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[笹原と荻月が手に持った紙面を見て話し合っている]
1=?
笹原「1じゃないか」
荻月「1だよな」
笹原「あとは……√1とか?」
6÷3×3=?
笹原「6だよな」
荻月「ああ、6だな」
1÷3×3=?
笹原「1?」
荻月「1だと思うぞ」
1÷3=?
荻月「0.333333……」
笹原「あっ」
0.33333…×3=?
荻月「0.999999……うあっ!?」
笹原「すごいな……どういうことなんだ?」
1÷3×3=?
笹原「1か……?」
荻月「0.99999……どうなってんだこれ」
笹原「わからんなぁ…」
1×3÷3=?
笹原「3……を、3で割るから」
荻月「これは1か」
1÷3×3=0.99999…
1×3÷3=1
笹原「これ学生の時やったような」
荻月「まじかよ?俺は初めて知ったぜ」
笹原「なんか納得いかないな」
荻月「ああ。でも、1/3ずつになったじゃぱりまんがまた一つに戻っても欠片が集まらないの問題で
完全な1には戻らない……って考えれば辻褄が合わないか?」
笹原「あぁー……ん、……わからなくも…ないのか?
でも数式の世界を現実の曖昧で片付けちゃだめだろう」
荻月「まあ、そうだよなあ
いつも1なんて''減っても変わんねえ数''ってしか考えてなかったからな!」
笹原「おいおい、カメラマンは1枚1枚に精神すり減らしてるんだ、1を舐めるなよ」
荻月「なっ、それ言ったらこっちだってじゃぱりまん一つ食うのに精神すり減らして……!」
笹原「じゃぱりまんかよ」
荻月「俺だって負けてないぜ」
笹原「…」
荻月「…」
笹原「1って大事だよな」
荻月「そうだな!」
笹原「さっき『じゃぱりまん一つ食うのに精神すり減らして』って言ってたが、
あんたはじゃぱりまん食べる度に何考えてるんだ?」
荻月「そうだな、いつもは『今日のはイチゴ味だな』『少し甘みが強めだな』とか考えてんな」
笹原「へー、他には?」
荻月「『このじゃぱりまんはイチゴ味の中でも栄養の伝わり方が違うな』とかだな」
笹原「ちょっと待てそれはおかしい」
荻月「そうか?」
笹原「人間が母なる大地感じてどうする…味覚とかのレベルを超えてるぞ」
荻月「じゃぱりまんから伝わって来んだよ」
笹原「はぁ……」
荻月「母なる大地は平等にじゃぱりまんを育ててくれる!」
笹原「平等ねぇ……………………ん?あんたさっき、木の栄養の伝わり方が違うとかなんとか言って」
荻月「あっ、あー、それは、あれだ……えーと」
笹原「……それは、変な味がするって意味なのか?」
荻月「ちょっとだけなー、一般人には感じないレベルに」
笹原「自分を一般人じゃないと言ってるのか……
で、ちょっと変な味のじゃぱりまんができる原因は?」
荻月「父なる大地が育てたやつだからだぞ」
(数秒の沈黙)
笹原「…どういう意味なんだ???」
荻月「大地の父は果実の育成が下手」
笹原「お前ペアレンツ大地にのけものにされても知らないぞ」
荻月「ペアレンツ大地て」
笹原「モンスターペアレンツ大地になる前にちゃんと父方に謝っとけよ」
荻月「父なる大地にカーネーション植えっか」
笹原「煽るな」
荻月「じゃあお前は写真撮る時何考えてんだよ」
笹原「写真撮る時?そりゃあ、
『この子は羽をハイアングルで撮った方が映えるかな』とか
『暗いけどピント大事にしたいな、ISO感度以外での撮り方は無いかな』とか」
荻月「ほーん、あとは?」
笹原「『この子の笑顔かわいいなー』とか」
荻月「…」
笹原「どうした?」
荻月「いやー、思ったんだけどさ、
アニマルガールに躊躇なく近づいて『写真撮ってもいいかい?』なんて」
笹原「おう」
荻月「よく言えるよな」
笹原「カメラマンなんだから当たり前だろ?」
荻月「アニマルガールだって…女性だぞ?なんか、こう、意識したりとか」
笹原「ああ、そういうことか、…なんか慣れたな」
荻月「慣れるもんなのか」
笹原「アニマルガール以外の女性も撮って来てるからな、そりゃあ」
荻月「ほー…」
笹原「不思議か?」
荻月「いやー、慣れって怖えなって」
笹原(あんたのじゃぱりまんに対する執着も十分怖いと思うがな)
荻月「職権濫用とかすんなよ?」
笹原「職権濫用?」
荻月「カメラマンってのをいいことに、アニマルガールの変な写真ばっか撮るんじゃねーぞってことだ」
笹原「まず変な写真撮ること自体が職権で認められないから大丈夫だ」
荻月「それをお偉いさんやらの前でも言えるようにしないとな!」
笹原「?」
荻月「アニマルガールをいろんなアングルで撮りまくってたりなんかしたら
パークガイドに声をかけられそうな気がするんだが?」
笹原「あ」
(ハルカ理事長、フラッシュバック!)
荻月「ははーん、心当たりあんだな」
笹原「だいぶ話がずれたな」
荻月「だな!」
笹原「どうして1が0.99999…になるんだ?」
荻月「だからじゃぱりまんの欠片が」
笹原「それはもういいって」
荻月「冗談だって」
笹原「わかってるって」
荻月「それにしても理屈が気になるな」
笹原「えーと、…1÷3×3だろ…?だから…」
荻月「待ってろ、今どういうことか調べるぞ」
笹原「あっ考えることを放棄したな」
荻月「答え合わせは早い方が良いからな」
笹原「そういうものなのか」
荻月「在庫数の確認みたいに!」
笹原「在庫数の話は何処から出てきた」
荻月「自分の得意分野は会話に盛り込んでいきたいだろ?」
笹原「一理あるかな」
[荻月の端末に情報が表示される]
1と0.99999…は同じ数である ということは様々な方法で証明されている
笹原「ん?」
荻月「んー?」
1/3=0.33333…
笹原「うん」
1/3×3=0.33333…×3
荻月「あれ?」
1=0.99999…
笹原「おおおおおお!?」
荻月「すげええええええええ…!」
笹原「衝撃だな…」
荻月「ああ…!」
アホウドリ「あ!盗撮さんたちなの!」
ワタリガラス「ほんとだねえ」
アホウドリ「何してるのかなぁ?」
荻月「1ってすげえな!」
笹原「1…無限の可能性を感じるな」
荻月「無限小だけに?」
笹原「…」
アホウドリ「うーん、難しくてわかんないお話してるの…」
ワタリガラス「そうだね、寒くなってきたし、あっちに行こうか」
-fin-
盗撮さん
笹原本人公式の呼称。discordでのロールプレイで生まれた。
笹原が撮影活動を行っているのをワタリガラスが目撃した際に、「盗撮はいかん。許可とりな」と言い放ったのが語源。
(主に鵺を)撮影許可取らないで撮影してたからね。仕方ないね。
登場人物
筆者: idola
お読みいただきありがとうございます。
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