世界遺産

ページ名:世界遺産

登録日:2016/06/29 Wed 17:29:07
更新日:2024/01/25 Thu 13:43:38NEW!
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世界遺産(World Heritage)とは、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)により世界遺産リストに登録された、人類が共有すべき顕著な普遍的価値を持つ遺跡・景観・自然などの物件のことである。







略史


世界遺産が誕生するきっかけになった出来事が起きたのは1960年。
エジプト政府が、ナイル川の氾濫防止と灌漑用水の確保などを目的としてアスワン・ハイ・ダムの建設を開始したが、ダムが完成した場合アブ・シンベル神殿などのヌビア遺跡が水没してしまう恐れがあった。
そこでUNESCOはヌビア遺跡の救済キャンペーンを開始、60ヶ国の支援を受けてアブ・シンベル神殿の移築が実現。
このことをきっかけに、歴史的価値のある遺跡や建築物などを国際的な組織運営により保護しようという機運が生まれた。


その後ICOMOS(後述)の成立などを経て、1972年のUNESCO総会で世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)が成立。1975年に正式に発効し、1977年からは年に1度開催される世界遺産委員会が開始。翌年の第2回世界遺産委員会にて、イエローストーン国立公園やガラパゴス諸島など12件の物件が初の世界遺産としてリストに登録された。
2015年現在191ヶ国が世界遺産条約を批准しており、世界遺産リストへの登録件数は1000件を突破している。


日本は1992年に世界遺産条約を批准。国内での態勢が未整備だったり、世界遺産基金の分担金拠出をどうするかでなかなか決着がつかなかったため、先進国としては最後の批准となった。2020年2月1日現在日本では23件の世界遺産がリストに登録されている。




世界遺産登録までの流れ


1.各国政府が登録したい物件を暫定リストとしてUNESCOに提出


暫定リストへの記載物件は各国独自の基準により選定される。日本の場合文化遺産候補は当該資産を保有する自治体の提案を受けて文化庁が調査・審議を行い、自然遺産候補は環境省・林野庁が選定後当該資産を保有する自治体や関係機関と管理計画について協議する。



2.暫定リスト記載物件のうち、準備の整ったものを推薦



3.UNESCOの依頼を受けて、諮問機関が現地調査し登録の可否を勧告


諮問機関とは国際記念物遺跡会議(ICOMOS)および国際自然保護連合(IUCN)の両機関。文化遺産候補についてはICOMOS、自然遺産候補についてはIUCNが調査し、それに基づき「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」いずれかの勧告を行う。



4.年1回の世界遺産委員会で最終審議、登録決定


諮問機関の勧告をもとに審議を行い、「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」いずれかの決議を行う。


登録:世界遺産リスト入りだよ! おめでとう!
情報照会:顕著な普遍的価値は証明されたが保存計画などに不備があるケース。書類の提出などを経て翌年の世界遺産委員会で再審査を受けられる。
登録延期:顕著な普遍的価値の証明が不十分であり、再審査には諮問機関の再調査を受ける必要があるため翌々年以降になる。
不登録:こうなると再推薦ができなくなるため、諮問機関の不登録勧告の時点で審議を取り下げる手続きが取られたり、不登録になったときと異なる理由で再推薦する場合もある(自然遺産ではダメだったのを文化遺産として推薦するなど)。


決議の結果は諮問機関の勧告を踏襲するケースが最多であるが、情報照会勧告であった物件が逆転で登録されたり、逆に勧告より低い評価での決議にもなり得る。また勧告通り登録が決まっても、物件名・登録基準・構成資産の範囲など細かいところでは勧告と違った決議となるケースも少なくない。




登録基準と分類


世界遺産登録基準は以下の10項目から成る。


(1)人類の創造的才能を表現する傑作。
(2)ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3)現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(4)人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(5)ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
(6)顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
(7)ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
(8)地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
(9)陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
(10)生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。


このうちどの項目を満たしたかにより、世界遺産は次の3つに分類されている。


文化遺産:(1)~(6)のうち1つ以上を満たした物件
自然遺産:(7)~(10)のうち1つ以上を満たした物件
複合遺産:(1)~(6)のうち1つ以上かつ(7)~(10)のうち1つ以上を満たした物件


物件数は文化遺産>>(超えられない壁)>>自然遺産>>(超えられない壁)>>複合遺産(30件ちょっと)となっている。



以降、本項目での世界遺産物件名はこれらの文字色により文化自然複合の分類を表現することとする。
ちなみに世界遺産の物件名は英語とフランス語で登録されており、日本語での名称には文献により多少差異があることも付け加えておく。



非公式分類


  • 負の世界遺産

人類が犯した悲惨な出来事を伝える物件。原爆ドームなどが相当する。
上述の世界遺産登録基準では(6)のみが適用されていることが多く、他の基準と組み合わせるのが望ましい基準(6)のみでの推薦ができるのはこの負の遺産タイプの物件のみとも言われている(もちろん例外もあるが)。


(物件例)
アウシュヴィッツ・ビルケナウ―ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940年-1945年)(ポーランド)
ナチスによるユダヤ人虐殺の舞台として有名。


ビキニ環礁の核実験場跡(マーシャル諸島)
1945年3月1日の核実験により日本の第五福竜丸など多くの漁船が死の灰を浴びた。


ゴレ島(セネガル)
首都ダカールの沖に浮かぶ島。奴隷貿易の拠点となった。


ロベン島(南アフリカ)
ケープタウンの沖に浮かぶ島。アパルトヘイト時代、後の大統領ネルソン・マンデラら多くの黒人が収監された。



  • 裏世界遺産

日本のネット上で使われることがある表現で、世界遺産委員会で登録以外の決議が下りた物件を指す。再度世界遺産委員会で審議され登録され、晴れて裏世界遺産リストから脱出した(?)物件もある。



世界遺産登録後


登録後保有国には景観や環境の保全が義務付けられ、保全状況を6年ごとに報告し世界遺産委員会での再審査を受ける必要がある。
また、世界遺産登録により観光客が増加するケースがあり、場合によっては保全の妨げにもなる。このため、一部の物件では一般人の立ち入りが禁止されていたりする。一方で世界遺産登録に伴い観光が活性化することで貧困が解消され保全にプラスになることもあったり、世界遺産登録により観光客を呼び込もうとする動きもある。


危機遺産


周辺環境や生態系の悪化・周辺情勢の悪化などにより世界遺産の保有する価値が危機にさらされた場合、そういった物件は&bold(){危機遺産]リストに加えられる。保全状況に改善が見られれば危機遺産リストから除外され、逆に世界遺産としての価値が失われた場合世界遺産リストから抹消される場合がある。


(物件例)
スマトラの熱帯雨林遺産(インドネシア)
オランウータン、スマトラサイ、悪臭でもお馴染みのラフレシアやショクダイオオコンニャクなどの生物相を有するが、残念なことに違法な森林伐採が横行している。


バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群(アフガニスタン)
2001年タリバン政権により石仏が爆破され(同時多発テロのおよそ半年前)、2003年世界遺産登録と同時に危機遺産リスト入りした。


