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更新日:2024/02/06 Tue 10:46:54NEW!
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スター・デストロイヤー(Star Destroyer)は、映画「スターウォーズ」シリーズに登場する宇宙戦闘艦の艦種である。
●目次
【概要】
主に銀河共和国やそれに代わった銀河帝国が運用した艦種である。
デストロイヤーというと駆逐艦を連想するかもしれないが、この名称は「宇宙駆逐艦」という意味合いではなく『文明のある星を侵略し壊滅させるための艦艇』という意味合いが込められており、訳をつけるとすれば「星系破壊艦」といったところだろう。
(場合によっては駆逐艦をスター・デストロイヤーと呼称することもある。)
また、後述の特徴からその運用の仕方は多岐にわたり、戦艦に加えて空母や強襲揚陸艦の性質も持ち合わせている。
多くのスター・デストロイヤーに共通する特徴は二等辺三角形に近い楔形の船体であり、このデザインは前身となったアクラメーター級強襲揚陸艦から引き継がれたものである。
ほとんどのスター・デストロイヤーは1000m以上の巨体に無数の砲を備えており対艦・対地・対空いずれも極めて強力。
さらにはTIEファイターをはじめとする各種戦闘機や、AT-ATウォーカーのような地上用部隊と兵器に加えそれを地上に降ろすためのシャトルや上陸艇を搭載しており、ほとんどあらゆる戦闘に対応が可能な万能艦といえる。
その戦闘力はまさしく星系一つを滅ぼすのに十分なものだといえるだろう。
クローン大戦の最中に登場したスター・デストロイヤーはその万能さ故に瞬く間に増産が進められ、開戦から2~3か月ほどで既に共和国宇宙軍の主力艦となっていた。
戦争終結後に誕生した銀河帝国も大戦中のものに加えてさらに新型の建造を進め、スター・デストロイヤーはストームトルーパー、TIEファイターと並んでパルパティーン皇帝の新秩序の象徴とされた。
銀河内乱の時代にはスーパー・スター・デストロイヤーと称される超大型艦も建造され、新秩序の施行や反乱同盟軍との戦いに投入された。
【帝国における役割】
スターデストロイヤーは銀河帝国において、戦力の実態以上にその圧倒的な象徴性によって帝国の支配に貢献していた。
概要でも述べられたようにスター・デストロイヤーは一隻で惑星を制圧可能な戦力を誇っており、帝国の支配に挑戦する者が現れれば直ちにその戦力は行使され反乱者を徹底的に叩きのめすのである。
その事実は諸惑星に帝国への表立った反抗を躊躇わせるには十分であり、現実には銀河全域をカバーできるほど
スター・デストロイヤーの配備数は多く無かったにも関わらず大きな反乱抑止効果を挙げていた。
また、スター・デストロイヤーは帝国経済においても大きな役割を果たしている。
「スター・デストロイヤーを一隻建造するのにだいたい千六百万の部品が必要で、そのうちの約二万七千は、
ひとつの惑星でしか作られていない部品なの。だから皇帝には帝国が必要なわけ。
言ってみれば宇宙ナメクジみたいなもので、生き続けること自体が存在意義になっている。そしてひたすら消費を繰り返すの」
――ヘラ・シンドゥーラ
このセリフに象徴されるように、スター・デストロイヤーの建造は数千から数万にも及ぶ惑星と企業が関わる巨大産業であった。
運用面でも一隻のインペリアルI級スター・デストロイヤーにはクルー約37000人とストームトルーパー9700人が搭乗しており、彼らが一年間無補給で行動できるだけの備蓄を常に備えていた。
また格納庫には72機のTIEファイター、20両のAT-AT、30両のAT-ST、20機程のシャトルや輸送機を搭載し、常に万全の状態を保つよう整備されていた。
これらを支えるために食糧や水、医薬品や武器弾薬等の物資が毎日膨大に消費されていたのである。
言うなればスター・デストロイヤーの数だけ軍事都市が存在するのと同義であった。
そしてその数は数万隻とも言われ、更に際限なく増え続けていた。
以上のように、スター・デストロイヤーが帝国において果たす役割は軍事的にも経済的にも巨大なものであり、まさに帝国の象徴と呼ぶのに相応しいものだったのである。
【主なスター・デストロイヤーの種類】
ここでは作中に登場した種類に加え、前身といえるアクラメーター級についても述べる。
◆アクラメーター級攻撃型強襲揚陸艦
製造 ロザナ・ヘヴィ・エンジニアリング社
全長 752 m
最大加速度 3,500 G
ハイパードライブ能率 クラス0.6
ハイパードライブ有効距離 250,000光年(燃料充足時)
