カステイラ

ページ名:カステイラ

登録日:2009/05/28 Thu 17:00:36
更新日:2025/08/17 Sun 18:12:01NEW!
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…想像して欲しい



表面にあるザラメがほどよく焦げて甘さとほろ苦い味が口のなかでとろけ合う
そしてすかさず牛乳をゴクリ…



至福の時である




ちなみにレンジでチンするとフカフカで美味い
そしてそこにすかさずホットミルクをゴクリ…



至福の時である




急いで食べようとして紙ごとガブリ…
そしてすかさず牛乳をゴクリ…



至福の時である




夏は冷蔵庫で冷やすと程よい固さでしっとりとして美味い
そしてすかさず冷えた牛乳をゴクリ…



至福の時である




ただでさえ美味しいにもかかわらずチョコチップが入っているものがあるらしい
それを当然牛乳と一緒にゴクリ…



至福の時である




なんと抹茶味のものまであるらしい
甘さと茶葉の渋い味が口のなかでとろけ合う
そしてすかさず牛乳をゴクリ…



至福の時である




時には趣向を変えてシュークリームを食してみよう


芳醇なヴァニラの香りと新鮮な卵の風味が心地よいカスタードと、それを包む軽い歯触りのシュー生地とが溶け合い、えも言われぬハーモニーを奏でる



…美味い



シュークリームとはこれほど美味い物であったか


初めての経験に衝撃を覚えつつカステイラをガブリ
そしてすかさず牛乳をゴクリ…



至福の時である







我々を幸福にさせてくれる合法ドラッグ、カステラの古風かつ優雅な呼び方。


その歴史は古く、室町時代ポルトガルからの宣教師により長崎周辺に広められたとされている。
その為、分類上は和菓子(明治以降に伝えられた菓子を洋菓子とする)。


材料は基本的に卵、小麦粉、砂糖。


このシンプルさが日本でも淘汰されなかった主因である。
ただし日本のカステイラはルーツとされているポルトガル製菓のパォン・デ・ローと違う点もあり、
砂糖の配合が多く*1、使用する砂糖も上白糖がメインで、水飴か蜂蜜も加えているので、食感は異なっている。
また、カステイラもパォン・デ・ローも製法は共立て法と別立て法に大別されるが、カステイラは共立て法が一般的になっているという*2

ちなみに台湾カステラ(現地呼称:古早味蛋糕/現烤蛋糕/布丁蛋糕)は、卵、小麦粉、砂糖に加えて植物油も必ず使用していて、
薄力粉と植物油を混ぜてから黄身やメレンゲと合わせて湯煎焼きすることで、独特なふっくら感を生み出している。

カステイラ台湾カステラ

40g卵黄
120g卵黄
200g全卵240g卵白
40g水飴100ml植物油
20ml味醂適量バニラオイル
30gザラメ
150g上白糖100gブラウンシュガー
120g強力粉100g薄力粉

Aオーブンの設定温度を160度に設定して予熱する。
18cm×高さ6cmの角型に型紙を張り、ザラメを散らす。
卵を常温に戻し、強力粉はふるっておく。
水飴と味醂を合わせて湯煎する。

Aオーブンの設定温度を150度に設定して予熱する。
18cmの角型に型紙を張り、底取れ式の場合はラップとアルミ箔で覆う。
卵を常温に戻し、薄力粉はふるっておく。
植物油を湯煎して80度まで温める。
B60度程度の湯煎に掛けながら、卵と上白糖をハンドミキサーで攪拌する。
卵液を掬って垂らした時に、のの字を描けるまで泡立てる。
B植物油と薄力粉を泡立て器で混ぜ合わせる。
卵黄を少しずつ混ぜ合わせ、お好みでバニラオイルも加える。
CBに水飴と味醂の混合液を混ぜ合わせる。Cハンドミキサーで卵白のコシを切り、ブラウンシュガーを加える。
角が立ち上がらない程度まで泡立てる。
DCに強力粉を加えて、木べらで粉気が無くなるまで切るように混ぜる。DBにCを1/3ずつ分けて入れ、木べらで掬うようにして混ぜる。
EDを金ざるで漉しながら型に流し、10cmくらいの高さから数回落とす。
大きい気泡を楊枝か竹串で潰す。
EDを型に流し、竹串で端から渦を描くように動かして泡切りする。
バットに布巾かペーパータオルを敷き、型を置く。
F霧吹で表面を軽く濡らす。F型の高さの1/3程度まで80度のお湯を張る。
Gオーブンで40~50分くらい焼成し、竹串で焼き加減を確かめる。
10cmくらいの高さから数回落として余分な水蒸気を抜く。
Gオーブンで50~60分くらい焼成し、竹串で焼き加減を確かめる。
10cmくらいの高さから数回落として余分な水蒸気を抜く。
H型と型紙を外し、裏返してケーキクーラーか網に載せる。
布巾を被せて、粗熱を取る。
H型を外し、ケーキクーラーか網に載せて粗熱を取る。
粗熱が取れたら型紙を剥がして切り分ける。
Iラップに包み込み、常温で半日くらい休ませる。I冷やす場合はラップに包み、冷蔵庫で半日くらい休ませる。

