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Zalta「偽装説と抽象対象説のあいだの道」
※ネット上でpreprint が読めます。
http://mally.stanford.edu/Papers/pretense.pdf
[In this paper]フィクションの哲学における2つの説
の調停を試みる。
調停とは、
[The key to]
[I'll follow]まず抽象的対象、虚構的対象についての日常的談話を扱い、次に、それを許容可能な仕方で理解するというアプローチでいくよ。
[Before we began](1)歴史的事実
(2)そこからの帰結
(3)フィクションの中の真理
(4)フィクションについて考えるときにわれわれが話すこと
[I take it]要請
[The sytematization described]以下の体系化はこの要請に従っている。
[感想]粒度がそろってなくて気持ちわるい
[In his intrguing]ウォルトンはフィクションを議論する概念のフレームワークをつくりあげた。そこにでてくる概念を復習しておこう。
ウォルトンにおける「フィクション」の用法
あんまり体系化されていない。
[Nevertheless, there]ゲーム、ごっこ、小道具などの概念でフィクションにアプローチするのは、得るところが大きいのだが、最終節に回す。次節では、ザルタ理論によるフィクション、ストーリー、キャラクターの概念分析を、ウォルトンのそれと対応させる。
[In what follows]抽象対象説の要点について、詳しくは補遺を見てね。関係、性質、命題、抽象対象、日常対象、符号化、例化みたいな概念を使うよ。
[補足]ザルタ説では、性質の例化exemplifyと符号化encodeを区別する。例化は、性質を持つこと。符号化は、想像された抽象的観念が、何らかの性質を【持つとされる】こと、と理解してよいと思う。(Inwagenはほぼ同様の概念としてholdを使っている)
例.抽象的なアイデアとしてのシャーロック・ホームズは、アイデアだからほんとうは人間ではないが、人間と【されている】。ホームズは<アイデアであること>を例化し、<人間であること>を符号化する。
記号で書くときは順番が違う。
※状況について「状況」とか「ストーリー」とか「可能世界」は命題的性質を符号化する抽象対象らしい。つまり、
だけではなく、
というような用法もある。
s において p が真である(s |= p) iff s は p であることを符号化する。
※気になる点フィクションのキャラクターについては、以下が重要であると考える。
ザルタ説は以上の要請と両立しそうではある。
必要な概念
[ストーリー]
S t o r y ( x ) = d f S i t u a t i o n ( x ) & ∃ y ( E ! y & A y x ) {\displaystyle Story(x)=_{df}Situation(x)\&\exists y(E!y\&Ayx)} {\displaystyle Story(x)=_{df}Situation(x)\&\exists y(E!y\&Ayx)}
[コメント]これがこのままフィクションの定義にもつながるのだが、ノンフィクションの扱いはどうなるのだろう。
ノンフィクションは状況ではない?
ストーリーの特徴
ウォルトンの「フィクション世界」は、ここでいうストーリーに対応する。2つの理由から、ウォルトンの「世界」の用法には従わない。
[I take it]「においてフィクションである」の定義
p i s f i c t i o n a l i n s = d f S t o r y ( s ) & s ⊨ p {\displaystyle p\;is\;fictional\;in\;s=_{df}Story(s)\&s\models p}
「フィクションである」の定義
p は フィクションである iff あるストーリーsによればpp i s f i c t i o n a l = d f ∃ s ( S t o r y ( s ) & s ⊨ p ) {\displaystyle p\;is\;fictional=_{df}\exists s(Story(s)\&s\models p)} {\displaystyle p\;is\;fictional=_{df}\exists s(Story(s)\&s\models p)}
[Next, we]偽装理論によって、「著者である」という概念も分析できる。
x はsの著者である iff xはある作品(小道具)をつくり、その作品が想像するように指示するすべての命題はsにおいて真である
もう少しシンプルにできる。
yはsの小道具である iff yは小道具であり、かつ、すべての命題pについて、もしsがpを想像せよと指示するならば、s|=p.
これを使えば、
xはsの著者である iff xはyのつくる& yはsの小道具である.上記の定義により、偽装理論の基本主張を演繹できる。
主張: もしストーリーsの小道具が命題pを想像せよと指示するならば、pはsにおいてフィクションである。証明:
yがストーリーsの小道具であり、qを想像せよと指示することを仮定する.仮定の前半と「sの小道具」の定義より、すべての命題pについて、yがpを想像せよと命じるならば、s|=p.仮定の後半より、s|=q.Story(s)&s|=qより、qはsにおいてフィションである。[It is worth]3項関係による著者関係の定義
xはyによってsの著者である iff xはyをつくり、かつyはsの小道具である
[コメント]ザルタによれば、これで共著概念を分析できるらしいが、異なる小道具が同じストーリーの小道具として機能することがあるのか?
「サブストーリー」のような概念をつくれば、二次創作の分析ができそう。
tはsのサブストーリーである iff すべての命題pについて s|=pならばt|=p & ある命題qについて ¬s|=qかつ t|=qxはsの二次創作の著者である iff xはtの著者である & tはsのサブストーリーである[Despite these interesting]この定義はいくつかのオープンクエスチョンを残している
[A third question]小道具はどの命題を真とするのか。小説の場合:文Sが書いてある.文Sによって指示される命題pは小説が提示するストーリーsにおいて真である.pによって関連的に帰結される命題もsにおいて真である.