武装 クワッド・ターボレーザー・キャノン 12基
重点防御用レーザー・キャノン 24基
プロトン魚雷発射管 4門
操縦要員 700名
乗客定員 クローン・トルーパー 16,000名、および支援要員
積載重量 200,000 m3(ハンガー・スペースと消耗品貯蔵庫を除く)
「エピソードⅡ」から登場した共和国軍の強襲揚陸艦。
リパブリック・アサルトシップとも呼ばれ、前述のように厳密にはスター・デストロイヤーではないがその特徴の多くが次級に引き継がれている。
アクラメーター級はクローン大戦勃発前に共和国のための兵士として秘密裏にクローントルーパーを製造していた惑星カミーノからトルーパー用の兵器として発注された物の一つである。
製造元のロザナ・ヘヴィ・エンジニアリング社は共和国と密接な関係にあったクワット・ドライブ・ヤード(KDY)社の子会社であり、
表向きな関与を避けたいクワット社の思惑からロザナ社が建前上の発注を引き受けたのである。
クローン大戦のきっかけと言えるジオノーシスの戦いが起こった際、ジェダイマスター・ヨーダは発足したばかりの共和国グランドアーミーを率いてジオノーシスで戦うジェダイたちの救援に向かった。
クローントルーパーとともに開発されていたアクラメーター級の艦隊はクローン部隊と兵器を積んでジオノーシスへ侵攻し、独立星系連合のドロイド軍を撤退に追い込んだのである。
名前の通り、敵占領地に上陸して部隊を展開することを主軸としており、侵略用のクローン軍の大部隊とそれをサポートするウォーカーやガンシップなどの兵器類を
大量に積み込むことが出来、さらにクラス0.6という高いハイパードライブ効率で敵地に高速到達できた。
また部隊を降ろしてからはターボレーザー砲塔やプロトン魚雷による爆撃などで地上目標の攻撃にまわることも可能だった。
だがその反面、対艦戦はあまり考慮されておらず、前述の武装も敵艦に対しての命中精度は若干劣るものであったため、大戦中期からは、より対艦戦を意識した他の艦艇の護衛を受けることが殆どだった。
このことから共和国は輸送能力を兼ね備えつつ対艦戦も可能な後継艦の開発を発注し、それが後のスターデストロイヤーとして実現するのである。
特徴的な楔形の船体を持ったアクラメーター級はトルーパーと共に明らかに後の帝国時代を思わせるデザインをしており、EP2のラストでインペリアルマーチが流れる中
コルサントから次々と飛び立っていくシーンは帝国の勃興と共和国の終焉を表す象徴的な場面である。
◆ヴェネター級スター・デストロイヤー
製造 クワット・ドライブ・ヤード社
全長 1,137 m
最大加速度 3,000 G
最高速度(大気中) 975 km/h
ハイパードライブ能率 クラス1.0
ハイパードライブ有効距離 60,000光年(実効値)
動力機関 超物質消滅反応炉
武装 DBY-827ヘヴィ・デュアル・ターボレーザー・タレット 8基
ミディアム・デュアル・ターボレーザー・キャノン 2基
ターボレーザー・キャノン 数不明
重点防御用レーザー・キャノン 52基
トラクター・ビーム発射装置 6基
ヘヴィ・プロトン魚雷発射管 4門 •各16発搭載
積載重量 20,000 t
「エピソードⅢ」から登場。スター・デストロイヤーの名を関する史上初の艦艇である。
アクラメーター級の長所を生かしつつ前述の短所を補って更なる高性能化を実現した万能艦であり、共和国の主力艦となった。
「リパブリック・アタック・クルーザー」の別名でも呼ばれる。
製造は前級のロザナ社ではなく親会社のクワット社が行っている。これはクローン軍が公になったことで子会社を通さず堂々と開発が可能になったためである。
全体のシルエットは前級と似ているが、全長は1.5倍に大型化しており、艦橋も横に2つ並ぶ形となっている。
艦橋部から艦首に沿って設置された滑走路と格納庫が特徴で、艦上面の装甲ゲートを開くことで格納庫からのスムーズな発艦が可能となり、戦闘機の展開能力が著しく向上した。
ちなみにこのゲート、EP3では一部のみが開く仕組みだが、「クローンウォーズ」では滑走路の上部全体が左右に開く形となっている。
この他、小型艦を収容できる艦下面のハンガーベイや艦橋の左右に4つずつ配置された対艦用のツインターボレーザーなど後のモデルにも引き継がれる多くの要素が盛り込まれている。
また、ヴェネター級に特有の要素として船体後ろ半分のくびれが見受けられ、この部分からも戦闘機の発着が可能となっている。
前級と同じく地上への着陸も可能で、部隊を降ろした後は地上で指揮本部として機能させることもできた。