パルミラ遺跡古代都市アレッポなどシリアの世界遺産全6件
2013年、シリア騒乱により国内の世界遺産が全部いっぺんに危機遺産リスト入りしてしまった。


エルサレムの旧市街とその城壁群(イスラエル、ヨルダンによる申請)
キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の聖地として知られる。何かとデリケートな問題を抱えているためヨルダンが申請するという異例の手続きが取られ、1981年に臨時の世界遺産委員会にて登録が決定、翌年危機遺産リスト入りし保護が図られた。臨時の委員会で登録された世界遺産は2015年現在これが唯一の例であり、また現在最も長い間危機遺産リストに入っている物件となっている。


ガランバ国立公園サロンガ国立公園オカピ野生生物保護区(コンゴ民主共和国)
それぞれキタシロサイ、ボノボ、オカピの生息域として知られているがいずれも密猟が横行している。


カスビのブガンダ歴代国王の墓(ウガンダ)
2010年に中心的建造物である旧宮殿が火災により焼失。


エバーグレーズ国立公園(アメリカ)
フロリダ半島の南端に広がる湿地帯。ハリケーンの被害により1993年に危機遺産リスト入りし、改善が見られ2007年に除外されたものの、水生生物の生態系の悪化などにより2010年に再び危機遺産リスト入りした。



世界遺産リストからの抹消


世界遺産としての顕著な普遍的価値が失われた場合や、条件付きで登録された物件がその条件を満たさなかった場合、世界遺産リストから抹消される場合がある。このような抹消された(元)世界遺産は過去に2例が存在する。


アラビアオリックスの保護区(オマーン)
物件名の通り、野生種が絶滅したアラビアオリックスの保護区。
2007年1月、オマーン政府は天然ガス・石油の資源開発を優先させるために保護区を約1/10に縮小。IUCNは抹消を勧告し、世界遺産委員会ではこれへの反対意見も出たが、オマーンが開発優先の意向を堅持したこともあり初の抹消事例となった。


ドレスデン・エルベ渓谷(ドイツ)
エルベ川上流の渓谷にドレスデン市などの文化的景観が広がる。
ドレスデンでは車両交通量の増加に悩まされており、その解決策としてエルベ川に橋を架けることが提案された。これに対しUNESCOは橋が建設された場合景観が破壊されると見なし2006年危機遺産リスト入り、色々議論はあったものの住民投票では建設賛成派67%という結果が出ていたこともありドレスデンは橋の建設に踏み切り、これにより2009年の世界遺産委員会で抹消が決定した。


海商都市リヴァプール(フランス)



日本の世界遺産


世界遺産(日本)を参照。


世界各地の主な世界遺産



古都トレド(スペイン)
かつての西ゴート王国の首都で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教による異文化の混合が色濃く残る。ギリシャ人画家エル・グレコが活躍した地としても知られている。


フランスのサンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼路(フランス)、サンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼路:カミーノ・フランセスとスペイン北部の巡礼路群(スペイン)、サンティアゴ・デ・コンポステラ(旧市街)(スペイン)
キリスト教三大巡礼地とそこに至る巡礼路。巡礼路沿いにもロマネスク様式の修道院や聖堂が建てられ、巡礼路を経てロマネスク文化も伝播していった。


アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術(スペイン)
旧石器時代に描かれた著名な洞窟壁画。もとはアルタミラ洞窟のみでの登録であったが、2008年他の17の洞窟と併せて拡大登録された。


ビスカヤ橋(スペイン)
世界最古の運搬橋。橋梁から吊るされたゴンドラが人や自動車を対岸まで運ぶ。


アントニ・ガウディの作品群(スペイン)
アラモスタウンバルセロナに建つ、建築家ガウディが設計した建造物。最も有名なサグラダ・ファミリアはかつて完成までに100年以上かかるとも言われていたが、技術の進歩などもあり現在は2026年の完成が予定されている。その他にも独特なオブジェクトが並ぶグエル公園やドクロのようなバルコニーを有するカサ・バトリョなど独特のデザイン性を有する建築物が点在している。


イビサ、生物多様性と文化(スペイン)
地中海に浮かぶバレアレス諸島の南西部にあるイビサ島。有数のリゾート地でありドラッグ汚染のイメージを抱く人もいるかもしれないが、周辺海域の生態系にも恵まれている他、かつて島を支配したフェニキア人・カルタゴ人・ローマ帝国・ビザンツ帝国などの足跡も残る複合遺産である。


グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン(スペイン)
ナスル朝の首都であったグラナダに建つ宮殿。特にアルハンブラ宮殿は「イスラーム建築の華」と称えられ評価が高い。


マデイラ島の照葉樹林(ポルトガル)
大西洋に浮かぶマデイラ諸島にある、氷河期の影響を免れた太古の森。余談だがマデイラ島はサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドの出身地でもある。


パリのセーヌ河岸(フランス)
ミアレシティパリ市内を流れるセーヌ川沿いに位置するエッフェル塔・ルーブル美術館・コンコルド広場・ノートルダム大聖堂などの有名スポットが登録範囲内となっている。ちなみにエッフェル塔が経つシャン・ド・マルス公園に隣接する場所にUNESCOの本部が建っていたりする。


ヴェルサイユの宮殿と庭園(フランス)
「朕は国家なり」で有名な太陽王ルイ14世の時代にパリ郊外に建造された絢爛豪華な宮殿。特に鏡の間が有名であり、当時招待された外国特使たちを皆驚嘆させたという。


シャルトル大聖堂(フランス)
フランスにおけるゴシック建築の最高傑作として名高い。ステンドグラスも圧巻。


モン・サン・ミシェルとその湾(フランス)
大天使ミカエルのお告げにより、ノルマンディの海に浮かぶ岩山に建てられた大修道院。観光地としての人気は絶大で、名物料理はオムレツ。


ポン・デュ・ガール(ローマの水道橋)(フランス)
古代ローマ時代に建設された、ガルドン川に架かる水道橋。


リヨン歴史地区(フランス)、アヴィニョン歴史地区(フランス)
●●歴史地区」の名で歴史的町並み・文化が世界遺産登録されている例が多数ある。フランスでは絹織物で栄えたリヨンや教皇庁が存在したアヴィニョンが登録されている。


ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―(フランス、スイス、ベルギー、ドイツ、アルゼンチン、インド、日本)
物件名の通り建築家ル・コルビュジエの設計した建造物で、初の複数大陸に跨った世界遺産。登録物件はフランスを中心とした7ヶ国17件で(うち10件がフランス)、日本からは東京都の上野にある国立西洋美術館が登録された。


ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(イタリア、バチカン市国)、バチカン市国(バチカン市国)
ローマ市内に点在するコロッセオ、フォロ・ロマーノ、パンテオン、カラカラ帝の浴場などの古代ローマ時代の遺構や、バチカン市国内にあるサン・ピエトロ大聖堂などの著名な建築物群。ちなみにイタリアは現在保有する世界遺産物件が最も多い国でもある。


フィレンツェ歴史地区(イタリア)、ナポリ歴史地区(イタリア)
イタリアには特に「●●歴史地区」という物件名の世界遺産が多い。メディチ家の支配下にあったフィレンツェではルネサンス文化が栄え、ベッキオ橋や街のシンボルであるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂が有名である。ここを見て死ねとも言われるナポリは過去に支配者がコロコロ変わった影響が残る街並みであり、遠くにベスビオ山を眺める風光明媚さや洗濯物がはためく下町情緒あふれる光景などが見られる。


ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域(イタリア)
上述のベスビオ山が紀元79年に大噴火したことで火山灰に埋もれた街。そのためか保存状態が比較的良好で、1700年の時を経て発掘され噴火当時の人々の暮らしぶりが明らかになった。


ピサのドゥオモ広場(イタリア)
広場には大聖堂・鐘楼・洗礼堂・納骨堂が立ち並ぶ。白大理石で覆われたロマネスク様式の大聖堂も見る価値があるが、この鐘楼こそかの有名なピサの斜塔である。


レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院(イタリア)
イエス・キリストが裏切者の存在を指摘する場面を描いたダ・ヴィンチの超傑作が置かれているミラノ市内の教会。


ヴェネツィアとその潟(イタリア)
アルトマーレご存知水の都にしてアドリア海の女王。15世紀頃はヴェネツィア共和国の首都として繁栄し、シェークスピアが戯曲の題材にしたようにヴェニスの商人らが活躍していた。時折アックア・アルタと呼ばれる異常潮位現象が発生し、シンボルのサン・マルコ広場など街中が浸水することがあるのも有名。


ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(イタリア)
ポルトロッソジェノバの東側に位置する村々で、海と断崖絶壁に挟まれたわずかな土地に立ち並ぶ色とりどりの建物が印象的。
11世紀頃に要塞として築かれた歴史を持ち、1000年にわたり村々の間を行き来するのは船のみという、いわば陸の孤島だった。
その名前は「五つの土地」を意味しており、20kmほどの間に西からモンテロッソ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオ・マッジョーレの5つの村で構成されている。


アマルフィ海岸(イタリア)
30kmに渡って続く急斜面の断崖に幾つかの町が点在する光景が「世界一美しい海岸」とも称されている。


アルベロベッロのトゥルッリ(イタリア)
トゥルッリとはイタリア南部のアルベロベッロに見られる、白壁の建物にとんがり屋根がついた住宅のことである。トゥルッリが建てられた当時は家屋に税が課せられていたため、いざという時にはとんがり屋根を破壊して「これは家ではない!」と主張し課税を逃れるためにこのような形状の住宅が建ち並んだんだとか。


サンマリノの歴史地区とティターノ山(サンマリノ)
国内最高峰のティターノ山とその周辺に建ち並ぶ、現存する世界最古の共和国サンマリノの歴史を物語る建造物群。


ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群(ドイツ)
プロイセン王国時代の宮殿群など。その代表格であるサンスーシ宮殿はフリードリヒ2世の命によって建てられたロココ建築で、階段状のブドウ畑の先に建つ光景が風情あり。またこの名前から第二次世界大戦を思い浮かべる人も多いだろうが、そのポツダム会談が行われたのがサンスーシ宮殿の北東に位置するツェツィーリエンホーフ宮殿である。


アーヘン大聖堂(ドイツ)
カール大帝の時代に建てられ、その後神聖ローマ帝国では歴代皇帝の戴冠式が行われた地。ちなみに世界遺産を英名のアルファベット順に並べると先頭に来る。


ケルン大聖堂(ドイツ)
ドイツ文化を代表する世界最大のゴシック様式の建物。色々あって建設が遅々として進まず着工から600年以上経った1880年にようやく完成、当時は世界一高い建造物であった。近年は周辺に景観を破壊しかねない高層ビルの計画が持ち上がり一時危機遺産リスト入りしていたことも。


ライン渓谷中流上部(ドイツ)
古城やブドウ畑が続くライン川の一帯で、川下りは観光の定番の一つとなっている。伝説やハイネの詩で知られる巨岩ローレライも有名。


古典主義の都ヴァイマル(ドイツ)
ゲーテやシラーに代表されるドイツ古典主義の中心を担った街で、ゲーテが晩年を過ごした自宅などが残されている。世界遺産とは関係ないがヴァイマル憲法が制定されたことでも知られる。


ラヴォーの葡萄畑(スイス)
レマン湖北岸の丘陵地帯に広がる段々畑。スイスワインの代表的な産地である。


キンデルダイク=エルスハウトの風車網(オランダ)
海面より低い地域が多いオランダには欠かせないネーデルガンダム排水用風車が林立する地域。その風車が建ち並ぶ光景はオランダという国を象徴するものの一つとなっている。


ブリュッセルのグラン・プラス(ベルギー)
ベルギー首都の旧市街に位置する広場で、作家ユーゴーに「世界一豪華な広場」と評された。広場の周囲を市庁舎や多数のギルドハウスが取り囲んでいる。


ウェストミンスター宮殿、ならびに聖マーガレット教会を含むウェストミンスター寺院(イギリス)
首都ロンドンのウェストミンスター地区に位置する建造物群。現在は英国議会の議事堂として使われるウェストミンスター宮殿、戴冠式などの王室行事が執り行われ歴代君主や政治家・詩人などが埋葬されているウェストミンスター寺院など。宮殿は著名な時計塔のビッグ・ベンも含まれる。


マリタイム・グリニッジ(イギリス)
世界標準時の基準となっているグリニッジ天文台が有名な港町。街の水運史と関わりを持つ歴史的な建物も貴重。


ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群(イギリス)
天体観測施設とも宗教的な祭祀の施設とも言われている謎多き環状列石。ストーンヘイジではないよ


アイアンブリッジ峡谷(イギリス)
鉄橋としては最も古くに造られた部類に入る。織機・紡績機の改良と共にイギリスにおける産業革命を支えた製鉄技術の発達を象徴する建造物と言えよう。


海商都市リヴァプール(イギリス)
現在はザ・ビートルズの出身地としても知られるイギリス第2の都市。18世紀は三角貿易の拠点であり、イギリス→(日用品・武器)→アフリカ→(奴隷)→アメリカ→(綿花・砂糖)→イギリスという形で貿易が盛んであった。奴隷絡みのため負の遺産としての要素もあり、再開発計画のため危機遺産にもなっている。


エディンバラの旧市街と新市街(イギリス)
スコットランドの首都。エディンバラ城やホリールード宮殿に象徴される旧市街と18世紀に建設されたジョージアン様式の建物が並ぶ新市街から成る。訪れても田舎者だからといって追い返されるなんてことはない(多分)。


ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸(イギリス)
北アイルランドに位置する、柱状節理(←詳しくはググるべし)によりできた玄武岩の多角柱が続く海岸。その奇観は一帯に伝わる巨人伝説になぞらえジャイアンツ・コーズウェー(巨人の石道)と名付けられた。


クロンボー城(デンマーク)
海峡通行税の徴収拠点として設けられ、その後歴代デンマーク王が居住した。シェークスピアの戯曲「ハムレット」の舞台として知られている。


西ノルウェーフィヨルド群―ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド(ノルウェー)
ノルウェー西海岸にはNice boat.の背景として有名なソグネフィヨルドなど多数のフィヨルドが連続している。そのうちの2つが世界遺産リスト入りした。


ドロットニングホルム宮殿(スウェーデン)
首都ストックホルム郊外に建つ「北欧のヴェルサイユ」と称された離宮。18世紀後期、国王グスタフ3世の下演劇や舞踏会が催され文化が成熟した。


シングヴェトリル国立公園(アイスランド)
930年に世界初の民主議会「アルシング」が開かれた地。海嶺の地上露出部分(つまりプレートの境目)でありギャウと呼ばれる大地の裂け目も見られる。


