登録日:2022/07/14 (木曜日) 10:30:16
更新日:2024/06/24 Mon 13:00:05NEW!
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ゲーム rpg steam nintendo switch インディーゲーム ひきこもり ホラーrpg omocat omori
ホワイトスペースへようこそ。 あなたはずっとずっと、 ここにひきこもってる。 |
『OMORI』とは、OMOCATを中心とした制作チームによって、開発されたサイコホラー(一応)RPGである。
概要
#table_style(head=#FFB34B)
ジャンル | ひきこもりホラーRPG | |
---|---|---|
CERO | C(15歳以上) | |
開発/販売 | OMOCAT,LLC | |
開発エンジン | RPGツクールMV | |
発売/配信日 | Steam(Win,Mac) | 2020/12/25(英) |
2021/12/16(日) | ||
2022/03/18(中韓) | ||
Switch | 2022/6/17 | |
PS4,PS5 | 未定 | |
Xbox | 未定 |
経緯
原作はOMOCATが作成したブログ「omori ひきこもり」、およびそこで公開されていたウェブコミック「OMORI'S STORY」。この時点からすでにゲーム化を目標にしていたようで、2013年にはゲーム化が発表された。
その後、KickStarterにてクラウドファンディングを募ったところ、目標22,000USDに対して、約9倍の203,300USDもの寄付金が集まったため、開発スタッフを増員。当初は2015年リリース予定だったが、開発エンジンの更新やコロナ禍によって延期が続いた末、2020年12月25日のクリスマスの日にリリースとなった。
2022年6月17日にNintendoSwitch版が発売された。
2023年6月にOMOCAT氏へのインタビュー動画「OMORIが生まれるまで: 自分のヘッドスペースを描いてみよう」が公開されている。
ホラー要素について
本ゲームは一応はホラーゲームとなっているが、実はホラー要素は全体と比べても半分に満たず、大半はカラフルな夢の世界と色褪せぬ現実の世界を跨ぐ冒険を楽しめる。
それでも「死」や「うつ病」の要素を含み、ゲーム冒頭の注意書きの通り、うつ・不安障害・自殺の描写も含まれるため、それらを苦手とする人にはあまりおすすめし難い。
いわゆる「ジャンプスケア」等の急激なパニック要素は少ない代わり、忘れたころにじわじわと背筋を凍らせる、狂気的な精神的恐怖が襲い掛かってくるため、心してプレイされたし。
システム
フィールドは見下ろし型視点、バトルはターンベース制と、システムとしては伝統的なRPG。一部パートを除いては、ほとんどを固定の4人のパーティで行動・戦闘することになる。
フィールドでは4人のキャラクターはそれぞれの固有能力を持ち、リーダーチェンジで先頭を交代することで対応する仕掛けを解くことができる。
バトルはほぼシンプルで、攻撃とキャラ固有のスキルの他、ハートやジュースを回復させるアイテム「おやつ」やバトルで敵味方に影響を与えるアイテム「おもちゃ」のコマンドがある。そのほかに、ダメージを受ける度にたまる「やる気」という共有パラメータを持ち、通常攻撃時に方向キーを入力する事でやる気を消費して仲間と連携をする「畳みかけ」を発動できる。
ヘンテコな夢の世界では、RPGのシステムにちなんだ概念までどこかヘンテコ。例を挙げると以下の通り。
- 通貨が「アサリ」。見た目もまさに貝殻。
- スイカが宝箱代わり。「おやつ」や「おもちゃ」が入っている緑色のスイカと、武器や防具などの装備品が入っている青いスイカの2種類。特に本ゲームでは、装備品のほとんどはスイカからしか手に入らない。
- ハートが0で戦闘不能になると、何故かトーストになる。そして蘇生アイテムもジャム。(オモリだけはハート0の時点でゲームオーバーなので例外。)
感情について
本ゲームの特徴として、状態異常や属性の代わりに感情という概念が存在する。感情は敵味方のスキルやアイテムによって変化し、ステータスに影響が出るほか3すくみの相性によってダメージの強弱が左右される。
同じ感情を重ね掛けすることもでき、敵の場合は(一部を除いて)1段階のみ、お友達は2段階、そしてオモリだけは3段階まで変化する。
- 喜び(にこにこ ⇒ るんるん ⇒ さいこ〜)
素早さと幸運(クリティカル発生率)が上がり先制しやすくなるが、命中率が下がり攻撃が外れやすくなる。怒りに強く、悲しみに弱い。
敵の場合は倒した際のアサリ獲得量とアイテムドロップ率が上がる。金策に便利だが、クリティカルが飛んできやすくなる点には注意。
