井沢博司／スティングフィッシュオルフェノク

登録日：2020/03/05 Thu 07:15:30
更新日：2024/05/16 Thu 12:51:05
所要時間：約 6 分で読めます

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何？まだ大介の事、気にしてるわけ？

大丈夫だって、どうせアイツの悪ふざけだよ。
バイクも無かったしさ、そのうち戻ってくるよ。

井沢博司とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』の登場人物である。
本項目では彼が変化するスティングフィッシュオルフェノクについても記述する。

演：木下政信

●目次

【概要】

第1話に登場した、青いジャケット姿が特徴的な青年。
九州でオートバジンを駆り、走っていた園田真理をツーリング仲間の牧野大介、野間航平と共に追いかけていたが、
見ず知らずの異性の追っかけなので急いでいる真理からは勿論煙たがられていた。
牧野が食堂や路上でしつこく真理に絡んできた事から、彼や野間共々真理に叱責された時には素直に頭を下げていた。
…が、その後には憮然とする真理に気も留めずに4人でキャンプ場に立ち寄り、展望台で写真撮影に興じていた。
真理「やめてくれよ…。何なんだよこいつら……」

だが、牧野が一人トイレに立ち寄るとスティングフィッシュオルフェノクが彼を襲撃。
オルフェノクは人魚の如き遊泳態となって空中を泳ぐかのように飛び回り、地上に降り立つと逃げようとする牧野の口に触手状に伸ばした2本の指を突っ込む。
指は牧野の心臓に達すると青い炎を上げて炎上させるのだった。

その頃、焼き鳥を買って真理と野間の所に戻った井沢は牧野の帰りが遅い事を口にするが、牧野と顔馴染みらしい野間は「アイツさ、昔っからトイレ長いんだ」として全く疑わなかった。
その言葉を聞いて安心したのか、笑顔で焼き鳥を頬張り、展望台の柵に上って景色を満喫していた。
知らない男達を嫌がっていた真理はこの時「トイレに行く」と嘘をついてその場を立ち去ろうとしたが、出発直前に草むらで倒れている牧野を発見してしまう。
井沢と野間は真理に連れられて現場に赴くが、既に牧野は忽然と姿を消していた。

その晩、井沢は牧野の件でショックを受けた真理と焚火を囲みながら会話。
牧野のバイクも見当たらなくなっていた事から、井沢は本項目冒頭にある通り、彼が悪ふざけで姿を消したのではないかと語っていた。
井沢の言葉の通り、程なくして牧野はバイクに乗って戻ってくるが、ヘルメットのバイザーを上げて真理に手を伸ばした牧野は口を開く事もなく全身が灰化。
衣服を残してその場に崩れ落ちてしまう。
井沢の意見に賛同して笑っていた野間もその直後に灰となって息絶えた。
衝撃を受けた真理の所に日中彼女の荷物を目にした乾巧がバッグを求めて訪れる。
状況が状況だけに巧が2人を殺害したと誤解した真理はバッグを持って逃走。
巧から逃げる真理の所に駆け付けた井沢。

逃げて！コイツよ、犯人は！

いや…違うな。

逃げるように伝える真理の言葉を否定しながら、井沢はオルフェノクに変化した。
牧野と野間を殺害したスティングフィッシュオルフェノクの正体は井沢その人だったのだ。
真理の持つ「ベルト」を狙う井沢は真理を襲うが、そこに巧が乱入し、強引にバッグを奪い返す。
しかし、バッグの中身を確認した巧はそれが自分のものではなく、「SMART BRAIN」のロゴが刻まれた物々しいアタッシュケースだと知る。
真理はそのケースを手に取ると中からベルトと携帯電話を取り出し、携帯に「5・5・5・ENTER」のコードを入力すると、それを高らかに掲げ、「変身！」と宣言してベルトのバックルに装填。
ベルトから真紅の奔流＝フォトンストリームが一瞬だけ出現するが、たちまち「Error.」の音声と共に変身シークエンスが中断され、真理は後ろに大きく吹っ飛ばされてしまう。
真理の変身失敗を見た井沢は遊泳態に変化して2人に襲い掛かるが、「物は試しよ！」と真理がベルトを巧の腰に巻いた事で状況は一変。
巧は変身に成功し、真紅のフォトンブラッドが全身を駆け巡る戦士＝[[仮面ライダーファイズ>仮面ライダーファイズ]]となる。