艦載機の運用能力や輸送力、火力、クラス1.0のハイパードライブ効率などを高いレベルで実現した本級は竣工後ただちに大増産され、共和国宇宙軍の主力はもとより、クローンを率いるジェダイ将軍たちの旗艦としても大きく評価された。
しかしこれほど高性能なヴェネター級といえども万能ではなく、数が多い分撃破された艦も決して少なくはない。
ルクレハルク級、ミューニフィセント級、プロヴィデンス級といった独立星系連合の大型で高火力な艦に砲撃戦で打ち負けてしまうこともあり、開発者たちや軍上層部はより強固で強力な艦を求めて開発を続けていった。
その結果、のちの時代のスター・デストロイヤーはヴェネター級をさらに超える大型艦が多くなっていくのである。
ヴェネター級は竣工当時、白色の船体に共和国所属を示す赤い塗装と丸い識別マークが描かれていた。
特に赤く塗りつぶされた上部装甲ゲートは外見上の大きな特徴となっている。
本級は帝国の樹立後も引き続き運用されており、赤色が消されて後のインペリアル級と同じ灰色一色に塗られている。
終戦から5年後の段階でも数を増やしつつあったインペリアル級に混じって多数の艦が現役で使われ続けていたが、その後は徐々に退役艦が増えていった。
EP3の最初にヴェネター級が登場するのは、旧3部作において必ずスター・デストロイヤーが初っ端に登場していたことへのセルフオマージュである。(一応、種類は違えどEP1,2も宇宙船のシーンから始まってはいる。)
また、同作ラストシーンにおいてヴェネター級のブリッジ内がインペリアル級とそっくりであることが初めて分かり、その前のCR90コルベット内のシーンと同じく旧3部作へのつながりをほぼ直接的に表している。
◆インペリアル級スター・デストロイヤー
全長 1,600 m
最大加速度 2,300 G以上
MGLT 60 MGLT
ハイパードライブ能率 クラス2.0
動力機関 SFS社製I-a2bソーラー・イオン化リアクター
シールド KDY社製ISD-72xシールド発生ドーム 2基
照準システム グランジ社製照準コンピューター
武装 Ⅰ級
デュアル・ヘヴィ・ターボレーザー・タレット 6基
デュアル・ヘヴィ・イオン・キャノン・タレット 2基
クワッド・ヘヴィ・ターボレーザー 2基
トリプル・ミディアム・ターボレーザー 3基
ミディアム・ターボレーザー 2基
テイム&バック社製XX-9ヘヴィ・ターボレーザー 60基
ボーステル社製NK-7イオン・キャノン 60基
ファイロン社製Q7トラクター・ビーム発生装置 10基
Ⅱ級
オクタプル・バルベット・ターボレーザー・キャノン 8基
ヘヴィ・ターボレーザー砲塔 50基
ターボレーザー砲塔 50基
追加ターボレーザー砲塔 26基以上
ヘヴィ・イオン・キャノン 20基
ファイロン社製Q7トラクター・ビーム発生装置 10基
積載重量 36,000 t
スター・デストロイヤーと言えばこれを思い浮かべる人が多いだろう。
「エピソードⅣ」から「エピソードⅥ」にかけて登場したインペリアル級スター・デストロイヤーは銀河帝国軍の誇る主力艦であり、
力による支配の象徴としてストームトルーパーやTIEファイターとともに銀河系全域で恐れられている。
EP4のオープニングではその巨大っぷりを存分に見せつけ、初っ端から観客の度肝を抜いた。
1000m前後だった前級に比べてさらなる大型化と重装化が進んでおり、1600mに及ぶ船体は強力な武装とシールドを兼ね備えている。
その分小回りはきかなくなり、ハイパードライブ効率も落とされ、地上への着陸も出来なくなっているが、その代わりとしてセンチネル級をはじめとする多数の上陸用のシャトルやAT-ATウォーカーなどの地上戦力をふんだんに搭載している。
これは終戦後、宇宙軍の役割が敵対勢力との侵略・占領から勢力圏内の治安維持にシフトしたためにスター・デストロイヤー自体が直接上陸する必要がなくなったためであり、上陸部隊を送り出した後は軌道上からのターボレーザーによる爆撃で支援を行う。
大幅に強化された火力により対艦戦も存分にこなすことができ、その巨体は並のスターシップの火力では小破させることすら困難である。
また、ここまでのスペックがありながら、EP4におけるダース・ヴェイダーの旗艦である「デヴァステーター」に至っては、常に最新技術による改良がなおも加えられ続けていた。
なお、本編や外伝作品においても真正面から戦って撃沈させられたケースはほとんどなく、内部での破壊工作や敵艦の特攻などによる撃破が大半を占めている。
ことに、旧3部作において撃沈が確認されたのはEP6のエンドアの戦いのワンシーンのみであり*1、本級がどれほど強力な艦なのかをうかがい知ることができる。
