登場人物
前書き
実施日時: 2017年8月4日
「リウキウ連絡船で」末尾で少しだけ姿を見せていたライガーと、彼女曰く”うるさい鳥たち”との初の対面のロールとなります。
ちなみに、本文でも言及されていますが、今回登場するクローン羊「ドリー」とワタリガラスは以前に公園で一度出会って話を交わしています。
本文
[ホートクエリア 某公園 AM10:30]
アホウドリ
わぁ!きれーな公園なの! レイちゃんの言った通りなの!!
ワタリガラス
そうだろう?
ここは色んな花が咲いてるんだ。
シュバシコウ
[休憩中…]
ライガー
(木の上で昼寝中)
アホウドリ
うん!このお花とかすごいきれいなの…!
ノスリ
[レイたちを見つけ、近くに降りる]
アホウドリ
そうだ! レイちゃんのために花のリング作るの!!
アホウドリ
(わっせわっせ)[夢中になる]
ワタリガラス
えー?嬉し…[ノスリに気づく]
シュバシコウ
(紅茶美味しい)
ワタリガラス
…よお、ノスリじゃないか。
ノスリ
…お邪魔だったかな。
ワタリガラス
いや、とんでもない。
とんでもないとも盟友。
ノスリ
見知った顔を見かけたから、何となく降りてきてみたが。
ドリー
[LASAPOがある方角から車椅子を漕いでくる]
ライガー
(…………。)
ワタリガラス
奇遇だねえ。
ドリー
[しばらくあたりを見渡した後レイに気付き近づいていく]
シュバシコウ
ファーゥァ〜
ドリー
こんにちは、レイさん。
この前はすみません、途中で寝てしまって…ケホッ…ケホッ…
ワタリガラス
おお、ドリーじゃないか。この前ぶり。
アホウドリ
でーきたの!
ワタリガラス
お、ほんとうかい?[見る]
アホウドリ
うん、どーぞ!!
[きれいな白い花のリングだ]
あれ…?
ドリー
[レイたちのやり取りをほほえましく見守っている]
アホウドリ
初めましてさんなの!(にこー)
ワタリガラス
上手に作ったねえ~。ありがとう。
ドリー
はじめまして。[にっこりと笑う]
アホウドリ
うん! ねね、レイちゃんのお友達の人なの?
ワタリガラス
そうだよ。この前ここで知り合ったのさ。
アホウドリ
そうなんだ!
ドリー
ええ、この前車椅子が溝にはまってしまったところを助けてくれたんです。
アホウドリ
はじめまして、私オキちゃんなの!
レイちゃんの友達なの!
あ、アホウドリのフレンズだよ!
ドリー
クローン羊のドリーです。オキちゃん、よろしくね。…ケホッケホッ…
ノスリ
私も初めまして、かな。私はノスリ。レイの知り合いだ。
ドリー
ノスリさんですね。…コホッ…よろしくお願いします。
シュバシコウ
(さてペットボトルボトルを捨てに行きましょうか…)
アホウドリ
うみゅ…体調悪いの…?
寝てたほうがいいの…!
ドリー
ふふ…大丈夫よ…これは生まれつきだから…。
アホウドリ
そう…なの?
ドリー
ええ…オキちゃんは優しいね…[オキに向かってほほえむ]
ワタリガラス
[なぜか誇らしそう]
シュバシコウ
[スタスタスタ…]
アホウドリ
うん…でもやっぱり心配なの。
生まれつきだからって、心配しないりゆーにはならないの!
うーん…どうにかできないかな…
ドリー
それにね、オキちゃん。
ジャパリパークには素敵なものがいっぱいあるから、寝てるだけじゃもったいないのよ…ケホッ…
アホウドリ
うん、わかるの。
私もレイちゃんにいろいろ話聞くと、いてもたってもいられなくなって飛び出しちゃうの!
