登録日:2020/08/29 Sat 14:27:14
更新日:2024/05/23 Thu 10:16:31NEW!
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GT REVOLUTION
―進化への挑戦―
この項目では、2005年から日本を中心に開催されているモータースポーツシリーズ、SUPER GTについて解説する。
略してSGTと書かれる場合も多い。
●目次
概要
SUPER GTは、1994年から2004年まで行われていた全日本GT選手権(JGTC)と呼ばれていたカテゴリーが発展した物となる。
JGTCでは年1戦、マレーシアでの開催があったが、拡大計画の中で韓国でのシリーズ戦開催が持ち上がる。
3カ国での開催になるとFIAが定める「国内戦」という規定を逸脱するため全日本選手権の名前が使えなくなってしまう。
そのため、仕方なく国際的なシリーズとなることを目的に2005年に発足した。
しかし、海外(というか韓国)のサーキットとの話がまとまらなかったり、仮名称であったSuper GT World ChallengeのWorld Challengeの部分がWorld Championshipと紛らわしいとFIAから文句を言われたりしたため、名称はSUPER GTに、そしてタイやマレーシアへの遠征は結局年1戦に留まっている*1。
年1戦に留まっている事から、再び全日本選手権とすることも出来るのだが、その場合JAFに運営の主導権が渡ってしまう事や、JAF規定では競技委員長が各サーキット長に固定されており、同じようなプッシングで反則を取られたり取られなかったりと一貫性を持たせられない等、色々と大人の事情があるために、全日本選手権には復帰していない。
そもそも、SUPER GTにもその前身にも付いている「GT」とは、グランドツーリングカーの略。グランドツーリングカーとは、レース専用に作られたF1などとは違い、市販車をルールにのっとって魔改造したものである。もっとも後述のGT500はもはや実車のパーツはやや冗談めいてエンブレムのみ、GT300のJAF-GT規定車はタイヤとエンジンと見た目のみと言われるほどだが実態を見るとあまり冗談とも言えない。
というのもぱっと見は改造車だが実態は完全オリジナル設計の車両で、GT500はカーボンの塊、JAF-GTはパイプのみの車体に外観だけ実車に似せた板を貼り付けているだけという代物なのである。
乱暴に言えば中身がどんなものでも「チームがこれは(車種)だと言ってるからそうである」というレベルのものなのである。
このSUPER GTの特徴はなんといっても2クラスの混走にある。GT500(メチャクチャ速い方)とGT300(速いけどそれでも遅い方)が同じコースで同時にレースをするのだ。
この2クラス以上の混走は、WECやIMSA等の耐久レースでは当たり前だが、SGTのようにスプリント系では非常に珍しい。
WECのドライバーの中には「SGTで練習したから抜き方には慣れている」と公言しているドライバーもいるほど。
2つの異なるクラスについて詳しく解説していく。なお、2022年現在参戦しているメーカーやチーム、ドライバーの説明は、項目が長くなるので割愛する。
GT500
速い方のクラス。
シリーズ発足当時は500馬力程度の最高出力だったためこの名前で呼ばれているが、このクラスは特に開発競争が激しいのと、GT300のFIA-GT3導入の関係で現在は当時と比べて150馬力程度アップしているとも言われている。GT300クラスと見分ける方法は、ゼッケンが白地で、ライトが白色または青色という点。
全日本選手権時代からトヨタ(レクサス)・日産・ホンダという日本の三大メーカー・・・というより、3「社」がしのぎを削っているクラスである。
かつては上記3社の車両以外も時々あったものの芳しい成績は残せなかった・・・というより、3社が直接と言ってもよい体制でガチンコで勝負しすぎてしまいもはやプライベーターでは勝負の土俵に立てなくなってしまっており、上記3社による選手権になっている。チームスポンサーやチーム、ドライバーや監督などの人員などを見るとそのような事情を垣間見れるクラスでもある。
車両も車両で進化の極限を極めており、現在のGT500車両はエンジン含めた中身はフォーミュラカーレベルの設計でそれに市販車っぽいガワを被せただけ、という状態まで進化していった。一時期黄金時代を築いた日産勢が、F1や日本国内のフォーミュラへの参戦経験やノウハウがないという理由で2010年代後半から成績を落としていることから、進化のベクトルがどれだけ斜め上かがうかがえる。