欠点として挙げられるのは、この強大な火力が対艦・対地攻撃を前提として設計されており、近距離のターゲットに対してさほど有効でないことだろう。
特に接近する小型戦闘機に対してはなかなか狙いを定められず、懐に入られてしまうことも少なくない。
だがそれをカバーするために、インペリアル級はTIEファイターをはじめとする戦闘機を多数搭載している。
その数は1個大隊に相当する72機に上り、接近する敵機を容赦なく追撃するのだ。
前級を超えるほどの汎用性を備えた本級はニューオーダーの支配下で大量に増産され、最盛期にはなんと2万5千隻もの数が運用されていたとも言われる。
だがそれほどの数があったにも関わらず、前述の役割の変化から本級は主に単艦もしくは少数艦隊で運用されることが多かった。
1隻でも反乱分子等の鎮圧には十分すぎるほどの戦力となるスター・デストロイヤーは、帝国の統治下においては艦隊でまとめて行動させるよりも様々な宙域や星系にまんべんなく配置したほうが都合がよかったのである。
あまり知られていないが、本級には「インペリアルⅠ級」と「インペリアルⅡ級」という二種類の艦種が存在する。
パッと見ただけでは分かりづらいが、最も顕著な違いとしては艦橋上部に2基の偏向シールド発生ドームに挟まれる形で配置されている構造物の2本の支柱の立ち方がある(Ⅰ級ではX字状、Ⅱ級では垂直)。
設定上ではⅠ級の構造物はトラクタービームの長距離照準を行う照準アレイ、Ⅱ級の構造物は通信タワーとされている。
また両舷のターボレーザー砲塔の形状も違うが、この部分は劇中では確認しづらく見分けをつけるのは困難である。
ちなみにこれらの差異は撮影用モデルの違いからきており、元々EP4で使われていたものをⅠ級、EP5から新たに作られたものをⅡ級として設定にも反映したのである。
このため、大まかにEP4に登場するのがⅠ級、EP5,6に登場するのがⅡ級とみなすことができる。
なお、『ローグ・ワン』(時系列的にはEP4の直前)に登場するものは全てⅠ級になっており、制作陣のこだわりが垣間見える。
また、現在は非正史(レジェンズ)となった設定だが、Ⅰ級はもともと「インペレーター級」の名でクローン大戦の末期に竣工したという設定が存在した。
そのためEP3のラストシーンではこのインペレーター級が登場する予定があったが、最終的には帝国仕様のヴェネター級に差し替えられた。
インペレーター(imperator)という名称は最初のスケッチ段階でつけられたものであり、ラテン語で「大将軍」を意味し帝国(empire)や皇帝(emperor)の語源ともなった言葉である。
◆テクター級スター・デストロイヤー
全長 1600m?
「エピソードⅥ」に登場したインペリアル級の亜種。
こちらは対艦戦を強く意識して設計されており、防御力強化のために艦下部の二つのハンガーベイが取り除かれて装甲で覆われているのが特徴である。
もちろんその結果、艦載機の運用や部隊の上陸は不可能となったため、ヴェネター級やインペリアル級のような空母機能を持つ艦を随伴させることが大前提となっている。
…以上がテクター級について判明している情報全てである。
というのもEP6での登場が、逆さまになった本艦の艦底部をミレニアムファルコンが通り過ぎていくワンシーンのみであり、その他スピンオフなどでも一切の登場がなく全体像すらも描かれたことがないためである。
テクター級の設定が作られたのはEP3が公開された2005年、前述の登場シーンについてもテクター級と明言されたのは2006年であった。
メカや登場人物など、ちらとでも登場すれば様々な設定が盛られるスターウォーズシリーズにおいて、本級は何故か誰も着目せず設定も為されない不遇の存在であった。
そんな中、2015年に短編小説の中でテクター級「ハービンガー」が登場し、正史に組み込まれることとなる。
同時にこの艦がEP6の艦と同一であるという設定もつけられた。
だが、2017年3月現在詳細なスペックはいまだ明らかになっておらず、今後の登場が待たれる。
◆インターディクター級スター・デストロイヤー
全長 1129 m
ハイパードライブ能率 クラス2.0
乗員 2800名
武装 4連ターボレーザー砲 20基
重力井戸発生装置 4基
TIEファイター 24機
「反乱者たち」の時期(EP3と4の間)に活躍した機体。
インペリアル級と比べると小柄で、楔形のボディに重力井戸発生装置のドームが4つ埋め込まれた外観が特徴的。
重力井戸発生装置とは、その名の通り重力の力によりハイパースペース航行中の船を強制的に通常の空間に引きずり出してさらに再ジャンプも封じてしまう技術である。