シュバシコウ
(あっオキちゃん達だ。でも今はごみ捨てせねば…)
アホウドリ
だから寝てるのがイヤーなの、わかるの
ワタリガラス
寝てても冒険できるように、私がいるのさ。
アホウドリ
でもどうにか楽にできないかなって…
うみゅ、どういうこと?
ドリー
今回だってね、外に出たからオキちゃんのような素敵な友達に出会えたのよ。
それに比べればこれくらい苦じゃありませんよ…[にっこり]
ライガー
(何か…騒がしいような…)[ガサガサ…]
ノスリ
(…何かが動いた気がする)
シュバシコウ
[ボトン![ゴミ捨てた音。けっこう響く]]
ワタリガラス
たとえ家から出られなくても、私が外の物語を読んで聞かせれば…、写真を見せれば少しだけ旅行した気になるだろ?
シュバシコウ
(話かけづらいなぁ…)
アホウドリ
うみゅ…そうかもだけど…
それだけだとやっぱり物足りないと思うの…
すっごいくすりとかで治せないのかな?
シュバシコウ
ふぇぇ…
ドリー
その気遣いだけで十分よ。
この症状はある意味わたくしを表徴するようなものですから。[オキに聞こえないぐらいの小声]
アホウドリ
…?
うーん…今は思いつかないの…でもでも、きっと何か考えてあげるからね!(ぐっ)
シュバシコウ
あのたけし味の博士に聞いたらいいんじゃないかな?[ひょこっ]
アホウドリ
あ、シュバちゃん!
シュバシコウ
お久しぶり!
あそうそうこの前のリウキウ旅行の写真を…
アホウドリ
写真、できたの!?(キラキラ)
シュバシコウ
ほい[オキちゃんに]
ほい[レイちゃんに]
ほい[ノスリちゃんに]
ノスリ
ありがとう。…あの時はすまなかったね。
ワタリガラス
おう、ありがとよ。
ノスリはぐっすりだったねえ。
アホウドリ
うん…むしろ大丈夫だった?(おどおど)
ノスリ
いや、気づいたら仮眠室にいたからね。何かあったのかい?
シュバシコウ
はあこの前の船の壁を壊したの誰だったのかしら…見つけたら請求書叩きつけてやりたいわ…
ドリー
あら、オキちゃんたちのお友達ですか?[シュバに向かって]
わたくしはクローン羊のドリーです。よろしくお願いしますね。…ケホッケホッ…
アホウドリ
うみゅみゅ…!ならいいの!!(わたわた)
シュバシコウ
よろしくお願いします。
わたしはシュバシコウです。
シュバとでも呼んでください。
Grüße!
ドリー
ええ、よろしくお願いしますね。シュバさん。
アホウドリ
そうだ、ドリーちゃん!
ドリー
どうしたの?オキちゃん。
アホウドリ
いろんなものが見たいんだったら、あの大きな木の上に上るとか、どうかな!?
きっときれいな風景なの!!
ドリー
うーん…わたくしにはすこし厳しいですね…この体なので…
アホウドリ
うん、わかってるの! だーかーらー…
私がつれてってあげる!
ドリー
…オキちゃんがですか?
アホウドリ
[翼を大きく広げ、車いすを持ち上げる]
やあああああああああ!
ワタリガラス
[下で身構える]
シュバシコウ
[同じく下で身構える]
ノスリ
[いつでも支えられるように構える]
アホウドリ
空は私の得意なところ!今回は大丈夫だよ!
[上昇気流をつかむ]
ドリー
…![少し驚く]
アホウドリ
[ふわりと僅かに上がった椅子は、木にゆっくりと接近していく]
[近くに木漏れ日と、葉っぱのにおいを感じた]
よいしょっと…
[完全に木の中に入った。]
[木の中というのは不思議な雰囲気だ]
[葉と葉の間からきれいな花がたくさん見える]
ドリー
…驚きました…まさか空を飛ぶ日が来るとは思っていませんでしたよ…。
シュバシコウ
[同じ高さまで飛ぶ]
高いところは良いなぁ…
アホウドリ
にゅふふ! 空の旅はちょっと十八番なの!
