登録日:2022/02/13 Sun 21:28:18
更新日:2024/06/18 Tue 09:50:14NEW!
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ジョジョ スピンオフ 上遠野浩平 荒木飛呂彦 東方仗助 花京院典明 ホル・ホース マライア ケニーg オインゴ ボインゴ dio 前日譚 杜王町 ダイヤモンドは砕けない スターダストクルセイダース ウルトラジャンプ 漫画 集英社 後日談 カラスマタスク クレイジー・dの悪霊的失恋
鳥を見た。
まるで地上の出来事をつぶさに記録しようとする監視者のように
私が大切なものを失くしたあの日のエジプトの空を
それは漂っていた。
これは、なくしたものを探し求める者たちと、
ひとりの少年の物語。
「クレイジー・Dの悪霊的失恋」とは『ジョジョの奇妙な冒険の第4部』のスピンオフ作品である。
原作は『ブギーポップ』シリーズの作者であり、同じくジョジョシリーズのスピンオフ小説である『恥知らずのパープルヘイズ』を手掛けた上遠野浩平、作画は『ノー・ガンズ・ライフ』の作者であるカラスマタスクが担当。
ウルトラジャンプ2022年1月号より月刊連載開始。
コミックスは全3巻。
2023年6月には上遠野浩平による小説版も発売された。
【概要】
ジョジョのスピンオフは『岸辺露伴は動かない』や『デッドマンズQ』の様な原作者である荒木飛呂彦本人が原作の漫画作品か、他作者の場合は上記の『恥知らずのパープルヘイズ』や『The Book』のようなノベライズ作品としての発表だったため、他作者が漫画作品として公式のスピンオフを出すのは本作が初となる。
また、「部の間の空白期間」を描くという試みもシリーズとしては非常に珍しい例なのも特徴の一つ。
本作は「第4部」開始のおよそ1ヶ月前の前日譚として描かれているが、前作である「第3部」の後日談的な要素も強く、そちらからの登場人物やその関係者も登場している。
特に、再起不能になっただけで死亡していないDIOの部下達のその後が描かれている点はファンの間では話題となった。
【あらすじ】
1999年3月。
DIOの元配下であるホル・ホースはとある老婆から消えてしまったオウムを探しだして欲しいという依頼を受け、マライアにコンタクトを取る。
彼女の酒場にいたボインゴのスタンド、トト神の予言によってオウムの手掛かりとなる場所を突き止め、その地へと向かう。
その目的の地では花京院典明の従妹である花京院涼子が彼の墓参りに訪れていた。
帰り道、彼女は「DIO」の名が書かれた奇妙な漫画本を発見。
それはホル・ホースと共に行動していたはずのボインゴのトト神だった……。
舞台は杜王町──
これは彼のスタンドがクレイジーダイヤモンドと呼ばれる以前の物語。
【登場人物】
◆主要人物
スタンド:クレイジー・ダイヤモンド
4代目ジョジョにして、本作の主人公。変な前髪その1。
第1話ラストで暴走車をクレイジー・ダイヤモンドで殴り飛ばし、轢かれそうになっていたホル・ホースを救う形で登場。
クレDの能力は既に使用しているが、「スタンド」と言う概念がまだ彼の中で固まっていないせいなのか、4部初期によく見られた「完全な元通りにならない」形で治る事が多い。
ホル・ホースに対しても一度は警戒するが、妙なナリをしている彼の「お前は他人を気にしててめえのスタイル決めるアホかよ」という言葉が琴線に触れ、彼を「兄貴」と称しながら打ち解ける。
なお、「クレイジー・ダイヤモンド」と言うスタンド名は4部本編開始時に空条承太郎が付けたものであるため、前日譚であるこの段階では名無しのスタンドである。
タイトルはあくまで分かりやすくするため、との事。
スタンド:皇帝
「1番よりNo.2」がポリシーのDIOの元配下で、本作におけるもう1人の主人公。
老婆からの依頼を受け、脱走したオウムを探しに杜王町へと足を運ぶ。
(本人は「オシャレ」と言い張っているが)過去に時計のズレで再起不能になってしまった事から腕時計を大量に付け、時間のずれに注意しながら行動している。
ボインゴとはぐれて1人でいた所、ひょんなことから仗助と出会い、彼と組む事になる。
- 花京院涼子
本作のオリジナルキャラクター。変な前髪その2。
エジプトでDIOと戦い、命を落とした花京院典明の従妹。
典明本人は生まれついてのスタンド使いだったが、劇中描写からして彼女自身はスタンド使いではない模様。
彼の墓参りに杜王町を訪れていたが、その帰りにトト神を拾い、DIO*1の名が書かれていた事、そしてトト神の「能力」を悟った事で、それを使って以前から知りたがっていた「(典明の)死の真相」を知る為の行動を始める。
- オウム