この装置が艦載スペースを大幅に占有しているためか武装や艦載機は他級にやや劣り、インペリアル級複数を含む艦隊での運用が前提となり、その性質上待ち伏せで真価を発揮するため、戦術眼に優れるスローン大提督率いる第7艦隊に複数隻が配備されていた。
戦闘機にハイパードライブを搭載することで艦載の手間を省き、奇襲と離脱をスピーディに行うことでなんとか帝国の物量に対抗している反乱軍にとっては天敵と言える存在で、反乱軍はインターディクター級を沈めない限り離脱できず、数で勝る帝国の艦隊との真っ向勝負を強いられる。
逆に戦闘機にハイパードライブをほぼ搭載していない帝国にとっては相手を逃さずその場で叩き潰せる手段となっており、本級を巡る攻防は反乱軍と帝国軍の交戦において極めて重要だった。
「反乱者たち」劇中では、アトロンの戦いにてスローン大提督配下のコンスタンチン提督の指揮する同級の活躍により、反乱同盟結成以前では最大勢力とされていたフェニックス中隊を半壊させたが、ジュン・サトー司令官の「フェニックス・ネスト」による特攻を迎撃しようと前進したところ急激に進路を変えたフェニックス・ネストを避けきれず正面衝突。相討ちの形で撃沈し残りの反乱軍を逃してしまう結果となった。*2
なお、元はレジェンズに分類される小説作品に登場していた艦であり、「反乱者たち」で正史に逆輸入された形となる。
◆リサージェント級スター・デストロイヤー
製造 クワット=エントラーラ・エンジニアリング社
全長 2,915.81 m
最大加速度 3,000 G
動力機関 III-a1a超物質消滅式主要反応炉
武装 ターボレーザー砲/イオン砲 3,000基以上
局所防衛レーザー砲
局所防衛ミサイル発射装置
トラクター・ビーム発生装置
乗員 将校 (19,000名)
下士官 (55,000名)
ストームトルーパー (8,000名以上)
「エピソードⅦ」から登場した、銀河帝国の過激派残党「ファースト・オーダー」が運用するスター・デストロイヤー。
「バトルクルーザー」とも称される。
ファースト・オーダーの主力艦艇である本級はかつてのインペリアル級を基に設計されており、インペリアル級の2倍近い大型の船体と最新の装備を有しており、新共和国が軍縮を進めたことも相まって当時最新鋭の艦とされていた。
元々ファースト・オーダーは敗走し未知領域に逃れた帝国の残党を母体としており、以前のような大軍を保有することができなかったために、本級はより単艦での性能が重要視されている。
外見としてはそれほど目新しいものはないが、帝国時代の特徴と言える大型のブリッジタワーは無くなり、つるぺたスリムな形状となっている。
これは「エグゼキューター」がエンドアの戦いにおいてブリッジタワーへの特攻により制御を喪失して失われた戦訓に基づくもので、メインブリッジは目立たない所に配されている他、船体中央内部には緊急用ブリッジも設けられている*3。
インペリアル級の弱点であった小型高速目標への対処能力の低さも、局所防衛用のレーザー砲やミサイルランチャーを多数設置することによって改善している。
一方艦載機は相変わらずTIEファイターの近代化バージョンであり、その他の搭載機の構成も帝国時代と殆ど同じである。
とは言え元々拠点の少ない未知領域で活動することを主眼に置いて作られていたために居住性能は高い。
また組織の性質上、搭乗員の多くは幼少期から乗り組んで訓練をしていたものが多く、艦を自分の家と考えるものも少なくないという。
EP7ではカイロ・レンの旗艦である「ファイナライザー」が登場し、ポー・ダメロンの尋問やジャクーの村の襲撃などに従事した。レンの癇癪でたびたび艦内施設が無駄に破壊されているようだ
EP8では同艦のブリッジに今度はハックス将軍が乗って、レジスタンス討伐の任務に当たった。
EP9ではエンリック・プライド忠誠将軍の旗艦である「ステッドファスト」が登場。
レンをトップとするファースト・オーダー最高評議会が開かれるなど、「スプレマシー」大破後の実質的なファースト・オーダー最高司令部として機能していた。
◆ヴィクトリー級スター・デストロイヤー
製造元 レンディリィ・スタードライブ社
全長 900 m
最高速度(大気中) 800 km/h
エンジン オルデラン・ロイヤル・エンジニア社製LF9イオン・エンジン 3基
センカンダリー・エンジン 4基
ハイパードライブ能率 クラス1.0
動力機関 ハイパーマター消滅反応装置
武装 クワッド・ターボレーザー・キャノン 10基
ダブル・ターボレーザ砲塔 40基
強襲用震盪ミサイル発射管 80門 •各4発装填
トラクター・ビーム発射装置 10基
積載重量 8,100 t
ヴィクトリー級は本編には登場せず、主にスピンオフ小説などで登場する艦種である。
