屠苏酒

ページ名:屠苏酒

基本情報

翻訳部分は日本語版アプリから引用。

名前 屠苏酒 ピンイン tú sū jiǔ
日本版/読み 屠蘇/とそ 凡人名 屠苏
菜系 レア度
概要

古时春节饮用酒,又名"岁酒"。化灵后追随华它学医,拥有高超医术,却对先师之死耿耿于怀,脾性越发古怪。

昔、春節の時に飲んだお酒、またの名は「歳酒」。化霊した後、華佗※1に医術を学んでいた。抜群の医術を持っているが、ずっと師匠の死に気にかかって※2、風変わりな人になってしまった。

※1:後漢末期に活躍した伝説的な医師。薬学と鍼灸に優れ高徳の誉れ高かったが、権力に屈することを拒んだために非業の死を遂げたとされる。
※2:詳細は蛇足

贈り物

消毒药皂

散发着古怪味道的药皂,据说是萃取多种中药精华制成,清洁能力奇佳,唔……送给某人做术前准备应该很适合。

消毒用の薬用石鹸

不思議なにおいがする薬用石けん。いろんな漢方薬から抽出したエッセンスで作られ、驚くほどの洗浄力を持つらしい。う〜ん・・・誰かさんが手術前の消毒用に使うのにもってこいかも。

絵師

通常:隼熙

玄武济世:未卿君

朽木生花:玄鸟

轻衫杏暖:crow_鸦羽

CV

中国語:孙晔

日本語:杉山紀彰

 

ボイス

翻訳部分は日本語版アプリから引用。

相逢/出会い

 

ここはどこだ?誰かを助けるために俺を呼んだのならお断りだ!

问候/挨拶

 

今は医術を教える身だ。俺のことを『師匠』と呼んでみな。

相伴朝/同伴・朝

 

早く起きろ!『五禽戯(ごきんぎ)※3』の練習時間だ!俺も一緒にやれだと?フン、俺が何の練習をするんだ?いいから、ひとりでさっさとやれ!

※3:健康体操のこと。後漢末期に名医と名高い華佗によってまとめられたとされ、以来変化がありつつも現代まで伝わっている。

相伴夕/同伴・夕

 

俺が教えてやった『養生経(ようじょうきょう)※4』のことを忘れたのか?夜更かしが過ぎると朝になったら頭が禿げてるぞ!

※4:恐らく黄帝内経のこと。現存する中国最古の医学書とされている。黄帝と何人かの問答形式で記述されている。なお黄帝は三皇五帝という中国の伝説上の皇帝のひとり。

投桃/贈答

 

ん?ようやく病状に応じて投薬できるようになったようだな、褒めてやる。

赠礼/贈答

 

相手の好みに合わせることは、病状に応じて投薬することと同じだ。君はまだまだ練習が足りないようだ。

闲谭一/雑談1

 

薮医者と偽薬が氾濫しすぎじゃないか?変人扱いされている俺より、この世の中のほうがよほどおかしいだろう?

闲谭二/雑談2

 

世の中で、最も毒なのは俺の舌だと?ならば君が、俺と毎日口喧嘩をできるのは、どんな毒にも、もう害されないってことだな?!

喜恶/好き嫌い

 

自分の命を惜しまない者は、救ってやったとしても、薬草が無駄になるだけだ

赞扬/賛辞

 

君が『賢くて優しい』だって? ハッ、なんとさもしい妄想だ……俺は全っ然、そんな風には思わないけどな!

指尖传情一

指先に込める思い1

 

舌を出して、目を回してみろ。なんだ、病気ではないな。ならば何故、俺のことを茫然と見ている?

指尖传情二

指先に込める思い2

 

君は本当に脈を測っているのか?まさか俺を触りたいだけじゃないだろうな?

指尖传情三

指先に込める思い3

 

服を着たままじゃ、経穴※5がわからない?まだまだ未熟だな!手を出せ、場所を教えてやる!

