登録日:2018/10/03 Wed 00:12:17
更新日:2024/03/26 Tue 11:16:09NEW!
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エッセイ ダ・ヴィンチ kadokawa 角川書店 メディアファクトリー 若林正恭 オードリー 不器用 共感の嵐
『社会人大学人見知り学部卒業見込』は、芸人の若林正恭(以下敬称、個人名略)によるエッセイ集。
2010年よりダ・ヴィンチ(KADOKAWA)に連載後、読者からの圧倒的な好評を得た後に、2013年にメディアファクトリーより初単行本化された。
その後、2015年に100ページ以上もの加筆修正を加えて、角川書店から文庫版が出版されている。
【概要】
お笑いコンビオードリーのツッコミとして、デビュー以来のじゃない芸人を経て、今やタレントとしても、本作を初めとしたエッセイストとしても、一定以上の評価を得て活躍し続けている若林の初の雑誌連載エッセイにして、初の文壇デビュー作品。
若林は、文筆家としても次作『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』で、斎藤茂太賞を受賞している。
自他共に認める、心に闇を抱えている男であり、実際に鬱屈とした腐った生活を行っていた若林が、2008年のM-1準優勝を経て人気者となり、売れっ子として生活が一変したことを遅かった社会人デビューと表し、悩みながらも大人になっていく姿を軽妙でありながらも深い心理的考察を交えながら記していく。
勉強は出来なかったと語る若林だが、定期的にタイトルだけで新書を買う程の読書家であるだけに、語彙は豊富で文筆の構成力は高く、心に響くものばかりである。
かつての自分を偏狭な世界に生きていたと語りつつも、その言葉は多かれ少なかれ病んでいる現代人には見事に刺さるようで、内容についての評価はすこぶる高い。
華やかな世界で鬱屈した自分と折り合いを付ける中で、自分を導いてくれた先輩や、テレビに出るようになったから出会えた憧れの人達との関わり。
無趣味を居直ろとしていた若林が、人並に趣味を持つまでになるまでの時間の流れと心情の変化。
人見知りで他人と触れ合えなかった若林が、曲がりなりにも人と付き合えるようになり、それどころか、他人の世話を焼けるようになるまで。
……ある思惑から、連載では控えめに触れるだけだった、相方の春日俊彰への思い。
様々な困難と葛藤を乗り越えつつ、一発屋で終わらなかったオードリーの一人として、いい年をして己をこじらせていた男が一人前になっていくまでの姿が、日々のささやかなエピソードに込めて語られている。
若林のエピソードは、どれも「めんどくさい奴」をこじらせた物ばかりたが、何故だかみんな共感する部分が必ずある……そんな、ちょっとだけ心が温かくなり、不器用な自分を愛せる気になる、人を優しい気持ちにさせるエッセイである。
加筆修正を加えた単行本では、連載以前の社会人一年目のエピソードというか心情などが語られている。
追記修正は自意識過剰をこじらせてたけど卒業する気になった人がお願いします。
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▷ コメント欄
- テレビとの印象が違くてΣ(゚д゚lll)から(´・ω・`)になった -- 名無しさん (2018-10-03 10:22:56)
- 記事としてはちょっとボリュームが足りないんじゃ? -- 名無しさん (2018-10-04 21:29:55)
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