※このロールはダークネス(パークの負の遺産)関連ロールです。苦手な方は通常ロールプレイ一覧までお戻りください。
シリーズ:「Liberator」(一覧・前(02) | 次(04) )
登場人物
人狼「ルー・ガルー」
前書き
実施日時: 2017年11月25日
アニマルガールでありながら要監視団体に手を貸すジャワトラ「リベレーター」関連のシリーズ3話目になります。
彼女の出自などに関しては「登場人物」欄のリンクをご参照ください。
また、このロール以前に蠍座の会はパーク内のモールにて実行したバイオテロをアニマルガール及びADLB警備員に阻止されており、報復に当該ADLB警備員を狙いましたがこれもADLB警備員「スノーマン」によって阻止されています。
本文
[試験開放区某ビル 23:45]
刹那
[机を囲み、会議を始めんと。蠍座の創始者たる刹那は、いつになく真剣な顔つきであった]
じゃあ、揃ったようだし始めようか。いいね?「光芒」たち
リベレーター
ええ。
ルー・ガルー
ああ、良いぜ。
刹那
今回もまあ、何時も通り「解放」に関する計画なわけだけど……。そろそろ、笑いながら遊びながらじゃあ回せなくなってきてる
なんせ7人も教祖を持っていかれてるしね、目を付けてた教祖候補もあっち側に逃げ込んだときた。
つまりは、本気でやらないといけない日が来たんだ
リベレーター
...具体的には?
刹那
それを今から君たちと話すんだけどね。
……まあ、今講じている手段としては、ノロウイルスの水道散布かな。5時間程度の潜伏期間で無力化ができるから、まずこれは間違いなくやるだろう
ルー・ガルー
ウイルスの散布か、いいじゃないか。
それなら奴らに気付かれにくいだろうしな。
(水道か…あとで防がねぇとな…)
[背もたれに身を預けている]
刹那
疫藤にもう準備は整えさせてるしね。
君たちとしては何か他に案はあるかい?参考にしたいと思うんだ
ルー・ガルー
そうだな…武力行使はやめておいた方がいい、と俺は思うな。
前回だって裏切り者がいたせいもあるが、たった3人のアニマルガールに阻止されたしな。
(…それに…あのスノーマンとかいうやつもいることだしな…)
やるならこっそりと、だが被害が広がるやり方がいいと俺は提案するぜ。
刹那
なるほどね、うんうん、それもそうだ。
なら、今回は民衆に紛れ込ませることにしよう。それならば格段に阻止されにくいし……
[一拍入れて沈黙する]
裏切り者に関しては念入りに対策しないといけないね
ルー・ガルー
…そうだな。
(…今回は特に慎重にやらなければな…)
リベは何かあるか?
刹那
うん、リベちゃんもなんか案ない?
リベレーター
......。
手段としては、既に出ているものが一番いいと思います。
...ただ、すこし話題が変わってしまうようで申し訳ないのですが、今...一つ悩んでいる事があるのです。
ルー・ガルー
悩んでいること…?
刹那
ふむふむ?らしくないことを言うじゃない。
そこそこ長いこと一緒にやってきてるんだ、打ち開けてくれないかい?
ルー・ガルー
ああ、相談に乗るぜ。
リベレーター
......私たちがやっている事は、本当に正しい事なのでしょうか。
刹那
なんだい薮から棒に。「パークに拘束されたフレンズを解放する」、そもそも君が打ち出した看板じゃあないか。
もちろん、誤りなんかではないとも。
リベレーター
...本当にそうなのでしょうか。
私は元来、蠍座以外の人間は皆自分勝手で、自分が楽しむことができればそれでいい、そうとしか考えられない蛮族ばかりだと思っていました。
リベレーター
...ですが先日、ある青年に出会いましてね。
その青年は自分が傷つくのも顧みず、密猟者に殺されそうになっていたオカピを助けていました。
密猟者は偶然、私が敵対していたところだったので叩き潰したのですが...。
...彼に聞きました、「何故助けたのか」と。
その答えは、「助けたいと思ったからだ」でした。
......自分よりも動物を、他人を思う人間がいたのです。
彼だけではないかもしれない。そこが分からないのです。
刹那
………
[ルーガルーに目配せする]
[「引き止めろ」と言わんとしている]
ルー・ガルー
[刹那の目配せを確認する]
(…ここで引き留めねぇのも不自然…か…)
…おいおいリベ、そいつがどんな奴かは知らねぇが…
そいつが言ったことが本心かどうかはわかんねぇぞ?