※5:ツボのこと。全身に約360か所あるとされる。

撒娇/甘え

 

俺には助手が必要だ……よし、その役を君に命じよう!俺の傍でもっとしっかり学べ!

告白/告白

 

そうだ、俺は君のことが好きだ。『病、膏肓に入る(やまいこうこうにいる)※6』ほどに好きだ!こ、これで満足か?

※6:医者の手の下しようもないほど重篤になった状態のこと。転じて何かに熱中して手のつけられないような状態。

结阵/結陣

 

俺のことを何だと思っている?随行(ずいこう)する老医か?

入阵/入陣

 

君の病は相当重症化しているな。

破阵/破陣

 

『起死回生』させるかは、俺の気分次第だ!

求援/救援要請

 

俺をどうしたら救えるか、よく考えるといい。

铩羽/虚弱

 

名医はこの世の命をすべて救えるが、自分の命だけは救えない……

得胜/勝利

 

今度はよく『玉石共に焚く※7』のようなことをする奴らを、大人しくさせてもらえないのかねぇ?

※7:良いものも悪いものも関係なく共に滅びること。

探索/探索

 

足が不自由なこの俺に探索をやらせるなんて、なかなかの所業だな!車椅子が壊れたら、弁償してくれるのか?

劳作/労働

 

この俺に労働させるか?フン、自分の決めたことを後悔するなよ!

升星/昇格

 

『行気活血(こうきかっけつ)※8』、『固本培元(こほんばいげん)※9』……漢方の理解は足りているようだ。君の成果を、褒めてやろう。

※8:中国医学の用語で、気の流れと血の流れを同時に良くする方法のこと。
※9:基礎を固めて才能を伸ばすこと。こちらも中国医学の考え方に基づく言葉。

突破/突破

 

陰陽のバランスを保てていれば、どんな病気にもかからない。

调理/療養

 

薬湯(やくとう)で『療養』させる効果がわかっているのなら、それほど愚かな者ではないな。

寻踪/探索

 

今日の教えはここまでだ。もし今度、薬の名前を間違えたら罰を与える。そうなっても、俺を恨むなよ。

 

资料(伝記)

翻訳部分は日本語版アプリから引用。

忆往昔/追憶

屠苏酒乃东汉末年名医华佗创制,承载着凡人对身强体健的祈愿化灵而来,成为华佗第二位弟子。华佗钟爱这位弟子,他也很是敬重师父,决定要像师父那样悬壶济世。然而世事难料,如华佗这般功德无量之人,却没有得到善终,而是被自己的病人曹操给戕害了。
见证一切的屠苏酒,脾性日渐古怪。他将登门求医之人统统赶出门去,因此受到了某些权贵的死亡威胁。这些遭遇令他对人间愈发失望,并最终选择遁入妖族国度“青丘”定居,过上他所向往的平凡生活。
但平凡生活并非没有代价,他离开人间后,作为菜肴的屠苏酒濒临失传,这导致身为食魂的屠苏酒,魂力亦渐渐变弱……

お屠蘇は後漢末期の名医華佗に作り出され、人々の健康に対する祈りにより化霊した。華佗は2番弟子である屠蘇を愛し、彼もまた師匠を敬い、師匠のような医師となり人々を救うことを決意する。しかし、この世は予測できないことだらけであり、華佗のような徳の高い者でも、その生涯を最良の形で終えることはできず、最後は自分の患者だった曹操の手で命を奪われてしまった※10

そのすべてを目にしていた屠蘇は、日増しに偏屈になり、終いには訪ねてきた患者を片っ端から追い出し始めたのだ。そのため、権力者から命を脅かされるようになり、そのことが彼のこの世への失望に拍車をかけた。最終的に彼が選んだのは、妖族の国「青丘※11」での平凡な隠居生活。