※本格的なカステイラは型に木枠を採用し、上下火の温度設定が調節可能な大型のオーブンで焼成したり、焼成後は木箱に休ませることでしっとり感を出している。
※上記の手順における泡切りは非常に簡略化していて、本来は焼成の段階で何度か実施する。また焼成の過程で温度を調整し、色付けやガス抜きする作業も省略している。


洋菓子では牛乳が多く用いられるが、カステイラでは不可欠じゃないことも牛乳との絶妙な組み合わせが成立する要因だろうか。*3


この菓子を作り上げた先人達と日本に広めた宣教師達には全力で敬意を表すべきである。



実はカステイラというのは現在私たちが「カステラ」と呼んでいるものが乗っていた皿に描いてあった「城」(castle→castilla)のことだったようだ。
伝道者は皿の模様を指さし、翻訳役は乗っていた菓子をカステラだと思ったらしい。
ポルトガル本国において日本へ伝来した経緯は知られておらず、カステラ自体を知らない人もいたという。

なお、スペインのビスコチョが原型であるという説も存在する。

「ビスコチョ」は、ラテン語の「bis coctus(二度焼く)」に由来し、当初は乾パンのような保存食だった。16世紀末には砂糖や卵を使ったふっくらした焼き菓子へと進化し、修道院での製法が発展した。
また、ポルトガルの「パォン・デ・ロー(Pão de ló)」もカステラのルーツとされ、スポンジケーキのような形状を持つ。両者とも「小麦・卵・砂糖」で作る焼き菓子という共通点がある。
ビスコチョの故郷、スペインの古王国「カスティーリャ(Castilla)」はポルトガル語では「カステーラ」と発音され、当時の日本人がお菓子の名前を聞いたところ、パォン・デ・ローと区別するために
ポルトガル人が「ボロ・デ・カステラ(カスティーリャ王国のお菓子)」と答え、日本では「カステラ」と呼ばれるようになったという。
中世のイベリア半島では、カスティーリャ王国・アラゴン・ポルトガルの三国が存在し、カスティーリャとアラゴンが統合されてスペイン王国が誕生した。
カスティーラという国名は失われたが、そこで作られていた「カスティーラ・ボーロ」はポルトガルに伝わり、宣教師の往来を通じて日本に渡ったとされる。
カステラは日本に入ってから大きく変化し、スペインのお菓子博物館館長が「材料も製法も同じなのに、まったく異なる繊細な味わい」と評したほど、日本独自の菓子文化として昇華された。
余談だが、2010年や2020年の頃にブームとなった半熟カステラについては、パォン・デ・ローを参考にしている*4
半熟タイプのパォン・デ・ローは1990年代後半にポルトガルで広まっていた経緯があり、日本でもその存在は知られて2000年前後に商品化が試みられている。


勘違いからカステイラという素晴らしき言葉が生まれたのだった……
もっともこれは諸説のひとつに過ぎず、真相は不明である。



類似のお菓子がいくつも出てきた所で「カステイラ」「スポンジケーキ」「ホットケーキ」の違いについて触れておきたい。
いずれも卵・小麦粉・砂糖を使った焼き菓子でありながら、その成り立ちや食感、文化的背景は大きく異なる。