ワタリガラス
[腕を組んで下から眺める]
アホウドリ
こっちのほうとか、もっと見栄えがよさそうなの!
…うみゅ…?
ドリー
…こんなに綺麗な風景が身近にあるとはねぇ…ケホッ…
アホウドリ
先に寝てる人がいるの
シュバシコウ
そっとしておきましょう…
あれっどっかで見たことあるようなぁ…
アホウドリ
できれば場所を代わってほしいの…
ライガー
(気配を感じる……)
ワタリガラス
どうしたー?
アホウドリ
ちょっとだけお願いできないかなぁ
ドリー
[風景に見とれている]
アホウドリ
シュバちゃん、ちょっとあの人と話してくるの!
ドリーちゃんのこと、よろしくなの!
シュバシコウ
分かったわ。
アホウドリ
[ぱたぱたとライガーのいる枝に飛んでいく]
お昼寝中ごめんなさいなの…! ちょっと大丈夫? お願いがあるのー
ライガー
(この声…どこかで…)[片目を開ける]
アホウドリ
あ…おはようございます…なの♪
邪魔しちゃったかな?
ライガー
(この子はこの前の…)[顔をしかめる]
アホウドリ
ちょっとごめんねなんだけど…お願いがあってきたの。 いーい?[覗き込む]
ライガー
[問いには答えず無視]
アホウドリ
うみゅ…(あ、あれ?)
ワタリガラス
………。ノスリ、様子がおかしい。[小声]
アホウドリ
(えーと、えーと、聞こえなかったのかな)
シュバシコウ
(なんだあいつ…)
ノスリ
…まずいな…行くか?[小声]
アホウドリ
(オキちゃん特に変なこと…してないよね?)
ワタリガラス
……………。[黙って木の上を見つめる]
アホウドリ
(うーん…きっとまだ寝ぼけてただけなの)
ドリー
(…どうしたのかしら…?)…ケホッ…[何やら不穏な空気に気が付く]
アホウドリ
(起こしちゃうのも申し訳ないけど…やっぱりドリーちゃんのためにいい風景見せたいの)
…もしもーし、なの。いいですかー?
シュバシコウ
うーん…今は様子を見ているだけしかできませんよ。ドリーさん[小声]
アホウドリ
(少しライガーを揺する)
ドリー
大丈夫でしょうか…?[小声]
ライガー
…気安く、話しかけないでいただけますか?
シュバシコウ
(ん…まさか…)
アホウドリ
ごっごめんなさいなの…(おどっ…)
怒らせるつもりはなかったの…でもちょっとお願いしたいことがあって…
ワタリガラス
ノスリ…、ちょっと構えた方がいいかもしんねぇ…。
ノスリ
…ああ。[すぐにでも飛び立てる準備]
シュバシコウ
ドリーさん。一旦地上に降りましよう
[小声]
アホウドリ
良かったら…なんだけど、その場所を少しだけ貸してほしいの。
体の悪い人に、きれいな風景を見せてあげたいの!
ドリー
…わかりました…[不安そうにうなずく]
ライガー
お断りします。それが一体、私とどう関係するんですか?
シュバシコウ
[優しく地面に車椅子を降ろす。]
ドリー
ありがとうございます。[シュバに会釈する]
シュバシコウ
これは一嵐来るかもしれないわ…[ボソッ]
アホウドリ
ええと…(おどおど)
ドリー
…オキちゃんたち大丈夫でしょうか…?
シュバシコウ
あの人がどういう人か気づいてしまいました。[臨戦体制を取る]
アホウドリ
でもでも…、体の悪い子なの…。これから機会が…あんまりないかもなの…!
気分を悪くしちゃったの…でも…おねがいしますなの!!
私はあの人に風景を見せてあげたいの!
ライガー
私が先にここで寝ていたの無理矢理起こして来たと思えば…そんなことですか
体が悪いのなら無理をさせない方がいいでしょう?
押しつけがましいとは思いませんか?