そんなガラパゴス状態に歯止めをかけようと、2014年からはDTM(デスクトップミュージック…じゃなく、ドイツツーリングカー選手権。)と規定の同一化を進めることとなった。これにより世界からも注目されるカテゴリーへと昇華し、2015年にはF1優勝経験者のヘイキ・コバライネンが、2018年にはF1でポディウムを獲った小林可夢偉と2009年ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンがそれぞれ参戦した。ついに2020年に完全に共通の規定「Class One」がスタートした…のだが、参戦メーカー不足からDTMの方が2021年以降Class OneからGT3に車を切り替える事態に。どうなるClass One。
GT300
GT300は比較的遅い方。シリーズ発足当初は300馬力程度の最高出力だったのだが、現在では500馬力が当たり前と、こちらも進化が著しい。また、痛車が参戦していることもアニヲタwikiの諸兄としては特筆事項であろう。イカ娘がフェラーリにペイントされてサーキットを侵略したり、初音ミクチームがチャンピオンを3度獲得したりしてシリーズを非常に盛り上げてきた。
2023シーズンの痛車はぶいすぽ!と初音さんの2チーム。
GT500と見分ける方法は、ゼッケンが黄地、ライトが黄色という点。
トヨタ、日産、ホンダが会社同士のガチンコの選手権となっているGT500とは対照的に、GT300は若干ゆるくバラエティ豊かな車種が参戦し、エントリー数は30台に届こうかという百花繚乱状態である。
前述の痛車チームの他にも、ホームセンターの道具で車両をセットアップするエンジニア集団がシリーズチャンピオンになったり、プリウスが燃費をかなぐり捨てて世界のスーパーカーを凌駕するモンスターマシンと化したり、市販車のパーツを調達するのも難しいのに生産終了から8年もRX-7を使い続けたチームが過去にあったり、果てはマジモンのプロトタイプカーが参戦したりとカオスな様相を呈するクラスとなっていた。しかし、プロトタイプカーが禁止されたのでそこまでカオスではなくなっている。
また選手権としてもかつては個人や中小企業のプライベーターがメインだったが、時代が経つにつれてGT500程ではないがガチンコ化の傾向があり、若手のGT500などへのステップアップカテゴリー化または後述のFIA GT3が盛り上がっている海外メーカーが力を入れてきているため、昔程ゆるい雰囲気ではなくなってきているあとGT500を追われたドライバーの出戻り先でもある。
あと現在は引退したが、2010年代に一世を風靡したプリウスもミッドシップにエンジン搭載と、市販車ナニソレという状況だったが、流石に関係者はもちろんファンからも余りにもアレということで、エンジンは市販車と同じ位置に搭載する事というレギュレーションが追加され、末期にはFR化された。元車がFFだしエンジンはRCF GT3用の5.4LV8だったりと魔改造にも程があるのは相変わらずだったが。
また、GT300の中でも大まかな分類としてFIA-GT3とJAF-GTが存在する。
FIA-GT3は各車両メーカーによる公式のレーシングカーで、元の車から手は相当加わっているものの「改造車」の体は守られており非常に高価(約5000万~)ながら、メーカーのコネなどなくとも誰もが購入してレースに投入することができる。むしろ一定数生産しないとFIA-GT3として認められないためGT500車両のような実質ワンオフ車両なんて車は介入することはできない。
純粋な車体価格こそ高いが、そもそもベース車両が高いため「同クラスのレーシングカー」という意味では割とお買い得。しかも普通のレーシングカーガレージで整備可能なので、メンテナンスコストもレーシングカーとしては割と安め。一方改造禁止ではあるもののその分各メーカーは高性能の状態でリリースしているため見方を変えれば走りに集中できるというメリットもあるため海外のレーシングシーンでは非常に盛り上がっているカテゴリーである。
前述の初音ミクチームも、BMWやベンツが開発したFIA-GT3規定の車両で活躍してきた。
JAF-GTはSUPER GT独自の規定で、GT3と比べるとわざわざFIA(自動車レースの統括団体)の認定を受けなくてもよく、改造範囲も広い…というか「エンジン位置とタイヤの位置が市販車と同じならほぼなんでもあり」というレベルで、フレームは鉄パイプを組んで作ったものになっている。