口から吐いたでまかせかもしれねぇじゃねぇか。
刹那
そうだね、僕としても少し言いたいことがある
たった一匹のオカピの命が救われるだけで、君は今までの復讐心をも失ってしまうのか。
そんなにも君の種族への、家族への愛は軽薄なものだったのかい。もしそうなら、少しだけ君を見る目が変わってしまうかもしれないね
リベレーター
失ったわけではありません。
...ただ、何が真実なのかを見極めたいのです。この力をぶつける相手を、変える必要があるかもしれない。
ですから、あえてしばらく『敵地』に単身で入り込んで、過ごしてみようと思うんです。
...そこで調べれば、今まで知り得なかったことが分かるかもしれない。
人間を許したわけではありません。でも、私が許していないのは「私たちを滅ぼした人間」です。それが全ての人間に当てはまるのか、見極めたいのです。
刹那
それじゃあ君は「許す人間」「許さない人間」を延々選別するというのかい?
時間も、コストも、何もかも現実的じゃあないね。
無論反対だよ、君がよかろうとも彼らは間違いなく今までの経緯から牙を剥く。君の安全を保障できない以上、そんな危険な行為はさせられない
[机をバンと叩いて、熱弁する]
ルー・ガルー
俺も刹那に同意だ。
リベ、お前がやってきたことを思い出してみろ。
人間やアニマルガールに手を出したお前が今更受け入れられるはずがねぇだろうよ。
刹那
君の手にはもう、べったりとドス黒い血がついてるんだよ。…それは洗えど洗えど落ちることはない。
リベレーター
拭い去れない、と言いたいのですか。
...でも、その黒を上書き、或いは地から粉微塵にしてしまう事は出来ますよね?
...絶対などと言い切れるのでしょうか。
身の上はもちろん隠します。今の段階で私の正体が知れたらどうなるかくらい、想像はついています。
私はそのリスクを犯す覚悟で、確かめたいのです。
刹那
話が噛み合わないね?君が拭い去れるかどうかの話なんかしてない。
今僕らはただリスクの話をしているし、それについての答えは「覚悟している」だけだ。
僕らの心配への答えには苦しいね
[疑惑の眼差しが混じり始める。複数の思惑がまるで糸のように絡まるような、そんな目だった]
リベレーター
......ならもう、私は蠍座から抜けます。
それで私の考えを確かめます。
その上でやはり蠍座が正しいのなら、いずれまた戻りましょう。
刹那
[一瞬リベレーターを凝視する]
おいおい、大丈夫か。錯乱したか?今なんて言った
リベレーター
錯乱などしていません。
確かめるために一時的にでも抜けると言ったのです。
ルー・ガルー
…もし戻れなかったならどうするつもりだ?
一度勝手に抜けた奴を戻すほど俺たちはお人よしではねぇかもしれねぇぞ?
刹那
[机を蹴飛ばし激昂する]
蠍座は裏切り者を、家族でなくなったものを許さない!たとえどんな理由であろうとも。
彼らを説得する術は僕にはないし、それに僕は君たちと対等なつもりだった。
「正しいなら戻る」評価されるような、そんな下賎の者になった覚えもない!
……だから。
だから、抜けるのなら君はもう迎えることができない。考え直してくれ
ルー・ガルー
…そうだったな。すまねぇ、訂正する。
一度抜けた奴は戻れねぇ。
それを踏まえてだ、リベ。
俺たちの仲間…家族としてこのまま留まるか、それとも…俺たちを裏切るのか?
どっちだ?