レジェンズ作品ではかなり古参で御馴染みの艦であるが正史小説での登場は今のところ1作品、しかも名前のみの登場となっており、以下の内容はほぼ全てレジェンズ内の設定となる。
本級はライバル関係だったクワット・ドライブ・ヤード社とレンディリ・スタードライブ社がクローン大戦勃発後に共同で行った設計プロジェクトから誕生した戦艦である。
竣工は大戦中期であり、実践投入は大戦の後期となる予定であったが、孤立させられていた独立星系連合の惑星から封鎖を破って発進した艦隊を迎え撃つために、初期生産された艦隊が6か月早く進宙することとなる。
後の反乱同盟軍の英雄の一人であるジャン・ドドンナ将軍らに率いられ、ヴィクトリー級の艦隊は敵を打ち破ることに成功したのだった。
だがその後生産された同級の殆どは終戦時まで温存され、共和国軍に配備された数はそれほど多くはなかった。
形状は全体的にインペリアル級と似通っているが、目立つ違いとして両舷後部に張り出した大きな翼と、艦橋部から突き出たメインブリッジがある。
これらはすべて本級の強みと言える大気圏内の航行用に設計された特徴であり、地上に逃れていく宇宙船の追撃なども可能だった。
ヴェネター級と比べて強力な火力を有しており、対艦戦や地上への爆撃などで効果を発揮した。
基本的にはより搭載力に勝るヴェネター級やアクラメーター級を率いて軌道上に侵入、敵艦隊との交戦後に惑星上空から上陸部隊の支援を行うという運用をされることが多かった。
他の艦種に負けない汎用性を持つヴィクトリー級だが、一つだけ決定的な弱点があった。
それはメインエンジンのパワー不足により、亜光速時の速度がほかの艦艇と比べて低速になってしまうことである。
このため、大気圏内はともかく軌道上や深宇宙においては高速な小型艦などを取り逃がしてしまうことが多々あり、その弱点を突かれて数に劣りながらもより高速な艦艇を有する同盟軍の艦隊との戦いで大敗を期することもあった。
一応この欠点をカバーするために、本級には同時期の艦艇よりも多数のトラクター・ビーム発射装置を搭載しており、逃走する敵艦をトラクター・ビームで捕らえ、動きが鈍ったところを集中攻撃するといった戦法がとられていた。
とはいえ、やはり速度の差は如何ともしがたく、大戦末期にはより強力で高速なエンジンを搭載し、深宇宙内での戦闘に特化したヴィクトリーⅡ級という後継機種も開発されている。
だがこちらは終戦時に生産が終了したためにⅠ級と比べてほんの僅かな数しか作られていない。
帝国の成立後、ヴィクトリー級は他の艦艇とともに治安維持にあたっていたが、より高価ながらより強力なインペリアル級が爆発的に生産されたため、多数の艦が廃棄、もしくは民間へ売却されることとなり、残った艦は惑星防衛などの任務に就いた。
企業セクターでは520隻ほどのヴィクトリー級が購入され、護衛や防衛の任務に従事している。
エンドアの戦いで帝国が歴史的敗北を喫した後、戦力が削られていく中でヴィクトリー級は残存帝国軍の貴重な戦力として扱われた。
既に1世代前の艦ともいえるほど長く使われた本級であったが、それでも主力のインペリアル級に次いで強力な艦艇であることに変わりはなかったのである。
かのスローン大提督も、残存帝国軍を率いた際にはヴィクトリー級を主力として運用し、再配備や近代改装を積極的に行った。その後も本級は帝国残党や新共和国、銀河連合自由同盟などでその役目を果たしたのである。
なお、一応正史には組み込まれているヴィクトリー級であるが、近年の正史作品では元々大気圏突入ができないとされていたインペリアル級が普通に大気圏内を飛行しており、本級の存在意義は薄くなってしまっている。
◆ジストン級スター・デストロイヤー
全長 約2400m
全高 682m
動力機関 ソーラー・イオン化反応炉
武装 アキシャル・スーパーレーザー砲 1基
イオン砲
重ターボレーザー砲
対空レーザー砲
艦載機 TIEダガー 多数
エンドアの戦いで肉体的に死亡するも、魂を惑星エクセゴルの予備の肉体に移し替えて生存していた皇帝、ダース・シディアス率いる組織「シス・エターナル」の軍事組織である史上最大最強の艦隊「ファイナル・オーダー」を構成する艦艇。その数はエクセゴルの空を埋め尽くすほど(設定上は1080隻建造されたらしい)。
なぜ残党組織のシス・エターナルがこれほどの戦力を整えられたのかというと、共和国の造船企業の中の内通者を通して物資を輸送していたからだそうな。
インペリアルⅠ級をベースにしつつも、やや大型化し、自動化による効率化及び少人数での運用が成されている。
また、シス・エターナルの赤い紋章が施されているのが特徴。
最大の特徴は艦底部に設置された反応炉直結のアキシャル・スーパーレーザー砲。破壊力はなんと惑星破壊が可能なほど。本編中でも、中盤の舞台となった惑星キジーミを破壊して見せた。