- 怒り(いらいら ⇒ むかむか ⇒ ぷっつん)
攻撃力が上がるが防御力が下がるというシンプルにハイリスクハイリターンな感情。悲しみに強く、喜びに弱い。
敵の場合は倒した際の獲得経験値が上昇するので、リスキーだがレベル上げに使える。
- 悲しみ(しょんぼり ⇒ どんより ⇒ がっくり)
防御力が上がり素早さが下がる他、ダメージの一定量をジュースが肩代わりするようになる。ジュースが枯渇しやすくスキルが使いづらくなる。喜びに強く、怒りに弱い。
敵の場合は攻撃行動の頻度が減って戦いやすくなるが、経験値とアサリは減る。
記載されていないもう一つの感情
- 恐怖(びくびく ⇒ わなわな)
味方のみにかかる特殊な感情。大抵は苦手なものやホラーな敵キャラに出くわした際に自動的に変化する程度で、びくびくさせてくる技を使う敵はあまりいない。
恐怖ですくみ上って一部を除くスキルや畳みかけが使用できなくなる他、受けるダメージが常時1.5倍になるとデメリットしかない。アイテムは使用できるので、さっさと別の感情に変えてしまおう。
ストーリー
主人公オモリは、見渡す限り真っ白な部屋「ホワイトスペース」に暮らす少年。
何もせず一日中部屋の中で暮らしたり、時折ドアの向こうの「オトナリルーム」で3人の友達と遊んだり、
時にはさらに外の夢の世界に遊びに行ったりして過ごしてきた。
そんなある日、外の世界にいた友達の一人がいなくなってしまうという事件が起こる。
消えてしまった友達を探すため、奇妙でカラフルな世界の冒険が始まるのだった。
登場キャラクター
※本項目では、冒険の舞台である夢の世界(精神世界)のキャラクターについてのみを言及する。
主人公
- OMORI
ストーリーの通り、真っ白な空間「ホワイトスペース」で暮らすひきこもりのモノクロ少年。
夢の世界のほとんどがパステル調に描かれている中でも唯一白黒だから逆に目立つ。
死んだ魚のような目をした無気力で虚無的な表情を浮かべているが、全く無感情というわけではなくむしろバトルでは様々な表情(や顔芸)が見られる。(例えばさいこ〜状態だと何か危ないクスリでもキメたかのような顔になる。)
能力は攻撃が高い程度で「4人の中では」平均的だが、武器がよりによってホワイトスペースに落ちていたナイフとかなり物騒。
フィールドでもナイフを使って、邪魔な木の根や蜘蛛の巣を切って壊すことができる。
パーティメンバー
ホワイトスペースにある白いドアの先にある部屋「オトナリルーム」にいる3人のお友達。
普段は3人でトランプなどで遊びながら、オモリが遊びに来るのを待っている。
- AUBREY
「オモリくん!そろそろ来ると思ってたよ〜!」
「一緒にトランプしない?ちょうど次のゲームが始まるところだよ!」
ロングヘアーにリボンをつけた、水色のワンピースの女の子。お気に入りのナスのぬいぐるみ「ビスナさん」をいつも持ち歩いている。
明るくて仲間想いで、それでいてタフな女の子。涙もろいところもあり、怒りのレベルが上がっても涙目になる。
ケルにはよくちょっかいを出されるせいで喧嘩が絶えないが、ケルのボケに対するツッコミ役となんだかんだで相性は悪くはないようだ。
女の子ではあるがなかなか力持ちで、性能もHPと攻撃力が最も高い戦士タイプ。武器も鈍器類で、中にはバットやハンマーとオモリほどではないが物騒なものが混じっている。
フィールドでは邪魔なブロックやツボなどの固い障害物をバットで破壊できる。
- KEL
「ほら、いつも言ってるだろ?」
「『現実のいいところに目を向けて、毎日ちゃんと生きるべきだ』って!」
二人の兄弟の弟の方で、チェック柄シャツのやんちゃ坊主。
とにかくやかましく落ち着きがないイタズラ小僧で、オーブリーにもよくちょっかいをかけてはケンカになる。
単純で向こう見ずな性格が故トラブルを巻き起こす事が多いが、頭の回転が早く機転を利かせることも多い。
素早さとMPが一番高いトリッキータイプで、大抵誰よりも早く行動できるため、先手を取って雑魚殲滅や妨害、アイテムによる戦況の立て直しをしやすい。
ただHPと防御が低いため、ちょっとでも強力な攻撃を喰らうと即トーストなのでそこには注意。
フィールドでは遠くからボールを投げることで届かないところにある仕掛けを作動させることができる。
- HERO
「はぁ…二人とも落ち着けよ…」
「何でいつもこうなるんだ…」
二人の兄弟の兄の方で、パジャマ姿の長身の青年。
四人の中では年長者というだけあって性格は一番落ち着いており、弟のケルとオーブリーのケンカを仲裁するなど、パーティーのまとめ役を担う苦労人気質。
優しくて人の頼みを断れず、若干運動が苦手なところ以外は何でも器用にこなす、まさにヒーローを地で行くイケメン。でも、蜘蛛だけは勘弁な!
