マジパング

ページ名:マジパング

登録日:2023/01/06 (金) 18:11:19
更新日:2024/06/28 Fri 13:58:32NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



タグ一覧
てしろぎたかし コロコロコミック 月刊コロコロコミック 打ち切り 小学館 戦国時代 漫画 マジパング グループ・ゼロ パング





新戦国世界で最強ってなに!?





マジパングとは、てしろぎたかしによる漫画。


●目次


【概要】


2010年4月号から8月号まで月刊コロコロコミックにて連載されていた。単行本は全1巻。タイトルが似てるこれとは何の関係もない。


戦国時代の世界観や武将を元ネタにした世界観を持つ異世界を舞台にしたバトル漫画となっている。
コロコロという雑誌の歴史において戦国時代をテーマにしたジャンルの作品は珍しい部類。


…しかし、この作品は連載期間が僅か5話で打ち切りになってしまったという結果のインパクトにより、ネタとして一部で妙な知名度を残してしまった。ただ単にアンケートの結果で人気が出ないと判断されただけなのだろうが…
月刊コロコロの打ち切りは不人気でも2巻程度は出せるパターンが大半のため、全5話という話数は短期集中連載*1や作者の諸事情などの例外パターンを除くと最短クラスの連載期間である。
しかも2010年代という時代にこのような打ち切りがコロコロで起きたことも読者間に衝撃を与えた。
予告編に出ていた武将や作中で描かれた伏線の殆どが回収されることなく完結してしまっており、無念の打ち切りだったことを強く匂わせている。


作者も新人や無名作家ではなく、『スーパーフィッシング グランダー武蔵』などでコロコロで実績のあるベテラン作家の作品だったことも打ち切りの厳しさをより濃くしている。
本作の打ち切りが影響したのかは不明だが、本作を最後にてしろぎはコロコロ本誌で作品を連載することは無くなった。


しかし、打ち切りの扱い故にネガティブな印象が強い本作だが、てしろぎの独特な作風や児童誌としてはレベルの高い作画は健在。
上述したように打ち切りの影響で伏線の殆どが回収されなかったので作品全体に強い違和感が生じてしまっているが、物語の流れ自体は王道なノリとなっている。
現在は電子書籍サイトで全話無料で公開されており、最短打ち切りなのが皮肉にも逆に短時間で読みやすい作品になっているので、興味があれば読んでみよう。閲覧数が増えれば続き描いてくれるかもしれないし。


【あらすじ】


「新戦国世界」と呼ばれる、日本の戦国時代と現代の世界観が混ざった世界に存在する国家「パング」。
このパングでは様々な武将が天下統一を狙って日々争いを繰り広げていた。
そんなパングでかつて討ち取られた武将の息子・ガチ丸は、ある日空腹に飢えていた「吉法師」を名乗る男性に出会って彼を助けることになる。


助けた吉法師から真剣で天下を取る大将の上に立つ大将「マジパング」を目指すように促されたガチ丸は、天下取りを目指して争いのない世を目指す旅に出るのだった。


【登場人物】


  • ガチ丸

主人公の少年でアホな明るい性格。大食いではあるが、致命的な味音痴…というか貧乏舌。
父親から託された秘宝の魔導水*2を他者に渡されないようにと飲んだ結果、バズーカすら通じない鋼鉄の肉体へと変貌した。
戦嫌い故に対戦相手を殺傷しないために日本刀ではなくハリセンを武器として使用している設定だったがすぐに打ち切りになったのもあってかあまり用いず、鉄の身体を用いた格闘をする方が目立った。
一方で鉄の身体の強さに怠けて修練をあまり積んでいなかったようで、そのことを反省する場面も。
父の仇にハリボテの城を破壊されたことと吉法師に天下取りを煽られたことにより、マジパングを狙うための旅に出る。


  • ひげじい

ガチ丸の世話をしている家臣の老人。
ひげじいの作る料理はガチ丸の好物だが実際にはとんでもなく不味い。しかし、料理にケチを付けられそうになるとキレかける。


  • 吉法師(織田信長)

第1話でガチ丸が出会って結果的に助ける形となった、空腹で飢えていた男性。ガチ丸が見るにチンコはかなり小さいらしい。
本人曰く「男を磨く旅」で諸国を徘徊して己の小ささを痛感していたとのこと。
終始ガチ丸達の奇想天外さにツッコむ役割をしていたが、一方でガチ丸のハリボテの城の様子を深く観察して経歴を推測するなど鋭い一面もあった。
ガチ丸と別れた後で武将の織田信長と判明(自身が信長に改名した事実を忘れていた)し、腹の底が読めない様子を見せる…が、その後登場することはなかった
本作が短期打ち切りになっていなければ、織田信長としてガチ丸と再会する予定だったのだろう…。


  • ガチ丸の父親

ガチ丸の父親の武将。鶴亀城の先代の当主でもあった。理由は不明だが、妻はガチ丸を生んだ直後に亡くなっている。
本編開始前の戦で敗北を悟ってガチ丸に秘宝を託して逃がした後、最終的に部下を庇う形で戦死した模様。
息子との関係は良好で部下を鼓舞するなど人間的に優れた人格だった一方、戦国の武将としては馬鹿正直な性格すぎたようでかつての友人の火賀地からは「ボンクラ」と失望されている。