Parsons[1980],Nonexistent Objects
[Despite the fact]「キャラクター」の定義
C h a r a c t e r ( x , s ) = d f ∃ F ( s ⊨ F x ) {\displaystyle Character(x,s)=_{df}\exists F(s\models F_{x})}
この定義でいくと、無生物もキャラクターとなる。実在するものもキャラクターとなる(フィクションのキャラクターという概念はあとででてきます)。
1項述語も定義しておきます
C h a r a c t e r ( x ) = d f ∃ s [ C h a r a c t e r ( x , s ) ] {\displaystyle Character(x)=_{df}\exists s[Character(x,s)]} {\displaystyle Character(x)=_{df}\exists s[Character(x,s)]}
[We may conclude]フィクションのキャラクターの定義
[sに由来する]
xはsに由来する =df xは抽象対象であり、sのキャラクターであり、それに先行するどのストーリーのキャラクターでもないO r i g i n a t e ( x , s ) = d f A ! x & C h a r a c t e r ( x , s ) & ∀ y ∀ z ∀ s ′ ( ( A z s ′ ≪ A y s ) → ¬ C h a r a c t e r ( x , s ′ ) ) {\displaystyle Originate(x,s)=_{df}A!x\&Character(x,s)\&\forall y\forall z\forall s'((Azs'\ll Ays)\to \lnot Character(x,s'))}
[フィクションのキャラクターである]
F i c t i o n a l C h a r a c t e r ( x ) = d f C h a r a c t e r ( x ) & ∃ s ( O r i g i n a t e ( x , s ) ) {\displaystyle FictionalCharacter(x)=_{df}Character(x)\&\exists s(Originate(x,s))} {\displaystyle FictionalCharacter(x)=_{df}Character(x)\&\exists s(Originate(x,s))}
[コメント]要するに、何かのストーリーに由来するものがフィクションのキャラクターだということ。ところで、Character(x)の部分はOriginates(x,s)の定義に含まれているので、必要ない気がする。
[フィクションのFである]
xはフィクションのFである =df xはあるストーリーsに由来し、sにおいてFxex.フィクションの学生である
[We conclude this]対象理論において、抽象対象に関する包括原理は、キャラクターがフィクションの場合にのみ、抽象対象とキャラクターを同一視するために使用される。
公理:もしキャラクターxがストーリーsに由来するならば、xは次のような性質Fのすべてかつそれだけを符号化する抽象対象である; sによればxはFを例化する.[コメント]「シャーロック・ホームズは、ドイル作品がホームズに帰属するすべての性質かつそれらの性質だけを符号化する抽象対象だよ」ということ。キャラクターと抽象対象を結びつける原理だと思われる。
[In what follows]英語の'is'は、例化と符号化の2つの意味によって多義的であるというのが重要な作業仮説。ホームズは「探偵であること」を例化しない。符号化するだけ。
[In what follows]対象理論によるデータの分析は直接的。偽装理論による特別なパラフレーズは必要ない。もし最終節のプロジェクトが成功すればこれらの分析は偽装理論の支持者にも使用できる。そこで、ザルタは、フィクションのキャラクターの名前の指示的用法を、偽装理論の観点から正当化するから。その前に、名前の指示が空であると考えると分析しがたいようなデータ(比較形)を扱う。
[There are very]比較形を含む文が偽装説にとって問題となる。
(GC)ピンカートンはどんなフィクションの探偵にもおとらず賢い。(GF)ピンカートンはどんなフィクションの探偵にもおとらず有名である。(1)シャーロック・ホームズはフィクションの探偵である。GCと(1)、GFと(1)から以下が帰結する。
(SC)ピンカートンはホームズにもおとらず賢い。(SF)ピンカートンはホームズにもおとらず有名である。
[The two interesting]ここに2つのパズルがある。
[I shall asume]
[Notice that since]
[Let's consider, then,][Crimmins[1999] suggests]
[If the above]
[The second puzzle]
[コメント]
[The last probrem]
[Let us return]
h C D C d 2 ≡ C D ⊨ C d 2 h {\displaystyle h_{CD}C{d2}\equiv CD\models C_{d2}h}
[Our representation and]
[Before we discuss]
[It is now]
∀ x [ F i c t i o n a l − D ( x ) → A s − C − A s ( p , x + ) ] {\displaystyle \forall x[Fictional-D(x)\to As-C-As(p,x^{+})]} {\displaystyle \forall x[Fictional-D(x)\to As-C-As(p,x^{+})]}
∀ x [ F i c t i o n a l − D ( x ) → A s − F − A s ( p , x ) ] {\displaystyle \forall x[Fictional-D(x)\to As-F-As(p,x)]}
[コメント]
[One final point]
[コメント]
[It is time]
[In this section]
[Let me begin]
[If this idea]
[Let us make]
∃ x ( A ! x & ∀ F ( x F ≡ C D ⊨ F h ) ) {\displaystyle \exists x(A!x\&\forall F(xF\equiv CD\models Fh))} {\displaystyle \exists x(A!x\&\forall F(xF\equiv CD\models Fh))}
∃ x ( A ! x & ∀ F ( x F ≡ ∃ p ( T D ⊨ & F = [ λ y p ] ) ) ) {\displaystyle \exists x(A!x\&\forall F(xF\equiv \exists p(TD\models \&F=[\lambda yp])))}
[Now to carry][So the first]
[コメント]
[Now consider the][The individual elements]
[So we have]
[コメント]
[The fundamental claim][since we now]
[This sense of]
[Since pretense theory]
[コメント]
[Nor do we]
[Under the interpretation]
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