しかし、平凡な生活にも、対価が必要だった。人間界を後にしたため、料理としてのお屠蘇は伝承が途絶える危機に瀕し、それにより、食魂としての彼の魂力も徐々に弱まっている…

※10:長くなるので蛇足
※11:中国の伝説や神話に登場する東方の地。ヨーロッパ的に言えばエデンの園など、東のかなたにある理想の地。

摹形貌/容姿
 

长的身形,俊秀的面庞上生着两颗痣。一袭古朴长袍,一头漆黑长发,发间的饰物据说是用其化灵的那缸酒的封布所制。这样的屠苏酒,给人的印象本应是一位翩翩公子,可他的眼睛着实太淡漠,太拒人于千里之外了,纵然有千万句夸奖他的话,对着这双眸子亦只能噎在喉中。
因濒临失传,魂力渐失而不良于行,屠苏酒需要靠轮椅代步。或许因他的本体是药酒,又或许因他身为医者,屠苏酒会运用令植物生长的能力,让他的轮椅上缠满白术、桂枝和川椒等药材的枝叶与花果,它们迎风而舞,摇曳不定,就好似这位怪医难以捉摸的心绪

背が高く、整った顔立ちに二つのほくろ。古風な衣をまとい、漆黒の長髪を持つ。髪飾りは、化霊した際の酒がめの蓋布で作られたものだといわれている。このような屠蘇は、本来ならば上品な貴公子という印象を与えるはずだが、その瞳はあまりにも冷たく、近寄りがたい眼差しをしているため、何千何万という褒め言葉すら、彼を目の前にするとのどに詰まらせてしまう。

伝承が途絶える危機に瀕しているため、魂力が弱まり、屠蘇は車椅子での生活を強いられている。本体が薬酒だからか、それとも医者であるためか、車椅子には、白朮や桂枝、川椒などの薬草が生い茂っている。風に吹かれて揺れ動く枝葉はまるで、つかみ所のないこの偏屈な「怪医」の心のようだ。

战四海/技能

屠苏酒通晓药理,且擅长点穴。他的指法能在对敌方单个目标造成伤害的同时,令其沉默;他还能让轮椅上的药草倏然生长,使其在清除自身负面效果的同时恢复自身生命,并减少技能【草木济苍生】冷却回合。
但他最为神奇的,还是那“活死人,肉白骨”的能力。他精湛的医术能令重伤而人事不省的队友在瞬间起身,继续投入到战斗中去。不过,这种能力对于魂力本就衰弱的屠苏酒而言,似乎是一种伤害……

屠蘇は、薬事や穴突き※12に長け、その指使いは単体ターゲットにダメージを与えると同時に、対象を沈黙させることができる。また、車椅子の薬草を急激に成長させることで、自身のデバフ効果を取り除きHPを回復させると同時に、スキル【救いの緑】のクールタイムターンを減らすこともできる。

しかし、彼の持つ最も驚異的な力は、やはり「死者をも蘇生する」能力だろう。その優れた医術により、重傷で目を覚まさなくなった仲間さえ、瞬時に蘇らせ戦いを続けさせることができるのだ。ただ、魂力が弱まっている彼にとって、その力は身を削るものでもあるが…

※12:ツボ押しマッサージのこと。原文の「点穴」は武侠小説において用いられる言葉でもあり、分かりやすく言うと北斗百裂拳。ツボをつくと人が死んだりもする。

绘佳肴/味

传言屠苏酒是用大黄、白术、桂枝、防风、花椒、乌头、附子等中药浸制而成的药酒,颇具益气温阳、散邪祛风之效。
古时有每年正月初一,全家按先幼后长次序饮屠苏酒的习俗。宋代诗人王安石《元日》“爆竹声中一岁除,春风送暖入屠苏”中的“屠苏”指的便是屠苏酒。据说古人还会用红布把药渣包好,挂于门框,用来驱疫避瘟。

