【RP】Liberator - 02 邂逅

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※このロールはダークネス(パークの負の遺産)関連ロールです。苦手な方は通常ロールプレイ一覧までお戻りください。

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登場人物



ジャワトラ「リベレーター」


来園者 三崎 悠介

 

前書き


実施日時: 2017年11月20日

アニマルガールでありながら要監視団体に手を貸すジャワトラ「リベレーター」関連のシリーズ2話目(短編)になります。

彼女の出自などに関しては「登場人物」欄のリンクをご参照ください。

本文


[ナカベエリア シズケサの密林 20:00]


リベレーター
[人気のないはずの密林の中を、一人のアニマルガールが歩いている]
......。
(何かが燃えたような臭い......なんでしょうか、これは)
[そのアニマルガールから数十メートル離れた地点で、迷彩柄の衣服をまとった男が2名、音を立てずに歩いている]

 


男A
……で、██さんや。本当にこの森に目的のモンが住んどるんですかねぇ?
[男の手には、不法に持ち込んだものであろう猟銃が握られている]


男B
それは確かだ。今は黙ってヤツを探せ。
[この男の手にも同じ型の猟銃がある]


男A
へへっ、了解。……しっかし、わざわざアフリカだのアマゾンだのに飛ばんでも、楽々商品が手に入るようになったなんて、ありがてえ話ですなぁ。
[男がニタニタと嗤う]


男B
その分、銃の持ち込みと侵入には苦労するがな。しかしサポートがよくやってくれた。侵入さえしてしまえば仕事は楽だ、お前の言う通りな。


男A
褒めても何も出ませんて。世界最大の動物公園って聞いて見てみりゃぁ、アフリカの国立公園の警備よりもザルなんでねぇ。驚きやしたよ……。
……ん?
[静かに話をしていると、男はカサカサと音がした方に目を向ける]
██さん、なんかいやすよ。


男B
話すな、気付かれる。…何だ?
[それだけ言うと音のした方を注視する]


男A
……[男は慎重に音の発生源へ適度に近づき、雑草をかき分けて見る]
……やりやしたよ。お宝ですぁ……怪我したオカピがいやがります。
サイズから見てまだガキっぽいすが、上質ですなぁ。動けねぇみたいですがどうしやすか?


男B
上等だ。発砲せずに済んだのはさらに上等だ。…よく見つけてくれた。『回収』しろ。


男A
かしこまりやした。
[そう言うと、男は自身の居場所を隠すことをやめ、背負っていたリュックサックから動物捕獲用の器具を取り出した]
[怪我をしているオカピの脚部を強引に金具で固定し、運び出せるように手配している]
よし、これで・・・
[オカピの大きなうめき声]
うおっ!


リベレーター

[声に気付き振り向く]


男B
[草陰に身を隠し、猟銃を構えたままそれを見張る]


男A
へへっ、おとなしくしてりゃあすぐに痛くなくなるからなぁ~♪
[テンションが上っているのか、ルンルン気分で作業を続ける。そのためだろう、彼は周囲の気配について思考を巡らす余裕が失われているようだ]


リベレーター
[その時、オカピを捕らえようとした男の額に石が飛んできて直撃する]


男A
ふごぁっ!!!


男B
…なんだ!?
[石の飛んできた方向へと銃を向ける]


男A
[男は、アニマルガール特有の強靭な腕力で投げ込まれた豪速球が直撃し、5mほど吹っ飛んだ]
[木の幹に叩きつけられた男は血を流し、そして動かなくなっている]


リベレーター
[もう一人の男が向けた銃口の中に正確に石が投げ込まれ、発砲不能になる]


男B
な…!?
[銃口に石が詰まったのを確認した後に銃を捨て、とにかく木の後ろへ隠れる]
何者だ…!?パークの警備員か!?
[サバイバルナイフを取り出す]


リベレーター
どこだったかで見た事のある銃ですね...確か『レミントン』なんて名前でしたか。
[木の影から姿を現す]


男B
…いた!
獣の耳の女…!あれが『アニマルガール』か…!
[隠れて様子を見る]


リベレーター
そこに隠れているのはわかっていますよ、私の一番嫌いな職業の『人間』。
[男の隠れている木を真っ直ぐ見据えて]