得意のお料理で仲間を回復させるヒーラー役だが、HPと防御が高いためタンク役も十分いける。一部スキルを使った際のイケメンスマイルは必見。
フィールドでは対応するギミックはないが、非常に顔が広くNPCとの交渉を行える。何人かのNPCに彼を先頭にして話しかけてみると、いいことがあるかも…?ついでに、ショップでの買い物のときにも値下げしてくれる。
冒険を支えてくれる仲間たち
- MARI
「オモリ…言わなくてもわかるよ…きっとこう思ってるでしょ…『うわ、こんなところでピクニックするなんて、変人だ…』って…」
「オモリもさ、たまには気楽にいこうよ!弟が真面目すぎて、お姉ちゃんは心配です!」
ブレザー姿のお姉さん。実はオモリの姉でヒロの恋人。だったら何故ホワイトスペースに住まないのかというツッコミは物語の核心に触れる最大の禁句。
夢の世界の至る所でピクニックをしており、どこぞの骨兄貴みたいに先回りしてピクニックシートを広げるならまだしも、たとえゴミ捨て場の真っ只中、罠まみれの地下牢の廊下、エレベーターの中、挙句の果てにはクジラの腹の中だろうとお構いなしにピクニックしているというヤバイ度胸の持ち主。
いわゆる回復拠点兼セーブポイントで、HP・MP全快のごちそうとデータをセーブするためのバスケットが置かれているほか、マリに話しかけると未完のクエストについてアドバイスがもらえる。
- BASIL
「ああ、ちょっとピントがずれちゃった…」
「まあ、いいか。これはこれで特別な写真だよね。」
頭に花冠をかぶった、青緑の髪の気弱な男の子。本作のヒロイン。
ガーデニングと写真撮影が趣味で、カメラ目線じゃない自然体を撮るのが好き。
優しすぎて他者を傷つけることが苦手でバトルには向いていないため、一緒に行動するときもただ4人のバトルを見ているだけ。
ある日忽然と姿を消した彼を探しに、オモリたちは夢の世界を冒険することになる。
- PLUTO
「見せつけろ、サイドチェスト!」
「手に入れろ、チャンピオンベルト!」
筋肉モリモリマッチョスターの冥王星。宇宙海賊のコレクションだったが、初登場時は脱走して指名手配されている。
物語が進むと、自分の運営する運送会社「冥王星特急」を設立、専用の乗り場から夢の世界の各エリアをひとっとびで移動できるようになる。
- MAILBOX
「おやおや!いらっしゃい、大切なお客様…」
「オレの店へようこそ!何か買っていきなさいな!けけけっ…」
一見なんの変哲もない郵便箱だが、中に何かがいる。
夢の世界では何故かアイテムショップ役で、おやつやおもちゃを売ってくれる。
ヘンテコな夢の世界のヘンテコな住人たち
- MEWO
「ニャ?(何かを待ってるの?)」
オモリと一緒にホワイトスペースで暮らす黒猫。話しかけてもだいたい上記のセリフしか返してこない。
- HECTOR
「……」
ケルが飼っているペットロック(石)。実は喋れるけれど恥ずかしがり屋…らしい。
物語の序盤でケルのポケットから転げ落ち、そのまま行方不明になってしまう。
- SPROUTMOLEs
夢の世界に多く生息する植物系モンスター。見た目はどう見てもモグラに見えないが、気にしてはいけない。
一応人語を解して「賢い生物」を自称するが、道に迷うと狂暴化する(敵化する)わ、ちょっとトラブルが起こっただけでパニクって何もできなくなるわと実際おつむの弱い個体がほとんど。
好物はとうふ。図鑑ではオモリにボロクソに言われている。「ブサイクな植物野郎。実際バカ。湿った洗濯物のにおいがする。」
- CAPT. SPACEBOY
「我は太陽系の惑星全てを手中に収め、宇宙を自由自在に飛び回る力を持つ者!」
「全宇宙の力を操る覇者である!」
果てしないハシゴを上った先にある惑星「イセカイ」に拠点を構える宇宙海賊のキャプテン。