お屠蘇は、大黄や白朮、桂枝、防風、花椒、烏頭、附子などの生薬をつけて作られる薬酒であり、気血を補い身体を暖め、風邪症状を改善する効果があるといわれている。

昔は元旦に、年若い順から家族全員でお屠蘇を飲む風習があり、宋代の詩人である王安石※13の『元日※14』に記載されていた「爆竹声中一歳除き、春風は暖を送りて屠蘇に入らしむ」の「屠蘇」がまさにそれだ。昔の人は、生薬の残りかすを赤い布で包み、戸枠につるして疫病を祓ったという。

※13:宋代の詩人、政治家でもある。「紅一点」の由来も彼の作品とされている。
※14:950年程前のお正月の様子だが、今とあまり変わらない様子。「爆竹を鳴らし暖かい春風の中で屠蘇を飲む」(書き下しの翻訳)のが、一般的だったことが分かる。

解赋性/天性の才

作为坊间传闻中的“怪医”,屠苏酒性情乖张,我行我素。旁人时常无法料到他会做出何等出格行为,无法揣度他那颗美丽的脑袋究竟在想何事,亦无法预测他那好看的唇间,到底能吐出何种噎死人的字眼。
他虽医术精湛,却并不愿好好地使用这份能力。师父的遭遇令他认为,治病救人也不一定能得善终,反正生老病死乃世间常态,救亦是无用……只是这样的屠苏酒,却对稚子抱有一份爱护之情。或许是因为饮用屠苏酒时,遵循的是先幼后长的顺序,孩童便成为了屠苏酒唯一愿意救治的对象。

巷で「怪医」と呼ばれている屠蘇は、偏屈で自由奔放な性格をしている。どんな常軌を逸する行動をとるのか、その美しい頭でなにを考えているのか、そしてその美しい唇からどのような耳を疑う言葉が出てくるのか、凡人に予測することはできない。

医術には長けていたが、その力を人のために使おうとはせず、師匠の一件から、病気を治して人助けをしたところで、必ずしもすばらしい結果が訪れるとは限らない、生きるの死ぬも、老いも病も、すべては世の常であり、助けても無駄だと思っている…しかし、そんな屠蘇でも幼子には一種の愛情を抱いている。屠蘇を飲むのは、幼い順という理由からか、彼が救うのは唯一、子どもだけなのだ。

记今朝/絆

“空桑里的这帮人竟连五禽戏都做不来,着实可恶。尤其是那空桑少主,虎戏做得好似病猫,鸟戏做得好似肥鸡,猿戏时倒是精神焕发,却一个劲往我身上挠……莫不是来故意和我作对的?
不行,我得写信警告这家伙一番:下次再这般胡来,我就要点笑穴伺候了!”

「空桑の奴らは、五禽戯もまともにできないみたいだな。なげかわしい。とくにあの若ときたら、虎の型は弱々しいねこにしか見えないし、鳥の型はまるでふとった鶏だ。猿の型の時なんてひっかいてくるしまつさ…もしかして、わざとオレを困らせようとしてるのか?

だめだ。どうやら、警告の文を出さなきゃいけないみたいだな。こんど、ふざけたら笑いのツボの刑だ!」

 

手紙

翻訳部分は日本語版アプリから引用。

  • 文章の()内に記載されているものは、注意書きが無い限り文章を補うための追記です。
  • 一般的ではない名詞や、意味を調べる必要がありそうな用語については※以下に注釈を入れています。

半面之雅

半分風雅

○○:

近来发现,某蒙面毛发蓬松之人,据说夜半三更还在外游荡;某披甲胁生双翼之人,常常以烟熏烤肉代替正餐;某兜帽碧眼之人,往往日上三竿还赖在房内不愿起身;还有你,空桑少主……有你这样的人物做“表率”,无怪食魂们的生活习惯皆像一团砸烂的鸡蛋,一塌糊涂?从明日起,空桑广场,五禽戏,安排。
<另:我需要一块肥沃土地种植草药,安排。>