市販者と同じところはGT500と同じくライトぐらい。
しかしSUPER GTのためにマシンを開発するところから始まるので、車を作るまでの参戦コストが恐ろしく高く、ガレージ自体が車づくりを理解していなければ戦闘力皆無の車も生まれる。そしてメンテナンスも自分で部品を作る所から始まるので壊しても安価に修理出来る可能性が高いが難易度が高い。その代わり「自分で車を作って走る」というモノヅクリの原点をがあるためにメカニックからの人気は高い。
難易度の問題を解消するために、モノコックやエンジンがパッケージで供給され、カウルやサスペンションなどは自分たちで作る「マザーシャシー」が販売され、活躍している。
ただしモノコックは2016年あたりで新規製造が打ち切られている模様で、2022年末に「クラッシュでモノコックにヒビが入ってしまったため、他のMC86使用チームから車を買収」という事態が起こった。
そのため今後新規チームのMC導入は無いと思われる。エンジンであるVK45DEの保守面にも問題があるので仕方なし。
FIA-GT3との性能調整は「ストレートのGT3、コーナーのJAF-GT、タイヤにやさしいマザーシャシー」というのが基本。
元車種のせいで戦力差が出てしまうのを防ぐため、Balance of Performance(BoP)というルールがあり、車種ごとに車重やパワーに制限がかかるようになっている。
FIA-GT3についてはIGTCやGTWCなどで使われているグローバルBoPが適用され、JAF-GT(MC)についてはこれに合わせたBoPをGTA(運営団体)が独自に設定している。
タイヤ戦争
自動車メーカーやドライバーの争いとともに注目されるのがタイヤ戦争である。近年のモータースポーツでは、タイヤが車の性能に与える影響が非常に大きいことから、フェアで接近した争いを演出するために、タイヤメーカーを1社に絞るシリーズが多い。
国際レースではF1もWECもWRCも全部1社供給。日本でもSFもS耐も1社供給である。
それに対してSUPER GTでは、一貫して複数のタイヤメーカーが威信をかけてレース用タイヤを供給している。
しかもタイヤのスペックも全チーム共通ではなく、チームごとに持ち込みタイヤの制限(ドライは6セット持ち込み可能、うち使用できるのは5セット)の中で、柔らかさを2スペック選択可能。
例えばタイヤメーカーが硬い方からA-Eと5スペック用意しているのであれば、あるチームは暑くなると予想してA4セット、B2セットと選んて、使用タイヤはA4B1を選択。他のチームは安全を取ってB3セット、D3セットと選んでB2D3を使用するという塩梅。
お陰でGT300は「ピレリタイヤに合わせたグローバルBoPのせいで、SGTだと車ごとの差が出過ぎる」と嘆くドライバーが数人いる。
GT500で一番のシェアを占めているのがブリヂストン。GT300でも2018年と2019年のチャンピオンにタイヤを供給しており、強さの源となっている。GT300での一番人気はヨコハマタイヤで、そのほかにGT500で4度チャンピオンを取った黒船・ミシュラン、雨のレースでの強さに定評があるダンロップも参戦している。
ちなみにミシュランのGT500参戦は2023年でラストとなる、GT300への供給は続ける模様。
開催地
SUPER GTは日本を中心に、時には東南アジアでもシリーズ戦が開催される。F1開催経験がある世界基準のサーキット、鈴鹿サーキット(三重県)や富士スピードウェイ(静岡県)をはじめ、コース幅が狭く「魔物が棲む」と恐れられるスポーツランドSUGO(宮城県)、2014年に完成してSUPER GTが杮落しとなったタイのチャーン・インターナショナル・サーキットなどが開催地となっている。
レースウィークの流れ
SUPER GTの1ラウンドは土日2日間にわたって開催される。
スタッフやドライバーのお仕事としては、マシンやピット設備の搬入、レースについての重要説明が行われる金曜日からとなる。
ただしゴールデンウィークに行われる富士500マイルは、最終日を外した2日搬入&ミーティング、3日予選、4日決勝というスケジュールが常態化している。
1台の車をAドライバー、Bドライバーと2人がシェアして走行する。片方のドライバーは最低1/3の距離を走ることというルールがある。
レース距離は250kmから800km辺りと、スプリントにしては長く耐久にしては短いという、独特の立ち位置。