分類と歴史的背景

  • カステイラ:室町時代にポルトガルの宣教師によって長崎周辺に広まり、分類上は和菓子。
  • スポンジケーキ:明治以降に西洋から伝来した洋菓子。
  • ホットケーキ:アメリカ由来の家庭菓子。昭和初期に日本で普及し、洋風家庭菓子として定着。

材料の違い

菓子名 主な材料 油脂 乳製品 膨張材
カステイラ 卵・砂糖・強力粉・水飴・みりん 不使用 不使用(例外あり) 不使用
スポンジケーキ 卵・砂糖・薄力粉・バター・牛乳 使用 使用 不使用
ホットケーキ 卵・砂糖・薄力粉・牛乳・ベーキングパウダー 使用(バター) 使用 使用(ベーキングパウダー)


▶ カステイラは油脂・乳製品・膨張材を使わないのが特徴。ホットケーキは膨張材を使ってふっくら仕上げる。
製法の違い

  • カステイラ:共立て法が主流。卵と砂糖を湯煎で泡立て、低温でじっくり焼成。泡切りあり。
  • スポンジケーキ:共立てまたは別立て。油脂を加え、高温で短時間焼成。
  • ホットケーキ:材料を混ぜてフライパンで焼く。泡立て不要。家庭向けの簡易製法。

食感と風味

菓子名 食感 風味
カステイラ もっちり・しっとり・重め 澄んだ甘み・卵の風味
スポンジケーキ ふわふわ・軽やか バターの香り・洋菓子らしい風味
ホットケーキ ふっくら・ややもっちり 甘く香ばしい・バターとメープルの風味が定番


▶ カステイラは糖分の保水性でしっとり感を出す。スポンジケーキは油脂でしっとり感を、ホットケーキは膨張材でふっくら感を出す。
焼成方法

  • カステイラ:オーブンで低温焼成(約160〜180℃)、泡切りあり。
  • スポンジケーキ:オーブンで高温焼成(約200℃)、泡切りなし。
  • ホットケーキ:フライパンで中温焼成。両面を焼く。

小麦粉の種類

  • カステイラ:強力粉(グルテン多め)
  • スポンジケーキ・ホットケーキ:薄力粉(グルテン少なめ)

カロリー比較(100gあたり)

菓子名 カロリー
カステイラ 約312 kcal
スポンジケーキ 約298 kcal(※デコレーションで増加)
ホットケーキ 約260〜300 kcal(※バター・シロップで増加)

  • カステイラは、油脂を使わず糖分でしっとり感を出す、日本人の繊細な味覚に寄り添った菓子。
  • スポンジケーキは、バターや牛乳で豊かな風味を加えた洋菓子らしい一品。
  • ホットケーキは、手軽さと家庭的な温かみを持つ、日常の甘いご褒美。

材料が似ているからこそ、製法や文化の違いが際立ち、
それぞれが独自の魅力を持つ菓子として、今も多くの人に愛され続けている。



余談だが「カステイラ」と言えば、老舗・文明堂の
「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂」~♪
のCMを思い出す。


実は全国的に有名な上記のフレーズ。


長崎と兵庫では流れなかった為、知らない人も結構多かったりする。


ちなみに長崎で同様のものは「♪間もなく3時~カステラタイム(ママおやつ)カステラ一番、電話は二番 文明堂のカステ~ラ」


というもので、


兵庫では「カステラ一番、電話は二番、神戸のカステラ文明堂」


とナレーションが入るものだった。



余談

さて、カステラといえばこの絵本を思い出した人も多いのではなかろうか?