ワルシャワ歴史地区(ポーランド)
ポーランドの首都の旧市街エリア。第二次世界大戦時にドイツ空軍により徹底的に破壊されたが、戦後市民の努力により忠実に復元された。このような経緯から、世界遺産登録にあたっては復元文化財に顕著な普遍的価値の真正性があるか問われたが、最終的に破壊からの復元および維持への人々の営みが評価されて無事世界遺産リスト入りし、その後建材自体が新しくても建材や工法が過去の伝統を維持している場合にも真正性が認められるようになった。


タリン歴史地区(エストニア)、リガ歴史地区(ラトビア)、ビリニュス歴史地区(リトアニア)
バルト三国首都の旧市街はいずれも世界遺産となっている。いずれも支配者がコロコロ変わる激動の歴史を歩んでおり、それが街並みにも反映されている。


シュトルーヴェの測地弧(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ベラルーシ、モルドバ、ウクライナ)
10ヶ国に跨る珍しい世界遺産。天文学者のフリードリヒ・フォン・シュトルーヴェが設けた測量点で、これを用い地球の大きさを測定することに成功した。


ウィーン歴史地区(オーストリア)、シェーンブルン宮殿と庭園(オーストリア)
およそ7世紀に渡ってハプスブルク家が支配してきたオーストリアの首都。旧市街から5kmほど離れたシェーンブルン宮殿が先立って世界遺産登録され、その5年後旧市街にある王宮・聖シュテファン大聖堂・自然史博物館などのさまざまな様式の建造物がウィーン歴史地区として宮殿とは別に登録された。


ザルツブルク歴史地区(オーストリア)
岩塩の交易により栄えた街であり、「塩の城」を意味する名がついた。バロック建築が多く建ち並ぶ他、下ネタ好きでも知られる作曲家モーツァルトの生家もある。


ゼメリング鉄道(オーストリア)
世界初の山岳鉄道。開通したことでウィーンからアルプス山脈を越えてグラーツなど南部の都市、更にはヴェネツィア・リュブリャナ(スロベニアの首都)・ザグレブ(クロアチアの首都)など国外へと向かうことが可能になった。現在は電化され現役バリバリで運行しており、車窓からアルプスの景色を眺められる。


ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り(ハンガリー)
市内をドナウ川が流れるハンガリーの首都。元々はドナウ川西側がブダ、東側がペストと独立した都市であったのが1873年に合併した。ブダ地区には小高い丘の上にブダ城(王宮の丘)が建ち、ドナウ川に架かる橋のうちその見た目から名がついた鎖橋が有名。更にペスト地区には1896年に開通したヨーロッパ初の地下鉄が通る。


シギショアラ歴史地区(ルーマニア)
ドイツ出身の商工業者によって栄えた街。吸血鬼ドラキュラのモデルとなったヴラド・ツェペシュ伯爵の生地として有名。


カルパティアなどの欧州各地のブナ原生林群(ウクライナ、スロバキア、ドイツ、アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、イタリア、ルーマニア、スロベニア、スペイン)
日本の世界遺産である白神山地と同じブナの原生林で、維管束植物・菌類・コケ・大型哺乳類など生物相に富む。元々は2007年にウクライナとスロバキアに跨るカルパティア山脈のみが登録されたが、2011年にドイツのブナ林が追加された上、2017年の拡大登録では他9ヶ国も追加された結果上述のシュトルーヴェの測地弧を上回って12ヶ国に跨る世界遺産物件となった。


プリトヴィツェ湖群国立公園(クロアチア)
高さの違う湖が滝で繋がるという珍しい景観。ミネラル・有機物の量や日照角度の違いにより湖群は様々な色彩を見せる。


ドゥブロヴニク旧市街(クロアチア)
クロアチア南端に位置するアドリア海と城壁に囲まれた旧市街。連なる赤レンガの屋根がアドリア海に映える光景が美しく、その街並みは「アドリア海の真珠」と称されるほど。


アテネのアクロポリス(ギリシャ)
ご存知古代ギリシャ文明を象徴する都市。丘の上に建つ有名なパルテノン神殿を始めとして当時の遺跡が多く残る。


メテオラ(ギリシャ)
ミチーナ奇岩の上に修道院が建つ光景は一度見たら忘れられない。奇岩の頂上を結ぶロープウェイもあるがよくあるロープウェイを想像したら大間違い、画像検索すればわかるが高所恐怖症でなくてもビビること請け合いである。


オリンピアの考古遺跡(ギリシャ)
古代オリンピックが行われた地でかつてスポーツ施設があった。現在オリンピックの聖火はここにあるヘラ神殿にて凹面鏡を用いて太陽から採火されている。


アトス山(ギリシャ)
海と山に隔てられたギリシャ正教の聖地。修道士による自治が行われており女人禁制である。


神学者聖ヨハネ修道院と黙示録の洞窟を含むパトモス島の歴史地区(ホーラ)(ギリシャ)
聖ヨハネが神の啓示を受けて黙示録を記した地。エーゲ海に浮かぶ島々には他にもロードス島・デロス島などに世界遺産がある。


ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群(トルコ)
人気の観光地の一つで、奇岩が林立する光景が目を引く他、洞窟住居や修道院も見られる。


イスタンブール歴史地区(トルコ)
ヨーロッパとアジアの境目と言える地。アヤ・ソフィアは聖堂として建てられ、オスマン帝国時代にはモスクとして転用され、現在は博物館である。その他、ブルー・モスクの異名を持つスルタンアフメト・モスクやオスマン帝国の君主が暮らしたトプカプ宮殿などが並ぶ。


トロイの考古遺跡(トルコ)
ホメロスの叙事詩「イリアス」に記されたトロイア戦争の実在を信じたドイツ商人シュリーマンが発掘した遺跡。遺跡が本当にイリアスなのかどうかは議論が分かれているが、この発掘が考古学の発展に寄与したことは間違いない。


城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔(アゼルバイジャン)
カスピ海に面したアゼルバイジャンの首都。旧市街にはイスラムの建物が建ち並ぶ。


モスクワのクレムリンと赤の広場(ロシア)
クレムリンはロシア語で城塞を意味し、ここでは建ち並ぶ宮殿や大聖堂を指す。クレムリンに隣接する赤の広場では、玉ねぎ型の屋根にカラフルな外観の聖ワシリー大聖堂が有名。


サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群(ロシア)
かつての帝政ロシアの首都。聖イサーク大聖堂やペトロパヴロフスク要塞など多くの建造物が登録範囲内に含まれているが、とりわけエルミタージュ美術館が有名。


バイカル湖(ロシア)
世界最高の透明度と深度を誇る湖。生息する水生生物の約8割がバイカルアザラシなどの固有種である。



済州の火山島と溶岩洞窟群(韓国)
済州島は韓国の最南端に浮かぶ火山島であり、国内最高峰の漢拏山などが登録範囲で植物相も独特。島は日本人観光客にも人気で、石と風と女の3つが多いと言われていたり格闘家のチェ・ホンマンの出身地だったりする。


北京と瀋陽の明・清王朝皇宮(中国)
15世紀初めに明の永楽帝の時代に建てられた北京の故宮(かつての紫禁城)は世界最大の皇宮であり、博物館となった現在も北京のシンボル的存在である。ちなみに中国の世界遺産物件数はイタリアに次いで多い。