以前は鈴鹿1000kmもラウンドに入っていたが、同イベントがGT3の祭典サマーエンデュランス10hに振り替えられた影響で、富士500マイル(800km)が最長距離になった。
ルール上500kmを超えるレースではCドライバーの登録も可能。ただGT300はともかく、GT500は乗れるドライバー自体が少ない事からCドラの決勝参加実績は無い。
またGT300クラスでも、ドライバーが増えれば体力的な負担は減る代わりにセットアップの妥協点が多くなることから、あえてCドライバーを登録しないチームも多い。あとギャラの問題もあるし。
基本的に、初日は午前中にフリー走行(練習)、午後には決勝でスタートする順番が決まる公式予選が行われる。
予選はノックアウト方式が採用されており、最初の15分(Q1)でGT300の上位16台、GT500の上位8台が2回目の予選(Q2)に進出、Q1敗退チームはこの順位でグリッドが決定。そしてQ2の順位で最終的なスタートの順番を決めるといった流れとなっている。
なおGT300クラスについては参加台数が多いことから、Q1をグループA/Bと基本的には分割して行っている。分割されている場合のQ1通過は各グループでのトップ8台なので、速いチームが固まると、反対側のグループなら予選通過なのに…という悲劇が起こる。
予選の流れはGT300Q1GrA→Q1GrB→GT500Q1→GT300Q2→GT500Q2の順で固定されていて、各走行間のインターバルも綿密に決まっている。
Q1とQ2の間が短いので、マシンを少しでも冷却するために、ピットでは送風機が大活躍している。
Q1とQ2は別のドライバーが担当する事が決まっている他、決勝のスタートは予選を走ったタイヤを使う*2というルールがあり、あまり柔らかいタイヤでグリッドを上位に持っていくと、決勝の中盤で苦労する羽目になる。
このため決勝では中古タイヤをさっさと交換するため、消化義務が終わる1/3を超えたらすぐピットインして交換する戦術を取るチームが多い。
そして日曜日は運命の決勝日。ここで勝者は美酒を味わい、敗者は涙を呑むこととなる。優勝や表彰台はもちろん、10位以内に入ることで、チャンピオンとなるためのポイントが獲得できる。レースが700kmを超えた場合はこのポイントが2倍になる。
またシリーズポイントはポールポジションで1点、決勝でトップと同一周回でゴールできれば3点(以下1周遅れるごとにGT500では2-1、300では3-2-1点)のボーナスポイントがもらえる。
これを8ラウンド繰り返し、一番ポイントの多かったチームとドライバーがチャンピオンとなる。GT500とGT300は別々に表彰されるため、チャンピオンシップは非常に目まぐるしい。
サクセスウェイト
全日本GT選手権時代から特徴となっているシステム。昔はウェイトハンデと呼ばれていた。
以前のレースの成績が良かったチームに対して、次のレースで重り(バラスト)を積ませてマシンの重量(ウエイト)を増やすことでハンデキャップを与えようというのがこのルールの趣旨である。
目的は、速いチームを無理やり遅くして、最後まで接戦にしようということである。
どのくらいのウェイトを積むかは時代にもよるが、ここ数年は獲得ポイントの2倍、ないし3倍、つまり、10ポイント取ったら20kg、年によっては30kgのウエイトを積まなければならないという規則で運営されている。
ただし、参加7戦目で*3ではウェイトがポイント数そのままの値になり、全戦出場*4でサクセスウエイトがゼロとなる。これは、後述する以前の規則において、最終戦でウエイトを多く積んだチームが下位で入賞してチャンピオンを決めるケースが非常に多く、強いチームが上位でフィニッシュしてチャンピオンを決められるようにした方がレースの盛り上がりが期待できると考えられたためである。
以前は最大120kgというウエイトを積むこともあったが、運動性能を落としすぎると追突の危険*5が高いこともあり、どちらのクラスも最大100kgまでという上限が設けられている。
ただしGT500車両はウエイトは全てバラストではなく、50kgを超えた分については一度バラストを34kgに減らして、エンジンに供給される燃料流量*6を減らす(パワーダウン)処置がとられる。
34kgに減ってから、もう一度50kg(ハンデ表記67kg)に到達すると、また燃料が絞られて34kgに減らされる。