……何だこりゃ？

スティングフィッシュオルフェノクはファイズへの変身に戸惑う巧に突撃するが、逆に蹴り飛ばされて格闘態に戻ってしまう。
その後は三又の銛を武器にファイズと交戦。
銛を手放した後も殴り合いを続けるが、ファイズ渾身の上段蹴り（クリムゾンスマッシュではない）を腹部に食らったのが致命傷となり、
青い炎と共に断末魔の叫びを上げながら灰となって崩れ落ちた。
その一部始終を眺めていた真理は、オルフェノクをも易々と討ち滅ぼすベルトの力に戦慄するのであった。

これが…ベルトの、力……。

【スティングフィッシュオルフェノク】

お前ではベルトの力を引き出せないようだな……。

身長	193cm（遊泳態時：202cm）
体重	108kg
種族	オルフェノク
生物モチーフ	オコゼ
特色・力	三叉の槍による接近戦
	遊泳態への変異
	空中移動と高速での体当たり（遊泳態時）
クリーチャーデザイン	篠原保
初登場回	『555』第1話「旅の始まり」

井沢博司が変化する、オコゼの特質を備えたオルフェノク。
甲冑を身に着けた半魚人のような姿をしており、戦闘時には厚さ1mのコンクリートも砕く三又の槍を手に戦う。
また、下半身を魚そのものの形状に変化させた人魚の如き姿の遊泳態となり、空中を舞うように飛行しながら標的に襲い掛かる。
この形態による高速での突進はレンガの壁を軽々と突き破る程の威力を持つが、一方でその速さ故に小回りが利かず、急停止出来ないという欠点も抱えている。
『555』において形態変化が出来るオルフェノクは他に木場勇治／ホースオルフェノクや長田結花／クレインオルフェノクなど、
オルフェノクの手にかかる事無く命を落とし、オルフェノクに覚醒した「オリジナル」と呼ばれる個体が多い為、一部のファンからは「井沢もまたオリジナルではないか？」と考察される事があり、後に公式サイト「仮面ライダーWEB」でオリジナルであると明記された。
ちなみにファイズの上段蹴りで倒される時には白く濁った双眸を一度瞬きさせている。かわいい。

【派生作品におけるスティングフィッシュオルフェノク】

『仮面ライダー913』

おやおや故障ですか？大変ですね…こんな所で

第1話に登場。TV本編とは異なり、スーツ姿の壮年の男性が変化する。
カイザギアを持つ流星塾生達を追って知覚之公園を襲撃し、砂場で遊ぶ無関係の子供達も含め、その場にいた多くの人間を容赦なく殺害する非道さを見せつけた。

一度は流星塾生の一人・西島が変身した仮面ライダーカイザと戦うが、逃げ切る事に成功。
一方、その西島はカイザギアの副作用により命を落としている。
その後、キャンピングカーの修理をしていた流星塾生の遠藤とまゆを殺害するも、その場に現れた草加雅人が変身したカイザの斬撃で切り裂かれ、灰と化して絶命した。
『555』本編とは微妙に攻撃方法が変わっており、『913』では指を伸ばさず手から放つ光の触手を武器としている。

【余談】

乾巧が仮面ライダーファイズとして最初に交戦し、倒した怪人である。
この戦いでは巧はファイズへの変身にこそ困惑していたが、オルフェノクの存在や戦闘行為については特に疑問を呈する描写が無かった。
尤も、この時に突然現れた怪物の前に臆する事無く生身で体当たりして怯ませたのが、後に明かされる巧の正体の[[伏線>伏線]]である事は当時の視聴者は予想していなかったが*1。
また、粗削りな戦闘スタイルではあるものの、戦い方には一切の躊躇がなく、的確な打撃を食らわせてスティングフィッシュオルフェノクを下している。

本エピソードは複数のミスリードを誘う演出がなされている。
前述の巧が牧野と野間を殺害した犯人であるかのように思わせる描写の他、当初はファイズギアの持ち主だった真理がファイズに変身するかのような描かれ方がなされていた。
更に第1話では木場勇治の身の上が並行して描かれたが、勇治は巧や真理よりも先に劇中に登場していた。

スティングフィッシュオルフェノクのスーツは『555』第20話・第21話に登場したスコーピオンオルフェノクに改造されている。
『555』放送当時には人類に好意的な主要オルフェノクや、他の物語初期の敵オルフェノクと共にスティングフィッシュオルフェノクのソフビ人形が発売されている。
派生作品への登場は少ないが、初出から16年後の『913』にて念願の再登場とカイザ（それも草加が変身したもの）との戦闘を成し遂げたのだった。