万里の長城(中国)
北方からの異民族に備えて築かれた、全長6000kmにも及ぶ城壁。宇宙から肉眼で見える唯一の建造物…というのはガセらしい。
2016年9月には杜撰な修復の仕方が話題に…


秦始皇帝陵及び兵馬俑坑(中国)
紀元前3世紀に初めて中国統一を果たした始皇帝が建造させた。兵馬俑は現在8000体ほど発見されており、兵士の俑にはどれ一つとして同じ顔をしたものはないという。


マカオ歴史地区(中国)
現在カジノリゾートとしても有名なマカオは1999年までポルトガルの統治下にあり、かつてイエズス会が拠点を設けていたこともあって西洋文化と中国文化の両方が見られる。火災により大半が焼失し建物正面のみが残った聖ポール天主堂などが登録されている。


峨眉山と楽山大仏(中国)
峨眉山は中国四大仏教聖地の一つかつ中国三大霊山の一つ。楽山大仏は世界最大の磨崖仏(石壁を彫って造られた仏像)である。


九寨溝の渓谷の景観と歴史地域(中国)
渓谷内に多数連なる湖沼は、石灰岩に含まれる炭酸カルシウムの影響で透明度が高くまさに絶景である。


四川省のジャイアントパンダ保護区(中国)
絶滅危惧種であるジャイアントパンダのおよそ3割が生息している。絶対にスチール星人に知られてはいけない場所


莫高窟(中国)
タクラマカン砂漠東端に位置し、井上靖の歴史小説の題材にもなった敦煌の郊外にある世界最大級の石窟寺院。4世紀からおよそ1000年に渡って造窟され続け、明時代に一旦は放棄されて砂に埋もれるものの、1900年に敦煌文書が発見されたのを機に再び注目を集めるようになった。


ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群(中国)
チベットの中心都市ラサに建つポタラ宮などの史跡。ポタラ宮は歴代のダライ・ラマの住居及び政務を執る場所として用いられた。


アンコール(カンボジア)
802年~1432年に栄えたアンコール朝の都。アンコール朝では王位継承を血縁ではなく実力で奪取するのが慣例であり、そのため即位した王は権力誇示のために王宮や寺院を造営した。そんな中1113年に第18代王スールヤバルマン2世によってアンコール・ワットが、1181年に第21代王ジャヤバルマン7世によってアンコール・トムが造営された。アンコール・ワットは現在のカンボジア国旗にも描かれるなど同国を象徴する存在であるが、実はアンコール・トムの方が規模が大きい。


プレアビヒア寺院(カンボジア)
タイとの国境近くにあるヒンドゥー教寺院。かつてタイと領有権が争われ、1962年に国際司法裁判所によりカンボジアに帰属すると判決が出て一旦対立は沈静化したが、2008年の世界遺産登録を機に国境紛争が勃発してしまった。


ハー・ロン湾(ベトナム)
大小様々な奇岩が屹立する湾。その景観は中国の桂林に酷似している。


スコータイの歴史上の町と関連の歴史上の町(タイ)、古都アユタヤ(タイ)
13世紀~15世紀に栄えたスコータイ朝、14世紀~18世紀に栄えたアユタヤ朝の古都。アユタヤはかつて山田長政が活躍した日本人町があったことでも知られる。


シンガポール植物園(シンガポール)
東京ドーム13個分もの広さを有する広大な植物園で、シンガポール初の世界遺産。


ボロブドゥール寺院遺跡群(インドネシア)
アンコール・ワットと並び東南アジアを代表する仏教遺跡であるボロブドゥール寺院は、120m四方の基壇の上に建つピラミッド状構造・内部空間が存在しない・繊細なレリーフの彫刻群などが特徴である。併せて世界遺産に登録されているムンドゥッ寺院とパオン寺院を含めた3つの寺院は一直線上に並んでおり、未だ理由が解明されていない一方神秘的でもある。


コモド国立公園(インドネシア)
世界最大級のトカゲであるコモドオオトカゲの生息地。イモトアヤコが追いかけられる羽目になった


フィリピン・コルディリェーラの棚田群(フィリピン)
ルソン島北部に広がる棚田地帯で、その景観は「天国への階段」とも形容される。少数民族のイフガオ族により造成され2000年に渡って守られてきた。その形状から機械が入らないため、稲は手作業で植えられている。


タージ・マハル(インド)
インド・イスラーム文化を代表する白大理石の霊廟。ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが亡き王妃ムムターズ・マハルのために建て、後に自身も埋葬された。


デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群(インド)
クトゥブ・ミナールはデリーにある世界一高いミナレット(イスラム教施設に建つ尖塔)。同じ敷地内には1500年以上の間錆びていないデリーの鉄柱が建っている。


エローラ石窟(インド)
仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教の石窟寺院が隣接して建ち並ぶ。最大規模を誇る第16窟のカイラーサナータ寺院(ヒンドゥー教)が最も有名で、およそ100年もの歳月をかけて岩を掘り造営したという。


インドの山岳鉄道群(インド)
かつてはダージリン・ヒマラヤ鉄道のみが登録されていたが、後にニルギリ山岳鉄道、カールカー=シムラー鉄道が拡大登録されて現在に至る。ダージリン・ヒマラヤ鉄道は紅茶で有名なダージリン地方を走る登山鉄道。路面電車のごとく街中を走る光景も知られる他、運行速度は遅く(登山鉄道なので止むを得ないが…)トラブルから運転打ち切りになったりもする。


カンチェンジュンガ国立公園(インド)
世界第3位の高峰カンチェンジュンガを含んだエリア。後述の世界最高峰サガルマータが自然遺産であるのに対し、こちらは自然美・生物多様性・聖なる山としての文化的側面が評価されて堂々の複合遺産登録である。


仏陀の生誕地ルンビニ(ネパール)
仏教の開祖・釈迦が生母摩耶夫人の脇の下から生まれ、7歩歩いて右手で天空を指し左手で大地を指して「天上天下唯我独尊」と声を出したという怪しい伝説の舞台。


カトマンズ渓谷(ネパール)
ヒンドゥー教と仏教が共存してきたネパールの首都。大地震が発生しやすい地域であり、2015年4月の地震でも大きな被害を受け復興が待たれる。


サガルマータ国立公園(ネパール)
世界最高峰エベレスト(ネパール名サガルマータ、チベット名チョモランマ)を抱える国立公園。登録基準は(7)のみであるが動植物相も独特。


古都シーギリヤ(スリランカ)
空中都市の如き岩上の王宮跡を中心とした遺跡。スリランカを代表する観光地であるが、外国人の入場料はスリランカ国民の数十倍というぼったくり仕様だとか…


モヘンジョ・ダロの考古遺跡群(パキスタン)
歴史の教科書でもお馴染みであろう、四代文明の一つであるインダス文明を代表する都市遺跡。


シルクロード:長安-天山回廊の交易路網(中国、カザフスタン、キルギス)
ユーラシア大陸の東西交流史において中心的な役割を果たしたシルクロードの関連遺跡のうち、上記3ヶ国にある33件が世界遺産に登録された。その登録範囲の総延長は8700kmにも及び、文化遺産としては世界最大級である。その3ヶ国以外にもシルクロード関連の遺跡が暫定リスト入りしている他、本項目で物件名を挙げた莫高窟・サマルカンド・バーミヤンなどシルクロードとの繋がりを持つ世界遺産物件も幾つか存在する。


