登録日:2009/05/27(水) 16:44:18
更新日:2023/08/08 Tue 17:06:01NEW!
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神話 伝承 神 物語 宗教 伝説 神話と厨二病は紙一重 アニメ・ゲームの礎 武器の名前 俺話 爆風スランプ
物ごとの起源や意味を、抽象的・フィクション的に語る物語。
地域や習慣、宗教・思想などによって様々な神話があり、数多くの神々や英雄の物語が存在する。
また、スケールの壮大さや印象的な武器・道具などが様々な文学・美術・娯楽作品に影響を与えており、現代の若い世代には特にゲームに登場する用語としてのイメージが強い。
多くの星座名はギリシャ神話に由来する。
概要
体系としては、大まかに分けると西洋神話、北欧神話は人間的な神が多く性格も姿も人間に近い。
これに対し東洋神話、南米神話は非人間的で特に人面蛇体などの異形神で性質も異質。
地域的・文化的に近似している場合は神話も類似的になるケースが多い。殊にアーリア系、古ゲルマン系は吸収した部族の神を自分達の神話の神に納れる為、何処かしら共通点がある。
加えて文化人類学的には人間の文化は社会を成り立たせるため人間の心理に寄り添い合意を得るための似通った構造を持つ。例えばいくつかの民話で妖怪が死体の近くや夕方に現れるのは生と死, 昼と夜との間の定義の不安定な状態を忌避する心理が働くためである。
しかし、ケルト神話(人間性が希薄で自然・精霊がメイン)や日本神話(人間神とシャーマニズムの融合)のように島国から発生した神話は周囲の影響を受けず、独特なモノになるケースがある。
また比較神話学の見地によれば世界の神話はもともとひとつであり、各民族がアフリカから出たタイミングの違いとその先での発達の違いにより多様化し、その後互いに借用されたのだとされる。
個々の神話のモチーフとしてどのようなものがあるかはWikipediaの当該記事(Motif-Index of Folk-Literature)が詳しい。
イオマンテや古代オリンピックなど人の集まる祭りでは老人が若者へ向けて神話を語る機会だった。
韻文は個々の単語が忘れられるリスクが少なく(他の行の韻脚等を参照することで欠けた部分を再構成可能である)、文字を持たない言語において神話を伝えるのに有効である。
神話にはしばしばセックスなどの「不潔な」ものが含まれ、また日本語では「昔々〜」などに相当し頻繁に繰り返される「無意味な」文が現れることもある。これらは取材された年代によっては削除されてしまう場合があるので過去の文献を調べる際には注意が必要である。また、神話には微妙な声の抑揚をつけたり囁き声で話される場面もあるが、これらは当然ながら文章で再現できない。
《主な神話と登場する神》
ローラシア系
- ギリシャ神話
→ゼウス、ポセイドン、ハデス、アポロン、ヘラクレス、アルテミス、ディオニュソス、アテナなど
- ローマ神話
→マルス、ユピテル、メルクリウス、ウェヌスなど
- 北欧神話
→オーディン、トール、ロキ、フレイ、ベルダンディ、ユミル、フェンリル、ヘイムダルなど
- フィンランド神話
→ウッコ、ワイミョイネン、レンミンカイネンなど
- ケルト神話
→ルー、ク・ホリン、ダーナ=オシー、ラナンシー、イプシラスカ、モリガンなど
- スラヴ神話
→ペルーン、ホルス、モコシなど
- リトアニア神話
→サウレ、ペルクナス、メーヌオなど
- ラトビア神道の神々
→マーラ、ディエヴなど
- メソポタミア神話
→エンリル、ギルガメシュ、マルドゥクなど
- ヘブライ神話
→ヤハウェ(唯一神)
- ウガリット神話
→シャプシュ、バアル、アスタルトなど
- イラン神話