「太陽系の覇者」として多くの惑星を支配する存在であるが、序盤の初登場時では失恋のショックから寝たきりの状態になってしまっており、子分にも見離されかけていた。
ゲーム中ではコロコロと名前が変わる。
- SWEETHEART
「オ〜ホホホホホホホホ〜!」
「オホッオホホッオホホホ〜!」
とある森の奥深くに城を構える、魔法少女風のお嬢様。苗モグラたちが熱狂的に崇拝する、唯一無二のアイドルを自称する。
見た目こそ完ぺきではあるが、性格は高飛車通り越して非常に難アリ。
正体はドーナッツで、へその部分には穴が開いている。
...
- SOMETHING
冒険の道中でたびたび現れる不気味な黒い影。夢の世界の至る所でプレイヤーたちの不安をあおる。
余談
- 本ゲームを簡単に言い表せば、MOTHERシリーズとゆめにっきを足して2で割ったようなもの。OMOCAT本人は、これらと比較視されることを好意的に受け止めており、それどころかネス・窓付き・オモリのクロスオーバー3ショット(+α)の絵を描き下ろしている。
- UNDERTALEを開発したToby FoxはOMOCATとの交流があり*1、本ゲームに1曲提供している。
- 音楽制作チームには、「いっしょにチョキっと スニッパーズ」や「Pikuniku」の楽曲担当・bo en(Calum Bowen)が参加。最初のPVでも使用されている「My Time」は、元は氏のアルバム「Pale Machine」に収録されていた曲。本ゲームのPVに使用される際、ピッチ変更などアレンジが加えられている。そしてゲーム中にも、衝撃的な形で収録されている。
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▷ コメント欄
- アニヲタにもとうとう出来たか・・・ -- 名無しさん (2022-07-14 12:04:04)
- 真相を知ってしまうと、昔の回想が流れる度にどうしてこうなった…って思ってたなあ。 -- 名無しさん (2022-07-14 12:58:50)
- 夢以外の項目はこれから追加するの?それともネタバレ防止で無しのまま? -- 名無しさん (2022-07-14 13:22:21)
- 大丈夫、きっとうまくいく… 終盤折れかけた主人公がこの言葉を思い出し自分を奮い立たせる そう思ってた時期がありました… -- 名無しさん (2022-07-14 13:37:21)
- どうせ序盤も序盤で明かされるのに現実パート書かないのはよくわからん -- 名無しさん (2022-07-14 13:56:02)
- 建て主は家から出なかったのかもしれない -- 名無しさん (2022-07-15 08:39:57)
- 「ホワイトベースへようこそ」に空目した -- 名無しさん (2022-07-15 21:37:42)
- 公式Twitter見てたらゴキゲンすぎるSOMETHINGのイラストが出てきて吹いた -- 名無しさん (2022-07-18 19:13:54)
- It means Everything. DUET My Timeはいいぞぉ(洗脳済み) -- 名無しさん (2022-07-26 15:53:01)
- OMORI(S□□□Y)にとって一番の親友はBASILなんだろうけど、かくれんぼの時とかオクブカ井戸の時とか家を訪ねてきた時とか、いつも最初に迎えに来てくれるのはKELだからこっちの方が親友感ある -- 名無しさん (2022-08-16 23:31:00)
- バジルくんがヒロイン扱いで笑った -- 名無しさん (2022-11-22 23:42:38)
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