リベレーター
......その二択しかないというのなら、裏切る事になりますね。
これまで共に活動しておいて、突然で申し訳ありませんが...。
刹那
そこまでか。そこまで、それは君にそう思わせるものだったのか。
……ならばもういい、どこへなりとも行ってくれ。これ以上は引き止めるだけ無駄だろう
[酷く落胆したようで深くうなだれる]
リベレーター
...蠍座の事は誰にも語りません。かつて私がいたという事以外。
それが私なりの礼儀です。
ルー・ガルー
…そうかよ。
[背もたれに身を預け腕組みしている]
刹那
……私には彼らへ殉ずる義務がある。君の裏切りはすぐに伝達せねばならない、だが。
君への私的感情がないわけでもない。
せめてもの餞別を君にあげよう。いつもとは違う4番目の車へ乗り、好きな行き先を告げなさい
運転手は、君を安全に私達から避難させてくれる筈だ。それで、君と僕らは終わり。
リベレーター
...ありがとう。
その餞別で終わりです。
[席を立つ]
刹那
さよなら、さよなら。
ルー・ガルー
…じゃあな、リベ。さよならだ。
[部屋を出ようとしているリベの背中に向けて話す]
リベレーター
ええ......さようなら。
[部屋の外に出、ゆっくりと扉が閉まった]
刹那
[それを見届けると、人狼に笑いかける]
二人だとどうにも淋しくなるね?
ルー・ガルー
…そうだな。
いつもはアイツが躍起になって活動していたからな。
刹那
今回こそは絶対成功させて、いっぱいの仲間をここに呼ぼうね
直情型の馬鹿が都合よくいなくなったことだし
[先程の怒りようが嘘のような満面の笑みだ]
ルー・ガルー
…ああ、切り替えていこうぜ。
今回の作戦が成功すれば、アイツが抜けた穴ぐらい簡単に埋まるだろう。
刹那
そうさ。 切り替えよう。
本当に理想的な抜け方だった。神の背信、信者はこの上なく士気高まることだろう。
だからこそ、後釜として君のこと。信じてるよ
[その笑顔はどうにも貼り付けた軽薄な嘘にしか、人狼には思えないのだった]
ルー・ガルー
…ああ、了解だ。
(…これは早急に手を打たなければな…)
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[十数分後、パークセントラル某所]
リベレーター
(...はぁ、こうなるのですか......まぁいいでしょう。あの男は前からどうも
嫌な感じはしていたので)
[車の窓辺で頬杖をつき、外を見ながらそんな事を考えていた]
[その時、車の外を見覚えのある人影が通り過ぎる]
(......あれは...)
停めてください。
車藤
承知しました。全ては光芒のご随意のままに……ですが、なぜこのような場所で?
[車を停車させる]
リベレーター
この近くに知っている場所がありますので。そこでしばらく過ごしてから後の事を決めます。
[適当に理由を付ける]
車藤
滞在?あとのこと?
私のようなものには理解しかねますが……なるほど、わかりました。では降ろしますね
リベレーター
[ドアが開けられるのを待つ]
車藤
[無言で車藤が佇む]
あの・・・?どうかされましたか。
リベレーター
......あ、いえ、失礼。
(いつもなら勝手に開くのですが...)
[若干困惑しつつ自分で開ける]
車藤
それではくれぐれもお気をつけ
[下車する瞬間。リベレーターが背後を向かざるを得なくなるその一瞬を狙う]
リベレーター
[そして、その瞬間はすぐに訪れた。ドアに手をかけてリベレーターが車を降りようとする]
車藤
て……まあ、遅かったようですが
[スタンガンを首筋に押しつけて作動させる。熊をも倒す改造高電圧とかいう定番のやつだ]
[気絶することも死ぬこともない。だが、確実に身体の自由だけが拘束される。それは数瞬だけのことではない。]
リベレーター
ぎぁっ!?
[やや大きめの声をあげ、首筋から全身に強烈な電流を受け車の横の歩道に倒れる]
(...な、何ですかこれ...!? 身体の自由が...)