名前は不明。
後述する老婆のもとで飼われていたが、突如として姿を消してしまう
DIOの配下としてペット・ショップと共に調教を受けているという経緯から
ホル・ホースはスタンド使いであると判断している。
≪以下、追加のネタバレ注意≫
- オウムのスタンド(仮)
ホル・ホースの予想通りスタンド使いであり、テープのセットがいくつもくっついた機械の様な姿のスタンドを発現しながら杜王町のどこかの木に止まっていた。
現状姿だけが明かされており、名前も能力も謎。
後述する謎のスタンドとの関連性も現時点では不明である。
当初は涼子に宿っていたが、後に彼女を見限り仮頼谷に宿っている。
- 謎のスタンド(仮)
登場「人物」ではないが、便宜上ここに記す。
所々に小さな穴の開いた、折りたたまれたパネルの様な物で、人に取り込ませることで対象を操る事が出来る。*2
劇中描写を見る限りでは操られる際には「意のままに操る」というよりは「過去に起きた出来事を追体験させる」形で操らせているような状態になっている。
操られた人物は目の部分が白地に規則的な点描がなされた様な不気味な様相になるが、パネルを吐き出すことが出来れば元に戻る。
ホル・ホースは「遠隔操作型」「無機質な殺意が行動の根底にある」と推察している。
劇中では車に乗った状態でこのスタンド攻撃を受けた一般人を操って、(第3部にてエジプトでDIOがウィルソン・フィリップス上院議員に歩道側の暴走を強要させたことの追体験と言う形で)歩道にいた人を次々と跳ね飛ばすという凄惨な事故を起こさせられている。
◆DIOの元・配下達
ホル・ホースについては「主要人物」の項目を参照。
スタンド:バステト女神
なんとケニーGと結婚し、現在では酒場を経営している。酒場には後述するオインゴ・ボインゴ兄弟も居候させている。
SPW財団からDIOに関する話を聞き、彼への忠誠心自体は無くなっているが、彼の配下として働いていた時の事を時折悪夢として見ているらしい。
第3部から10年経過してもグンバツな足や、ブチギレた時の顔芸ぶりも含めて容姿は衰えていない。
スタンド:ティナー・サックス
直接の登場シーンはない*3が、酒場を訪れたホル・ホースに幻覚越しに声をかけて会話をしている。
上述の通り、原作では全く接点の無かったマライアと結婚しているが、それらしい言及や描写がないため、現在何を仕事としているかは不明である。
少なくとも普段から酒場の周囲にティナー・サックスの幻覚を展開しているらしく、そのせいで迷宮と化した道を地元の悪ガキのケチな小遣い稼ぎに利用されている。そんな状態でどうやって営業してるんだ……
スタンド:クヌム神(オインゴ)、トト神(ボインゴ)
マライアの酒場に1ヶ月もの間、居候している。
オインゴは各キャラから言及があるだけで直接の登場シーンはない。
ボインゴの方はホル・ホースに「今後自分に関わらない」を始めとするさまざまな条件でトト神の能力で彼に協力。
彼と共に杜王町へとやってくるが、何故かトト神を残して行方不明になってしまう。
◆その他
- 老婆
「オウム」捜索の依頼人。
息子が可愛がっていた「オウム」を彼が死んでからも育て続けていたが、
鳥かごに鍵を賭けていたにもかかわらず突然消えてしまったために今回の件を依頼することとなった。
(SPW財団ではなくホル・ホースに依頼したのは危険と判断された場合、殺処分されてしまうと考えたから。)
- 老婆の息子
故人。
元々はDIOの配下で調教師だったらしく、ペット・ショップや「オウム」の調教を行っていたのだが、
どういう訳か逃亡しようとしたために殺されてしまったらしい。
スタンド:ホルス神
DIOの配下のスタンド使いであるハヤブサ。故人(故鳥?)。
老婆の息子の写真に写っており、「オウム」共々彼から調教を受けていた模様。
スタンド:世界
ご存知、ジョースター家の宿敵たる吸血鬼。故人。
承太郎に倒され、その存在がこの世のもので無くなった今も尚、一部の配下達の心に強い呪縛を残しており、マライアは彼に関する悪夢を見続け、ホル・ホースは杜王町で彼の声を聞いた際に彼に対する精神的な敗北の記憶から凍り付いている。
また、涼子の回想などでもその存在について言及されている。
スタンド:法皇の緑
かつてDIOと戦ったスタンド使い。故人。
本作では杜王町出身であるという設定になっており、彼の遺骨はこの地にて埋葬されている。
エジプトから帰国後に家族に何も告げずに承太郎達を消しに向かっており、次に涼子が行方を知ったのはエジプトで遺体として発見された時だったため、彼の死についてはある事ないことが言われたらしく、真相については涼子は知らない状態になっている。承太郎やSPW財団からは詳細な説明がなかったのだろうか……?