屠苏

○○:

最近、ある覆面にボサボサ頭の人間が発見された。夜中にまだ外をふらふらしているという。鎧を身に着け、双翼を持つ誰かさんは、食事の代わりに燻製の肉をよく食べる。フードをかぶる青い瞳の誰かさんは、お日様が高く昇っても部屋にこもって起きたくない。それから、君、空桑の若……君のような「手本」となる人間がいるから、食魂たちの生活習慣は割れた卵みたいにぐちゃぐちゃなんだよ!
明日から空桑広場で「五禽戯」をやるので、手配よろしく。

「おまけ:薬草の栽培に、肥沃な土地が必要だ。手配よろしく。」

屠蘇

同袍同泽

同袍同沢

○○:

<字迹潦草,能看出写信的人似乎有些烦躁。>
药田里的药草倒是被你侍弄得不错。不过,你这般隔三差五来药田寻我,到底是真心实意地来照顾药草,还是对我怀着甚么特别的心思?若是后者……呵,要知道,我虽为神医,可我治不了思想有毛病还一根筋的人!我只能好言<这两个字落笔很重>劝你趁早去做些更有意义的事,比如扒一扒这只送信肥猫肚子上的绒毛到底有多少根,或者数一数海阁里面的水有多少滴?
<警告:下次练五禽戏时,不要借着模仿猴子的机会在我身上胡乱挠,否则……>

屠苏

○○:

「殴り書きで、手紙の書き手がイライラしているよう。」

君は薬畑の薬草をよく世話してくれているね。でも、しょっちゅう畑に来てオレに会うのは、いったい薬草の世話のためか、それとも、オレに何か特別な感情があるから?
もし後者なら……ああ、オレは名医だが、それでも心が病んで思いつめた人は治せないんだよ!オレにはなだめることしかできないけれど「この部分は強調して書かれている」さあ、もっと有意義なことをしたほうがいいね。例えば、この手紙を届けた太っちょ猫のお腹に何本の毛があるか数えてみたり、楼閣の中に水が何滴あるか調べてみたりね!

「警告:次回、五禽戯を練習で、サルの真似※15をしてるからって、むやみにオレの体を掻かないように。さもないと…」

屠蘇

※15:五禽戯には虎、鹿、熊、猿、鳥の5種の型が存在する。若様はサルの型を練習する際、毛づくろいの真似でもしたらしい。

心意相通

以心伝心

○○:

我此次出门去到凡间,碰巧路过师父的墓,见他的墓早已修葺一新,松柏莹莹,甚至有络绎不绝的拜祭之人。人们如此怀念他,究竟是出于对他的思念,还是出于对死的恐惧,想求得传说中的神医的护佑?我虽疑惑,却也懒得探究。还好,我有朝一日消亡的话,是连一丝灰亦不会留下的,你也不必给我搭甚么劳什子衣冠冢,我不想消亡后还有人来扰我,或是怀着某种不真诚的意图,落下廉价的眼泪。不过,若你为我难过,我倒是能够接受……以及我收到了你寄的……常思,你如此热衷于打这种哑谜?那我便应和一番罢。呵,愿陪你玩这无趣的把戏,我大约的确是害了甚么怪病?
<信笺中夹着一枝当归,嗅起来有一股浓重的甜意。>

屠苏

○○:

今回、人間界に出掛けた折、ちょうど師匠のお墓※16を通った。お墓はすでに新しく修繕され、松の木が立派に茂り、お参りに来る人は途切れることがない。人々がこんなに師匠を偲んでいるのは、師匠を懐かしむ思いからか、それとも死への恐怖で、伝説の名医の加護を得たいからでしょうか。疑わしいけれど、追究する気はない。

幸い、オレがいつかこの世から消える時も、ひとかけらの灰をも残さないので、君もオレのために面倒な慰霊碑なんかを作る必要はない。オレは死んだ後も、誰かが邪魔をしに来たり、不誠実な狙いがあって安い涙を流すようなことを望まない。ただ、君がオレの死を悲しんでくれるなら、それは受け入れる……

君から送ってくれた……薬草の常思も受け取った。なぜこんな謎かけに夢中になるのかな。じゃあ、オレも付き合いするね。ふふ、君のつまらない遊びに付き合うなんて、オレきっと変な病気にかかっているんでしょうね!