サマルカンド―文化交差路(ウズベキスタン)
ティムール帝国の都などで栄えた街。帝国衰退後も残る青緑色を基調とした建造物が目を引く。


ペルセポリス(イラン)
紀元前5世紀に栄えたアケメネス朝ペルシアの首都。


イスファハンのイマーム広場(イラン)
サファヴィー朝の都として「世界の半分」と呼ばれるほどの栄華を誇ったイスファハンにある広場で、青を基調としたアラベスク模様に覆われたモスクなどが残る。


バムとその文化的景観(イラン)
要塞都市の遺跡であったが、2003年に地震で甚大な被害を受け、翌年に世界遺産に緊急登録されると同時に危機遺産リスト入りした。この際バムは暫定リスト入りしていなかったが、その過程を飛び越えて登録されたという稀有な例である。なおその後遺跡の修復・保全活動が実り2013年には危機遺産リスト除外を果たした。奇跡。


カディーシャ渓谷と神の杉の森(レバノン)
レバノンを象徴し国旗にも描かれているレバノンスギの貴重な自生地で、長年の伐採が祟り現在この地に残るのは1000本ほどのみ。ちなみにレバノンスギはスギ目スギ科ではなくマツ目マツ科だったりする。


ペトラ(ヨルダン)
古代ナバタイ王国の都で、岩山の中に建つ要塞。人気の高い観光地の一つで、インディ・ジョーンズ 最後の聖戦(映画)のロケ地にもなった。多数の遺跡が発見されたが未発掘の箇所の方が多いらしく、今後も新たな発見がなされそうである。


シバームの旧城壁都市(イエメン)
砂漠に林立する高さ30m前後の高層住宅群で、「砂漠のマンハッタン」などと形容される。


サナア旧市街(イエメン)
世界で最も古くからある街とも言われているイエメンの首都。漆喰で装飾されたレンガ積みの建物が建ち並ぶ光景が見ごたえあり。


ソコトラ群島(イエメン)
インド洋に浮かぶ島。「インド洋のガラパゴス」とも言われる生態系と、何より竜血樹やデンドロシキオス・ソコトラーナなど独特の外観を有する樹木が建ち並ぶ特異な光景が特徴的。



メンフィスとその墓地遺跡―ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯(エジプト)
かの有名なピラミッド。ギザに位置するクフ王・カフラー王・メンカウラー王の三大ピラミッドを中心に、近隣の幾つかのピラミッドが登録範囲。


古代都市テーベとその墓地遺跡(エジプト)
ピラミッドと共に古代エジプト文明を物語る、王家の谷・カルナック神殿・ハトシェプスト女王葬祭殿などの遺跡群。


アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群(エジプト)
略史の項目でも述べた世界遺産誕生の契機となった遺跡。入口に4体のラムセス2世像が置かれたアブ・シンベル大神殿など。


レプティス・マグナの考古遺跡(リビア)
北アフリカにおける古代ローマ期の都市遺跡を代表する物件。


タッシリ・ナジェール(アルジェリア)
サハラ砂漠のど真ん中に位置する山脈で、砂岩のアーチが並ぶ光景や新石器時代の人々の生活を物語る岩絵を有する。


マラケシュ旧市街(モロッコ)
マグレブ(北西アフリカ)最初の統一王朝ムラービト朝の首都であった地。旧市街は北アフリカ最大規模で、屋台が並び大道芸人も多くいつも賑わっているジャマ・エル・フナ広場はUNESCOの無形文化遺産にもなっている。


カルタゴ遺跡(チュニジア)
地中海貿易で栄えたフェニキア人国家カルタゴの中心地。ローマ軍によって滅亡させられた後は植民都市となり、主にその時代の建造物が残っている。


ジェンネ旧市街(マリ)、トンブクトゥ(マリ)
まとめて双子の姉妹と称されたサハラの交易都市。ジェンネを象徴するのは街の中心に建つ大モスクで、雨季に表面の泥が流された際には人の手によって修復される。トンブクトゥはジェンネの繁栄とは対照的に17世紀以降衰退していったが街にはモスクが残り、この地を訪れたアントニ・ガウディにも影響を与えたという。


W=アルリ=ペンジャリ自然公園群(ニジェール、ブルキナファソ、ベナン)
W国立公園はサバンナ地帯と熱帯雨林地帯を両方有する、アフリカで最も暑い場所とも言われる地。公園内を流れるニジェール川の形状からWの名がついた。の生えそうな名前だが実際植物相も豊富である。当初はW国立公園のみが登録で、2017年にアルリ・ベンジャリの両国立公園にも登録範囲が拡大された。


ラリベラの岩窟教会群(エチオピア)
エチオピアの高地に残る教会群。一枚岩を掘り下げるという特殊な工法は世界の石造建築史から見ても貴重であり、特に大地から十字架が出現したような外観のベテ・ギョルギア(聖ゲオルギウス聖堂)が有名。


ンゴロンゴロ保全地域(タンザニア)
巨大なクレーターの中に広がる保護区で、ライオンなどの野生動物とも遭遇しやすい。元は自然遺産で、保全地域内のオルドヴァイ渓谷で発見された初期人類の化石などの価値も認められて複合遺産へと拡大登録された。


セレンゲティ国立公園(タンザニア)
アフリカを代表する国立公園の一つ。生息している動物の約3割がヌーであると言われ、隣国ケニアのマサイマラ国立保護区との間を大移動するヌーの大群が壮観。


マラウイ湖国立公園(マラウイ)
湖はタンザニア・モザンビークにも跨っているが、世界遺産の登録範囲はマラウイ領に属するほんの一部のみ。「湖のガラパゴス」と言われるほど固有種が多く、特に淡水魚のシクリッド(カワスズメ)が多数生息している。


モシ・オ・トゥニャ/ヴィクトリアの滝(ザンビア、ジンバブエ)
ザンベジ川の中流域に位置する世界三大瀑布の一つ。モシ・オ・トゥニャとはマコロロ族の言葉で「雷鳴の轟く水煙」意味し、1855年にこの地を訪れたイギリス人探検家リヴィングストンによって、当時の女王の名を冠した「ヴィクトリアの滝」の名が与えられた。


国史跡グレート・ジンバブエ遺跡(ジンバブエ)
「大囲壁(グレートエンクロージャー)」などの構造物が特徴的な石造遺跡。当初はフェニキア人が南下して建造したと思いっきり誤解されたまま調査が進んでいた。


ツォディロ(ボツワナ)、トゥウェイフルフォンテーン/ツウィツァウス(ナミビア)
いずれも狩猟採集民が残した岩絵群。特にツォディロは狭い地域に岩絵が集中しており、「砂漠のルーブル」の異名を持つ。


オカバンゴ・デルタ(ボツワナ)
カラハリ砂漠の中にある世界最大の内陸デルタ。季節によって違った姿を見せ、砂漠内のオアシスとして野生動物の姿も見られる。2014年に世界遺産登録され、本物件が1000件目の世界遺産であると公式にアナウンスされた。