アホウドリ
うみゅ…
そう…なのかな…
私、余計なことしちゃったのかな…(ぷるぷる)
シュバシコウ
ドリーさんはどう思ってますか?[ボソッ]
ワタリガラス
…おだやかじゃねえな。
ノスリ
…どうする? 手を出しても悪化しそうだが
ワタリガラス
………今、あの子が頑張ってるとこだ…。
アホウドリ
でも…でもでも。喜んでくれたって、思うの…!
私、あの子の驚いた顔、見たの!
ドリー
…あまりいいものではありませんね…ケホッ…
アホウドリ
迷惑なことだったのかもしれないけど、それでも体の悪い子が、
いろんなものが見れないなんて、ずるいの!
シュバシコウ
うーん…
アホウドリ
だから私が連れてってあげるの!
嫌がっても、そういう風景を見たほうがいいって、思うの!
だって…部屋の中で外の話を聞いてるだけなんて…
私は嫌だった!私に外の話をたくさんしてくれる人がいたんだけど、うらやましくて仕方がなかった!!
私は運が良かったの…渡り鳥だったから。自分でも遠くに行けたから…
だから行けない人は連れてってあげるの!
だからちょっとだけでいいの!その場所を…貸してください…なの…!
ライガー
…ずるい、ですか。いかにも恵まれた者の台詞ですね。
はじめから全て持ち合わせているからこそ、そんな台詞が吐けるんですよ?
アホウドリ
……そうなの、私は恵まれてるの。
だから私が助けられることは、私のできることをしてあげたいの。(スカートの端をぎゅっとする)
ねぇ、いいでしょ…?
ちょっとだけ…なの…
ライガー
はあ……
あなた、本当に…
アホウドリ
…?
ライガー
む か つ き ま す ね[掴み上げて投げ飛ばす]
ワタリガラス
……っ!
シュバシコウ
あっ…!
ノスリ
っ!
ワタリガラス
[受け止めに走る]
アホウドリ
う”あっ…![つかまれる]
ワタリガラス
オキ!
シュバシコウ
(てってめェ…)
アホウドリ
み”あああああああああ!![投げられる]
ワタリガラス
[すんでのところで受け止める]
オキ!大丈夫か!おい。
シュバシコウ
Beeilen Sie sich und abschieben! Dieser Schrott Bastard! ! ! ! ![PC枕木を持つ]
ドリー
オキちゃん…!…ケホッ!ケホッ!
ワタリガラス
手を出すな!!!!
…私の問題だ。
アホウドリ
[受け止める前に頭に枝が当たったのか、気絶している]
ワタリガラス
ノスリ。オキを頼んだ。
ノスリ
…ああ。わかった。
ライガー
ピーチクパーチクと…うるさいと思えば、こんなにいたんですね
ワタリガラス
…おい。木の上のおまえ。
シュバシコウ
(うむ…くそう)
ワタリガラス
おりてこいよ。
ライガー
偉そうな口を叩きますね。汚らしい鳥風情が
シュバシコウ
なんだ降りてこないのか?器物損壊やろう…
ワタリガラス
上等じゃねえか蛮族が。
てめえらが普段駆けずり回ってる地上で話つけてやるってんだ。いいから降りて来い。
シュバシコウ
降りてこなきゃ木ごと成層圏まで吹き飛ばすか…
ライガー
あなた方が羽を閉じて惨めに飛び跳ねてる地上で話を…ですか。いいでしょう
シュバシコウ
[腕をまくる]
ワタリガラス
御託並べてねえではやくこいよ。
[降りて来いのジェスチャー]
シュバシコウ
しゃあない…木を倒すか…
ライガー
器物損壊と言う割には木を倒すんですねえ?