車藤
数分は間違いなく動けません。光芒よ、いや、背信者の虫けら。
(問題はその間に撲殺できるかな、正直初めてだから自信はないけれど)
[後部座席に置かれていた鉄パイプを取り出し、思いっきり振り下ろす]
リベレーター
がぁっ...!?
(まさか...あの男......!)
車藤
やっぱり一発ではだめですか。ごめんなさい、痛くなるかもしれません
[もう一度パイプを掲げる]
三崎 悠介
[車藤が掲げた時、横から何かが全力で走る音が近づいてくる]
[一瞬その足音に気をとられ静止する]
三崎 悠介
うぁあッ!!
[静止したその瞬間に、青年の体当たりが車藤の身体に直撃する]
車藤
きゃっ!?
[思わずよろけて体制を崩す]
[動揺が思考を乱す。彼女は、リベレーターを殺すという第一目的を遵守し続けることができなかった。標的を、三崎に移してしまったのだ]
三崎 悠介
っ…!
[動けないリベを抱え上げる]
リベレーター
ぅ...
(な...!? またこんな状況で...!)
三崎 悠介
(よし、今のうちに…!)
[リベの身体を背負い込み、走り出す]
車藤
この!このっ!このおっ!
[走り出す準備態勢に入ったところで、三崎の腹部に殴打を叩き込む]
三崎 悠介
ゔぐっ…?!ぐっ!
[腹に複数回殴打を叩き込まれるも、その両足は倒れるまいと大地に踏みしめていた]
車藤
邪魔するな!死ね!死ね!くたばれ!
[動きを奪ったところで頭に渾身の一撃を振り下ろす。だが、照準を定めるのが不確かであった]
[多くの力は反れ、急所へともいかなかった]
三崎 悠介
っ…ぐ…ゔ…っっ
[ただただ、背負っている少女を守ろうとする強い意志が、数々の殴打から彼の意識を守っていた]
[あちこちが酷い傷だらけとなったが、それでも、奇跡的に急所にいっていないのもあってまだ持ち堪えられている]
リベレーター
(無茶な、あなたまで殺されますよ!?)
[頭の中でそう問いかけるが、喋ることは出来ないので伝わらない]
三崎 悠介
[頭の血は、とても派手に見える]
車藤
[あくまで殴打の手は止めずに、三崎への罵倒はいつしか問いかけらしきものにかわっていく]
いいんですか!?このままだとあなた死ぬんですよ!!?
私はこの子を殺してから追いかけるような体力は残っていません、あなたは逃げれば助かるんですよ!!!馬鹿なんですか!!!!
三崎 悠介
っ…ああ……死ぬ、それで。この子を助けられるなら…僕は死んだっていい…!
いや…死んででも、この子を助ける…!!
もう、助けられる命を…助けられないままは…嫌だ…!
僕は…もう目の前で誰かを死なせない…絶対に…ッ!
車藤
ならとっとと死んでください!邪魔なんです、この自己陶酔者!
[既にもう三崎にしか車藤の目は向いてないとすら言えるだろう、「怒りは短い狂気である。」]
リベレーター
......それはあなたの事でしょう。
車藤
[呆然としてリベレーターを見やる]
……っ!?
リベレーター
[ゆっくりと三崎の背から自力で降りる]
私を殺せばいいのに、彼に気を取られ過ぎです。
[そして鳩尾に強烈な一撃を叩き込んだ]
車藤
ごめ……ん、家族……
[華奢な身体では耐えようはずもなかった、何分、「霊薬」とやらもなかったのだから。]
[車藤は崩れ落ちる]
三崎 悠介
……君…っ
[痛みを耐える中、リベを見やる]
リベレーター
...私よりもあなたです。
頭から出血しています。[ハンカチを取り出す]
三崎 悠介
[息も絶え絶えになりながら、おとなしくハンカチで吹かれる]
リベレーター
...あ、拭くのではなくこうでしたね。
[頭の傷を圧迫止血法で止血する]
三崎 悠介
んぐっ…
[自然な流れでリベに抱き締められる]
リベレーター
...まったく、無茶が過ぎます。
結果的に助かりましたが、最悪の場合二人とも死んでいましたよ?