さすがにデス・スターのように一瞬で破壊するほどの威力はなく、ある程度の時間をかけて継続的に照射しての成果だが、それでもその威力は強烈。まさに文字通りのスター・デストロイヤーと言えるだろう。
ただし、ジェネレーター直結型の武装ゆえ、ここを破壊されるとそのまま誘爆・轟沈という致命的な欠点もある。
劇中ではシールドを失っていたのかYウイング一機が掃射しただけ(流石に映っていないだけでそれまでにダメージの累積もあったと思われる)で破壊されており、戦闘機サイズの火力でも通用するあたりジェネレーター直結を抜きにしても装甲で覆われた他の部位と比べて脆い部分となっている。
そのほか、イオン砲やターボレーザー砲といった武装も多数装備し、艦載機としては新鋭機TIEダガーを搭載している。なお原型艦であるインペリアルⅠ級と違い、ハンガーの位置はアキシャル・スーパーレーザー砲の搭載により変更されている。
また、陸上部隊も待機している模様。
30年にわたって準備を続けてきたファイナル・オーダーだが、出撃の寸前にポー率いるレジスタンスの総攻撃を受ける。不安定なエクセゴルの大気から抜け出すには地上のコントロールタワーによる管制が必要なので、その比較的無防備になるタイミングを狙ったのである。
これに対しシディアスからファイナル・オーダーの指揮を任せられたファースト・オーダーのプライド将軍は、コントロールタワーの管制機能を旗艦のリサージェント級「ステッドファスト」に移管するが、今度はフィン率いるレジスタンスの陸上部隊に直接乗り込まれてしまう。
これに対し艦に乗り込んでいたシス・トルーパーの部隊が応戦。
戦力差は圧倒的であり、レジスタンスの艦隊は追い詰められていく。
万事休すと思われたとき、ランドとチューバッカが銀河全体を駆け回ってかき集めた無数の艦艇、スターファイターがミレニアム・ファルコンに率いられて到着。上述のスーパーレーザーの弱点部分をついて攻撃し、ジストン級の被害は徐々に増加。ファイナル・オーダーは劣勢になり始める。
レイとベンの力を吸収して完全復活を遂げたシディアスの凄まじい威力の電撃によって一時戦局はひっくり返ったものの、シディアスの死と「ステッドファスト」に乗り移っていたフィンたちがプライド将軍もろともブリッジの破壊に成功したことで完全に形勢逆転。
指揮官とコントロールを失ったジストン級は次々と破壊されていきついには全滅。
指揮官を失ったファースト・オーダーも銀河各地でレジスタンスの反撃に遭い壊滅し、シディアスの復讐は完全に失敗した。
【余談】
SF好きな藤子・F・不二雄氏は、『STAR WARS エピソードⅣ 新たなる希望』を自身の作品にていくつかパロディしているが、短編『ある日……』では、とある愛好家が作った自主制作アニメ『スターウォーク』にて、スター・デストロイヤーそっくりな機体が登場するも、機体が大きすぎて乗組員の兵士達全員が歩き疲れてついに反乱を起こしてしまう…という描写がある。
追記修正はブリッジタワーに引っ付いてセンサーを誤魔化してからお願いします。
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▷ コメント欄
- スーパー・スター・デストロイヤーの系列は別項目にする予定です。 -- 名無しさん (2017-04-01 10:20:31)
- ファーストオーダーのリサージェント級は? -- 名無しさん (2017-04-01 11:46:49)
- リサージェント級はスターデストロイヤーでなくバトルクルーザーに変更されたらしい。 -- 名無しさん (2017-04-01 12:17:34)
- おお、こういう項目が出来るなんて嬉しい。他の人も度々追記して、より良い詳細な項目になったらいいな -- 名無しさん (2017-04-01 13:44:48)
- 旧三部作観てるとⅢ冒頭の両軍入り乱れシーンでどれが味方か判んなくなる -- 名無しさん (2017-04-01 22:16:30)
- ガメラのザノン号・・・ではない -- 名無しさん (2017-04-02 01:00:24)
- 大きさを逆手に取った、藤子さんのスターウォークのパロディ好きだったな -- 名無しさん (2017-09-26 15:15:34)
- ドームみたいな電磁波撹乱フィールド発生装置がついたやつもなかったっけ? -- 名無しさん (2017-09-26 15:46:17)
- 最後のジェダイのパンフにはリサージェント級とスプレマシーもスターデストロイヤーって書いてあったよ -- 名無しさん (2018-01-09 17:22:50)