ノスリ
...シュバシコウ。やめておけ。
シュバシコウ
おう…
ノスリ
これは、2人の問題だよ…[と、言いつつ目はライガーをじっと睨んでいる]
ライガー
ご安心を。今、降りてあげましょう[木の上から飛び降りる]
シュバシコウ
Es ist mühsam, Tiger und Löwe Bastard…
ワタリガラス
………………。[ライガーに詰め寄り、にらむ]
シュバシコウ
…………
………
……
…
ふん。
ライガー
[鬱陶しそうにレイを見やる]
ワタリガラス
…おまえ、既存の獣じゃないな。なにもんだ?
ライガー
さあ、どうでしょうかね。何に見えるんですか?
アホウドリ
う…ううん…
ノスリ
…お、目を覚ましたか。よかった。
ワタリガラス
質問に質問で返すなってママに教わんなかったか?チキタ。
アホウドリ
あれ…どうなったの…?
ノスリちゃん…?
ノスリ
まだ混乱しているようだね。しばらく横になっていると良い。
ライガー
相手に名を問う時はまずは自らが…と習いませんでしたか?
ワタリガラス
お前の名前なんぞどうでもいい。
私はお前がなんの"ミックス”かって聞いてんだ。
シュバシコウ
タイゴン…いやライガーか…
ライオンとトラだな…ただの家畜猫さ
アホウドリ
…! あの人とみんなが…!
止めなきゃ…! うっ……(頭を押さえる)
ノスリ
おっと、無理はしないほうがいい。
アホウドリ
でも…でも…
ノスリ
それに、ここで手を出しても余計こじれるだけだ…
アホウドリ
……うん…
ライガー
雑種とは人聞きが悪いですね。私は唯一絶対、最強のネコ科動物ですよ[シュバをにらみながら]
シュバシコウ
自称だろ
聞いた話によると
タイゴンとか
レオポンとか
そういう奴らもいるらしいし
ワタリガラス
あえて伏せたってのに自分で言っちまうとは殊勝だね。……そんなに劣等感を感じるのかい?
[顔を近づけて言う]
ライガー
劣等感?これは余裕というものですよ
ワタリガラス
余裕?…油断が過ぎるだけだろう?
ライガー
それだけ周りに敵がいないのですよ
ワタリガラス
友達も、だろ?
ライガー
必要ありません
シュバシコウ
ふーん
まぁ…いっか
ワタリガラス
必要ないんじゃない。
…いないからそう感じてるだけだ。
ライガー
弱い動物ほど群れたがるとは本当ですね。鬱陶しくてかないません
ワタリガラス
群れがいないよりはマシだ。
なんでお前には群れがいないんだ?
ライガー
言ったでしょう?唯一絶対の獣が私なのだと。群れがいないのは当然です
むしろ必要ないです
ワタリガラス
唯一絶対ってのはひとりぼっちって事じゃねえだろ。
ライガー
…それがあなたに何の関係があるのですか?
ワタリガラス
お前が呑気に独りぼっちで、木の上で気持ちよくシエスタしてるぶんには関係なかったはずなんだ。
だが私たちは関係性を持っちまった。お前があの子を突き飛ばしたからだよ。
ライガー
あの子が私を無理矢理起こしたからではないですか。挙げ句に場所を譲れなどと図々しく…
ワタリガラス
…子供を殴るのが唯一絶対なのか?
誇りはないのか?肉食獣。
ライガー
口で言って分からないのなら仕方ありません。
獅子は我が子を谷に突き落とすものです。子供とて容赦しませんよ
ワタリガラス
お前の子供じゃないだろ。
ライガー
そしてあなたの子でもありませんね?
ワタリガラス
私の妹だ。
アホウドリ
(レイちゃん…!)
ライガー
妹…?ふふ、見た目の割にはずいぶんと可愛らしいことを言いますね。
ひとりぼっちを気にしてるのはあなたの方では?
ワタリガラス
そうだよ?私は独りはいやだ。
だから仲間とつるんでる。
…お前は?
ライガー
私は気にしませんとも。はじめから一人なのですから
ワタリガラス
ずっと独りだったわけじゃないだろ。
ドリー
(…はじめから…?)…ケホッ…
ライガー
一人ですよ。施設で育てられ、それに何の疑問も抱かずに生きてきたのですから。
アホウドリ
(…!)