  • 火賀地

ガチ丸が旅に出て最初に訪ねた荒れた街に構える「蛇城」の城主の男性。本作の事実上のラスボス
ひげじいが言うにはガチ丸の父親とは兄弟のように仲が良かった心優しい男性だったが、現在は血に飢えた獣という評価をされており、領民を軽罪で無理矢理投獄して生贄にしていた。
実は同盟相手のガチ丸の父親が戦死して小国の蛇城が存亡の危機を迎えたことによる失望で友情を失い、生き残りを賭けて蛇城に封印されていた「八岐大蛇」を解放してその見返りの魔導水で力を手に入れたことで冷酷で残虐な人間へと堕ちた。
力を手に入れる前は典型的な殿様の容姿をした中年男性だったが、魔導水の力で年齢不相応な高齢の男性や少年の身体を手に入れていた。


ゴエモンの単眼による計測では戦闘力3500という絶大な数値を誇る強敵。「脱皮」による肉体の変化や部下を操る能力を駆使し、5分で相手を絶命させる毒液「蛇毒」などの技を持つ。
冷酷な策略や戦闘力でガチ丸を苦しめるが、最終的に八岐大蛇が封印されたことで力を失ったタイミングでゴエモンに制裁された。


  • 石川ゴエモン

ガチ丸が収監された悪徳城主の城にいた義賊の少年。元ネタは言うまでもなく石川五右衛門。
病の弟分を救うために不治の病を治すと伝えられている火賀地の秘宝の千鳥の香炉を狙っていた。
手から蜘蛛の糸を操って敵を捕縛する攻撃や相手を糸で粘着させて足を動かなくさせる「螺旋状網」などの技を持ち、「単眼」という額にある複数の目(その見た目はガチ丸に嫌悪感を抱かれていた)で相手の戦闘能力を数値化して把握できるまるで某有名漫画のスカウターっぽいが、ガチ丸の戦闘力は計測不能。ちなみにゴエモン自身の戦闘力は70。
一時期はガチ丸と対立させられるが敗北の際に彼の力を認め、最終的に一緒に旅の同伴をしている。


  • 千神泥刃

蛇城の剣術師範方の男性。
ガチ丸が「瞳が暗く濁っている」と評する冷酷さと異様な速さを誇る剣術を操って戦う。
一度はガチ丸に倒されるも実は火賀地の操り人形的な存在だったことから能力によって再起させられるが、攻撃パターンを見切られて再度倒されて沈黙した。


  • シンゲン武田

最終回のラストシーンにて登場した武将。大柄の男性で多数の部下を率いていた。
ガチ丸がゴエモンと共に彼に戦いを挑む場面で本作は締められるのだが、その内容は多数の部下がガチ丸達に掃討されるという描写でシンゲン武田のバトルは描かれていない


  • D.マサムネ
  • 暗黒粒子ケンシン

予告編や火賀地の語りの際のイメージ図のみに登場した武将。マサムネは伊達政宗、ケンシンは上杉謙信が元ネタだろう。
マサムネは猛獣を操る隻眼の人物、ケンシンは身体を細かい粒子の様に変化させる能力を持つ人物として描かれている。
恐らく打ち切りになっていなければガチ丸の強敵として登場する予定だったと思われる。





追記・修正は身体が鋼鉄でハリセンを使って戦う人にお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,2)

[#include(name=テンプレ3)]


  • 懐かしい -- 名無しさん (2023-01-06 18:18:18)
  • この頃のコロコロは他にも打ち切り多かった記憶 スタンドアップとか -- 名無しさん (2023-01-06 18:18:41)
  • 兄さん曰くスタンドアップは掲載雑誌がコロコロじゃなければもっと続いてたとのこと -- 名無しさん (2023-01-06 18:42:43)
  • 信長だったり開幕扉絵の奴らだったり気になるキャラが沢山いたから当時突然終わったのは面食らったなあ -- 名無しさん (2023-01-06 20:05:10)
  • 乗ってた豚を、次ページで速攻丸焼きにして食うシーンで笑った記憶がある -- 名無しさん (2023-01-06 21:06:21)
  • まさか今になって記事が出来るとは思わなんだ…画も話もそつなく上手い方だったのにな -- 名無しさん (2023-01-06 22:20:33)
  • ↑4 う~ん、でもギャグセンスが完全に児童誌のノリだし、しかもコロコロ基準でもお世辞にもそこはうまい方じゃなかったからサンデーの方に持ち込んで通用したかどうかは正直微妙だな… > -- 名無しさん (2023-01-06 22:28:30)
  • 検索してみたけど、これ主人公のキャラデザが敬遠されたのが不評の原因な気がする…今作の主人公は幼児向けっぽいデザインで、コロコロのストーリー漫画に関心を抱き始める年齢の子供が嫌いそうなタイプのデザインに見えた -- 名無しさん (2023-01-07 11:12:38)
  • スタンドアップが玄人読者の評価高いのはわかるな -- 名無しさん (2023-01-07 15:02:25)
  • これ小学生の時に一回しか見たことなくてなんでだろうな〜って思ってたらそんなに早く終わってたのね 納得 -- 名無しさん (2023-01-08 02:44:48)
  • メルカリではこの古本が5500円というプレミア価格らしい。 -- 名無しさん (2023-11-07 19:07:26)

#comment(striction)

*1 全5話以下で完結させる前提で連載を始めたケース。
*2 様々な種類がある事から悪魔の実に相当するものだったと思われる。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