お前では追記・修正の力を引き出せないようだな……。

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▷ コメント欄

• 項目名は普通に「井沢博司／スティングフィッシュオルフェノク」でいいと思う -- 名無しさん (2020-03-05 07:59:32)
• キック一発で灰化とか本当にオリジナル？ -- 名無しさん (2020-03-05 08:51:52)
• 555の初登場補正ということでここは一つ…ｗ -- 名無しさん (2020-03-05 13:00:08)
• こいつにしろ次の回の象みたいな奴にしろ形態変化できるオリジナルにしては弱すぎるんだよな。もう寿命が近かったとかそんな理由か？ぁ -- 名無しさん (2020-03-05 19:02:43)
• >オルフェノクの存在や戦闘行為については特に疑問を呈する描写がなかった　つまり「ライダーとして戦っていたわけではないにも関わらず、元々オルフェノクの存在を知っていた」という伏線なんだよね -- 名無しさん (2020-03-05 20:21:22)
• 三又の槍というかトライデントはディケイド劇場版の大ショッカー所属のワイルドボア、スーパーショッカー所属にしてスーツ改造後のスコーピオンが使用している。使用者本人ではないとはいえ、オルフェノクの武器はオルフェノクが使うべきという思いが伝わる。 -- 名無しさん (2020-07-26 12:06:36)
• たっくんがウルフオルフェノクに変身してたら普通に返り討ちにできたんだろうか -- 名無しさん (2021-05-02 11:45:24)
• オコゼ及びサソリも毒持ちなど、改造前も改造後も有毒生物がモチーフ。正直、オリジナルのオルフェノクではかなりの弱者としか言えず、改造後のスコーピオンのほうがかなりの強者だったと思う。 -- 名無しさん (2022-02-04 19:08:00)
• 「ファイズのベルトには驚いていた反面、オルフェノクには全く驚く様子がない」「ファイズには誰でも変身できるわけではないが、変身できる事が明らかになっている人物は全てオルフェノクだった」……放送当時でも勘がいい人はかなり早い段階でたっくんの正体に感付いていたんじゃないだろうか……？ -- 名無しさん (2022-04-20 15:10:50)
• オリジナルでも弱い個体が居るんだな -- 名無しさん (2022-12-17 13:15:43)
• 怪物に対して「返せ、俺のバックだ」　ファイズに変身したら「何だこりゃ」 -- 名無しさん (2023-02-28 16:54:26)
• 913では口のデザインもはっきり描かれていて、まさに魚人といった感じになっている。 -- 名無しさん (2023-06-22 13:12:31)
• この話のミスリードは放送開始前の新番組宣伝から行われていたね。その時の映像ではファイズの変身者が少女(真理)であるかのように上手く編集して繋げてた。 -- 名無しさん (2023-08-07 18:06:06)
• オルフェノクの使徒再生の触手ってあんだけめちゃくちゃ速いスピードで飛ばせるんだから井沢も舐めプせずに真理に触手プレイ（意味深）してすぐ始末してベルトを奪えばよかったのにな（当然そこで話が終わってしまうから物語にならんけど） -- 名無しさん (2024-02-26 23:16:34)
• 井沢が普通の人間だった頃の生前は不明だが、913の流星塾生やパラリゲの殺人衝動を考えるに衝動の声に負けてしまった可能性もある。後付けになるが、巧ファイズに倒された際は「なぜベルトの力を！？ という事はこいつも俺と同じオry・・・」と思っていたとしたら巧の正体に最初に気付いたのは井沢だったかも。 -- 名無しさん (2024-02-27 17:02:02)
• しかし20年後のことを考えると、もし使徒再生で真理が山猫に覚醒してしまった場合井沢は返り討ちにされた可能性もあるので使徒再生は使わない方が無難かもしれない -- 名無しさん (2024-02-27 22:41:11)
• 仮面ライダー555殺人事件では彼ではないが、正真正銘の半魚人、人魚と言えるオルフェノクが面白い遊泳態を持っていた。 -- 名無しさん (2024-05-08 22:23:26)
• 連れの二人とは殺してもいい友達だったのか -- 名無しさん (2024-05-08 23:06:24)

#comment

*1 生身でも高い身体能力を持つオルフェノクである為、同族のオルフェノクを見ても驚かなかった。