登録日:2012/07/12 Thu 10:30:04
更新日:2023/11/20 Mon 11:07:16NEW!
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韓国 海軍 重武装 軍事 兵器 どうしてこうなった 大王世宗 世宗大王級駆逐艦
世宗大王(セジョンデワン)級駆逐艦は韓国海軍が保有する世界最強のイージス艦である。
同型艦は3隻。
世宗大王級駆逐艦
諸元
基準排水量 不明
満載排水量 10290t
全長 165.9m
全幅 21.4m
深さ 12m
喫水 6.25m
速力 30ノット+
航続距離 5500海里(20ノット)
乗員 300人以上
艦載機 2機
兵装
Mk.45Mod4 62口径5インチ単装砲 1基
Mk.41VLS 80セル
国産VLS 48セル
ゴールキーパー30mmCIWS 1基
Mk.49 21連装ミサイル発射装置 1基
4連装艦対艦ミサイル発射管 4基
3連装魚雷発射管 2基
レーダー及び電子機器類
AN/SPY-1D(v)フェーズド・アレイ・レーダー(対空)
DSQS-21 BZ-M艦首対潜ソナー
CAPTAS曳航ソナー
Mk.99FCS(ミサイル) 3基
SLQ-200ソナタ統合電子戦システム
SLQ-261K デコイ
機関
三星 LM2500ガスタービンエンジン 4基2軸
世界最強の解説
世宗大王は韓国機動艦隊創設計画に基づき、韓国海軍艦隊の次期主力艦として建造されたイージス艦である。
艦体の設計は米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦をベースにしているため、海上自衛隊のあたご型護衛艦とは準同型艦と言える。
が、世宗大王の性能はあたごとは比較にならない。
まず排水量。あたごの排水量は7700t。対して世宗大王は10290tある。この値はあたご型、アーレイ・バーク級どころかタイコンデロガ級(基準値7652t)も上回り世界最大の排水量を誇る。
さらにアーレイ・バーク、あたごがVLS96セル対艦ミサイルが8発に対し世宗大王はVLS128セル対艦ミサイル16発という圧倒的火力。
さらにあたご型は建造に約1400億円かかったのに対し、世宗大王は約209億円安い約1100億円ほどである。
つまりコストの面でもあたごを圧倒しているのだ。
世界最強の艦に相応しい追記、修正お願いします。
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…さてここからは真面目に解説しよう。上記の内容、
嘘ではない。
が、
上記の艦の例に漏れず、多数の問題点を抱えている。*1
問題点
マスト
アーレイ・バーク級及びあたご型では、ステルス性を意識した傾斜マストを採用している。
世宗大王級でも傾斜マストを採用しているのだが、竣工後このマストに2本の支柱が追加されている。
そんなことをすれば勿論ステルス性は低下する。
韓国海軍は公式な発表をしていないが、世界の艦船では傾斜マストに強度的問題が発生したのでは?と推測している。
武器
アーレイ・バーク、あたごのVLSが96セル、対艦ミサイルが8発に対し世宗大王はVLS128セル、対艦ミサイル16発と高火力だが武器を沢山つめ込み過ぎたため、艦がトップヘヴィー(重心位置が高い)となり安定性に欠くという問題が発生した。
言うまでもなく韓国海軍は海上自衛隊を仮想敵としているため日本海を主戦場に設定していると思われるが、日本海の波は高いと言われるためこの問題はかなり重要な欠陥と言える。
さらに武器を沢山積み込むと被弾した際のダメージコントロールが困難で、最悪の場合、
被弾→ミサイルに誘爆→自爆により轟沈
の可能性が飛躍的に上がる。
また韓国海軍は伝統的に艦の内装に木材を多用している。
そのため被弾時(平時でも)における火災の際艦内が文字通り炎上する可能性が非常に高い。
データリンク
世宗大王では最新のリンク16という戦術データリンク(軍用のネットワーク)を採用している。
がこのリンク16は韓国軍ではF-15Kと早期警戒機しか採用しておらず、それ以外の軍艦や航空機とはリンクが困難と言われている。
世宗大王は他の軍艦、航空機からデータを受け取れるが世宗大王からはデータを送れないということ。尤もデータリンクの問題は海上自衛隊にもいえることだが…
イージスシステム
世宗大王が搭載するイージスシステムは最新のベースライン7だがイージスシステムに付属する幾つかの装備がオミットされている。
海上自衛隊のこんごう型護衛艦もかなりオミットされた(詳細は項目参照)が、世宗大王はこんごう以上にオミットされている。
オミットされたもの
- 対潜ソナー及び対潜戦闘システム
- 電子戦システム
- デコイシステム
- 慣性航法装置
- 推測航法システム
そして韓国はこれらの部分を国産または輸入品などで代替したが、イージスシステムは対艦、対潜、対空総てを担う統合戦闘システムであるため、正規品でない代替品ではシステム上なんらかの不都合や齟齬が生じる可能性がある。
さらに代替品の開発にかかった費用、輸入代等が建造費には含まれていなかったため実際はあたごより高かった可能性を韓国メディアが報じている。
排水量
世宗大王の排水量は10290tであたご型を超えると述べたが、これも正しくはない。
しかし、世宗大王が数値を詐称して盛っているという訳ではない。
これにはまず排水量について説明する必要がある。
そもそも船には基準排水量と満載排水量の二つの排水量の単位が存在する。
満載排水量とは武器、弾薬、燃料、水、乗組員を全て詰め込んだ単位で基準排水量とは満載排水量から幾分か差っ引いた単位である。
海上自衛隊の護衛艦の項目を見れば解るが、海上自衛隊は何故か満載排水量をあまり公表せず基準排水量を公表している。
世宗大王は基準排水量を公表していない。
つまり世宗大王の10290tとあたごの7700tは単位が違うのである。
あたご型の満載排水量は公表されていないが、推定でも10000tであるため、世宗大王とそこまで大きな差があるわけではない。
評価点
世宗大王は
- 海上自衛隊の護衛艦が装備していない巡航ミサイルの保有
- VLS128セル
- 対艦ミサイル16発
という数値は純粋に脅威であり、対空に限れば純正のイージスシステムであるため世宗大王級が油断できない強力な軍艦であることのは事実である。
余談
そもそも韓国にイージスが必要か?
必要である。
目下韓国の仮想敵国(周辺国の日中露及び北朝鮮)は皆が皆ミサイル舟艇を保持しているからである。
狂気的なまでに地対艦ミサイルを造る日本はともかく、最大の仮想敵国たる北朝鮮に対して反撃作戦をするためには海上優勢が必要である。
そして北朝鮮海軍は魚雷、ミサイル艇を中心にしている。
アメリカ第七艦隊や感情云々を抜きにしても来るしかない自衛艦隊が、一々韓国海軍を助けてくれるだろうか?
当事国としての面子と、祖国防衛、それと自尊心を満たす韓国海軍の苦肉の策である。
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- 目に見えた欠陥を露呈した同僚達に比べれば、本級の欠点は現在の所憶測に過ぎないのよね。予算規模や海軍の優先順位を考えれば日本(8隻)や米国(120隻↑)みたいに多数のイージス艦を準備できない以上、少数でも大型で多機能なものをと言うドクトリンは理解できる。 -- 名無しさん (2022-06-03 17:30:37)
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