- 仮頼谷一樹
ぶどうヶ丘派出所で勤務する警官で、東方良平の部下。
オカッパヘアーと右頬の泣きボクロが特徴だが、自身以外を「愚民」「愚図」と見下し「頂点」を目指す野心家。
というのも、幼少期に祖父*4から「人間とは善人ぶっておっても内にドス黒い闇を抱えた浅ましく愚かな存在」「頂点を目指す者は下らぬ誇りや信念などに拘わらず最終的に勝てばよかろうの気持ちでいればいい」と教え込まれたため。
「世界の高みに立つ資格」を得る前に祖父は失踪するが、ボインゴとトト神と接触し「過去」と「未来」を手に入れたと歓喜する。
【余談】
- 上遠野浩平氏は2013年発行の「かつくら(vol.5)」にて、現在執筆中のジョジョの二次創作作品として本作の名を仮称として挙げている。本作はこの作品をコミカライズした作品となっている。
あんたのそれ、ペンだよな?
手の中にいきなり現れたってことはよ
もしかしてあんたは俺と同類……
ってことになるんスかねェ~~
けどよお 同類つっても「ハイッ仲良くしましょ」ってなわけには
いかねっスからねェ~~
こいつ……
管理人か!!!
じっくり見せてもらうっスよ
あんたがどんな追記・修正をしたのかをよおお~~っ
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▷ コメント欄
- 登場人物やオリキャラがまさかの人物と関連があって驚いた、この後どうなるのだろう -- 名無しさん (2022-02-13 21:57:20)
- オウムの能力(多分)は色々と上手いな。3部パロ自体をスタンド能力としてストーリーに組み込んで、しかもオウムということでそんな能力なのが違和感ないし、さらに本編でのDIOのペットって部分まで拾ってる。 -- 名無しさん (2022-02-14 00:01:22)
- 部の隙間の話ってのはジョジョだと珍しいな -- 名無しさん (2022-02-14 10:03:31)
- このオウムってあれか、原作だとアヴドゥル勧誘シーンにいたけど、アニメだとペットショップに改変されたあの鳥かッ!? -- 名無しさん (2022-02-14 17:50:48)
- ケニーGの能力なら色々面白い仕事ができそうな気もする -- 名無しさん (2022-02-14 18:01:22)
- 散々ハズレ扱いされているクヌム神もこういう事件を追うタイブのアーバンサスペンスでこそ耀けそうなのだが。何とか拾ってやってほしい。 -- 名無しさん (2022-02-14 18:09:22)
- 初見の仗助みて仲良くなれたのホル・ホース以外だと広瀬康一ぐらいだしホル・ホースの誰とでも仲良くなれるコミュ力も再認識させられたな -- 名無しさん (2022-02-15 00:27:15)
- あと死んでないスタンド使いはズィー・ズィー、ラバーソウル、カメオ、アラビア・ファッツ、ダービー兄弟、ミドラー、マニッシュ・ボーイぐらいか。この中から誰か出たりするのだろうか -- 名無しさん (2022-02-15 02:38:00)
- まさか花京院が杜王町出身という一部のファンが面白がって言ってた考察が公式ではなくとも公認設定になるとは…… -- 名無しさん (2022-02-15 09:19:30)
- DIOの元配下で存命だった者達は財団の話…カウンセリングみたいな物だろうが聞いて社会復帰してるようだが、虹村父のように肉の芽を植え付けられ怪物化した奴はいなかったのだろうか?心服ではなく金ずくで付いてた者には結構植えてたんじゃと思ってたんだが。てか典明やポルナレフ並にわざわざ植えておくほど手放したくない逸材だったのか…? -- 名無しさん (2022-02-15 14:56:47)
- ↑確か東方家の監視役だったらしいから、背信は避けたかったのでは -- 名無しさん (2022-02-15 14:59:16)
- ↑2 肉の芽はよほど重要な人材にだけ植えてたんじゃない?金で付いてくるような連中とか反目されたとこでDIOの敵じゃないし。 -- 名無しさん (2022-02-15 16:02:46)
- どうにもこの手の作品って出版社や作者公認でも同人誌にしか見えんわ -- 名無しさん (2022-02-16 08:18:10)
- ↑一度雑誌を購入してみてみたらそういう印象はなくなると思うよ。 -- 名無しさん (2022-02-16 08:29:17)
