グランクレスト戦記

ページ名:グランクレスト戦記

登録日:2016/03/27 (日) 23:15:00
更新日:2024/01/22 Mon 13:38:09NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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「グランクレスト戦記」は富士見ファンタジア文庫より刊行されているライトノベル。全10巻。
作者は「ロードス島戦記」など数々のファンタジー小説を執筆した水野良。
イラストは「鋼殻のレギオス」を手掛けた深遊。


2018年6月14日にはPS4ゲームが発売された。



【あらすじ】

混沌と呼ばれる謎の因子に覆われ、戦乱と混乱に満ちた世界、アトラタン大陸。
大陸には大きな2つの勢力があり、ある時に2つの勢力の嫡子による婚儀により一つになろうとしていた。
しかしその婚儀の最中に、後に「大講堂の惨劇」と呼ばれる事件が起こり、両勢力のトップが暗殺されてしまう。


再び戦乱と混乱が始まろうとする中、一つの出会いがあった。
故郷を救うために旅を続ける青年君主テオ、その青年に理想を見出した魔法師の少女シルーカ。
この2人が後に大陸にその名を轟かせることになるとは、この時は誰も想像していなかった…。



【概要】

富士見書房40周年、メディアファクトリー(MF文庫J)10周年を記念した合同プロジェクト「グランクレスト」の一環で、
TRPGとしての「グランクレストRPG」と並行してスタートした。
作者である水野良氏は、グランクレストの世界観作成を担当している。
専門用語もとっつきにくい言葉はあまり使われておらず、しっかり練られた世界観と個性的な人物たちによる王道のストーリー、単行本の薄さを感じさせないボリューム感と、スムーズな展開で読みやすい。


ドラゴンマガジンで深遊氏による4コマ漫画「どろっぷあうと」が掲載されているほか、2016年6月からはヤングアニマルで漫画が連載中、漫画版の作者は四葉真。
2018年1月からはアニメ化も決定している、


【用語】

◆基礎用語

  • 混沌(カオス)

世界に満ちる謎の因子にして、この世界のトラブルの元凶。その力は凄まじく、物理法則を超越した不思議なことが起こったり、
異世界の存在(魔物・異世界の英雄・別作品のキャラクターも可能)がコピーされて具現化されたり
グランクレストシリーズの別作品によっては、現代の女子高生が呼び出されたりしてしまったこともあった。


  • 聖印(クレスト)

混沌から作り出せる、混沌を浄化し、鎮めることの出来る印。
秩序の結晶とも例えられ、固体ではないが「砕ける」や「割れる」という表現をされることも。
君主の体や持ち物に表れ、君主の様々な力となる。混沌から作り出すには強い意志が必要なのだが、聖印を他人に譲渡することも出来る。
聖印の大きさで階級が設けられており、


皇帝 → 大公 → 公爵 → 侯爵 → 辺境伯 → 伯爵 → 子爵 → 男爵 → 騎士 → 従騎士


となっている。特に最高位の聖印は皇帝聖印(グランクレスト)と呼ばれ、
あらゆる混沌を鎮めることができるといわれているが、現時点で成し遂げた人物はいない。


  • 君主(ロード)

聖印を持つ者たちの総称。
聖印の力で自らを強化するほか、仲間の強化や回復を行ったり、能力を高めれば戦旗(フラッグ)という力で周囲に力を与えたりすることが可能。
混沌を鎮め、人々を守ることが使命とされているが、現在では世襲化し、名誉と富を求めて奪い合う者が多いのが現状。


  • 魔法師(メイジ)

混沌を制御することで、任意の現象を引き起こす「魔法」の使い手たちの総称。
様々な魔法を扱うほか、知識や軍略で君主のサポートを行う軍師の役割も担う。


  • 邪紋使い(アーティスト)

混沌をその身に取り込んだ者たちの総称。取り込まれた混沌は「邪紋」という紋様として身体に刻まれる。
君主と違うのは、その力があくまで個人のみに特化している。驚異的な身体能力を持ち、異形化すら可能とする。
一歩間違えれば化け物ともなり得るため、その力から恐れられることも多い。



◆勢力

  • 大工房同盟(ファクトリー・アライアンス)

大陸二大勢力のひとつである軍事同盟で、大陸の東側の国々で構成されている。
盟主国ヴァルドリンドの力のもとにまとまっていたが、急な代替わりでその求心力に陰りが見えるようになる。