ワタリガラス
施設だあ?どうりで。お前さん、温室育ちの匂いがするわけだ。
喋りも、所作も。
シュバシコウ
(ただの引きこもりか…箱入り女め…)
ドリー
…ケホッ…(もしかしてこの人も…)
…あの、もしかしてあなたも人の手で作られたのですか…?[ライガーに近づく]
ライガー
あなた“も”?ああ、そういうことでしたか。
ワタリガラス
……。
シュバシコウ
ふん…
ライガー
その惨めで見るに堪えない、痛々しい姿…人間に作られたくちですか
ドリー
ええ、…申し遅れました…クローン羊のドリーです。
ライガー
あなたのお話は本で読みました。可哀想な羊さん
アホウドリ
(ドリーちゃんも、あの子も、作られた…?)
シュバシコウ
(クローン羊…か……)
ライガー
人間の欲望を満たす。それだけのために作られた…可哀想な羊さんでしょう?
ドリー
…いいえ、それは違います。
わたくしが作られたのは欲望のためではありません。…ケホッ…
わたくしが作られた意味は…これからを生きる子たちのためです。
ライガー
これから生きる子達…?
ドリー
…ロージー、コットン、ルーシー…わたくしの遺伝子を受け継いで生まれた子たちです。
彼女らはわたくしとは違い、健康にすくすくと育ってくれたそうです。…コホッ…
わたくしが生み出されたことで、幸せに生きることのできる子たちが産まれるのです。
わたくしが生まれなければ、彼女たちもまた生まれなかったのですから…ケホッ…
ライガー
なるほど…ならあなたも私のことを理解はできないのでしょうね。
ドリー
…それはなぜですか…?
ライガー
…教える義理はありません。勝手に分かったような口を利かないでほしいですね
ワタリガラス
………お前がどんな気持ちかなんて、ドリーや私にわかるわけねえだろ。
…私はおまえじゃあないからなあ。
そいじゃあ訊くけどよ、お前に私らの何がわかんだよ。
どんな境遇でも、暮らしでも、生きてりゃそれなりに辛い事もあるもんだ。違うかい?
それをこれっぽちも理解するつもりもねえくせに、言葉が詰まれば絶対強者きどりかよ?
それがお前の一番ズルいところだよ。
…一人でできねえなら、だれかを頼りゃいい。
…一人で泣き言をいってるよか、よっぽどマシだ…!
アホウドリ
レイちゃん…![むくっ]
ううん、レイおねえちゃん。
私も…いいかな
ワタリガラス
オキ!
アホウドリ
うう…(頭を押さえる)
シュバシコウ
無理はしないでね…
ライガー
……。
ノスリ
…。
ドリー
オキちゃん…!大丈夫!?…ケホッケホッ!
アホウドリ
うん、大丈夫なの
おねーちゃんごめんね、私は、ちょっと違うと思ったの。
だからつい出てきちゃったの、えへへ
ズルくてもいいと思うの
相手のこと分かるわけないって言ってたけど、私は分かりたいの!
だって、色んな人とずっと一緒にいたら、普段分からないことも、わかるようになったもん!
一緒に笑ったり、喧嘩したりして、わかっていくの。
鵺ちゃんの事とか、最初はすごい意地悪ーなこだって思ったけど、
ちゃんと話したり、仲直りしたらいい子だったの!
だから、はじめからそういうのは、……違うと思うの
う…うみゅみゅ…長くなっちゃった!(てれてれ)
つまりつまり、なんていうか…
(てってって)
[ライガーの前に立つ]
…わたし、アホウドリ!
オキちゃんっていうの!! …ともだちになろ!!!(にへっ)
ワタリガラス
[アホウドリの頭をなでる]
[ライガーに誇らしげな笑みを向ける]
アホウドリ
はわわ…、おねーちゃん…やめるの!…はずかしーの!(かぁぁぁぁぁ)
ライガー
私………私は………ッ。[何かを言いかけるが、口をつぐむ]
アホウドリ
…ごめんね、わたし、何も知らなかったの…(手を出す)
いつも何も知らないの…だから…あなたのお名前とか知りたいの!
