいろと似通っているため特に都市社会から離れて過ごしている種族からはオークやゴブリンなど邪悪な種族の一歩手前くらいに認識されている場合もある。
特徴がないのが特徴の種族だが、「持久力が高く動き続けられる」「投擲が上手い」「手先が器用」など、
「動物と比べた場合の人間の特徴」が他人種にない特性として採用される場合もある。
(飛び道具の達人エルフより投擲が上手かったり、鍛冶屋や盗賊適性のあるドワーフやハーフリングより器用かは不思議だが)
ただし魔力に関しては他種族より低めに設定されることが多い。魔力とは自然の力であるため、自然から遠く離れてしまった人間には扱いが難しいとされやすい。
スタンダードな種族ということで他の亜人種と比較されることもあり、
亜人種が獣人しかいない世界だと「パワータイプの獣人と違い、弓や魔導の扱いが得意」とされたり、
亜人種が精霊魔法を使う世界だと「一神教を信仰しており、神聖魔法が得意」とされるなど、
相対的な立場によって特徴も決まる種族と言える。
・邪悪なもの
こちらは亜人種の中でもモンスター寄りで人間をはげしく敵視、あるいは餌としてしか見ていない連中を指す。
見た目も人間とは明らかに違う魔物じみた顔つきで、文化や道徳といったものはまるで持ち合わせていない。
ただ一応彼ら同士で社会をつくり、人間相手にコミュニケーションがとれる程度の知性はある。
なのでごくまれには友好的であったり、交渉が成立する余地があったりする。
- ゴブリン
小柄で邪悪なヒューマノイド。好んで洞窟に住まい、繁殖力が非常に高い。近縁種としてホブゴブリン、バグベアなど。 - コボルド
ゴブリンよりもさらに小柄な、犬のような頭部を持つ種族。ゴブリン同様洞窟に住んでいることが多い。 - オーク
豚のような頭部*3を持つ種族。体型は人間大、ゴブリンよりは大きくオーガよりは小さい。洞窟や森林などに棲み、好んで人を襲う。 - オーガ
岩山や廃墟などに生息する大型の亜人種。きわめて獰猛で残虐、人間それも好んで女性を襲って捕食する。 - トロル
強い再生能力を持つ大型の亜人種。他にも特殊な能力を持つことが多く、亜人種の中ではかなりモンスター寄り。
もともとは北欧の伝承に登場する妖精の一種。
ドヴェルグのなれのはてとも巨人の末裔とも言われ、醜い姿と怪力を持っている。大きさは人間の子供くらいから巨人なみのものまでさまざま。
おそらく最も有名なのはトーベ・ヤンソンの「ムーミントロール」*4。
あとは童話「さんびきの山羊のがらがらどん」に出てくる橋の上で待ち構える巨人、指輪物語のオログ・ハイなど。 - サキュバス
原典では「悪魔」の一種だが、近年の作品では人類と交配可能な亜人種として扱われることも多い。
「強力な魅了の魔法」「エロ攻撃以外無効」「いつまでも若くてエロい」などの欲望丸出しの都合のいい特性を持つこともある強力な種族である。
・野人
人里離れた厳しい自然の中で来訪者を拒みつつ暮らす孤高の種族。
あまり文明度は高くなく裸に近い恰好だったり毛むくじゃらだったりもするが、
文化的にはけして低いレベルではなく彼らなりの思想や道徳、芸術などを持っている。
類人猿の特徴を持ついわゆる「猿人」も、どちらかというと獣人よりはこちらに含まれるだろうか。
- 雪男
雪深い山中に生息するといわれる毛むくじゃらの亜人。
人間とは友好的とは言えず交流を避けるが、人語を解する程度の知能はある。
代表的なものとしてはヒマラヤ山脈のイェティ、ロッキー山脈のビックフット(サスカッチ)、日本のヒバゴンなど。
実在する雪男たちはそもほとんどが正体はヒグマであると断定されてしまったが、
ファンタジー世界では彼らはいまだ山の住民として健在である。
現実でも、古来から記録が存在していたにもかかわらず19世紀まで架空の生物と思われていたゴリラのように、
彼らもまたどこかでいまなお人間に認知されず実在しているのかもしれない。
なお日本の妖怪である雪女とは本来まったくの別物であるが、一部作品では両者を同種族の雌雄であると設定していることもある。 - 山男・山女