男B
(ハッタリだ…!奇襲を仕掛けて組技でもかければ喉は裂ける…!)
[隠れたまま出てこない。隙が生まれるまで待機するつもりか]


リベレーター
......出てきませんか。仕方ないですね。
[おもむろに石を拾い、腕に力を込めて野生解放一歩手前の腕力でぶん投げた]
[投げられた石は先ほどとは比べ物にならない速度で飛び、男のすぐ脇を木を抉りながら通過した]


男B
…!?
(違う!ハッタリじゃない!正確に位置を掴んでいる!)
[キッと歯をひん剥き、]
ぬああああああ!!
[絶叫とともに男は飛び出した。全力で駆け、リベレーターにナイフを突きたてようとする]


リベレーター
...ハァ
[呆れたため息をつき、ナイフをスウェーで避けると同時にナイフごと突き出された腕を掴んで反対側に投げ飛ばす]
アニマルガールに刃物一丁で挑むんですか。 馬鹿ですか?


男B
あがっ!?
[腕だけを持って投げ飛ばさたことに驚きながら投げられたダメージを受ける]
いってぇ……あ、ああっ……
ぐっ……何モンだ、お前ェ!?
[立ち上がると、震えながら尋ねる。ナイフは向けたままだ]


リベレーター
...私はジャワトラ、かつて動物だった頃に射殺された身です。
人間は憎悪の対象、ましてや密猟者など論外です。
ちょうどいいので、適当に痛めつけて連れ帰って...


オカピ

ムゴォ~……
[身体の自由さえ奪われたオカピが、母親を呼んでいるのだろうか、ずっとうめき続けている]


三崎 悠介
[そんな時、一触即発の地に一人の若者が足を踏み入れる]
(確か銃声はここから聞こえたような……んっ、あれは…)
[若者の目には密猟者と対峙するアニマルガールと、近くで呻いて居るオカピの姿が映った]
なんて事を…!


リベレーター
......ん?
[若者に気付く]


オカピ

ムゴォ~~~~……


男B
(なんだアイツは……このアニマルガールの仲間?いや、んなことはどうでもいい…!)
よそ見してんじゃあねぇ!
[リベレーターへ、再度飛びかかった]


三崎 悠介
(!不味い!)
[とっさに走り出す]


リベレーター
[振り向きざまに男の胴を蹴って跳ね飛ばす]


男B
がはぁっ!?
[蹴り飛ばされ、地面を転がる。地面と衝突した際、ナイフが手から離れる]


三崎 悠介
っ…!
(つ、強いな…兎に角今の内だ!)
[走りを止めずにオカピの元へ向かっていく]


リベレーター
……[男を警戒しつつ、若者の動きを見る]


オカピ

ウーーー……


男B
……!
(アイツもそうか……何する気だ!)
[這ったまま、ナイフをくすねるように拾う]


三崎 悠介
[オカピの元へたどり着く]
もう安心だぞ…!
[そう呟いて、オカピの脚部を拘束して居る金具を見る]
(何とか外せるかな…いや、やってみなければ…!)


オカピ

[オカピは非常に痛がっており、そして弱っている]


三崎 悠介
[金具に手を伸ばし、慎重に固定を外していく]


リベレーター
…!
(この状況でそんな事を…?)


男B
こんの……!小僧……!
てめぇまで俺の邪魔をするなあああああ!!
[這った状態からそのまま走り出し、ナイフで三崎に攻撃を仕掛けようとする]


リベレーター
っ!
[そこを横合いから殴りつけ、思い切り吹き飛ばす]


男B
にぎゃあっ
がっ……はぁっ……
[横からの衝撃を受けてなすがままに飛んでいき、木の幹に頭を打ち付ける。やがて、沈黙した]


三崎 悠介
[既に金具を外し終わり、治療の為の道具を取り出している]
よし…もう少しじっとしてくれ…
[三崎の意識は、完全に目の前のオカピを助けることに集中していた]


オカピ

ブォ~……


リベレーター
......。
[男が気絶したのを確認すると、若者の行動をじっと見る]


三崎 悠介
[そっと傷口に薬を塗っていく]
[塗り終わった箇所にガーゼをテープで貼り付けていく]
(これで大丈夫だと良いけど…)


オカピ

[うめきは先程より静かになり、おとなしくなる]
[呼吸は止まっていない]


三崎 悠介
…良かった…!