→アフラ・マズダー、スプンタ・マンユ、アンラ・マンユなど
- アステカ神話
→ケツァルコアトル、テスカトリポカ、ウィツィロポチトリなど
- インカ神話
→パチャママ、ウィラコチャ、ママ・キリャなど
- ナバホ族の神話
- ホピ族の神話
→カチナ
- ヴードゥー教の神々
→ダンバラー・ウェド、ゲデ等
- アイヌ神話
→オキクルミ、チキサニ、キムンカムイ、アベ・フチ、ホヤウカムイ、コロボックル
- 日本神話
→アメノミナカヌシノカミ、タカミムスビノカミ、カミムスビノカミ、イザナギ、イザナミ、ホノカグツチ、天照大神、月読命、素戔嗚尊、野椎、アメノタジカラオ、アメノウズメ、イシコリドメノミコト、オオワダツミ、オオカムヅミ、大国主命、コノハナサクヤヒメ、スクナヒコナ、クエビコ、イワナガヒメ、タケミカヅチノオ、アマツミカボシ、猿田彦之命、タケミカヅチノカミ(建御雷神)など
- 琉球神道の神々
→ティダ、アマミキヨ、ヒヌカンなど
- 朝鮮神話
→ハヌニム、檀君など
- モンゴル神話
→テングリ、ホルムスタ、エスレンなど
- 中国神話
→女禍、伏巍、共工、神農、白虎/青龍/朱雀/玄武/黄竜など
- 道教の神話
→哪吒、織姫など
- インド神話
→シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマン、ガネーシャ、クリシュナ、ハヌマーン、インドラ、アスラなど
- 仏教神話
→梵天、帝釈天、四天王、大黒天、韋駄天、摩利支天、金剛力士、十二神将など
- エジプト神話
→ラー、オシリス、イシス、ホルス、アヌビス、セト、トト(ジェフティ)、アテンなど
- メソポタミア神話
→ギルガメシュ、エンキドゥ、イシュタル、ティアマト、アヌ、エアなど
ゴンドワナ系
- メラネシアの神話
→エヌーナップ、セメンカーロル、ルク/ルクエイネン
アフリカ系
- ドゴン族の神話
→アンマ、ユルグなど
- ヌエル族の神話
→アブク、デンカなど
民間信仰
民俗学者・柳田國男は国家全体の信仰と村単位での信仰とを分けて考えた。当記事でもそれを踏襲する。
- 日本
- 秋田県
→ナマハゲ、人形道祖神
創作の神話
- クトゥルフ神話(近代の創作物)
→クトゥルー、アザトース、ノーデンス、ヨグ・ソトース、ナイアルラトホテップ(ニャルラトホテプ/Nyarlathothep)、オールド・ワン、ク・リトル・リトル、ハスター、クトゥグア、アトラク・ナクア、ロイガーなど
《神話に由来するゲーム用語》
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)=草薙剣
天沼矛
グングニル
ミョルニル
レーヴァテイン
ラグナロク
ミッドガル
ニブルヘイム
戦乙女ヴァルキリー
アル・アジフ(アル=アジフ)
聖杯(正確にはアーサー王伝説)
エクスカリバー(〃)
トライデント
ブリューナク
なお、中国神話に関しては体系化した聖典(日本神話の『古事記』、ギリシャ神話の『イリアス』『オデュッセイア』に相当するもの)が殆ど存在しないため、物語として中国神話を考察するのはかなり難しい。
同様にアイヌ神話も口承で語られていたこと、それを完全に体系化する前に語り手がほぼ消えてしまったため、アイヌ神話に関する研究は進んでいるとは言い難い。
物語の類型
世界各地の神話に共通の構造があるという説がある。
特に神話学者ジョセフ・キャンベルの神話研究『千の顔をもつ英雄』では、
日常から非日常へ
冒険への呼び声
主人公、或いは主人公が救い出す人物の家族が行方不明になるなど、事態が動き出す。
一旦拒否してからの受け入れ
主人公は警告されるが、敵から受けた被害を回復するためなど最終的にそれを無視する。
非日常の助け
師と出会う、不思議なアイテムの入手など、非日常の世界への案内と出会う。