日本の伝承にある、山に住まう亜人。背丈が非常に高く怪力で、山林岩壁壁を自在に駆け回りよじ登る。
言葉はしゃべらないが酒や食料を求めて人の前に現れ山の幸を持ち寄ったり労働を肩代わりしてくれたりする。
また女性は非常に美しいとされており、婚姻譚も多く残っている。 - 猩々
中国に伝わる猿人。
赤ら顔に赤毛の長髪を持ち、人語を理解し話すことができる。
酒を好み、酒をふるまってくれた人間にくめども尽きない酒瓶を与えたという物語が残る。
なおモデルは大型の類人猿と言われ、オランウータンの和名「ショウジョウ」、ゴリラの和名「オオショウジョウ」などにその名を残す。
・巨人
前述した通り、あまりに巨大すぎる・・・
数キロ単位の身長を持つダイダラボッチのような大巨人はさすがに亜人とは言われないが、
そこまで大きくもない巨人は人の比較的近くに住み交流している場合もある。
また巨人はしばしば神と人との子とされ、彼ら自身も人との間に子孫を残したりしている。
大きさの目安は作品ごとなどによってもまちまちだが、大きくてもだいたい10数m前後。
かろうじて人間の街の街路を壊さずに通れるくらいが限度だろう。
また亜人としての巨人は神話の巨人にはありがちな、地震や落雷を起こしたりするような無茶な特殊能力はないのが普通。
亜人として登場する巨人としては、巨人の代名詞でもあるジャイアント(ギガス)や鎧兜に身を固め高い知性を持つティターンなど人に近い見た目の者が多い。
ギリギリ亜人に入れるものとしては有角単眼の巨人サイクロプスくらいが限度だろうか。
●獣人
人の姿に獣の特徴を持った種族たち。
大きく分けると獣のパーツを持った人間と、獣に変ずることができる人間となる。
ここでは前者を半獣人、後者をライカンスロープと呼称する。
ただ亜人全体に言えることだが上記の線引きはあくまで便宜上のもので、半獣人から完全な獣になる種も存在するということは了解しておいてほしい。
あと獣人とは言い難いが、当ページでは虫人間や植物人間もここに含む。
獣人のモチーフとなる動物は非常に種類が多く、脊椎動物・無脊椎動物、さらにはドラゴンやグリフォンといった幻獣までさまざま。
近年の創作文化ではそれこそ動物・幻獣の数だけ獣人が作られているといっても過言ではない。
なのでここでは神話・伝承などで比較的メジャーになっているものを取り上げる。
得意分野も元の動物の適性を受け継ぐので幅広い。
熊や狼の力を使う野生的ファイターの他にも、黒猫や狐の獣人は魔女や妖怪のイメージで魔法が得意だったり、
鼠や烏の亜人は素早く盗賊適性があるなど多岐に渡る。
かつてのファンタジーでは獣人は「モンスター」に位置付けられることが多かったが、
現在のファンタジーではモチーフの多さによる増やしやすさやヴィジュアルなどから人気が高騰。
旧来のドワーフやホビットは特定の媒体では扱いにくいなどの事情もあり、
(3Dのゲームだと人間と体格の違いすぎる種族は動きや服を流用できないなどのシステム的理由、
ソシャゲだとヒゲのオッサンばっか増やしても仕方ないだろなどの商業的理由…)
今では「人間・エルフ・ドワーフ・ホビット」のように「人間・エルフ・獣人・魔族」といった基本種族として扱われる作品もよく見られるようになった。
・半獣人
人間の肉体に動物のパーツを持った種族。
頭が獣、上半身・下半身いずれかが獣、目や耳や鼻といった顔の一部や手足が獣・鳥のそれ、
角や尻尾や翼がある、全身に毛や羽毛や鱗が生えているなどさまざまな形態の者がいる。
ただ「頭だけ人間」という場合には亜人種であることは少なく、割合はやはりあるのかもしれない。
女性の半獣人についてはこちらも参照。
有名な所だと猿の尻尾があるサイヤ人もこの部類に入るだろう(サイヤ人に関しては後述のライカンスロープの要素も強く入っているが)
尚、「人間の肉体に頭が動物」の例はエジプト神話などにいっぱいいるが、前述の通り「生物」「種」には入らない。
- ケンタウロス
ギリシャ神話に登場する半人半馬の種族。頭部の代わりに人間の上半身を生やした馬の姿をしている。
粗野で乱暴な者が多いが、高度な知性と高潔な人格を有した者もいる。 - ミノタウロス