「便箋には当帰※17という薬草が挟まれていて、濃厚な甘いにおいがする。」

屠蘇

※16:華佗の墓は河南省許昌市建安区にある。華佗が亡くなった時代、許昌は魏の都がおかれたこともあり大都市だったと思われるが、現在は普通の地方都市。またこのお墓も少し整備はされているようす。
※17:生薬の一種。ある女は体が弱く、子供を授かることができず実家に帰されてしまった。その時当帰を飲んだことで元気になり、夫の元へ「当(まさ)に家へ帰るべし」という状況にことから「当帰」の名がついたといわれる。
つまり、若から贈られた「常思」(あなたのことで頭がいっぱいだ)というメッセージに、屠蘇は「恋しい人よ、今家(君のもと)へ帰るよ」と返事をしている。

金兰之契

金蘭之契

○○:

我曾认为生老病死乃是世间规律,食魂的生与灭亦是如此。故而我对长久地留存于世并无甚执念,亦不会畏惧所谓的消亡。我只愿能在短暂的年月里做些顺遂心意之事,亦曾发誓不会让谁影响我的决定……但某人的出现,却令我改变了这想法。那人不顶顶漂亮,亦不顶顶聪明,有时甚至傻得令人发笑,但我却渐渐无法移开视线……看来我不仅已然病入膏肓,还发起疯来了罢!有时我甚至会想,倘使那人不愿我消失,望我陪伴在身边,我就会尽自己所能活下去,只因我想看那人灿烂的笑靥,不想见那人沾着泪水的脸。呵,我竟写了这么多胡话,胸口也灼热得很,想是因为近来空桑天气太燥了!我择了清心静气的莲心,,你也拿些去泡茶?
<随信附着一包用油纸裹着的莲心,散发着清苦的香气。信封里还夹着张被揉皱的宣纸,上面的诗句似被涂抹过,仔细辨认才发现是《西洲曲》中的一句:置莲怀袖中,莲心彻底红。>

屠苏

○○:

オレはかつて、生老病死はこの世の法則で、食魂の生死も同じだと思っていた。だから、長くこの世に留まることへの執着はなく、いわゆる消滅も怖くなかったのだ。ただ、短い歳月の中で、やりたいことを成し遂げたいだけで、その決定を誰にも邪魔させないと誓った……だが、ある人間の出現で、オレの考え変わった。あの人は決して格別に美人でも、格別に賢いわけでもなく、時には笑えるほどおバカなのだが、それでもだんだん目が離せなくなってしまったのだ……どうやら不治の病にかかっただけでなく、もう頭がおかしくなりそうだ!もしあの人が、オレに消滅せずにずっとそばにいてほしいと望んでくれるなら、できるだけ生きていたいとさえ思ってしまう。ただただ、あの人の輝かしい笑顔が見たくて、泣き顔なんて見たくないんだ。

ああ、こんなくだらないことばかり書いているうちに、胸も熱くなってきた。これはきっと、近頃の空桑の空気が乾燥しているせいよね!こんな時は、心静かに気持ちを穏やかにさせるハスの実にする。○○も、これでお茶※18を入れるといいよ!