越境
主人公は問題を解決する目的を持って出発する。
しばしば周囲は旅に否定的で主人公は秘密裡に出発する。
危険地帯へ接近
解決に必要なものが得られそうなエリアに向け旅立つ。
非日常での試練
試練への道
主人公の前に、「敵」又は「課題」が姿を現す。
敵は、主人公と相容れない目的で同じものを求めるライバル、
或いは単純に格上の強者。
ヒロインとの出会い
日常では起こらない試練を経験し、主人公の試練を見届ける者と出会う。
誘惑
ヒロインに注目されるが、主人公が意識するとしばしば敵を利する結果に終わる。
敗北
主人公の持つ古い常識にある欠陥が突きつけられる。
敵との初戦は敗北する。
差別化
挫折を糧に主人公が物語上において特別な存在となる。
本来の目的も、明らかになった問題も切り捨てることなく新たな考えを得る。
勝利
敵を倒す、問題解決に必要なものを手に入れる
(主人公自身がどうなるかはここではまだ知らされない)
新しい日常へ帰還
帰還の妨害
「敵」の仲間、野盗や全く関係ない人、主人公を妬む者など帰還に邪魔が入る。
逃避行
主人公は妨害を逃れながら帰還する。
思いがけない助け
途中で日常の側に残った仲間など外部からの助けによって帰還に成功する。
無名のままの到着
日常へ帰還するが、まだ誰も主人公がしたことを知らない。
主人公が認められる
主人公の功績が証明される。
新しい日常
問題が解決した日常と、報酬を得た主人公が描写される。
というパターンを見出した。これはアニヲタ的にはSTAR WARSシリーズ(映画)のプロットがこの研究を参考に作られたことで重要かもしれない。
さらにその後ハリウッド映画業界では西洋の演劇の伝統である3幕構成と組み合わせたビートシートという技術が発展した。
アクト1(1幕):冒頭から映画全体の1/4まで
オープニング:冒頭
映画のジャンル、主人公、課題の提示
テーマの記述:4.5%
メインテーマを示す課題・状態(通常主人公にする)。
主要登場人物・基本設定の紹介
促進:11%
主人公の世界を変え、物語を動かす大きなイベント。
主人公の前に課題が現れる。
第二幕へ:23%
主役は決断的に、古い世界や状況を離れ、新しいそれに入る。
アクト2(2幕):映画全体の1/4から3/4まで
脇筋:27%
師やヒロインなど、主役の旅を助けるサイドキャラクターによる第二のプロットライン。
観客の期待に応え、ミッドポイントでの勝利まで高まり続ける。
中間点:映画全体の半分
本筋と脇筋が交差し、疑似的な勝利(場合によっては敗北)を演出する。
それによって敵が本腰を入れて事態は悪化してゆく。
どん底:68%
主役は疑似的に、最終的なエンディングから最も遠ざかる。死ぬか、死んだも同然となる。
主役はどうしてこうなったか考える。
第三幕へ:77%
解決策が見つかる。進み続けるための力を主役に与える。
アクト3(3幕):映画全体の最後1/4
フィナーレ:77%
物語を通して学んだ全てを使い、敵を倒し、世界を良い方向に変える。
エンディング:最後
オープニングとビフォーアフターの対応。
が、製作費用が高額化し、ヒットすると確信できないとスポンサーを説得できないため
露骨な形でビートシートに則った脚本を書く例が増え、「ハリウッド映画」と言えばワンパターン化した、
「ベタなプロット」のイメージが定着する弊害も生んだ。
宗教色の薄くなった現代では、元々の意味から転じて根拠無しに広く信じられている社会通念、或いは思想という否定的な意味で使われる事が多い。
例)「アメリカンドリームというものは、最早神話となっている。」
「田舎が良いところだって?そんなの神話だよ、酷いもんさ。」
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