三崎 悠介
…でも、君を助けられた。
声を聞いて、走り出して良かった…
最悪の場合は…もう乗り越えたんだ…
…だからもう……心配は…
リベレーター
...はぁ。
もう少し自分の身を大切にしてください。相手が生き残って目の前にあなたの死体があったらそれもかなり悲惨ですから。
[血が止まったか確認する]
三崎 悠介
……はは…でも、君がもう…元気になっていて…良かった…
リベレーター
単に痺れてから一発殴られただけで済みましたので。
...逆にあなたが傷だらけです。どこか別の場所に行って、そこで手当てしましょう。
三崎 悠介
うん…
近くに、病院とか、あったかな
[ふらふらと立ち上がりながら、携帯を探し出す]
…
[携帯を取り出すと、近くの病院を探し始める]
リベレーター
...どこかあるのですか?
三崎 悠介
あった…近くにあるらしい…
ここからは遠くなさそうだ…
[病院を目指すが、足取りはふらふらと震えている]
リベレーター
[三崎の肩を持つ]
そこまでは送りましょう。
三崎 悠介
…ありがとう…
[肩を持たれる]
…優しいんだね、君も
リベレーター
っ......そんなことは...ありません...。
あなたが、私の事を知らないだけです...。
[言いながら三崎の腕を自分の方に回し、支えながら歩きだす]
三崎 悠介
…知らない……そうだね……
…でも、君は…こうやって支えてくれているじゃないか…
リベレーター
...私の事を知ったら...あなたも......。
[苦虫を嚙み潰したような顔で呟く]
三崎 悠介
……大丈夫…
…悪いことをしていたのなら、謝ればいいんだ。
生きているなら、それが出来るんだ。
…僕も、一緒に謝る…
リベレーター
!
いえ、あなたは無関係ですから、いいんです。
私の問題です...。
三崎 悠介
……そう、か…
…じゃあ、君のことは……また、あの時みたいに…秘密にする
リベレーター
...助かります。
[そうこうしているうちに病院についた]
三崎 悠介
…ありがとう。
……
…名前…まだ聞いていなかったな…
僕は、三崎。三崎悠介……
…君の、名前は…?
リベレーター
...私はジャワトラです。
三崎 悠介
ジャワトラ…そうか……僕たち人間が……
…ありがとう……それでも…助けてくれて。
リベレーター
助けられたから助けただけです。 ...では。
[病院の入り口付近で支え終える]
三崎 悠介
…ありがとう。
[病院の入り口から、中に消えていく]
[扉が閉まる瞬間、彼の顔はリベの方を振り向いていた]
リベレーター
...。
[軽く手をあげ、そしてどこかへ歩いていった]
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[パーク内某所 蠍座の会アジト 2:30]
ルー・ガルー
(…ウイルス…か…)
[信者が集まる広場を影から見ている]
(…散布される前に阻止しなければな…)
[影から信者たちを観察する]
(確か疫藤だったか…あいつは…居たな)
[信者の中に目的の人物を見つけ、歩いていく]
よっ、たしか疫藤だったか。
ちょっといいか?
[疫藤に話しかける]
疫藤
はい。いかがなされましたか?光芒
ルー・ガルー
ああ、次の作戦のことなんだが…
ウイルスを持っていく奴と少し話がしたくてな。
誰なのか教えてくれないか?
疫藤
構いませんが……[彼女は少し目を細める]
夏瀬さんですね。今なら確か、個人用礼拝室で信仰の途中でしょう
ルー・ガルー
…そうか。ありがとな。
[目を細めたことに気付いたが、特に気にせず礼を述べる]
疫藤
光芒への奉仕は当然のことです。お気になさらず
[彼女は幾つかの詳細な説明の紙片も握らせた上で人狼を見送る]
ルー・ガルー
(夏瀬か…そいつを唆して裏切らせよう…)
(…最悪の場合は…"噛む"…か…)
[そんなことを考えつつ個人用礼拝室の前までやってくる]
夏瀬
おや、ご用でしょうか?
[部屋の主が現れる]
ルー・ガルー
っと…すまねぇな。
次の作戦について話したいことがあるんだ。
すこしいいか?