「手紙と一緒に届いた、油紙に包まれたハスの実から、苦みのある清々しい香りが漂っている。封筒にはもう一枚、しわくちゃの画仙紙が入っていた。そこに書かれた詩は消されているが、よく見ると『西洲曲※19』中の一句だった:袖に入れた蓮、その実は真っ赤に染まる。」

屠蘇

※18:蓮の実を使ったお茶は夏場のイライラなどに効果があり、心のバランスを取り戻すのに良いとされている。
※19:南北朝時代の民謡で、江南水郷の蓮を主題とした愛の歌。
女性が離れ離れとなった昔の恋人を思い出しているという内容。蓮は中国では愛の花でもあり、美しい女性の象徴でもある。さらなる詳細は蛇足へ。

その他の蛇足情報

注釈一覧

  • ※1:後漢末期に活躍した伝説的な医師。薬学と鍼灸に優れ高徳の誉れ高かったが、権力に屈することを拒んだために非業の死を遂げたとされる。
  • ※2:詳細は蛇足へ
  • ※3:健康体操のこと。後漢末期に名医と名高い華佗によってまとめられたとされ、以来変化がありつつも現代まで伝わっている。
  • ※4:恐らく黄帝内経のこと。現存する中国最古の医学書とされている。黄帝と何人かの問答形式で記述されている。なお黄帝は三皇五帝という中国の伝説上の皇帝のひとり。
  • ※5:ツボのこと。全身に約360か所あるとされる。
  • ※6:医者の手の下しようもないほど重篤になった状態のこと。転じて何かに熱中して手のつけられないような状態。
  • ※7:良いものも悪いものも関係なく共に滅びること。
  • ※8:中国医学の用語で、気の流れと血の流れを同時に良くする方法のこと。
  • ※9:基礎を固めて才能を伸ばすこと。こちらも中国医学の考え方に基づく言葉。
  • ※10:長くなるので蛇足へ
  • ※11:中国の伝説や神話に登場する東方の地。ヨーロッパ的に言えばエデンの園など、東のかなたにある理想の地。
  • ※12:ツボ押しマッサージのこと。原文の「点穴」は武侠小説において用いられる言葉でもあり、分かりやすく言うと北斗百裂拳。ツボをつくと人が死んだりもする。
  • ※13:宋代の詩人、政治家でもある。「紅一点」の由来も彼の作品とされている。
  • ※14:950年程前のお正月の様子だが、今とあまり変わらない様子。「爆竹を鳴らし暖かい春風の中で屠蘇を飲む」(書き下しの翻訳)のが、一般的だったことが分かる。
  • ※15:五禽戯には虎、鹿、熊、猿、鳥の5種の型が存在する。若様はサルの型を練習する際、毛づくろいの真似でもしたらしく、「俺の体を毛づくろいするな」と怒っている。
  • ※16:華佗の墓は河南省許昌市建安区にある。華佗が亡くなった時代、許昌は魏の都がおかれたこともあり大都市だったと思われるが、現在は普通の地方都市。またこのお墓も少し整備はされているようす。
  • ※17:生薬の一種。ある女は体が弱く、子供を授かることができず実家に帰されてしまった。その時当帰を飲んだことで元気になり、夫の元へ「当(まさ)に家へ帰るべし」という状況にことから「当帰」の名がついたといわれる。
    つまり、若から贈られた「常思」(あなたのことで頭がいっぱいだ)というメッセージに、屠蘇は「恋しい人よ、今家(君のもと)へ帰るよ」と返事をしている。
  • ※18:蓮の実を使ったお茶は夏場のイライラなどに効果があり、心のバランスを取り戻すのに良いとされている。
  • ※19:南北朝時代の民謡で、江南水郷の蓮を主題とした愛の歌。女性が離れ離れとなった昔の恋人を思い出しているという内容。蓮は中国では愛の花でもあり、美しい女性の象徴でもある。さらなる詳細は蛇足へ。

料理について

  • 屠蘇は、現在の中国では廃れてしまった文化。唐代には飲む風習があったとされる。
  • 日本ではいまだ一般的な家庭も多いのでは。管理人の家でもお正月毎年いただく。日本では屠蘇散と呼ばれる漢方を、赤酒、日本酒、みりんなどにひたして作り、年少者から順番に飲む。

