文明人之纂略046
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★『魔法』という訳語について [7e3cc1] | ||||
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ファンタジー作品でなくとも魔法という言葉はしばしば使われるものであるが、その語義を検討してみたとき、一つの疑問が芽生える。『魔』と『法』の訳語は果たして正確なのか、と。 英語の‟magic”を魔法と訳すことは周知かと思う。magicの語源は古代イラン語にまで遡り、聖書にもその影響は見ることが出来る*1。正確に訳すとすれば「人知を超えた不思議な能力・技術」だろうか。この語は善悪においてニュートラル、或いはポジティブな価値を持っている。 一方、日本語の『魔法』は仏教的な意味合いが強い。魔は魔羅(善事を妨げる悪い鬼神)の略であり*2、法は真理。何の真理かといえば仏、則ち仏法である*3。魔法は「仏の真理から外れた悪い行い」と解釈できる。もし「魔法は既に仏教色が薄まっており、magicの和訳として定着している」という反論があったとしても、『魔』がネガティブな価値を有する語であることは多くの賛同を得られるところだろう。 ここで検討したいのが、ファンタジーにおける魔法という語の使用についてである。 聖なる存在である神や、それに仕える聖職者(=一般的に善の価値を持つ者)が魔法を使うという表現は違和感がある。まして『魔王』なる悪の権化が存在する世界観なら尚更、魔の対極に位置せねばならないはずだ。神はmagicを使えても魔法は使えない。 お気づきだろうが、これは日本語の問題である。異世界語を翻訳する際の適当な訳語が見つからないのである。 尚、本編では
とした*4。
から、その大半が初見の単語と思われる。そのため概念は前世の知識に頼らざるを得ない。 という風に組み立て、敢えて仏教色を濃くし区別したのである。この問題において完璧な正解というものを筆者はまだ見つけられていない。今後の課題である。 ***以後加筆予定アリ*** |
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関連 |
おそらくこのような文章を翻訳したのだろう。:の前や""の中身が知らない単語であっても、ある程度読むことは可能である。ただし筆者は横文字があまり得意ではないので、上記英文には誤りがあるかもしれない。 |
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作成 | 2019/03/12 | 更新 | 0000/00/00 |
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