  • 幻想詩連合(ファンタジア・ユニオン)

大陸二大勢力のひとつである国家連合で、大陸の西側の国々で構成されている。
大工房同盟に対抗する形で結束した経緯があるが、前線から離れた国には緩みが出ている等問題も多い。


  • 魔法師協会(メイジ・アカデミー)

一部を除いたあらゆる魔法師が、何らかの形で関わっている組織。魔法士の養成や互助も行う。
古くから存在する組織ゆえに多くの特権を持ち、様々な技術や知識を保管していることから、その権威は大きい。


  • 聖印教会

大陸に広がる新興の宗教組織。「聖印は唯一神より賜りしもので、皇帝聖印によって唯一神は復活し、すべての混沌は浄化される」と説く。
君主から支持を集める一方で、混沌を敵視する教えから、混沌を利用する魔法師や、邪紋使いまで敵視しているため、魔法師協会とは対立状態。


  • パンドラ

二大勢力トップの暗殺事件から急速にその名前が浮上してきた秘密結社。
混沌に満ちた世界を望むために暗躍しているとの事だが、組織の実態については謎に包まれている。


【登場人物】

◆主要人物

  • テオ・コルネーロ

声 - 熊谷健太郎
本編の主人公。
流浪の君主であるが、現在では他者からの譲渡が主な入手方法となった聖印を自力で作成した。
故郷のシスティナを魔境と圧制から解放するために大陸に渡るも、3年間放浪して芽が出なかった苦労人であるが、シルーカに見出されて以降は劇的な人生を送るようになる。
素朴で飾らない人柄だが直観力と共感力に優れており、君主として領民を護るという強い意志と実行力も相まって、多くの人に慕われる。人の上に立つことで初めて輝きが分かるタイプなのだろう。
を扱うが、一騎打ちでは体捌きや防具を駆使した守りに徹する。しかも隙を突いて攻撃するのではなく、相手が疲れ果てるまで延々とガードし続けるというのが彼のスタイル。掲げる戦旗は「パトリオット」。
シルーカの事はたまに魔女と呼んでいるが、自分のの実現に力を尽くしてくれることから信頼している。
もともと彼に姓はなく、今の姓はシルーカが勧めた。コルネーロの名はシスティナの魔境を解放しようとした君主の姓であり、システィナの解放を成し遂げるという彼の意思を表している。


  • シルーカ・メレテス

声 - 鬼頭明里
本編のもう1人の主人公でありヒロイン。物語の開始当初は彼女の視点から始まる。ブロンドヘアーを後ろで束ねている。
アルトゥーク伯ヴィラールとの望まぬ魔法師契約へ向かう際に出会ったテオに理想の君主像を見出し、半ば強引な形で彼の契約魔法師となる。
エーラムでは天才と呼ばれ、実際に様々な魔術を使用し、知略にも長けるために軍師としても力を発揮する。ただ、広く浅くで各方面の魔術を極めた訳ではないので、専門家には一歩及ばず、高位の術をとっさに使えずに苦戦することもある。
契約当初はテオの目的のためとはいえ彼女が陣頭指揮を執ることも多かったが、自らの失策やテオの成長に従って、次第にテオの意思を尊重するようになる。


  • アーヴィン

声 - 中村悠一
現在シルーカに仕えている邪紋使いの青年。黒と茶色の長髪を頭の後ろで編んでまとめている。
長距離走破を得意とするほか、侍従として身の回りの世話から密偵、暗殺までなんでもこなす。完璧な仕事を求められる侍従〔フットマン〕の中でも破格の実力者。
以前は同盟の盟主であるクライシェ家に侍従として勤めていた。
「大聖堂の惨劇」では事件を食い止めようとしたシルーカをそうとは知らず拘束、結果として主人を亡くしてからはクライシェ家を辞し、シルーカに押しかけるように仕えた。本人曰く自分への扱いが前の主人より荒いが、その分仕えがいがあるとのこと。