南アフリカの人類化石遺跡群(南アフリカ)
アウストラロピテクスが最初に発見されるなど多数の人類化石が出土し人類の進化の研究に大きく寄与、「人類のゆりかご」とも呼ばれるようになった。なおアジアの項目では触れなかったが、北京原人やジャワ原人も化石が出土した地が世界遺産に登録されている。


フレデフォート・ドーム(南アフリカ)
世界最大の隕石衝突跡(クレーター)。20億2300万年以上前に形成されたと考えられ、直径は約190kmを誇る。


アルダブラ環礁(セーシェル)
アルダブラゾウガメなど固有の生態系を抱えるインド洋に浮かぶ環礁。環礁としてはキリバスのクリスマス島に次いで2位の広さを誇る。



ウルル=カタ・ジュタ国立公園(オーストラリア)
ウルルはエアーズロックの名でも知られる世界で2番目に大きい一枚岩で、岩山群のカタ・ジュタ(マウント・オルガ)と共に自然遺産に登録され、後に先住民アボリジニの文化的側面も認められ複合遺産に拡大登録された。


グレート・バリア・リーフ(オーストラリア)
世界最大の珊瑚礁として非常に有名。


シドニー・オペラハウス(オーストラリア)
帆船のような外観が目を引くシドニーのシンボル。竣工は1973年で、疑いなく最も完成したのが新しい世界遺産である。


トンガリロ国立公園(ニュージーランド)
ニュージーランドの北島に位置する国立公園。東半球における環太平洋火山帯最南端に位置し、当初自然遺産として登録されたが後に原住民マオリ族の聖地としての価値も認められた。文化的景観と認定された最初の世界遺産でもある。


テ・ワヒポウナム―南西ニュージーランド(ニュージーランド)
ニュージーランド南島の南西部に位置する4つの国立公園などが登録範囲。ミルフォード・サウンドなどのフィヨルドや国内最高峰のクック山を含む。ちなみにテ・ワヒポウナムとはマオリ語で「翡翠の産地」を意味する。


ロックアイランド群と南ラグーン(パラオ)
狭い地域に集中するマリンレイク群やかつての定住者の痕跡が特徴であるパラオ初の世界遺産。



自由の女神像(アメリカ)
ご存知ニューヨークのリバティ島に建つ世界一有名な銅像で、アメリカ合衆国独立100周年を記念してフランスが寄贈した。アメリカ横断ウルトラクイズでもお馴染みである他、映画好きの人は某SF映画(猿の惑星)のラストシーンを思い浮かべるかもしれない(自由の女神は他にも幾つかの映画で悲惨な目に遭っていたりする)。


グランド・キャニオン国立公園(アメリカ)
コロラド川の急流により数千万年の時をかけて浸食された世界最大の渓谷の景観は圧巻と言う他ない。それに加えて、先カンブリア時代(約20億年前!)からペルム紀までの地層を目の当たりにできる点や、豊富な動植物相を抱えている点でも大変貴重な場所である。高所恐怖症でない方はスカイウォークも是非。


イエローストーン国立公園(アメリカ)
世界で初めて国立公園に指定された場所。火山帯に位置し、地熱による間欠泉などが主な見どころとなっている。オールド・フェイスフル・ガイザーは世界一有名な間欠泉と言われており、faithful(忠実)の名の通りほぼ一定間隔で忠実に噴出する。熱水泉のグランド・プリズマティック・スプリングはバクテリアの影響により水色の泉をオレンジ色などが囲う独特の色彩を見せる。ちなみにイエローストーンの地下には膨大な量のマグマが溜まっており、もし噴火を起こせば(破局噴火)半径1000km以内に住む90%の人が火山灰で窒息死する・地球の年平均気温は6年から10年の間10度下がるなどのとんでもないシミュレーション結果さえ出ている(もちろんそうなった場合イエローストーンは完全に消し飛ぶ)。とはいえ、噴火を起こすのは数十万年先とは言われているが…。
某財団の職員はこの場所を認識できない。


ヨセミテ国立公園(アメリカ)
アメリカ西部を走るシエラネバダ山脈内に位置する。公園の中心であるヨセミテ渓谷にはヨセミテ滝や半球を割ったような岩山ハーフドーム、世界最大の花崗岩の一枚岩エル・キャピタンといったスポットがある他、巨木セコイアデンドロンなどを含む多様な植生(標高差が700m~4000mと大きいため)が特徴。


ハワイ火山国立公園(アメリカ)
ハワイ島に位置する火山を含んだエリア。とくに有名なのがキラウエア火山で、溶岩が流出している様子を比較的安全かつ容易に見ることができる。


リドー運河(カナダ)
首都オワタオタワとキングストンを結ぶ全長約200kmの運河。運河が凍りつく冬期には世界最長のスケートリンクへと変貌する。


ケベック旧市街の歴史地区(カナダ)
フランス語を母語とする住民が大半を占める街で北米唯一の城塞都市。旧市街・アッパータウンのランドマークは高級ホテルのシャトー・フロントナック。


カナディアン・ロッキー山脈自然公園群(カナダ)
ロッキー山脈のカナダ領内部分に位置するバンフ、ジャスパーなど4つの国立公園及び3つの州立公園が登録されている。また、このエリアはアノマロカリスオパビニアハルキゲニアといったバージェス動物群の化石が出土した地を含んでいる。


メキシコシティ歴史地区とソチミルコ(メキシコ)
かつてはアステカ王国の首都テノチティトランであったがエルナン・コルテスに征服され滅亡、新たにメキシコシティが築かれ、現在は世界有数の大都市へと成長している。ソチミルコはメキシコシティ郊外の水郷地帯。ここに位置する人形島はホラースポットなので検索は自己責任で


古代都市テオティワカン(メキシコ)
紀元前2世紀から6世紀まで繁栄したテオティワカン文明の中心地。太陽のピラミッドは上述のエジプト・ギザに建つクフ王、カフラー王のピラミッドに次ぐ世界3番目の大きさを誇る。また夏至の日には太陽がピラミッドの正面に沈む位置に設計されており、テオティワカン文明が天文学の知識を有していたことが窺える。


テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観(メキシコ)
テキーラの産地。原料となるリュウゼツランを栽培している農園や醸造所などの施設、加えてテキーラ醸造と直接関係はないが周辺の街並みや遺跡が登録されている。


古代都市チチェン・イッツァ(メキシコ)
ユカタン半島に位置するマヤ文明の遺跡。シンボル的なピラミッドのエル・カスティーヨや天文台のエル・カラコなどが残る。


オオカバマダラ生物圏保護区(メキシコ)
1億匹もの群れを形成して渡りを行う蝶・オオカバマダラが越冬する地。


ティカル国立公園(グアテマラ)
熱帯雨林に囲まれたマヤ文明最大の遺跡。


ベリーズ珊瑚礁保護区(ベリーズ)
上述のグレート・バリア・リーフに次ぐ広さを誇る珊瑚礁。直径約310mのブルーホールが圧巻。


ココ島国立公園(コスタリカ)
コスタリカ本土から約550km離れた太平洋上に浮かぶ、固有の動植物が多数生息する無人島。スティーブンソンの小説「宝島」や、ジュラシック・パークの舞台であるイスラ・ヌブラル島のモデルになったと言われている。