- リサージェント級追加しました -- 名無しさん (2018-02-19 17:32:00)
- テクター級って何で登場させたんだろうな。間違えてハンガーなしの撮影モデルでも作っちゃったのだろうか。 -- 名無しさん (2018-12-24 04:32:49)
- とうとうその名の通りの存在になった件 -- 名無しさん (2020-01-24 07:04:19)
- ↑でもやっぱり呆気なく倒される運命からは逃れられなかったね -- 名無しさん (2020-01-30 22:33:39)
- 主にバトルフロントのせいだけど、上部のタマタマ2つが弱点なイメージ -- 名無しさん (2021-02-18 03:25:36)
- ファイナルオーダーの艦隊は2202のガトランティスと重なって見えたな。 -- 名無しさん (2021-07-18 19:43:09)
- これだけの規模になると、ただ消費するだけの存在ではなくなってそうだ。新技術とか、スターデストロイヤーが開発・生産して外に販売しているものがありそう -- 名無しさん (2021-07-18 19:54:09)
- こんだけデカいと、イデオンよろしく艦内移動用のカートとかもありそう -- 名無しさん (2022-05-30 12:05:15)
- 自動車ですら数万の部品から構成されてるのにこれが1600万って少なすぎるよな -- 名無しさん (2022-10-08 12:01:31)
- ↑ある程度ユニット化されているんじゃないかな? そのユニット化された部品自体が1600万程なのだろう 細部まで分けると、とんでもない数値になりそう -- 名無しさん (2022-10-08 17:36:47)
- ローグワンとかSWBF2を見る限り、硬いと評判のモンカラマリクルーザーをサシでの一斉砲撃で瞬時に大破せしめる火力があるのはやっぱつええなぁ…って -- 名無しさん (2023-03-07 18:26:52)
- ジストン級は圧倒的物量で強さを示す画を見せたかったんだろうけど、特に変わった設定が無いせいでエクセゴルの普通の造船所で横流し資材を使って普通の建造法でセコセコ密造してあそこまでの数を作れた扱いになってるのは若干リアリティに欠けた印象。例えば「惑星を削って全てをスター・デストロイヤーの資材に変換して建造する全自動造船装置を旧帝国が遺していて、皇帝がその装置のスイッチを入れたら1000隻ポンと出た、装置が止まらないとこのままでは更に数万隻が作られてしまう」みたいなギミックが欲しかったかも -- 名無しさん (2023-03-09 23:54:34)
- SW銀河はバトルシップ(戦艦)という艦種が無くて地球基準でのバトルシップ的存在をデストロイヤーと呼んでるんだろうな…と見せかけてスター・バトルシップもちゃんと存在するという罠。ただしスター・バトルシップも砲戦特化ではなく艦載機積んでる万能戦艦(ルクレハルクなんか輸送艦改装)だからバトルシップとデストロイヤーに機能上の違いは見受けられずどう分けてるのか謎 -- 名無しさん (2023-05-23 02:22:58)
- 帝国ならともかく、旧共和国は何を思って「スターデストロイヤー(星の破壊者)」なんて名前を付けたんだ・・・? -- 名無しさん (2023-05-23 11:58:49)
- ↑てっきりアクラメーター級はあくまでも宇宙戦艦で、「スターデストロイヤー」と言う名前の付いたクローン戦争後期型以降とは違うと思う。エピローグlllは分からん -- 名無しさん (2023-08-01 16:34:27)
- ↑2 共和国は全銀河規模の正規軍なわけだし、「独立主義連合と同じようなこと考えたらどうなるか分かるな?」っていう一種の示威行為なのかもね -- 名無しさん (2023-08-01 18:14:04)
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*2 なお、サトー司令官はスローン大提督にも警戒されるほどの名将として知られており、無謀な特攻は初めからインターディクター級を釣り出すための策略だった。コンスタンチン提督はその場で動かないよう指示を受けていたのだが、前々からスローンが気に入らず戦果に逸っていたため、独断で前進してしまった。
*3 「エグゼキューター」にも緊急用ブリッジはあったが、特攻を受けて制御を喪失した際には運悪くデス・スターの重力圏内にあり、引き継ぐ間もなく重力に引かれてデス・スターに墜落して失われてしまった。
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