クレタの牡牛とミノス王の妃パシバエの間に生まれた牛頭人身の凶暴な怪物。
本来は固有の存在を指す名称だが、近年のファンタジー作品では「ミノタウロス族」という牛獣人の種族として扱われることも多い。 - リザードマン
トカゲの頭と尻尾を持ち、全身が鱗に覆われたヒューマノイド。
外見が示すようにかなりモンスター寄りの存在で人と友好的であることは少ない。
完全に魔物扱いであったり、敵対的ではなくてもあまり人間とは積極的に交流していないのが普通。ファンタジーのリザードマンがゲッター線に弱いのかどうかは不明。
- マーマン
一般的に「人魚」とされる、人間の上半身に魚の下半身を持つ種族。女性形は「マーメイド」。
知性は高いがその肉体の形状上陸には上がれない事が多く、人間社会で自由に暮らすというわけにはいかない。
なので海中などで独自の文明を築いている場合が多い。
派生種としては河に住むローレライ、嵐を呼ぶというメロウなど。 - ギルマン
四肢をそなえてはいるが水かきがあり、全身を魚鱗で覆っている怪異な見た目のいわゆる半魚人。マーフォーク、サハギンなどもこれ。
「魚人」という場合にもだいたい彼らを指す。
マーマンよりは知性が低いとされ、単なるモンスターとしての扱いも多い。
それでも人に対して憎しみ・親しみを覚える程度の意識や罠を仕掛ける程度の知能があり、水辺であれば陸上にも上がってこれる。
代表的なのはなんといっても「大アマゾンの半魚人」、それからクトゥルフ神話に登場する街インスマウスの住民など。 - 鳥人間
鳥の特徴を持った人間。
いわゆる「有翼人」と呼ばれる背中に翼の生えた人間、鳥の頭を持った人間(鳥人と呼ばれることが多い)、
頭と胴体、全体的なフォルムが人間で四肢が翼と鳥の足(鳥人間というとだいたいこのタイプ)、頭だけ人間の鳥(人面鳥、人鳥とも)など様々な形態のものがいる。
(一番最後のものは亜人種としては扱われない場合が多いが)
主なものとしてはハーピー、セイレーンといった女性タイプのもの。 - ハーピー
四肢が鳥のタイプの女性型鳥人。
本来はモンスター寄りの種族で、おなじ大きさの鳥程度の能力と知性しかない。
しかし鳥型の獣人の中ではもっとも知名度が高く、鳥人を代表する存在として認知されている。
なので近年では人間並みの能力を持つものも多い、 - セイレーン
主に海洋に住む鳥人。有翼人であったり首から上だけ人間であったり、人魚であったりする。
歌声に強力な魅了効果があり、それを下敷きにした設定をなされることがほとんど。 - 蛇人間
蛇と人間の合いの子のような亜人。ほとんどの場合、人の上半身と蛇の下半身を持った半人半蛇の形態である。
一応蛇の頭部に尻尾を持った人間や、全身鱗でおおわれ毒牙を持った蛇じみた顔つきの怪人という形態の者もいる。
半人半蛇の怪物は各国の神話に多数登場し、ファンタジー作品ではそのまま種族名になっていることが多い。 - ラミア
ギリシャ神話に登場する半人半蛇の女性の姿をした怪物。中世では夢魔・吸血鬼とも同一視された。
現代ファンタジー文化では蛇人間を代表する種族として扱われており、魅了や吸血などの特殊能力を持つことも多い。 - メデューサ
ギリシャ神話に登場する毒蛇の髪を持った女性の姿をした怪物。視線で相手を石と化すことができる。
見た目の怪異さと危険度から敵モンスターとしての登場のほうがはるかに多く、ギリギリ亜人種に入れるかどうかという魔物。 - エキドナ
ギリシャ神話に登場する大地の女神でテュポンの妻。夫との間に多数の魔物を産み落とした。
どちらかというとモンスター寄り、それも神話通り神かそれに近い高ランクのモンスターとして登場する方が多い。
蛇人間の一種族として登場する場合でもラミアの上位種として扱われやすい。 - ナーガ
インド神話に登場する蛇神の一族。女性だと「ナギニ」。人々に恵みをもたらす水と川の神である。
亜人種として登場する場合にも聖域の守護者であるなど位階の高い存在として扱われることが多い。
- 竜人
竜の特徴と能力を持った亜人。主なものは、鱗・爪・角・牙・翼・尻尾など竜のパーツをそなえた人間か(竜人)、直立した竜のような形態(竜人間)の二種。