ハバナ旧市街とその要塞群(キューバ)
キューバの首都に建つバロック建築や新古典主義建築と、街の防衛目的で設けられた4つの要塞。


ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園(ジャマイカ)
マルーン(逃亡奴隷)が作り上げてきた文化と生物多様性が評価されたジャマイカ初の世界遺産。有名なコーヒーの銘柄・ブルーマウンテンの産地も含まれる。


サントドミンゴの植民都市(ドミニカ共和国)
現在のドミニカ共和国の首都で、探検家のクリストファー・コロンブスが到達し、最初に築いた植民都市。



カナイマ国立公園(ベネズエラ)
南アメリカ大陸北部に広がるギアナ高地にある国立公園。この一帯には、先住民がテプイと呼ぶテーブルマウンテンが多数存在する。そういったテーブルマウンテンの一つであるロライマ山は、オタマジャクシにならずカエルのまま孵化するオリオフリネラやコナン・ドイルの小説「失われた世界」の舞台になったことで知られる。またアウヤンテプイから流れ落ちるエンジェルフォールは世界一の落差を誇る滝として有名。


ガラパゴス諸島(エクアドル)
生息する島ごとに甲羅の形が異なるガラパゴスゾウガメ、海中に潜り海藻を食べるウミイグアナ…隔絶された環境のもと独自の進化を遂げた動物たち様子を観察するのにここ以上の好例はないだろう。そしてこの地を訪れた生物学者チャールズ・ダーウィンが「進化論」の着想を得たことも多くの人が知るところである。そして昨今の国際標準から離れた日本の産業がこの地になぞらえて「ガラパゴス化」と批評されたりもしている。


ナスカとパルパの地上絵(ペルー)
平原に数十m~数百mという大きさで描かれた動物や幾何学模様の絵。描かれた時期・方法・目的など、未だ解明されていない点も少なくない。


マチュ・ピチュの歴史保護区(ペルー)
世界遺産の中でも人気が高い、山の中に残るインカ帝国の謎多き都市遺跡。周辺に生息する希少動物も考慮されての複合遺産登録と相成った。


クスコ市街(ペルー)
かつてのインカ帝国の首都でその後この地を征服したスペイン人により新たな街が築かれた。そういったスペイン風の建物の土台となっているインカ時代の石垣はカミソリの刃一枚通さないと言われるほど精緻に積み上げられているのが特徴。ちなみに標高はマチュ・ピチュより高い。変な事を考えた人は表へ出ろ


ポトシ市街(ボリビア)
銀鉱山が存在したことで知られる街で、16世紀頃には世界の銀産出量の半分がこの地から送られた。鉱山では奴隷が働かされたことから負の遺産としての性質も有し、また鉱山の管理不十分による危機遺産でもある。ちなみに人が住む都市としては最も標高が高い(4067m)。


ラパ・ヌイ国立公園(チリ)
いわゆるイースター島。もちろん見所は島全体に建ち並ぶ謎多き像モアイである。


ブラジリア(ブラジル)
1960年内陸部ブラジル高原に新しい首都として築かれた計画都市。アルボラーダ宮殿(大統領官邸)やカテドラル・メトロポリターナなど近未来的な外観の建物が並ぶ光景が印象的。上空から見ると飛行機の形をしており、機首部分に政府機関の建物、両翼部分に高層住宅や大使館が位置している。ちなみに当時の大統領クビチェクの肝いりで行われたブラジリア遷都であるが、建設費が財政を苦しめたり産業が発達してないせいで国際航空線が少なかったり周囲の衛星都市が半ばスラム化したりと、手放しで成功したとはとても言えない状況である。


リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群(ブラジル)
リオデジャネイロの有名スポットであるコルコバードの丘のキリスト像、コパカバーナ海岸、リオデジャネイロ植物園、奇岩ポン・ヂ・アスカルなどの景観。


イグアス国立公園(ブラジル、アルゼンチン)
世界三大瀑布の一つイグアスの滝を含む国立公園。滝の中で最大の瀑布は「悪魔の喉笛」と呼ばれるスポットであり、セオドア・ルーズベルト米大統領夫妻がこの地を訪れた際、夫人をして「かわいそうなナイアガラ」と言わしめた。ちなみにブラジルのイグアス国立公園とアルゼンチンのイグアス国立公園は別物であり、それぞれが個別に世界遺産登録されている(ついでに言うと滝のおよそ8割がアルゼンチン領)。


ロス・グラシアレス国立公園(アルゼンチン)
南極とグリーンランドに次いで広い氷原・氷河群。夏期にはビルほどの大きさの氷塊が崩落する様子を目の当たりにすることができる。この地にある氷河の一つペリト・モレノ氷河は、地球温暖化の影響が叫ばれているこの時代において後退していないという珍しい氷河。


余談


  • 自然遺産の登録基準(7)~(10)を全て満たしている物件は多数あるが、文化遺産の登録基準(1)~(6)を全て満たしているのは上で紹介した莫高窟ヴァネツィアとその潟に加え(7)も満たし複合遺産となっている泰山(中国)のみ。また満たしている登録基準が最も多い物件は2つあり、この泰山{(1)~(7)}とタスマニア原生地域(オーストラリア){(3),(4),(6)~(10)}が10項目のうち7つを満たしている。

  • NPO法人世界遺産アカデミーにより世界遺産検定が実施されている。級は4級~1級(1級のみ2級に合格していないと受験できない)と、1級の合格者のみ受験でき世界遺産保全に対する考え方を論文形式で問われるマイスターが存在する。芸能人にも受験者が多く、中でも俳優の鈴木亮平は1級に合格した。世界遺産検定についての詳細は地理歴史科・公民科の項目を参照。

  • アーケードゲームのクイズマジックアカデミーでもかつて世界遺産検定が実施されたことがある。世界遺産関連の問題はオンライントーナメントなどを遊んでいても出題される可能性があり、相当マイナーな物件の問題もあるので正解できれば差をつけられるはずである。







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  • 世界遺産(日本)と内容が被っているが、新規頁を起こす前にチェックしている?明確に分けたいのなら、ページ名もカッコ付けで区別させないとダメだ。 -- 名無しさん (2016-06-29 17:50:29)
  • 世界遺産のいくつかがイスラム国に壊されてるみたいだけど -- 名無しさん (2016-06-29 19:05:57)
  • シド星で建てられるやつについては・・・ゲームのほうの項目か余談かな。ゲーム中の世界遺産とされるものと実在のものとの違いとか -- 名無しさん (2016-06-29 19:56:31)
  • ウルル=カタ・ジュタ国立公園でTiny Dungeonのキャラ名が世界遺産縛りってことに気付いた。 -- 名無しさん (2016-06-29 20:11:32)
  • 日本の世界遺産についてはこっちにあった情報をあっちに盛り込みました。それにしてもISの遺跡破壊は許せないな・・・(壊してたのはパルミラだったかと) -- 名無しさん (2016-06-30 05:02:56)
  • ずっと前から世界遺産検定を受けてみようと思ってるのに時間がなくて中々踏み出せない・・・。 -- 名無しさん (2016-07-17 20:29:35)
  • リバプールは消えた -- 名無しさん (2021-08-15 18:39:24)
  • ↑リバプールが風になった…ってコト!? -- 名無しさん (2024-01-08 16:19:10)

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