ライガー
[手を伸ばしかけて、手を下げる]
そんなもの、無意味です…。私には、必要ない…!
アホウドリ
うみゅ…!
ライガー
[そのまま踵を返して、歩き出す]
アホウドリ
[追いかけて手をつかむ]
待って…!
さっき言ったと思うけど…私、不健康な人が迷惑だーって思ってても…
その子に色んな風景を見せたいの。
…やっぱり、迷惑かな(袖をぎゅっとする)
ドリー
…わたくしは迷惑だなんて思っていませんよ。
むしろ、今まで見ることができなかった風景を見れることは非常にうれしいことですよ[オキに微笑む]
アホウドリ
あなたが迷惑だーって思っても、私、あなたのことが知りたいの!(にへー)
ライガー
それでも…わたしにとっては…“無意味”です…
アホウドリ
…(寂しそうにライガーの瞳をのぞき込む)
ライガー
[瞳が黄金色に輝く。次の瞬間、大地が震えるほどの雄叫びをライガーは上げる]
[それが、彼女の野生解放であると全員が気づくだろう。]
[そして、その雄叫びを受けた者はあまりの圧に身動きが取れなくなる]
アホウドリ
あ…[つかんだ手がなくなり、空をつかむ]
シュバシコウ
あっまてー!
[請求書をもって腕を振りまわし、ライガーを怒鳴りつける]
100万円よ! 早く返して…!
ライガー
…お金ならここにでも請求してください。[施設の住所が書かれたメモを投げつけて走り去る]
シュバシコウ
むぅ…
まあいいわ。
アホウドリ
うみゅ…名前…聞けなかったの…[ふら…]
シュバシコウ
ふぅスッキリしたー
まあ後でここの施設の人に聞けばいいわ…
アホウドリ
[力が抜けたように倒れる]
ワタリガラス
オキ!
[駆け寄る]
ドリー
オキちゃん!ケホッケホッ!
シュバシコウ
オキちゃん!
ん?
ワタリガラス
…寝ただけか。
シュバシコウ
まあ色々あったからねぇ…
ワタリガラス
[上着を脱ぎ、敷物にする]
疲れちゃったんだね…。[背中をなでる]
ドリー
…あの子…とても辛そうでした…[ライガーが去っていった方向を見る]
シュバシコウ
そうだ!近くに貨物駅があってそこに私のデキと甲種輸送してた改造ヨンパーゴがあるからそこでゆっくりする?
ワタリガラス
…あいつは私だ。
ドリー
…?…どういうことですか…?
ワタリガラス
…いや、なんでもないさ。それより、シュバの言うとこでこの子を休ませよう。
[アホウドリを抱える]
ドリー
…そうですね…コホッ…
ワタリガラス
今日はキツい日だ。
ノスリ
これが君のいう""面倒""というやつか?
ワタリガラス
…そうでもないさ。妹の成長も見れたしな。
ドリー
…仲のいい姉妹なんですね。[レイに微笑みかける]
ワタリガラス
…自慢の妹だよ。
[ゆっくり何度も頷き、誇らしげな顔]
ノスリ
…いずれにせよ、今日の出来事は重たかった。起き抜けに食べるフライみたいだ。
すまないが、私は一足先に帰って休むとするよ。
ワタリガラス
ああ、またな。
ドリー
さようなら、ノスリさん。…ケホッ…
シュバシコウ
じゃーねーノスリちゃーん
ワタリガラス
私らも行くとするかね…。
[アホウドリを抱え、列車の方へ歩き出す]
…To be continued…?
キャスト
ドリー:DerMaltu
レイ:ZAKU
ノスリ:Nordic
シュバシコウ:Aoitori
アホウドリ:Fu_sutu
ライガー:Hanagaki
編集・校正:Nordic
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