夏瀬
了解しました。ここでは何です、個室を取りましょうか?
ルー・ガルー
ああ、そうだな。
個室の方がいいだろう。
夏瀬
ではご案内します
ルー・ガルー
[2人は机と椅子が置いてあるだけの質素な個室にやってくる]
夏瀬
それで、お話とはなんでしょうか。私には想像もつきません
ルー・ガルー
(ここなら大丈夫だな…)
ああ、その話なんだが…
次の作戦ではお前がウイルスを運ぶんだよな。
[話が漏れないことを確認して話し出す]
夏瀬
はい、さすが光芒。お耳が早い
しかしそれがどうかしましたか?
ルー・ガルー
ウイルスを水道に流し、人獣たちを感染させる。
それが次の作戦の概要だ。
…だがな?よく考えて見ろ。
ウイルスを水道にばら撒けば他の光芒にも被害が出る可能性が高い。
他の光芒だって水道を使用するはずだからな。
…そこで…だ、そのウイルスに細工をしてくれねぇか?
[夏瀬の近くまで歩み寄る]
夏瀬
やむを得ないものと思います。どんな手法であれそれは変わりませんし、何より神託に背くことは死後の魂の消失を意味します
夏瀬
ですが、聡明なる光芒の仰ることです。もう少し詳しく指示を。それいかんで努力します
ルー・ガルー
簡単な話さ。
光芒と人獣では大きな違いがある。
それを利用して、人獣だけに効くウイルスを俺が用意しよう。
後はお前がそのウイルスを入れ替えてくれればいいだけ。
たったそれだけだ。
…なに、信託には背いていないさ。
光芒の俺が保証しよう。
夏瀬
…わかりました。ならば、私めに抱擁を
夏瀬
家族に秘め事をする我が苦しみをどうか、その慈愛にて削いでほしゅうごさいます。よろしいでしょうか?
ルー・ガルー
…ああ、わかった。
(…上手くいったか…?)
[夏瀬に近づき抱擁する]
[そして、そこに鋭い痛みと激しい熱を感じることとなる]
[一瞬理解が遅れたはずだ、自分の脇腹に突き立てられた銀のナイフなど]
夏瀬
残念だ、残念でならない。
ルー・ガルー
…ぐっ…!?
[夏瀬を蹴り飛ばしつつ距離を取る]
っ…お前は…っ!
[刺された脇腹を抑えつつ夏瀬を睨む]
刹那
[床にたたきつけらるものの、起き上がる]
……酷いな。ほんの数刻前までは仲良く談合していたじゃないか。こうも痛くすることはなかったんじゃないか
ルー・ガルー
…それはこっちのセリフだな…っ…刹那…!
刹那
あの場でも言ったじゃないか。裏切り者は許さない、それが蠍座の教義であると
だから僕はそれに則るというだけのことだ。
[もう一本のナイフを取り出す]
ルー・ガルー
(…マズい…っ!)
刹那
さあどうする。手負いでも僕一人を殺すくらいは容易かろう、が、必ず君を他の信者が囲って殺すに違いない
だが僕とて命は惜しくないわけでもない。どうせ君は放逐すれば「勝手に飢えてくたばりそうだ」
……逃げるか?
ルー・ガルー
(コイツを殺そうとしたら…さっきの物音で信者が入ってきて囲われる…)
…っ…ああ、そうさせてもらう…っ!
[背後にあった窓に向かって駆け出し、勢いよく突き破って脱出する]
刹那
[深追いはせず、捨て置く]
つくづく馬鹿な奴らだ。逃げ延びたところで、どうせまとめて殺されて終わるのに
[現場へ駆けつけた信者に刹那は状況を説明し、のちに集会を開く]
[最後の決戦の時が、刻一刻と迫り来るのだった]
-To be continued…?-
Next: 04
キャスト
リベレーター:Type-ZERO
刹那、他「蠍座の会」信者:hag fish
ルー・ガルー:DerMaltu
三崎 悠介:sakamata
編集・校正:Nordic
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