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★転生者と家族『母』　[7e3c93]
人間に最も必要不可欠な存在は母である―—人間が人間から生まれるうちは。 　という戯言はともかく、社会的動物に生まれたモノにとって家族とは最も身近な社会といえよう。その中でも母親は「我に生を授けた二番目の人物」として父兄弟に比べ特殊な存在である。当然ながら異世界『転生』とテーマに据える作品はそれについて少なからず描写せねば不自然だ。しかしながら、これが難しい。物語を円滑に進めるためには、現実並みの膨大なやり取りなど書き起こせない。 　有名な作品では拾われ*1たり死別*2していたりと予め省くものも散見される。家族と一定期間過ごしたり*3、親元を離れない*4ケースもあるが、それらの立場をとる場合、母の『愛情』は課題である。最低限必要な要素は①ベビーシッターではない②愛情≠甘やかし③我が子の異質さをどう捉えるか、以上三点ではないかと筆者は考える。 　とはいえ、どれも作者の生育環境によって差が出る要素であるが故に、作中で最も『フィクション』な部分とも捉えられる。自分の僅かな成長を喜ぶ姿、ふと気付く内面の変化、そこから発展して、自分が「普通じゃない子」だったら母は何を思い、何と言うか…記憶を辿る困難な作業であり、己を顧みる良い機会である。
関連	*1.賢者の孫　2*.ワールド・ティーチャー　*3.無職転生　*4.神童セフィリアの下剋上プログラム　§021　§030
作成	2019/03/09	更新	0000/00/00