ブレスや飛行能力など竜の力をそなえ、知能なども人間と同等以上にあり、竜と人両方の特長を持ちそれを上回る上位種としての扱いが多い。
主なものとしては、竜人ではダイの大冒険の主人公ダイとその父バラン、魔導物語・ぷよぷよのドラコケンタウロス、ドラゴンハーフのミンクなど、竜人間では魔法大作戦の侍竜ミヤモトなど。
モンスターハンターシリーズでも竜人族が登場。また、2002年のデュエル・マスターズの発売以降は同作のオリジナル種族であるドラゴノイドが同様に竜人を示す単語として使用されている例もしばしば見受けられる。 - 蜘蛛人間
特徴的な蜘蛛のフォルムと糸をつむぐ能力を持った亜人。
頭部の代わりに人の上半身を持った蜘蛛、四肢が蜘蛛の人間など。
どのような形態でもだいたい粘着性の糸を操る能力がある。
アテナの前で神々をあざけり蜘蛛に変えられたアラクネを蜘蛛人間の姿で描くことが多い、
あとはかのスパイダーマンも蜘蛛人間に入るだろうか。 - サソリ人間
サソリと人間の合いの子。これも頭部の代わりに人間の上半身をもったサソリや、全身がサソリの甲殻で覆われた腕がハサミの人間などがいる。
ただしどのような形態であっても、サソリ最大の特徴であるの毒針のついた尾は必ず備えている。
いかにもマイナーなモンスターのようだが、サソリが珍しくない中東やTRPGの世界では意外とポピュラーな種族で、どちらにも知的かつ善良な一族が存在する。
中東の神話に登場するパビルサグやギルタブルル、TRPGのマンスコーピオン・アンドロスコーピオンなどが有名。
- 植物人間
植物と人間の合いの子。大きく分けると樹木、草花、菌類となる。このうち樹木は「エント」、「トレント」、「ツリーフォーク」など多数の名称を得ており、比較的メジャー。
とはいえ神話や伝承ではあまり登場せず、ドライアードやアルラウネといった木々や花の精霊を植物人間として扱うことが多い。
菌類人間に関してはほぼ近代創作文化の発祥で、D&Dのマイコニドや日本映画のマタンゴなどが該当する。こちらはどちらかというとモンスター寄り。
性質としては森の民であるエルフに準じ、魔力が高く体力は低め、物理攻撃や炎や毒など敵の攻撃に弱くあまり活動的ではないなどよりエルフの特徴を極端にしたような扱い。
また同じ植物人間でも樹木系の亜人は寿命も長く草花系は短い、菌類型は高い再生力を持つなどどの植物をベースにしたかで性質も様々。
…というより、ルーンクエストなど、そのエルフが植物人間として登場している作品もある。
●ライカンスロープ
本来は満月の夜などに人から狼の姿へと変ずる「狼男」を指す言葉。
近年では人の姿から獣の姿に変わることができる種族全般を指す言葉として用いられることもある。
獣への変身全般を指すときには「セリアンスロープ」と呼ぶことも。
人の姿でいるときは普通の人間とまったく見分けがつかないので、ファンタジー世界ではなく現実の人間社会の中で暮らしていることも多い。
- 狼男
ライカンスロープの語源であり、獣人たちのみならずあらゆる亜人の祖となったもっとも古い種族のひとり。
吸血鬼やバーサーカーなど、狼男から派生した存在は多い。
普段は人間の姿をしているが、満月の夜となると毛が生え爪と牙が伸びたちまち狼の姿へと変ずる。 - 人虎
中国の伝承にある、虎に変ずる人間。山月記の李徴が有名。同様の伝承は東~東南アジア一帯に存在している。 - 熊人間
ロシアや北米などに存在する、熊に化ける人間。近年では指輪物語のビヨルンなど。
●人間に由来するもの
人間界に降り立ち、その身に人でなかった時の名残りを残したまま人となった神や悪魔。
人と人ならざるものの婚姻などによって生まれた、人に近いなにものか。
あるいは神や悪魔からの呪い、邪悪な魔術や神に近づくための修行でもって人ならざるものに変化したものたち。
前項の獣人たちの中にもこれに当てはまるものが多いが、ここでは獣の要素からはやや離れた者たちを主に取り上げる。
- 吸血鬼
欧州一帯に語り継がれ、現在では世界中に広まった狼男・フランケンシュタインと並ぶあらゆる怪物の代表格。