  • アイシェラ

声 - 上田麗奈
長身に長い黒髪が特徴の邪紋使いの女性。
黙っていれば神秘的と思えるくらい美しいのだが、性格は陽気で明るく、誰に対しても気さくに接する。
邪紋の力は跳躍力強化や自身に発生する慣性の操作。戦士たちに人気の高いヴァルキリーを模倣し、得意である長柄の武器を振るう。混沌の知覚や大まかな操作も可能。
2歳年下のシルーカとは同門かつ魔法学校時代からの知り合いで特に溺愛しており、彼女が仕えたテオには警戒心を露わにしている。養父であるアウベストとは考えの違いに反発、現在の感情を露わにする人の接し方への遠因ともなっている。
魔法大学の入試試験である事情から不合格となり、それ以降は傭兵として活動していた。


  • バルギャリー

異界の一つ、ティル・ナ・ノーグ界に存在するケット・シー(妖精猫)。
ケット・シー内の王位継承権を持つとのことだが、尊大な口調で話すところ以外は、普通より一回り大きい黒猫にしか見えない。
投影体(混沌が収束して作られる生物個体)という存在で、影の中に入り込み、遠くの仲間に連絡をとることが可能。その爪でシルーカを守ることもある。
シルーカとアイシェラとは魔法学校で捕えられていたところを助けられて以来の関係。ただ、アイシェラは過剰な愛情表現から苦手としている。


  • ラシック・ダビッド

声 - 日野聡
セーヴィス西の国境沿いの村を領する君主。爵位は騎士。乱れた金髪が特徴。
傭兵であった父に鍛えられた事で相当の武芸の使い手で、学はないが世情に通じ、相手の気持ちを正確に察する力もある。底抜けな明るさと自信、領地拡大の野心も持つ。
大戦に備えをしていた折に隣国の領土がテオのものとなり、攻め取るに都合の良い条件であった事から攻め込むも、テオ達にモレーノを抑えられたことから降伏。その後はテオに従属し、共闘。


  • モレーノ・ドルトゥス

声 - 松岡禎丞
ラシックの契約魔法師。左右に分けた髪、宝飾品を飾り付けた法衣が目立つ。
軽い口調と性格のために周りからは侮られがちだが、魔法師としての実力は確か。さらに護身術として学ぶ剣の腕はかなりのもの。
大学在籍中に身分を隠していたラシックに魔法師としての契約を誘われ、酒を酌み交わすうちに人柄を気に入り、契約を交わした。ちなみに大学在籍中には(女性関係で)嫌な思い出が多数ある様子。
テオ達に攻め入ったときは単独でシルーカを狙い、疲労しながらかなりの所まで追い込むも、救援に駆け付けたテオに敗れ降参。その後はラシックに従う形でテオと共闘。


  • プリシラ・ファルネーゼ

声 - 高森奈津美
聖印教会に所属する女司祭。テオに仕えるためにやってきた。シルーカ曰く、顔立ちが良くてスタイルもいいとのこと。
教会より与えられた聖印の力で強い癒しの魔法を行えるほか、邪紋使いや魔物に痛みを与えるを発することもできる。
前述のとおり美人なのだが、純粋に教義を信仰しているせいか会話をすぐに入信の話に持っていくため、アイシェラとは違った方向で残念美人。
シルーカとは組織が対立しているせいか言い合いになることが多い。


  • エマ、ルナ

声 – 鈴木みのり(エマ)、中島愛(ルナ)←え、狙ってる?そんな訳ないでしょう。
アルトゥーク地方北部の魔の森に住まう双子の姉妹。人狼と呼ばれる混沌使いの一族で、彼女たちもに変身する能力を持つ。
いつも一緒に行動しており、顔立ちも性格もそっくりなのだが(装飾品と髪の結ぶ方向くらいしか違わない)、「双子」とまとめられて呼ばれるのは嫌う。
前述のとおり狼に変身する能力を持ち、双子ならではのコンビネーション攻撃も持つ。



◆大工房同盟

  • マリーネ・クライシェ

声 - 茅野愛衣
大工房同盟の盟主。
本来ならば連合のアレクシスと結ばれるはずだったが、「大講堂の惨劇」によって父を殺され、ヴァルドリンド辺境伯として同盟の盟主となった。
エーラムに留学中にアレクシス・ドゥーゼと恋に落ち、婚姻による両勢力の統合を目指すも、そのせいで前盟主であった父親を殺され、自責の念から現在は武力による大陸の統一を目指している。
気高く、君主としての度量はあるが、女性で若輩ゆえに配下の騎士たちから軽んじられる傾向にある。