リベレーター
......終わりましたか。
[数歩歩み寄る]


三崎 悠介
…君は…そうか、君も無事だったんだね。
良かった…
[険しい表情が漸く安堵のものに変わる]


リベレーター
私の心配をしている場合ですか...。
さっきまで自分がどういう状況に置かれていたかわかっているのですか?


三崎 悠介
…それでも、あのままこの子を見捨てるわけには行かないだろう。
[オカピを優しく撫でる]


リベレーター
対峙していたのが私じゃなかったらナイフで刺されていた可能性もあったんですよ?
というか目の前で戦っているんですよ?
自分の命よりもそのオカピを優先したのですか?


三崎 悠介
[静かに頷く]


リベレーター
......。
[驚きと呆れが混じった表情]


オカピ

フゴォ~。[落ち着いたオカピが三崎に擦り寄ってくる]


三崎 悠介
(助けられて良かった…)
[すり寄ってきたオカピを受け入れ、優しく撫で返す]


リベレーター
......なぜ、そこまでするのですか?
そのオカピから見返りがあるわけでもないでしょうに。


三崎 悠介
[リベの方へ向き直り、直ぐに答える]
助けたいって思ったから、僕はこの子を助けたんだ。
理由は、それだけだよ。


リベレーター
...助けたいと、思ったから?
[思わず聞き返す]


三崎 悠介
うん。
…生態系に影響が出るとか、そっと見守った方が良いとか…パークの職員さんから怒られるかも知れない。
でも、このオカピを助けられた事を思えば後悔なんて無いさ。


リベレーター
.........。

[その時、リベレーターの心に静かに衝撃が走った]
[ここまで純粋な人間を、彼女は見た事がなかった。そして存在するとすら思わなかった]
[私は幻でも見ているのか。 だがこの感覚は現実だ]

(...まさか、これがあいつの言っていた『私の知らない人間』......?)


三崎 悠介
(後で密猟者が動物を狙っていた事、職員さんに伝えないとな…)
(オカピは元々毛皮を狙って狩猟される事がある……でもまさか、動物園の個体を狙うなんて…)


リベレーター
......そういえば、一つ言っておきたい事が。


三崎 悠介
何だい?


リベレーター
そのオカピやそこで伸びている密猟者に関してはいいのですが、私の事は他言無用です。
これだけは守ってください。


三崎 悠介
[静かに頷いて快諾する]
分かった…理由があるんだね。
君のことは言わない様にする。


リベレーター
...私の事を喋ってしまうと、いずれあなたにも拙い事になりますから。
[それだけ言うと、森の奥へ歩いていく]


三崎 悠介
[森の奥へと向かう後ろ姿を見守る]


リベレーター
[姿が見えなくなる直前、一瞬だけ振り向いた...ように見えた]


三崎 悠介
…さあ、もう大丈夫かい?
[オカピに声をかける]


オカピ ウーーー
[立ち上がることはできないようだが、元気さは取り戻しつつある]


三崎 悠介
[まだ立ち上がれないオカピの様子を見て]
じゃあ、もう少しお母さんを待とう。
僕も一緒に待つよ。


オカピ <以下パークガイド>
おーい、そこで何をしてるんですかー?
[そう遠くない場所から、職員の声が聞こえてきた]
[近くを見回りに来たパークガイドだろうか]


三崎 悠介
[座り込んだままパークガイドに手を振る]
良かった、ガイドさん…!
実は…



[その後、二人の密猟者はお縄になり、オカピは保護され治療を受けた後、密林に帰された]
[それを聞いた三崎が安堵したのは言うまでもなかった]

[一方、この出会いによって、リベレーターは迷い始める事になる]
[人間の駆逐、それが本当に"正しい事"なのか。あの若者のような人間と、自分の知る人間、どちらが『本当の人間』なのか]
[この出会いが、後のパーク中を騒がせる大事件の引き金の一つになったとは、この時はまだ誰も知り得なかった]


-To be continued.....?-

 

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キャスト

ジャワトラ: Type-ZERO

三崎 悠介: sakamata

密猟者A / オカピ: 春日井磯也

密猟者B: 相須楽斗

編集/校正: Nordic

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