次に50kg(ハンデ表記84kg)に到達すると、更に燃料が絞られバラストは35kgに。3ランク燃料ダウン+50kg(ハンデ表記100kg)がマックスハンデとなる。
このルールが採用されているのは、元々のClass-One車両が25kg以上のバラストを積んで走るように設計されていないため。
本来なら50kgでもかなり無理のある設定で、100kgはもってのほかという事で、こういった重りの代わりにエンジンの性能を下げる処置がとられている。
過去のウェイトハンデ
余談だが、2008年までのウエイトに関する規則は全く異なったものだった。ポイントとウエイトの相関関係がなく、優勝したマシンには50kg、2位が30kg、3位が20kg...と、順位に合わせてウエイトがレース毎に加算される方式だったのである。
これだけなら、成績に応じてウエイトを加算し続ける現在の方式と根本は大差ないのだが、大きく異なるのが6位だと-5kg、7位だと-10kg、8位だと-15kg...と、ウエイトの加算がない5位を下回ると次のレースで搭載するウエイトを減らすことができたという点である。*7
特に、6位〜8位辺りはある程度ポイントを獲得しつつもウエイトを降ろせるという非常に美味しい順位だったため、この順位を巡って「上位を走っていたウエイトが重いマシンが、次の得意なレースに備えて、わざとゆっくり走って6位や7位を狙う」という戦術が横行し、しまいにはチャンピオンを争う複数のチームのマシンが、わざとゆっくり走って順位を譲り合うという珍事まで発生した。
そして「ちょっとエンジン調子悪そうだから控えめに走ってね~」というチームからの無線に「え、全然そんな事ないし普通に走りますよ?」と答えた天然ボケドライバーがあぶり出された*8。
ウエイトハンデは、上記のように特定のチームの独走を防ぎ、接戦を演出できるメリットはあるものの、「速さを競うレースにおいて、速いマシンを強制的に遅くするルールが存在することは果たして健全なのか?」と、このシステムを疑問視する声は当時も現在も一定数存在しており、そんな中で上位を目指すはずのレースで順位の譲り合いが起きしまったことが重なり「ウエイトハンデはやはり悪法である」という批判が大きくなってしまった。
それを受けて、ウエイトのルールは現在のように獲得ポイントに比例する方式がとられ、特定の順位を狙うことに対するメリットがない形へ改められた。
一方で、当時はエンジンのパワーを制限する「リストリクター」という装置を小型なものにしてエンジンのパワーを下げると、ウエイトハンデとして搭載されるバラストを50kg減らすことができる規則が存在した。これも現在のバラストを燃料流量制限で代用するルールと理屈は同じだが、流量制限は強制で適用される一方、リストリクターの使用はチームが任意で選択できるという違いもあった。これにより「富士はストレートが重要なのでリストリクターを使わずバラストはハンデ分そのままを載せる、SUGOはコーナー重視でリストリクターを使ってバラストを減らす」とチームがウエイトハンデに対してある程度裁量を持つことが可能だった。
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*1 2020年以降はパンデミックの影響で海外渡航が難しい事から国内のみ。*2 Q2進出チームはQ1Q2のどちらか、Q1敗退チームはそのタイヤ。
*3 「最終戦の1戦前」や「ラウンド7のレース」と表記されることもあるが、実際のルールでは出場レース数が正。確かにフル出場する場合は最終戦の1戦前であるラウンド7に適用されるが、欠場が発生した場合は7戦目に軽減措置は受けられない
*4 先と同じ理由で、最終戦=ウエイト0にならない場合もあるため時折見かける「最終戦はウエイト無し」という表記は正しくない点に注意。
*5 ウェイトを積んでる方が手前からブレーキするので他の車両が突っ込む、ウェイトを積んでる方がブレーキで止めきれなくて他の車両に突っ込むの両方が考えられる。
*6 燃料タンクからエンジンに送られる燃料の「時間あたりの量」のことで、マシンの燃料タンクに入れられている燃料の「搭載量」とは意味が異なるので注意
*7 ただし、元から搭載ウエイトが0kgだったマシンを更に軽くすることはできなかった
*8 つまり「ウェイトの為に順位を落とせ」と言いたいが、直接言うのは色々な意味で問題なので、事情を察してという内容でドライバーに伝えたら伝わらなかったということ。
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