食魂について

  • 中国語版声優の孙晔さんは、龙凤配も担当。その他作品では「バイオハザード4」のレオン、「原神」ガイア、ダインスレイヴも担当する人気声優。上海ディズニーランドでも声を聴くことができる。
  • 屠蘇は中国の伝説的な名医「華佗」によって作り出されたため、彼の師匠は華佗である。華佗は後漢末期に活躍した医師で、伝説では麻酔を最初に発明し、開腹手術も行ったとされている。
  • 華佗はあるとき、三国志にも登場する曹操に招かれ彼のもとで働くこととなった(曹操は片頭痛やめまいの持病があったとされる)。だがこの時代の医師は非常に地位が低く、華佗が望んだ待遇が得られなかった。そのため妻の病を偽って曹操のもとから去り帰郷したのだが、妻の病が嘘であったことがばれてしまう。その結果華佗は投獄され、拷問の末に処刑されてしまったという。ところが曹操は自らの頭痛を直したり、一番気に入っていた息子の曹沖の病を治せたはずの華佗を殺したことを後々まで後悔する羽目になった。

手紙に登場する「西洲曲」の全文は以下の通り。

+「西洲曲」全文を開く-「西洲曲」全文を閉じる

忆梅下西洲,折梅寄江北。
梅の花を見て西洲へ下った貴方を思い出す。この梅の枝を長江の北へ向かった貴方に贈る。

单衫杏子红,双鬓鸦雏色。
娘は杏子色の服を着て、髪は漆黒でカラスの雛のよう。

西洲在何处?两桨桥头渡。
西洲はどこにある?橋のたもとから船で渡ったところ。

日暮伯劳飞,风吹乌臼树。
日暮れにモズが飛んでいく。夜風がナンキンハゼの枝を揺らす。

树下即门前,门中露翠钿。
樹の下には娘の家があり、門から翡翠の宝飾品が見える。

开门郎不至,出门采红莲。
門を開けても娘の最愛の人はいない。仕方ないから門を出て紅い蓮を採りにいく。

采莲南塘秋,莲花过人头。
南塘の秋に蓮を摘む 蓮の花は人の背よりも高くなり

低头弄莲子,莲子清如水。
頭を垂れた蓮から蓮の実を採ってみると、蓮の実は湖水のように清い

置莲怀袖中,莲心彻底红。
蓮の実を袖に入れると、蓮の紅が私の愛情のように透き通って見える

忆郎郎不至,仰首望飞鸿。
どんなに恋しく思っても貴方は現れない、空を飛ぶ水鳥を仰ぎ見る。

鸿飞满西洲,望郎上青楼。
水鳥で西洲の空は満ちていて、愛しい相手を一目見たいと高楼に上る。

楼高望不见,尽日栏杆头。
だが高楼がどんなに高くても愛しい人は見えない。一日中欄干にもたれるばかり。

栏杆十二曲,垂手明如玉。
欄干十二曲、垂らした手は玉のように美しく輝く

卷帘天自高,海水摇空绿。
簾を上げると空は高く、一面広がる青は波に揺らめく海のようだ

海水梦悠悠,君愁我亦愁。
海に揺蕩う水のように夢はとりとめなく、貴方が心配なことは私にとっても心配なこと。

南风知我意,吹梦到西洲。
南風よ、どうか私の思いが分かるのなら、私の夢を西洲まで届けてほしい

  • 南朝梁の時代に編纂された「玉台新詠」に収録されており、南朝楽府民歌の代表作と言われている。
    この詩にあるように、中国では蓮の花は愛の象徴である。
  • また蓮の実を摘み取るのは若い女性の役割であり、この詩ではそんな蓮の花の実を積む若い女性が、今はいない恋人を思い愛をうたう内容となっている。

食魂について

 

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