ぐりぐら である。


大きなたまごを見つけて、巨大ななべでつくるふわふわの黄色いカステラ
幼心においしそうに見えたものである。



カステイラが好きなキャラクター





追記・修正はお上品に



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  • 長崎土産として小学の頃食べた、一口でファンになった -- 名無しさん (2014-01-12 17:27:32)
  • カステイラの名前を忍たまで知った -- 名無しさん (2014-01-12 17:36:43)
  • 昔の人は英語は殆ど読めなかったが耳でほぼ完璧に翻訳してたそうな、スゲー -- 名無しさん (2014-01-12 17:43:56)
  • 抹茶味はほんのり苦いのが凄く美味しい -- 名無しさん (2014-01-12 19:28:12)
  • ザラメがないと物足りない -- 名無しさん (2014-01-23 17:24:57)
  • 蜂蜜も美味しいですよね -- 閲覧者 (2014-02-11 15:09:56)
  • 何故牛乳と合うんだろうか -- 名無しさん (2014-02-11 16:04:43)
  • 砂糖が使われる前はワサビとかつけて食べてたんだっけ -- 名無しさん (2014-02-11 16:24:19)
  • え!? ワサビ!!! -- 閲覧者 (2014-02-20 16:20:04)
  • カステラをアレンジした長崎土産で綺麗菓ってのがあるんだけど、見た目のきれいさと美味しさがヤバい。 -- 名無しさん (2014-02-20 16:25:46)
  • 忍たま乱太郎とかるろうに剣心とかで出てきたときはそんなに古いお菓子なのかと子供ながらに驚いた。見ただけで普通に作れた山田先生と剣心の「かすていらでござるか」に地味に吹いたのもあるけどw -- 名無しさん (2014-05-20 23:52:54)
  • かすていらでござるか・・・ -- 名無しさん (2014-05-20 23:54:53)
  • 色がまた美味しそう。 -- 名無しさん (2014-06-13 22:00:03)
  • 何か前、テレビで見た生カステラって食べてみたい。 -- 名無しさん (2014-06-13 22:11:39)
  • 地元の人はあんまり牛乳と一緒に食べないんだよな -- 名無しさん (2014-08-12 23:00:08)
  • 昔ワサビカステラ売ってるの見たけど今でもあるんだろうか -- 名無しさん (2015-01-04 00:57:08)
  • 半熟生カステラの旨さは異常 …けどめったに売って無い上に当然値段も普通のカステラより高い -- 名無しさん (2015-10-18 19:52:40)
  • ↑食べてみたい……ジュル -- 名無しさん (2015-10-18 20:26:17)
  • 勘違いだったとしても菓子の乗った皿を指して言えばそら菓子の事だと思うよ… -- 名無しさん (2016-09-28 12:04:10)
  • あれ、カスティーリャ王国からポルトガルに伝わったからと長崎で聞いたんだけど -- 名無しさん (2017-09-17 16:09:54)
  • 皿にCastillaと書いてあったんじゃなかったか。4年前のコメに言ってもしゃーないけど -- 名無しさん (2021-09-14 17:31:29)
  • 長崎県民はゆうてカステラ食べない。 -- 名無しさん (2021-12-16 19:15:39)
  • 一種の栄養剤やエリア回復アイテムとして使われている事例もあるという -- 名無しさん (2022-11-13 18:02:52)
  • 縁日の定番ベビーカステラ、だと思ってたら関東だとあまり無いと聞いてショック -- 名無しさん (2023-01-03 16:30:07)
  • 長崎出身だけど確かに長崎の人はカステラ殆ど食べない、下に砂糖あるのは高級ってイメージもないし普通に安く売ってあるのも砂糖付いてる。でも長崎で売ってあるカステラは正直他と味は違う、美味い。一般で普通に売られてるの食べて「こういうもんか」って思った人は1度機会があったら長崎の店で売ってあるの食べてみて欲しい認識が変わる、マジで美味い。これがカステラの味!?って思う筈 -- 名無しさん (2023-01-18 18:33:35)
  • かすていらでござるか...。 -- おぼろ丸 (2023-01-18 18:35:41)
  • カステラ男爵、カステラ姫、カステラぼうや、 カステラ城コック長、カステラ城のコック助手、カステラ城の侍女、カステラ城の従者、カステラ城の兵士(それいけ!アンパンマン)                                                  -- 名無しさん (2025-08-04 23:38:04)

#comment

*1 例外もあるが、日本のカステイラが卵1:小麦粉0.5:砂糖1に対して、中世のパォン・デ・ロー・デ・ポルトは卵1:小麦粉1:砂糖0.55という配合である。
*2 文明堂や松翁軒は共立て法、福砂屋や上野凮月堂は別立て法を採用している。卵の風味は共立て法、ふっくら感は別立て法が勝る傾向にある。
*3 カステイラも台湾カステラも牛乳か豆乳を加えるレシピは珍しくない。
*4 半熟タイプのパォン・デ・ローは数種類存在するが、オヴァール地方のレシピが特に有名である。

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