誤った埋葬を行ったせいで死体に悪霊がとり憑く、また生きた人間が吸血鬼に噛まれるなどするとそれらが吸血鬼に変ずるという。 - グール
「食屍鬼」などと訳されるアラビアの魔物。女性形はグーラー。
姿を消したり他のものに変えたりして人を襲ったり、墓場を荒らして死体をむさぼったりする。
かなりモンスター寄りの種族だが、グーラーが人の子を拾って自分の乳や人肉を与えて育てるといった、人との近縁を思わせる伝承もある。 - 仙人
修行により仙術を会得し不老不死になった人間のこと。死後肉体を捨てて仙人になるという方法もある。 - 天狗
精進を重ねて叡智を得ながら思い上がってしまったせいで仏になり損ねた者たちが化したという魔物。 - 鬼
鬼神から小鬼、妖怪や悪霊などさまざまな存在を含む「鬼」だが、非道な悪人や恨みつらみにとりつかれた人間が鬼と化してしまうこともある。
このような「鬼」は「亜人種」のカテゴリに入るだろう。 - 半神
神と人の間の子、あるいは人間界に降りて人となった神、逆に神に選ばれた人間。
人類の起源そのものを彼らに求める場合もある。
英雄ヘラクレスや戦神アレスの子らアマゾネス、戦乙女ヴァルキュリアなど。
- 半妖
人と妖怪の子、あるいは両者の中間種。日本で生まれた言葉で、現代の創作文化では半神の対義語、人と悪魔・魔物全般の合いの子という意味でも用いられている。
元の意味の妖怪との子・近似種としてはゲゲゲの鬼太郎(原作地獄編・アニメ第3期のみ)、
「半神」の対義語として該当するのはフランスの伝承に登場するメリュジーヌや永井豪の代表作デビルマン、高橋留美子の犬夜叉などになるだろうか。 - 亜人
上記までの神話・伝承に登場する亜人種、もしくはそれに類似した種以外でも、冒頭の亜人種の条件を満たしている種は存在する。
例としては現代社会を舞台にした物語に登場する人類の突然変異種など。
これらの種については物語ごとに固有の名称が与えられているか、そのまま「亜人種」「亜人」と呼ばれることが多い。
代表的なものとしては、そのままのタイトルの物語「亜人」に登場する、そのままの名称で「亜人」と呼ばれる種。
どんなダメージからも再生する能力を持つ。IBMと呼ばれるスタンドっぽいものを操れる者もいる。 - 混血種
上記までの亜人と人間の混血を指す。条件はあくまで「亜人との生殖の結果出来た子」であること。
神や悪魔と人間の子は前述した半神・半妖に該当する。
また後述するダンピールのようにあくまで「人と亜人が生殖し出産した個体」であり、「吸血など特殊能力で増やされた個体」は普通混血種とは呼ばれない。
亜人というキャラクターを象徴するような存在であり、多くの神話や伝承・現在に至るまでの創作文化に登場している。
代表的なものとしては吸血鬼と人間の子ダンピール、ファンタジー世界では代表的な混血種であるハーフエルフ、対照的に哀しい出生を背負ったハーフオークなどだろう。
【関連項目】
●魔族
「亜人種」と同様に人間でない種族を広範に含む用語。
亜人があくまで「人」に類する存在を指すのに対し、人型をしていないもの、人型をしているが人ではないものなどを含められる。
よくある例としてはモンスター娘など。
また悪性の存在とされてエルフなど善性の亜人は魔族に含めないこともあり、詳細は作品によって異なるが、世界観によって用語が使い分けられてる。
また、高位のドラゴンなどは人間への変身能力を持っていることがある。
こうした力も人類の亜種ではないが人間に似ている例と言える。
●人外(属性)
現代の創作における「人間に近い知性を持つ別種の生き物」。
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- ゆるすよ;
いまはえらべる、ずっとはまたない;
やりなおそう -- 名無しさん (2017-09-06 20:33:42) - ネフィリムも一応は人間っちゃ人間型だけどな どうなんだろう? -- 名無しさん (2017-09-08 12:54:53)