- 試し読みで読んでみたら中々雰囲気出てて良かった。恥パも面白かったし期待。 -- 名無しさん (2022-02-16 12:17:10)
- やっぱタイトル的に仗助が何らかで失恋したりするんだろうか....... -- 名無しさん (2022-02-16 18:02:22)
- パラレルとかじゃなくて4部の前日譚って結構難しそうだな 仗助に経験積ませすぎたら4部での言動に違和感出るかもだし -- 名無しさん (2022-02-17 14:14:05)
- 良平さんがすごいいい人なだけに、未来がわかって悲しくなる -- 名無しさん (2022-06-19 21:37:09)
- 花京院家に死の真相が伝えられなかったのは知ること自体が身の危険につながる可能性がある(ましてやDIOを打倒したがいいは残党は生きている状態だし)から爆発に巻き込まれたとかのカバーストーリを伝えられた可能性はありそう -- 名無しさん (2022-06-19 21:46:35)
- 雰囲気最高なんだけど、これ連載中は9部開始はないんじゃないかと思えてきた -- 名無しさん (2022-09-28 13:36:29)
- 「他作者が漫画作品として公式のスピンオフを出すのは本作が初となる。」『フジコの奇妙な処世術』はこれの連載前じゃなかったっけ? -- 名無しさん (2022-10-03 04:19:23)
- フジコと悪霊的失恋は同号なのです -- 名無しさん (2023-02-06 08:15:53)
- 今のところ四部開始ぐらいの戦闘経験値を得た感じバランスもとってるな -- 名無しさん (2023-03-20 15:32:04)
- 凄い良い終わり方でもあったし、良平の未来が見えて切なくなる終わり方でもあった。それでも良平が自分の悲劇を受け止めた上で未来へ向けた行動を取ったのもまた黄金の精神だったと思う。 -- 名無しさん (2023-06-21 21:56:43)
- オウムの能力で出てくるあれは「パネル」って書いてあるけどパンチカードじゃないの?「記録を再生する」というイメージにもあってるし。 -- 名無しさん (2023-06-21 22:08:27)
- ホル・ホースに撃たれて翼が千切れたオウムが無傷でまた出てきたのはなぜ -- 名無しさん (2023-06-27 00:10:39)
- ↑撃たれたのは鳥を模した凧だったらしい -- 名無しさん (2023-07-01 21:47:11)
- DIOに吸われた女性たちはどうなったのかと思ってたがホル・ホースに助けられてたのね -- 名無しさん (2023-07-30 23:33:00)
- 仮頼谷の祖父が会ったのってそんまんまカーズ様じゃないの?2部でジョセフやシュトロハイムと戦ったのがスイスのサンモリッツだし、食料にするために吸血鬼増やしてたし -- 名無しさん (2023-09-24 00:14:46)
- ↑「勝てば良かろう」はDIOじゃなくカーズの台詞だし、遠い遠い虚空に去った=宇宙だろうからメタ的にもカーズだろうね。 -- 名無しさん (2023-10-14 03:56:06)
- 今更読んでみたらすごい良かった。トト神の解釈は面白かったし終わり方も素敵。ただ個人的に記録のDIOの言動というか言葉選びに違和感があった。ダービー兄勧誘の流れ自体は良かったんだけども -- 名無しさん (2023-11-22 17:09:47)
- ダービーが承太郎のブラフにビビりまくってたのも、ディオの事を思い出していたからという説明にもなる -- 名無しさん (2024-01-03 19:13:14)
- ボインゴがスタンド制御しきれてない感じ拾ってくれてよかった。予言で親しい人の未来見えちゃうのきっついよな……性格暗くもなるよ -- 名無しさん (2024-06-06 21:21:59)
#comment(striction)
*2 尤もこれがスタンドそのものなのかそれとも能力の産物なのかは不明。
*3 マライア曰く「(ホル・ホースが)嫌いだから」らしい。
*4 祖父は太平洋戦争時に諜報任務でスイスのサンモリッツァ向かった際に第二部のラスボスであるカーズと接触。その際に吸血鬼となった描写が見受けられる
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