  • アウベスト・メレテス

声 - 三上哲
マリーネの契約魔法師長。シルーカとアイシェラの養父。
もともとクライシェ家の魔法師であったが、大公暗殺後にマリーネによって魔法師長に抜擢された。
奇策を用いず、口舌に頼らず、淡々と正論で追い詰める。
普段は温厚な性格で、不器用ながら優しさを表に出すこともあるが、「私情や私欲に囚われることなく、事実に基づいた最善の策を献ずる」ことを理想として自身に課している。そのため、魔法師の立場になると、義理の娘を切り捨てるような冷徹な進言も厭わない。


  • ウルリカ

声 - 原田彩楓
海洋王と称されるノルドの王、エーリクの娘。マリーネを姉様と慕う。
見た目は幼いが大斧を安々と振るう戦闘狂。


◆幻想詩連合

  • アレクシス・ドゥーゼ

声 - 井口祐一
幻想詩連合の盟主。ハルーシアの領主で、爵位は侯爵。
本来ならば同盟のマリーネと結ばれるはずだったが、「大講堂の惨劇」によって父を殺され、連合の盟主となった。
暗殺された前盟主であるシルベストル・ドゥーゼの継嗣であり、善良な人柄から君主、領民を問わず誰からも愛されている。
ただし、余りに善良すぎるが故に連合の盟主としては些か頼りなく思われている。
エーラムに留学中にマリーネ・クライシェと恋に落ち、婚姻による両勢力の統合を目指すも、そのせいで同盟との戦争には消極的。


  • ヴィラール・コンスタンス

声 - 櫻井孝宏
連合所属、アルトゥーク領の領主で、爵位は伯爵。
眉目秀麗な顔立ちだが、魔法大学の見目麗しい女子学生とだけ魔法師の契約を結び、25歳になったら契約を解除、さらに露出の多いローブを支給することから、「好色伯」と呼ばれる。

実際は文武に極めて秀でた才を持つ。噂については土着信仰の関係から、魔法は女が扱うものという風潮が強いことを考慮してのことであり、実際に仕えた魔法師には手を出していない。25歳までとしているのは、いったん君主と契約すると結婚も子育ても早々できなくなる女性魔法師の人生を考慮してとのこと。


  • マルグレット・オディウス

声 - 甲斐田裕子
ヴィラールと契約している側近の魔法師長。まっすぐ伸びた赤い髪に真っ赤な法衣を身にまとっている。激情的な性格だが、判断は冷静。
元素魔法に長けており、特に炎の扱いに長ける事から「業火の」という二つ名を持つ。
ダルタニア地方で炎を崇拝する辺境部族の自然魔法師(シャーマン)で、彼女の部族が魔法士協会と交流を持っていたことから魔法大学に留学。後にヴィラールの目に留まり、契約させられることになった。


  • ラウラ・ハードリー

声 - 安済知佳
ヴィラール側近の魔法師。豊かな金髪を派手に結い上げている。
両親が魔法師という数少ない存在。魔法師の才能は決して血縁で伝わるものではないので、そういった意味でも珍しい。物質を操作する静動魔法が得意。


  • ヘルガ・ピアロザ

声 - 内山夕実
ヴィラール側近の魔法師。短く刈った黒髪。
生命魔法が得意で、「螺旋の」という呼び名を持つ。


  • コリーン・メッサーラ

声 - 本渡楓
ヴィラール側近の魔法師。短い茶髪を2つにまとめ、眼鏡をかけている。
敵兵を殺すことに涙するなど、戦場に立つには気の弱いところがある。
創成魔法に長けている。


  • ミルザー・クーチェス

声 - 羽多野渉
大陸南東部に位置する島国、ダルタニアの皇子。アルトゥークの客将でもある。
ただ1人で戦場の局面をひっくり返す、シルーカ、アーヴィン、エマ、ルナ、アイシェラの5人がかりでも歯が立たないなど、個人の武芸による戦闘能力は作中最強クラス。
領民を気にして積極的に行動しない君主を軟弱だと嫌っており、「野心無き者に生きる資格は無い」とまで言い切り、実の父さえも殺した程。
特にテオは育てた聖印を手放した逸話から特別に毛嫌いしており、何かとちょっかいを出している。
諸国を5年巡って自らの聖印を育てる中、大陸統一の覇を目指す者の剣となりたいと思っている。



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