- ↑2 SCPは色々いるよな。ここに挙がってるやつだと蛇人間(2481の羿さん)とか鳥人(020-JP)、ジョークだけど人魚(というより魚人)も -- 名無しさん (2017-09-09 00:09:09)
- ニンフ(ニュンペー)は人間型にあたるのだろうか -- 名無しさん (2017-09-09 00:21:13)
- ↑ニンフは妖精、精霊のくくりかな -- 名無しさん (2017-09-09 21:32:23)
- 作品によってはオークが「血の気は多いが誇り高い」善玉で、エルフが「排他的で独善的」ゆえ終盤まで敵という事もあったり -- 名無しさん (2017-09-10 13:47:02)
- アイギスのオークさん(byソーマちゃん)は闘うことしか脳にないから非戦闘員の女子供には伝言を預けて帰したり強者を敬ったり紳士的。どこのプレデターだ -- 名無しさん (2017-11-30 21:11:12)
- 「上半身人間、下半身獣」女が多いけど「上半身獣、下半身人間」は男が多い気がする -- 名無しさん (2017-12-03 18:41:51)
- 小枝を踏み折れば骨を折って贖いとする排他性、1人を生かして返すとわらわら湧いてきて数で押しつぶす好戦性・暴力性、謎ビームを飛ばしてきたりわけわからんデカイ猛獣を使役したりする超技術を持ち合わせたエルフがいる世界もあってだな… -- 名無しさん (2018-04-27 14:02:35)
- 我々人間から見るから「亜人」だけど、それぞれの種族では「亜エルフ」「亜ドワーフ」「亜オーク」とか呼んでそう。 -- 名無しさん (2018-04-27 14:11:06)
- オバQの「オバケ族」は亜人種にはいるだろうか(人型・繁殖する・肉体がある等)。 -- 名無しさん (2019-01-24 22:00:21)
- 「手を持つかどうか」も基準の一つじゃないかと思う。道具を使うだけの知能とそのための手を持たない物は、亜人と呼ばれることはないんじゃないかと。ハーピィは基本手は持たないが、足を手の代わりにして道具を扱ったりすることが多い。 -- 名無しさん (2019-02-27 20:44:47)
- ドラゴノイドがデュエル・マスターズのオリジナル種族ってのはどこから出てきた話なのだろう。少なくとも1997年発売の初代カルドセプトで人型竜族として登場しているのだけど。 -- 名無しさん (2019-12-21 10:46:39)
- 雪女も亜人? -- 名無しさん (2020-04-27 21:31:13)
- ↑2多分「ドラゴン+oir(アンドロイドとかの末尾)」という造語だと思うから、以前からあっても不思議ではないな -- 名無しさん (2021-04-08 21:06:33)
- 日本妖怪では鬼・河童・天狗あたりは亜人と言えるかな。一つ目小僧やろくろ首などはそう呼ばれることは少ないと思う。 -- 名無しさん (2022-03-15 15:41:13)
- ファンタジー作品で出てくるイメージはないが、恐竜人(ディノサウロイド)も亜人になるのかな? -- 名無しさん (2022-07-27 19:47:46)
- 青少年型は♀。 -- 名無しさん (2023-05-26 18:55:33)
- ちょっとズレるけどダンジョン飯での普通の人類の呼び方が好き 「トールマン(のっぽなヤツの意)」っつーんだけど、ハーフリングやドワーフやコボルドなんかに比べて背が高いから亜人が当たり前にそのへんほっつき回ってて“人間が標準”っていう前提がない世界観ならすげえしっくり来るのよな -- 名無しさん (2023-08-09 13:13:27)
#comment
*2 「ハーフリング」も『指輪物語』でのホビットの呼称の一つだが、使用頻度が低く、またスコットランド語が由来とあり、現在も使用されている。
*3 ただし原典とされる『指輪物語』ではそのような描写はなく、むしろ精悍な顔立ちであるとされている。
*4 ただし著者は、ムーミントロールは伝承のトロルとは非なるものとしている
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